佐川光晴 - 集英社作品一覧

  • あけくれの少女
    4.2
    「どこで、どうやって生きていくのか、うちは自分で決めたい」12歳の少女・真記は上京を目指すも、80年代後半の狂騒に翻弄され……親世代にも子世代にも読んでほしい、宝石のような20年間を描いた佐川光晴の最新長編小説。 広島は尾道の小学五年生・真記は、1970年生まれ。子供のいない伯父夫婦からかわいがられ、養女になるかもと心配事は絶えない。中学では英語部の朗読劇が大成功をおさめ、英語を一生の仕事にしていこうと決意する。念願の学生生活は、80年代後半のバブル経済のただなかで、順調そうにみえたのだが……。 当時の時代背景や男女の考え方を、時に繊細に、時にユーモラスに描出する。真記と同時代を生きた人にも、そしていま同世代の人にも読んでほしい青春小説。
  • あたらしい家族
    3.3
    医学部入学を目指し大学浪人中のアキラは、いとこの善男が営む老人グループホーム「八方園」に下宿することになる。三十半ばでバツイチ、元役者、めっぽう口が悪くて老人たちを婆ぁ呼ばわりする善男だが、なぜかホームに暮らすみんなからの信頼は厚い。赤の他人ながら共同生活を送るうち、彼らは互いにかけがえのない存在になっていく。著者の代表作『おれのおばさん』に繋がる連作短編小説。
  • 大きくなる日
    4.0
    グーパーじゃんけんで人数の少ない方がコート整備をする。それが中学一年の太二が所属するテニス部のルール。ある日、太二は同級生の武藤にパーを出そうと持ち掛けられ、その結果、末永一人が負けてしまう。心にモヤモヤを抱えたまま、太二は翌日を迎えて……。(「四本のラケット」)子供も親も先生も、互いに誰かを育てている。四人家族の横山家の歩みを中心に、心の成長を描いた感動の家族小説。
  • おれたちの青空
    3.8
    1~4巻495~528円 (税込)
    父が横領罪で捕まって一家離散、陽介が札幌の養護施設“魴ぼう舎(ほうぼうしゃ)”に移って二年が経つ。中学三年の陽介と施設の仲間たちは高校進学を前に、将来を見据えてそれぞれの選択を下すことになり――(「おれたちの青空」)。表題作のほか、魴ぼう舎を運営する恵子おばさんの若かりし日を描いた「あたしのいい人」、陽介の相方でスポーツ万能の卓也目線で語られる「小石のように」の二作品を収録。話題の青春小説。
  • おれのおばさん
    3.8
    ある日突然、父の逮捕を知らされた陽介。父が横領した金を返済するため、陽介は都内の名門中学を退学し、母の姉が運営する札幌の児童養護施設、魴ぼう舎(ほうぼうしゃ)に入ることになる。急激な暮しの変化に当惑しながらも、パワフルなおばさんと個性豊かな仲間に囲まれて、陽介は“生きる”ことの本質を学んでゆく。ときに繊細で、たくましい少年たちの成長を描いた青春小説。第26回坪田譲治文学賞受賞作。 【ナツイチ2013対象作品】
  • 昭和40年男 ~オリンポスの家族~
    5.0
    1巻1,584円 (税込)
    昭和40年生まれの元体操日本代表選手・山田三男は、毎日主夫業をこなしながら、家族を優しく見守っている。大手スポーツメーカーの広報部長として家計を支える同齢の妻・莉乃、新体操の日本代表候補として活躍する22歳の長女・美岬、注目を集める姉にコンプレックスを抱く中2の次女・千春……。三男は自分が果たせなかったオリンピックへの夢を娘に託すのだが──。オリンピックを背景に、懐かしの<昭和>から<平成>、そして新時代<令和>へと時代をつなぐ、心温まる家族小説!
  • 日の出
    4.0
    明治の終わり、13歳の清作は、徴兵から逃れ故郷を飛びだす。北陸から九州、そして横浜へと逃れながらも、鍛冶職人として生きる清作を、数々の試練が襲いつづける。一方、清作を曾祖父にもつ現代の女子大生・あさひは、教職免許のために猛勉強中だった……。時代をへだてたふたりの希望の光が、小さく輝きはじめる。著者待望の長編小説。

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