倉阪鬼一郎 - 光文社作品一覧

  • 泪  坂
    -
    江戸指物師(えどさしものし)・橋上清次は、嫁ぐ娘のために姫鏡台(ひめきょうだい)を造っていた。ほぼ完成しているそれが仕上げられることはない。娘は手の届かないところへ行ってしまったのだから……。思い出に浸(ひた)る日々を送る彼の心の糧(かて)は、泪坂の住人たちとの交流だった。失意にくれながらも、清次はある決意を心に秘めていた――。父と娘の深い絆が胸を打つ、優しく切ない「奇蹟の物語」。
  • ようこそ夢屋へ~南蛮おたね夢料理~
    3.5
    安政の大地震からふた月。芝の伊皿子坂に新たなのれんを掛けた見世があった。名前は夢屋。おかみのおたねには、震災で悲しい思いをした人たちを料理で元気づけたい願いがあった。見世の看板は、新鮮な玉子をつかった数々の料理。そして、蘭学者でもあるおたねの夫が仕入れてくる南蛮わたりの食材だ。人々の人情と料理のぬくもりに心いやされる新シリーズ誕生。
  • あられ雪~人情処 深川やぶ浪~
    3.0
    うまい蕎麦(そば)を出すと評判の深川黒江町(くろえちょう)「やぶ浪」のあるじ浪介(なみすけ)は、元武士。わけあって蕎麦打ち職人となり、女房のおぎんと、小体(こてい)な角見世(かどみせ)を切り盛りしている。なじみの客に道場仲間だった同心や北町奉行がいることから、今日も事件が持ち込まれて……。情に厚い浪介は、仕事の合間の調べで、粋な解決へと導いてゆく。切なくも温かい時代小説の傑作が、ここに誕生!
  • 鳩が来る家
    4.0
    「船だ……船が復讐に来る」口癖のように呟(つぶや)き続け、狂死した父。母も後を追うように首を吊った。呪われた嘗羅家(なめらけ)最後の生き残り・雄作の元へも“彼ら”はやって来た。一族を根絶やしにするために……(表題作)。母が死んだ生家(せいか)に帰った男を襲う怪異(「骸列車」)。謎の缶詰に隠された恐るべき秘密(「蔵煮」)。研(と)ぎ澄まされた文章が紡(つむ)ぎ出した、純度120%の恐怖譚13編!
  • 晴(はれ)や、開店~人情おはる四季料理~
    4.0
    1~2巻715~726円 (税込)
    もと町同心だった優之進は、妻のおはると料理屋を開いた。日本橋と京橋の間、大鋸町の裏通り。柑子色ののれんが目印だ。有能な同心だった優之進だが、仕事のいざこざで起こった不幸な出来事から、町人として生きていくことを決心したのだ。かつての上役、職人衆から老舗のご隠居まで、常連客も増えて――。江戸の季節の料理と人情にほっこりするシリーズ第一弾!
  • 深川まぼろし往来~素浪人鷲尾直十郎 夢想剣~
    -
    家老の命(めい)で、心ならずも友を斬った鷲尾直十郎は、故郷(くに)を捨て、江戸で無為(むい)の日々を送っていた。そんな折、風変わりな依頼が舞い込む。深川の老舗(しにせ)菓子屋の跡取りが急死したが、直十郎はその者に生き写しだという。老い先短く惚(ぼ)け始めた老父のため、替え玉を務めてほしいというのだ。店に寝泊まりするようになった直十郎だったが、やがて奇妙な出来事が起こり始めた――。
  • 夢屋台なみだ通り
    3.0
    時は文政。本所相生町の河岸の裏通りに並ぶのは、蕎麦に寿司、天麩羅におでんと、とりどりの屋台だ。哀しい過去を持つあるじたちはみな情に厚く、いつしかなみだ通りと名がついた。元締めの善太郎の悩みの種は、腰の据わらない跡取り息子だ。その小太郎が、賭場で大きな借金をこしらえてしまったのだが……。人情と江戸の味に心癒される新シリーズ開幕!

最近チェックした本