小説 - 香魚子作品一覧

  • 後宮の烏
    4.5
    後宮の奥深く、妃でありながら夜伽をすることのない、「烏妃」と呼ばれる特別な妃が住んでいる。その姿を見た者は、老婆であると言う者もいれば、少女だったと言う者もいた。彼女は不思議な術を使い、呪殺から失せ物さがしまで、何でも引き受けてくれるという――。時の皇帝・高峻は、ある依頼のために烏妃のもとを訪れる。この巡り合わせが、歴史を覆す「禁忌」になると知らずに。 【目次】翡翠の耳飾り/花笛/雲雀公主/玻璃に祈る
  • 号泣
    2.8
    「ねぇ、知ってる? 日本の女子高生って――。」進学校として知られる天智高校。春休みのある日、人気者だった春日井奈々が校舎から転落死する。自殺と思われたが、転落前、彼女の背後に人影を見たという証言もあり……。奈々が所属していた部活は、部員の名前に偶然、春・夏・秋・冬の文字があることから「四季の会」と呼ばれ、憧れる生徒も多い。だが、奈々の死後、部員たちに異変が起きて…。危うく儚い青春ミステリー。
  • 花は愛しき死者たちのために
    4.0
    「エリス、ほらご覧。また君のために人が死んだ」――硝子の棺に横たわる死せる美少女エリス。彼女は決して腐敗せず、いつの頃から存在するのかもわからない。棺は、黒装束の男に運ばれ、エリスは時代も国も超えてその姿を見せる。ある時は親を知らない墓守の青年の前に。またある時は友人の美貌に複雑な思いを抱く少女の前に。彼らはなぜ、エリスに惹かれてしまうのか? さらにある成金貴族の息子は、エリスのための“秘密の集い”にのめり込んでしまう。その先に、破滅が待ち受けているとも知らずに……。2021年集英社ノベル大賞準大賞受賞作!
  • 秘密の花園でお茶を
    4.7
    そこは―百花繚乱、色とりどりの花が咲き乱れる緑の王国だった。住宅街にひっそりと隠れ家のようにあるカフエ。その庭はまるで「秘密の花園」のよう。道端で気分が悪くなり、同級生に兄の店だと連れてこられた高校一年の滝川英美里は、庭に魅せられ、優しく微笑んで迎えてくれた美青年の店主に、誰にも言えない悩みを打ち明ける。美しい庭の花とあふれる香り、甘いお菓子で訪問客を癒す、目にも心にもやさしい物語。

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