山本義隆 - みすず書房作品一覧

  • 福島の原発事故をめぐって――いくつか学び考えたこと
    4.1
    1巻880円 (税込)
    〈税金をもちいた多額の交付金によって地方議会を切り崩し、地方自治体を財政的に原発に反対できない状態に追いやり、優遇されている電力会社は、他の企業では考えられないような潤沢な宣伝費用を投入することで大マスコミを抱き込み、頻繁に生じている小規模な事故や不具合の発覚を隠蔽して安全宣言を繰りかえし、寄付講座という形でのボス教授の支配の続く大学研究室をまるごと買収し、こうして、地元やマスコミや学界から批判者を排除し翼賛体制を作りあげていったやり方は、原発ファシズムともいうべき様相を呈している〉

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  • リニア中央新幹線をめぐって――原発事故とコロナ・パンデミックから見直す
    3.8
    1巻1,980円 (税込)
    コロナ・パンデミックを機に見直すべきものの象徴として著者が取り上げるのは、リニア中央新幹線計画である。本書は、安倍政権下で事実上国策化した超伝導リニア計画がはらむ問題を、できるかぎり明確に指摘するという、小さな、具体的な狙いをもつ。それは同時に、なぜこの国では合理性のない超巨大プロジェクトが次々に暴走してしまうのかを浮彫にしている。リニア計画は深刻なエネルギー問題を抱えている。そして進行中の大規模環境破壊でもある。にもかかわらず、虚妄に満ちた「6000万人メガロポリス」構想、原発稼働の利害との結合、大深度法の横暴など、計画は目的と手段の両面で横車を押すようにして推進されてきた。中枢レベルの政治権力の私物化や、ナショナリズムと科学技術の結びつきがそれを可能にしてきたことも、本書は明らかにする。最終節は、この暴挙の根を掘り下げる。日本の戦後の産業経済は、旧体制から引き継いだ諸条件を足場に経済成長を成し遂げた。そこで強化された既得権益と前世紀的な成長への醒めない夢が、時代錯誤の巨大プロジェクトの温床となっている。3.11以後/コロナ禍以後の、持続可能性を追求すべき世界で、なお私たちはそれらを延命させるのか? 決然と、それを問う書である。

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