赤江瀑 - 文藝春秋作品一覧

  • アニマルの謝肉祭
    4.0
    モード界の新星として活躍のヘアデザイナー、楯林は型破りの手腕とセンスを併せ持ち、精力的に仕事をこなしていた。しかし、彼は華やかな生活の陰で、頭にこびりついて離れない、ふたつの記憶に苦しめられていた。ひとつはマザー・グースの七曜歌。もうひとつは三本足の烏。いつ、どこで、誰が彼に奇妙なふたつの記憶を刻んだのか。やがて起こる放火殺人事件を皮きりに、刺殺未遂、同性愛者からの脅迫が彼を襲う。華麗な美容界を舞台に、妖しくも不吉なドラマが進行する傑作長篇推理。
  • 正倉院の矢
    -
    中国地方の奥深い山間部に、くっきりと山影を映して静まりかえる人工湖の水底に沈んだ姉。湖面に残された一本の矢羽。姉の死と一本の矢羽を結ぶ糸は? 大豊家伝来の矢羽は、ふとしたことから十五年ぶりに故郷に戻った伊佐俊太郎を、快楽と狂気の秘儀図の世界へと赴かせる。古い矢羽の持つ魔性を描く表題作、永遠の美神に蹂躙される人間を描く「蜥蜴殺しのヴィナス」、楽焼の美の秘密を探る「京の毒・陶の変」など、美に魅入られて破滅への道をたどる人間たちを描いた異色作品。
  • 八雲が殺した
    4.0
    「ワイン・グラスの赤い液体に映った人間の影、肉体の悪魔--あの美しい酒が、わたしの体のなかで、いま悪魔の肉に変わりはじめている」小泉八雲(ラフカディオ・ハーン)の怪談物語「茶わんのなか」を題材に女性の魔性とエロスの世界を描く表題作(昭和59年第12回泉鏡花文学賞受賞作)ほか「葡萄果の藍暴き昼」「象の夜」「破魔弓と黒帯」「ジュラ紀の波」「艶刀忌」「春撃ちて」「フロリダの鰭」。多彩で絢爛たる異色作八篇を収録した。

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