島崎藤村 - グーテンベルク21作品一覧

  • 千曲川のスケッチ
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    藤村は1899年(明治32年)、長野県小諸町にあった小諸義塾の教師として赴任し、以後6年をそこに暮らした。「千曲川のスケッチ」はこのときの見聞・観察が生んだ写生文で、自然と人生への澄んだ目がひかる散文である。

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  • 夜明け前(巻一)
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    1~4巻550円 (税込)
    「夜明け前」は何度読んでもぼくを感動させる。陶酔はますます深まり、ぼくの月並みな思念は千々にみだれ、目前の言葉と言葉の合間に、意味しえぬ意味がひろやかに、しかも幾重にも層をなして透けてくるように思える。陶酔から醒めたときに、ぼくははるかなる彼方をかえりみるように、あるいは遠い昔のことを思いだすようにして、この小説がぼくに経験させてくれたものの意味を考えようとする。ぼくが想いみたものは、あるときは、ありとあらゆるものを食い尽してゆく時間についての作者の毅然たる形而上学であり、あるときは主人公青山半蔵の悲槍な劇的生涯であり、またあるときは、ぼくたちの祖国が、黒船の到来とともにヨーロッパから押し寄せてきた近代の巨大な波濤に、身をさらしながら切り拓いてきたぼくたち自身の近代の困難さであった。……篠田一士。

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