小説 - 前川道介作品一覧

  • 蜘蛛
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    一九一〇年代から三〇年代にかけて「プラハの大学生」などのドイツ怪奇幻想映画の作者として不朽の名作を生み、わが国にも、熱烈なファンを生みだしたエーヴェルスは、ホフマン、ポーの系列をうけ、ドイツ読書界を風靡した怪奇文学ブームの中心人物だ。常識への挑戦のかたちをとった美神礼賛を基調とし、解放された本能や欲望が渦巻く深層心理を描き、現代都市に恐怖を出現させた。森鴎外に紹介されてより、待望久しい本邦初の珠玉短篇集。
  • 第三の魔弾
    3.7
    16世紀、神聖ローマ帝国を追放された“ラインの暴れ伯爵”グルムバッハは新大陸に渡り、アステカ王国のインディオたちに味方して、征服者コルテス率いるスペインの無敵軍に立ち向かった。グルムバッハは悪魔の力を借りて、コルテス軍の狙撃兵ノバロの百発百中の銃を手に入れるが、その責を問われ絞首台に上ったノバロは、死に際に三発の銃弾に呪いをかける。「一発目はお前の異教の国王に。二発目は地獄の女に。そして三発目は――」コンキスタドール(征服者)時代のメキシコを舞台に、騙し絵のように変幻する絢爛たる物語を、巧みなストーリーテリングで描き切った幻想歴史小説。大戦間ドイツで絶大な人気を博し、ボルヘス、カルヴィーノ、グレアム・グリーンら、名だたる目利きたちが愛読、世界的な再評価が進んでいる稀代の物語作家ペルッツの長篇第一作。
  • プラハの大学生
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    後ろで老高利貸しが何やらお祈りめいた仕草をした。すると、鏡に映った自分が視線を老人のほうに移し、ぎごちなく身動きして、こちらへむかって歩き始めた! その鏡像は鏡から抜けだし、深い悲しみを宿した一瞥を残して、老高利貸しのあとについて去っていった……。巨万の富とひき換えに、悪魔に己れの鏡像を売り渡した一人の大学生の恐怖を、十九世紀初頭のプラハの町を舞台に描く、傑作ドイツ表現主義映画の小説化。

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