松尾由美 - 創元推理文庫作品一覧

  • ニャン氏の憂鬱
    3.8
    製缶会社の総務部に勤めつつ、余暇にロックバンドで音楽活動をしている茶谷歩くん。ある日、大株主の実業家の秘書が来社した。音楽をやっている社員に会いたいと訪ねてきた、丸山と名乗る秘書はなぜか、黒白の猫を連れている!? 猫缶を開ける時の、“音楽的な響き”についての話が思わぬ方向にそれ、茶谷はかつて経験した、ヨウムが密室からいなくなった不思議な出来事について説明するはめになったが、嬉々としながら丸山と猫がまるで会話をするようにその謎を解いていき──。新たな仲間を加え、ニャン氏の事件簿、パート3は6編収録だニャ。
  • 安楽椅子探偵アーチー
    3.6
    骨董屋で寝息を立てるアンティークの安楽椅子に心惹かれた小学生・及川衛。自らの誕生日プレゼントとして購入し、店先から及川家にやってきたこの椅子には、不思議な力があった。なんと、人の言葉を話せるのだ。しかも、シャーロック・ホームズばりの推理を働かせ、見事に事件を紐解いていく。衛が通う小学校で起こった不思議な事件、駅で靴の片方を脱ぎ捨てていった男の謎、外人墓地で不可解な行動をする女性の真実など、ユーモラスで鮮やかな謎解き。「アーチー」と名づけられた正真正銘の安楽椅子探偵と衛の交流を描いた連作集。

    試し読み

    フォロー
  • オランダ水牛の謎
    3.0
    上海生まれの口をきくアンティークの安楽椅子、アーチーとの出会いから半年。小学6年生になった衛が道端で拾った封筒には、“オランダ水牛”“植民地”“スパイ”と記され、葉つきの木の枝が中に入っていた。いかにも怪しい封筒と、その3つの言葉は何を意味しているのか? 上海時代のアーチーの持ち主・鈴木老人も加わって3人(?)の推理合戦の顛末を描いた表題作ほか、衛のひと夏の冒険譚「アメリカ珈琲の謎」など、クイーンよろしく〈国名シリーズ〉全5編。正真正銘の安楽椅子探偵アーチーと衛の心優しく、ユーモラスな連作ミステリ第2弾。

    試し読み

    フォロー
  • ニャン氏の事件簿
    3.4
    大学を休学し、家電配送のアルバイトなどをしながら、自分を見つめ直している佐多くん。夏の暑い最中、とあるお屋敷のシャンデリアのつけかえにいくと、休憩中に出くわしたのは、一匹の猫とそれに仕える秘書兼運転手だという男だった。アロイシャス・ニャン氏と紹介された品のいい猫は、その屋敷で起こった変死事件の謎を解き明かす?! って、猫がニャーニャーと鳴いているところを訳しているみたいだが本当なの? アルバイト先で、次々と不思議な出来事とニャン氏に出くわすことになった、佐多くんの右往左往の探偵譚を愛らしく描いた連作集。
  • ニャン氏の童心
    3.5
    田宮宴は中堅出版社の女性編集者。新人ではないものの、編集長や同僚、さらには担当作家の代理でお使いをさせられてばかりの日々だ。こんな仕事ぶりでいいのか、と自問自答するある日、偶然に迷い込んだ袋小路で、人が煙のように消えてしまった?! ――後日、宴は担当する童話作家のミーミ・ニャン吉先生の事務所で、秘書の丸山との打ち合わせの合間に、その不思議な出来事を話すことに。すると、タキシードを着たような黒地に白の賢そうな猫をかたわらに、丸山が意外な解釈を語り始めて……。愛すべきニャン氏の事件簿パート2、出来だニャ。
  • バルーン・タウンの殺人
    3.6
    東京都第七特別区、通称バルーン・タウン。人工子宮の利用が普通になった世界の中で、それでも敢えて母体での出産を望んだ女性たちが暮らす長閑な別天地。しかしそんな場所でも事件は起きる。前代未聞の密室トリック、暗号〈踊る妊婦人形〉の謎、捜査活動支援システム・ドウエル教授との推理合戦、「なぜ、助産婦に頼まなかったのか?」と呟いて意識を失った男、そして妊婦探偵の鮮やかな推理――遊び心溢れる趣向と抜群のユーモア・センスでミステリ・ファンから喝采を浴びた連作集。個性的なシリーズ第一弾。

    試し読み

    フォロー
  • バルーン・タウンの手品師
    3.5
    病院の人工子宮で子供が生まれる時代にあって、紡錘形の体をした妊婦たちがゆっくりと、穏やかに生活する東京都第七特別区、通称バルーン・タウン。平和なこの街でも、珍妙な数々の事件が発生する。機密情報はどこに消えたのか、無人のアリーナでからくり人形師を襲った犯人は誰か、オリエント急行内での人間消失、そしてバルーン・タウンに隠された秘密とは――。出産や育児にまつわる、独特の謎やトリックがちりばめられた近未来ミステリ。第二子出産のためにバルーン・タウンに戻ってきた妊婦探偵・暮林美央が活躍する好評シリーズ第二弾!

    試し読み

    フォロー
  • バルーン・タウンの手毬唄
    3.5
    睡眠薬で眠り込んだ妊婦を取り巻くのは薔薇のつぼみ、交差する二本の泥つき牛蒡、小魚に胡麻。しかも妊婦は服の上からスマイルマークのTシャツを着せられて――名探偵・暮林美央が奇怪な手毬唄連続見立て事件の顛末を回想する「バルーン・タウンの手毬唄」、アリバイを立証してくれるはずの謎の妊婦の消息を追う「幻の妊婦」、バルーン・タウンを舞台にした本格ミステリ短篇の謎解きに暮林美央が挑む「読書するコップの謎」、街角で耳にした不可思議な会話と密室盗難事件の謎解きが意外な結末に辿り着く「九か月では遅すぎる」の4編を収録した、バルーン・タウンの事件簿第3弾。

    試し読み

    フォロー
  • わたしのリミット
    3.7
    母親と死別した坂崎莉実は、父親と二人暮らしの高校二年生。ある朝目覚めると父親の姿はなく、代わりに「うちの保険証を使って、彼女を莉実として病院へ入院させてほしい」という不可解な書き置きとともに、見知らぬ少女がいた――。本名を名のらず、やむなくリミットと呼ぶことになった少女は、どう見ても年下なのに莉実の身のまわりで起こった奇妙な出来事の話を聞くだけで、見事に謎を解いてしまう。不思議に大人びた彼女は、いったいどこの何者なのだろう? 莉実とリミット、二人の少女が送る、謎に満ちたひと月。心温まる連作ミステリ。/解説=大矢博子

最近チェックした本