松尾由美 - 光文社文庫作品一覧

  • 銀杏坂
    3.0
    築三十年のアパート・さつき荘には、ひとりの幽霊が住み着いていた。そのアパートの一室で、二百万円のダイヤのブローチが盗まれた! ところが容疑者は全員シロ。犯人は幽霊? 中央署の刑事・木崎と吉村は、幽霊に事情聴取をすることになるが……(「横縞町綺譚(よこしまちょうきたん)」)。北陸の古都・香坂市(こうさかし)を舞台に繰り広げられる、不可思議で切ない連作ミステリー!
  • いつもの道、ちがう角
    3.7
    越してきて間もない街。初めて曲がった角の向こうで、いつしか「私」は奇妙にねじれた世界に足を踏み入れていた(表題作)。気に入ったものたちを、そのままの姿で永遠に保存したい――一人の男の歪んだ欲望が招いた悪夢(「琥珀(こはく)のなかの虫」)。ある環境団体が行っていた恐るべき儀式とは?(「窪地公園で」)。 読む者を夢幻世界に誘(いざな)うダーク・ファンタジーの傑作7編!
  • 御城の事件~〈東日本篇〉~
    3.3
    ある朝、川越城の外堀に浮かべられた一艘の紙の舟。日ごとに増えていくそれが意味するものとは? 若き茶坊主が謎の解明に乗り出す「紙の舟が運ぶもの」。夜ごと、江戸城大奥で赤子の泣き声がするという。解決を命じられた伊賀組の若者を待ち受ける運命を描く「大奥の幽霊」。東日本各地の城を舞台に、気鋭のミステリー作家らが競作する書下ろし作品全5編を収録!
  • 煙とサクランボ
    3.7
    兼業漫画家の晴奈のなじみのバーは、ビルの地下にある小さな店。常連の自称早期退職者・炭津は、晴奈の話に的確で親身な助言をしてくれる素敵な紳士だ。店主の柳井の話では、名探偵でもあるらしい。そんな彼が実は幽霊だということは、柳井だけが知る秘密だ。晴奈は、幼い頃に起きたある事件を炭津に語り始めるのだが……。温かく切ない余韻を残す大人のミステリー。
  • スパイク
    3.4
    瓜(うり)二つのビーグル犬を連れた林幹夫(はやしみきお)と私・江添緑(えぞえみどり)は、初対面から惹(ひ)かれ合った。驚いたことに、飼い犬の名前も同じ「スパイク」なのだ。ところが再会を約束した日、幹夫は現れなかった。気落ちする緑に、突然、愛犬が話しかけてきた! 「ぼくは幹夫のスパイクだ」と。幹夫の消息を求め、一人と一匹の冒険が始まった――。不思議で切なく愛(いと)おしい、心に沁(し)みる恋の物語。
  • 花束に謎のリボン
    3.3
    私、桜井智花が働く花屋には、時々不思議なお客様がやってきます。渋い色合いの花束にまるでそぐわない派手なリボンを選ぶ男性。アマリリスの歌の歌詞をたずねにきた男の子……。そんな小さな謎を一緒に暮らす小説家の嘉信さんに話すと、彼は意外な推理を語り始めるのです。それが、素直にうなずけない話ばかりで──。ほろ苦くて、でも温かい、連作恋愛ミステリー。
  • ハートブレイク・レストラン
    3.7
    1~2巻550~660円 (税込)
    フリーライターの寺坂真以(てらさかまい)が仕事場代わりにしているファミリーレストランには、名探偵がいた。店の常連・ハルお婆ちゃんは、客たちが話す「不思議な話」を聞くと、真以を呼び寄せ、たちどころに謎を解いて見せるのだ。そんなお婆ちゃんにも、ある秘密があったのだが……。可愛くって心優しいお婆ちゃん探偵が活躍する、ハートウォーミングな連作ミステリー!

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