TL小説 - ゆみみゆ作品一覧
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4.0大富豪実業家当主が屋敷の火事で不審死を遂げる。当主の娘、アリスは火事のショックで記憶を失っていた。そんな中、医師の勉強をするために外国に留学していた兄のエドガーが戻ってくる。 アリスは婚約者がいながら、なぜか実の兄に強く惹かれてしまう。 屋敷には、『硝子の国』と呼ばれる部屋があった。その部屋は、不審死を遂げた当主が生前誰も立ち入らせなかった“開かずの間”だった。彼の死後、人々はその部屋の隠された“扉”を探して腹を探り合う。 一方、アリスは兄への思慕が抑えきれなくなり、とうとう二人は深い仲になってしまう。 そしていつしか、アリスは不審を抱き始める。 「本当に、私は令嬢アリスなの?」 アリスの記憶が戻るにつれ、じょじょに甦る火事の真相。彼女を巡り、錯綜する周囲の人々の思惑。 強く惹かれ合うアリスとエドガーは、謎と策謀に翻弄されながらも、深く結ばれていく。
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3.6
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-旅芸人一座“ニライカ”の「黒い糸と金の糸」と呼ばれる姉のルナと弟のサンナギはとてもよく似た姉弟。立ち寄ったマロンド国で、サンナギが弾くトーボーの演奏を所望されて国王の城に招かれる。ところが腹痛を起こしたサンナギの身代わりに、ルナが急きょ弟になりきって演奏をするはめに。その上、姉弟は男女を入れ替えたまま、エミリエンヌ姫に踊りを、エヴァリス王子に楽器を指南することになってしまった。弟になり切って接するものの、エヴァリスに触れられるとドキドキしてしまうルナ。どうしたの、私の心臓――。そして次に女として目通りした際には、高鳴る心、ときめきを抑えきれず、とうとうルナは王子の愛撫に心も身体も蕩かされてしまう。けれど旅芸人が一国の王子に恋をしても報われるはずがない。そんな時、ルナはエミリエンヌ王女から、エヴァリスに隣国の王女との縁談が持ち上がっていると聞いてしまい――。
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4.0ゼルダ国第二師団長に就任したナデットには秘密がある。それは、男装騎士であること、特殊能力を持つ少数民族イカルガの、その長の子に扮していること、この二つ。そして使命がある。国王の信頼を得て重要なポストに登用され、イカルガの民を守ること。常に己を律し、自らの力だけで師団長の位まで上り詰める。もう少し。そう思っているナデットの前にジンイと名乗る隻眼の男が現れる。明るく社交的なジンイはすぐに周囲と打ち解けるが、ナデットには苦手なタイプ。それなのに言い寄られ、迫られてもなぜか抵抗できない。「この男、同性を?」そんな疑問が浮かぶが、なぜかナデットが女であることを知っていて、その上で関係を迫ってくる。「あなたを守る、必ず」耳元で囁かれ、力強い腕に抱きしめられ、ナデットはかつて感じたことのない甘やかな火照りに包まれてしまい――。
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-花瑠と大地は兄弟のように育った幼なじみ。そんなふたりが行う大事な儀式…それは、ハグ。いつもぎゅっと抱き合っては、悲しいこと嬉しいことを共有してきた。けれど最近は、お互いを異性として意識するようになり、自然なハグができなくなってきていた。全国有数の実業団陸上部への入部を控えながら、走る意味を見いだせず悩む大地を見守る花瑠だったが、ある晩、些細なきっかけでふたりは一線を越えてしまう…。以来、ぎくしゃくし始めたふたりの関係。気まずさから花瑠と大地は顔を合わせることもできずにいた、そんな時、大地の前に現れた謎の美女。その正体とは…?──お互いの本当の気持ちに気づく、幼なじみ二人の爽やか初恋物語。
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4.0愛してる。独りぼっちになっちまった俺が、最初にお前を見た時からずっと■ドゥハ国の末姫ラティーファは、ジャラームビ国で行われる「花嫁選びの儀」に出なければならず、その際、唯一の希望として父王に、自らが育てた愛しい獅子ザジの同行を強く願った。渋る父王を説得し、ザジと共に砂漠を渡って皇太子ヘイルのもとへと向かう。ザジもまた愛しいラティーファのために、静かに寄り添い、その言を忠実に守っていた。到着したジャラームビ国でザジはひょんなことから、花嫁はすでに決まっていて、選ばれなかった姫は侍女になるか妾になるかしか道はなく、祖国に帰ることも誰かに嫁ぐこともできないと知り、激しく憤る。しかし己は獅子。人の言葉は解すれど話せず、人でない身は姫を愛することもできない。そんなザジの前に、自らを魔女と名乗る女が現れ、「相手がお前を愛してくれれば、お前は人間になれるがどうする?」と、魔の契約を結ぶかどうかを尋ねてくるのだが――。
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-バリバリのキャリアウーマン二階堂茜は新プロジェクトのチーフに指名され、奮闘する毎日。一見クールで仕事熱心な茜だが、実は恋に恋するうぶな乙女。大好きな乙女小説を読んでは、主人公に自分を重ね「妄想」繰り広げるという妙な癖が。今日もオフィスには白馬に乗った姫や王子が乗り込んでくる! そんな妄想いっぱいの日々を過ごす茜に、ようやく恋の予感? 小型犬みたいに茜にまとわり付き、いつも全力投球の年下男子・椎名諒から猛アタックされ付き合うことに。恋愛経験ゼロの茜は、年上の余裕を見せなければと背伸びする。でも、いつも自然体の諒と付き合う中で少しずつ変化が……? ちょっとでこぼこな二人の爽やかラブストーリー!