深沢仁作品一覧

  • この夏のこともどうせ忘れる
    4.3
    高校三年、受験生の圭人は塾の夏季合宿に参加し、学校で同じクラスの香乃と同室になる。苦手なグループにいる相手を窮屈に感じていたが、眠れない夜を過ごすうち、圭人は香乃にある秘密を知られてしまう――「空と窒息」など書き下ろし5編。 夏休みという長い非日常、いつもと違う場所で出会い、交流する二人。暑さに眩む視界と思考の中で、変わっていく関係を描く。記憶に濃い影を落とすような青春小説。
  • 英国幻視の少年たち ファンタズニック
    4.3
    日本人の大学生皆川海(カイ)は、イギリスに留学し、ウィッツバリーという街に住む叔母の家に居候している。 死んだ人の霊が見える目を持つカイはそこで妖精に遭遇。 英国特別幻想取締報告局の一員であるランスという青年と知り合う。 大学の構内で頻繁に貧血で倒れているランスをかまううちに、カイは次第に、幻想事件“ファンタズニック”に巻き込まれていく──。 英国の雰囲気豊かに描かれる学園ファンタジー第1巻!
  • 渇き、海鳴り、僕の楽園
    3.7
    その島には、哀しい秘密があった――。 自分の代わりに「楽園」で働いてほしい――。夏休み、同級生にそう頼まれたウィル。アメリカの田舎町で過ごす退屈な日々、身勝手な父との生活にうんざりしていた彼は、なにもかも投げ打って異国へと旅立つ。着いた先で待っていたのは、グレイと呼ばれる墓守と、墓地しかない美しい島だった。やがて周囲で不思議な出来事が起こり始め、ウィルは「楽園」の秘密を解き明かしていく――。 『英国幻視の少年たち』『この夏のこともどうせ忘れる』の著者が、少年の鬱屈した苛立ちとやるせなさを描き切った傑作小説。
  • Dear
    5.0
    【本文より抜粋】「だれにも言わないで」と彼女は囁いた。僕は頷く。ぞくりと、首筋に鳥肌が立った。どうしようもなく好きな人が、どうしようもなく好きなだれかの話をしようとしている。聞きたいのに聞きたくなくて、聞きたくないのに聞きたい。詩織さんはゆっくりと、やがて溢れたように話し始めた。【あらすじ】昔から人混みが苦手で、団体行動も駄目。誰に対しても無関心――。一見冷徹にも見える浅井静が、唯一気になる人物。それが、遠野詩織だった。同じ大学の先輩であり、古書店兼雑貨屋の『時計泥棒』でアルバイト仲間でもある詩織は、いつも物憂げな様子で儚い微笑みを浮かべ、何かあるたびに右指の薬指にはめた指輪に触れていた。ある夜、詩織に想いを伝えた静は、予期せず、その指輪にまつわる詩織の過去を知ることになる――。

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  • 眠れない夜にみる夢は
    4.7
    1巻1,699円 (税込)
    三人は同じ日の夜に出会い、恋に落ちた。俺は彼女に。彼女はあの男に。そして、あの男が恋をした相手は俺だった。なぜ俺なのか、とあの男に訊いてみた。健やかな馬鹿がタイプなのだという。それって悪口じゃないのか? それはともかく俺たちの一方通行の三角関係は、しかしそれほど時間を置くこともなく、べつのものへと姿を変えていった(「明日世界は終わらない」)。せつなかったり、さびしかったり、困ったりしている愛すべき人たちが、右往左往しながら新しい人間関係を築いてゆく珠玉の五編を収録する。〈英国幻視の少年たち〉『この夏のこともどうせ忘れる』の俊英が贈る、軽やかで、ときにメランコリックな作品集。/【目次】なにも傷つけないように、おやすみ/明日世界は終わらない/不自由な大人たち/家族の事情/砂が落ちきる/あとがき

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