夏来健次作品一覧

  • ロンドン幽霊譚傑作集
    3.0
    19世紀ヴィクトリア朝、文化・産業ともに飛躍を遂げた大都市ロンドン。その栄華の陰では、犯罪のもたらす恐怖、そして超自然がもたらす恐怖が蔓延していた――晴れ渡ったケンジントン・ガーデンズの一角で目に見えぬ何かと交信する、美しき寡婦を巡る愛憎劇を主軸とした出色のサスペンス「ザント夫人と幽霊」。アイルランドのバンシー伝説を背景に、野心家の外科医が運命の奇蹟に遭遇する「ハートフォード・オドンネルの凶兆」。周囲から憧憬を集めた愛らしい令嬢が、死に際に抱いた最後の願いを描く「揺らめく裳裾」ほか、魔都ロンドンを舞台に贈る様々な趣向のゴースト・ストーリー13篇を収録する。集中12篇が本邦初訳。/【目次】ザント夫人と幽霊 ウィルキー・コリンズ/C―ストリートの旅籠(はたご) ダイナ・マリア・クレイク/ウェラム・スクエア十一番地 エドワード・マーシー/シャーロット・クレイの幽霊 フローレンス・マリヤット/ハートフォード・オドンネルの凶兆 シャーロット・リデル/ファージング館の出来事 トマス・ウィルキンソン・スペイト/降霊会の部屋にて レティス・ガルブレイス/黒檀の額縁 イーディス・ネズビット/事実を、事実のすべてを、なによりも事実を ローダ・ブロートン/女優の最後の舞台 メアリ・エリザベス・ブラッドン/揺らめく裳裾(もすそ) メアリ・ルイーザ・モールズワース/隣牀(りんしよう)の患者 ルイーザ・ボールドウィン/令嬢キティー ウォルター・ベサント、ジェイムズ・ライス/編者あとがき――魔の都(みやこ)、霊の市(まち) 夏来健次
  • 英国クリスマス幽霊譚傑作集
    4.0
    ヴィクトリア朝期、ディケンズ『クリスマス・キャロル』がベストセラーとなって以降、聖夜の訪れに伴って出版社は作家に怪奇小説の新作を依頼し、特別なシーズンの贈り物として大衆に届けた――幽霊をこよなく愛するイギリスの国民性に根ざす慣例から生まれた作品を、数々の怪奇幻想小説を紹介する翻訳家が精選する。古屋敷に招かれた男が鏡の中に見た幻影「鋼の鏡、あるいは聖夜の夢」、もの悲しい海岸の村で起きたゴシック的怪異を綴る「海岸屋敷のクリスマス・イヴ」、奇妙な下宿で女性が体験する恐怖の一夜「メルローズ・スクエア二番地」など、知られざる傑作から愛すべき怪作まで13篇を収録。集中12篇が本邦初訳。/【目次】クリスマス・ツリー チャールズ・ディケンズ/死者の怪談 ジェイムズ・ヘイン・フリスウェル/わが兄の幽霊譚 アメリア・B・エドワーズ/鋼の鏡、あるいは聖夜の夢 ウィリアム・ウィルシュー・フェン/海岸屋敷のクリスマス・イヴ イライザ・リン・リントン/胡桃邸の幽霊 J・H・リデル夫人/メルローズ・スクエア二番地 セオ・ギフト/謎の肖像画 マーク・ラザフォード/幽霊廃船のクリスマス・イヴ フランク・クーパー/残酷な冗談 エリザベス・バーゴイン・コーベット/真鍮の十字架 H・B・マリオット・ワトスン/本物と偽物 ルイーザ・ボールドウィン/青い部屋 レティス・ガルブレイス/編者あとがき 夏来健次
  • 恐ろしく奇妙な夜
    3.3
    「虚構と現実のあわいに君臨する異能の作家。」(山口雅也) 「人形は死を告げる」「つなわたりの密室」「殺人者」「殺しの時間」「わたしはふたつの死に憑かれ」「恐ろしく奇妙な夜」の6編を収録した、『赤い右手』の作者ジョエル・タウンズリー・ロジャーズによる中短編傑作集。 【アラート】ネタバレの恐れがあるのであらすじ等は一切書きません。 《目次》 【炉辺談話】 『恐ろしく奇妙な夜』(山口雅也) 人形は死を告げる つなわたりの密室 殺人者 殺しの時間 わたしはふたつの死に憑かれ 恐ろしく奇妙な夜

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  • 吸血鬼ラスヴァン 英米古典吸血鬼小説傑作集
    4.0
    ブラム・ストーカー『吸血鬼ドラキュラ』に先駆けて発表された英米の吸血鬼(ヴァンパイア)小説に焦点を当てた画期的アンソロジーが満を持して登場。バイロン、ポリドリらによる名作の新訳、伝説の大著『吸血鬼ヴァーニー――あるいは血の晩餐』抄訳ほか、ブラックユーモアの中に鋭い批評性を潜ませる異端の吸血鬼小説「黒い吸血鬼――サント・ドミンゴの伝説」、芸術家を誘うイタリアの謎めいた邸宅の秘密を描く妖女譚の傑作「カンパーニャの怪」、血液ではなく精神を搾取するサイキック・ヴァンパイアものの先駆となる幻の中篇「魔王の館」など、本邦初紹介の作品を中心に10篇を収録。怪奇小説を愛好し、多彩な翻訳を手がけてきた訳者らによる日本オリジナル編集で贈る。/【目次】序文――バイロン男爵の光の下に 夏来健次/吸血鬼ダーヴェル――断章(一八一九) ジョージ・ゴードン・バイロン/吸血鬼ラスヴァン――奇譚(一八一九) ジョン・ウィリアム・ポリドリ/黒い吸血鬼――サント・ドミンゴの伝説(一八一九) ユライア・デリック・ダーシー/吸血鬼ヴァーニー――あるいは血の晩餐(抄訳)(一八四七) ジェイムズ・マルコム・ライマー トマス・プレスケット・プレスト/ガードナル最後の領主(一八六七) ウィリアム・ギルバート/カバネル夫人の末路(一八七三) イライザ・リン・リントン/食人樹(一八八一) フィル・ロビンソン/カンパーニャの怪(一八八六) アン・クロフォード/善良なるデュケイン老嬢(一八九六) メアリ・エリザベス・ブラッドン/魔王の館(一九〇七) ジョージ・シルヴェスター・ヴィエレック/解説――ドラキュラ伯爵の影の下に 平戸懐古
  • 旧神郷エリシア 邪神王クトゥルー煌臨!
    4.0
    風の邪神イタカを退けたのち、ふたたび時空往還機に乗り探索の旅へと出立したド・マリニーとモリーンがボレアに帰還した。シルバーハットらとの再会を喜ぶも束の間、タイタス・クロウより突然の知らせが入る。最も恐るべき脅威、あのクトゥルーとその邪神どもがついに蠢きはじめた不吉な兆しが見られるという。やつらが決起したら、地球のみならず、全宇宙さえ危うい! クロウがいる善なる旧神たちの地〈エリシア〉へ、なんとしても行かねばならぬ――そう決心したド・マリニーはわずかな手がかりをもとに、エリシアへと急遽旅立つのだが……。〈タイタス・クロウ・サーガ〉最終巻!/解説=鵺沼滑奴
  • 誤配書簡
    -
    G・K・チェスタートンが「この探偵小説にはみごとに欺かれた」と称賛した、1920年代英国ミステリーの逸品。 屋敷内の施錠された密室で、内務大臣の死体が発見された。死因は頭部への銃撃。捜査に乗りだした警視と私立探偵が直面する、謎また謎、そしてロマンス。紛糾した事件は、やがて驚きの結末へ―― 黄金時代の埋もれた本格探偵小説、ここに復活。 スコットランド・ヤードの警視のもとへかかってきた1本の電話。それは、内務大臣の殺害を告げるものだった。私立探偵とともに大臣の自宅へおもむくと、施錠された書斎の内部に、頭部を撃たれた死体が。死亡推定時刻は、わずか30分。いったい誰が、どうやって密室殺人におよんだのか、そして犯行予告の主は? そんななか警視の部下が謎の失踪を遂げ、いっぽう探偵は大臣の令嬢の複雑な悲しみを知る…… 「わたしは、この探偵小説にはみごとに欺かれたと公言することができる。欺きの巧みな探偵小説を長らく探してきた者としては、この小説への序文を書かせていただくことを自ら進んで望むものである──たとえそのような傑作は序文など必要としないとしても」G・K・チェスタートン
  • ジキル博士とハイド氏
    3.3
    深夜、ロンドンの街角でエンフィールド青年は奇怪な光景を目撃する。十字路で少女を平然と踏みつけ、高名な医師ジキル博士の屋敷に悠々と入っていく異様な男ハイド。彼は何者か? アタスン弁護士の疑念を裏付けるように、続いて殺人事件が……。『フランケンシュタイン』『吸血鬼ドラキュラ』と並び称されるホラーの古典的名作、新訳決定版。ミュージカル『ジキル&ハイド』原作。

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  • 血まみれ鉄拳ハイスクール
    3.0
    ブルース・リーに捧げる、衝撃の学園バイオレンス! 暴力の支配するその学園を人はカンフー・ハイスクールと呼ぶ。壮絶な抗争を拳で切り抜ける少女を描く気鋭のノワール作家の問題作。 マーティン・ルーサー・キング・ハイスクール。 ドラッグの密売で強大な力を持つ生徒リドリーと、それを黙認する校長ダームーディーの独裁下、暴力の日常的に吹き荒れる高校。生徒のほとんどが格闘技を身につけなければ生きてゆけない、通称「カンフー・ハイスクール」。 15歳のジェニーは、兄のキューとともにカンフー高に通う。だが、世界的なカンフーの達人でいとこのジミーが香港からやってきた日から、カンフー高は揺れ始める。もうこの拳は振るわないと誓うジミーだったが、学園の暴力者たちは意に介さず、事態はエスカレートしてゆく…… 金曜日、すべては暴力のカオスとなって爆発する。 殺らなければ殺られる、だからわたしは殺る――。 新進ノワール作家、ライアン・ギャティス。 彼がコロンバイン高校銃撃事件などのスクール・バイオレンスを材にとり、ヤングアダルト小説の古典『チョコレート・ウォ―』と、 ブルース・リーの『ドラゴン危機一髪』へのオマージュをこめて一気に書き上げられたのが本作である。 英米各誌で『キル・ビル』『ファイト・クラブ』『アメリカン・サイコ』と並び称された、ポップでイカレて残忍なスクール・バイオレンス・アクション。
  • ネクロスコープ 上 死霊見師ハリー・キーオウ
    -
    1971年、ソビエト連邦の首都モスクワ。超常諜報戦術開発局に所属するボリス・ドラゴサニは極秘施設で、機関の長ボロウィッツの命令により、裏切り者の死体に特殊な“能力”を用いようとしていた。一方、英国の炭鉱町で育った夢見がちな少年ハリー・キーオウは、ある日を境に突如として数学の才を発揮するようになる。二人には、ある共通点があった――それは死者、あるいは死体の記憶や能力を自らのものとして活用するという、類い稀且つ恐るべき異能だった! 冷戦下のソ連と英国の間で巻き起こる霊的諜報戦を描いた、〈タイタス・クロウ・サーガ〉の著者を代表する一大伝奇ホラー!
  • ボレアの妖月
    3.5
    風の巫女アルマンドラと婚姻し、ボレアの台地の将軍となった、精神感応能力者シルバーハット。台地民の尊敬を集め、よく地を制していたが、探索の途中で、地平線の彼方に墜ちゆく物体を目撃する。それこそは、アンリ‐ローラン・ド・マリニーの乗った時空往還機であった! だが、墜落の際、時空往還機がイタカ軍の手に落ちてしまう。これなくしては、ボレアからの脱出も、邪教集団との闘いも困難を極める。シルバーハットは、ド・マリニーと共に奪還を決意するが、風の邪神イタカの魔手が、ボレアに、そして愛するアルマンドラに迫りつつあった。邪神と人類の闘争を描きクトゥルー神話体系に新風を巻き起こした伝奇ホラー、長編第5弾。/解説=鵺沼滑奴
  • 幽霊海賊
    値引きあり
    4.0
    航海のあいだ、絶え間なくつきまとう幻の船影。 夜の甲板で乗員を襲う見えない怪異。 船員としての豊富な経験を元に、底知れぬ海の恐怖を描く、ホジスン本領発揮の怪奇小説。 本邦初訳! 「異次元を覗く家」「〈グレン・キャリグ号〉のボート」とともに《ボーダーランド三部作》と呼ばれる幻の傑作。
  • 幽霊狩人カーナッキの事件簿
    3.8
    電気式五芒星と古文献を駆使し、オカルトと科学を混合させた技術で怪奇現象に立ち向かう、名うての“幽霊狩人”──トマス・カーナッキ。彼が事件をみごと解決して自宅に帰還するたび、わたしたち友人は食事に招かれ、その冒険譚に耳を傾けるのだ。無人の空間で起こった死傷事件、不気味な口笛の鳴り響く部屋の怪談、馬の魔物が出現する奇譚等々、ドイルの創造した名探偵ホームズと同時代に発表され、その怪奇版として名高いシリーズ全作を新訳で贈る。本邦初訳の資料的作品1編を含む、全10編を収録した。/【目次】礼拝堂の怪/妖魔の通路/月桂樹の館/口笛の部屋/角屋敷の謎/霊馬の呪い/魔海の恐怖/稀書の真贋/異次元の豚/探偵の回想/訳者あとがき

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