吉村達也 - 集英社作品一覧

  • [会社を休みましょう]殺人事件
    3.3
    森川晶は、営業部の若きエリート社員。仕事を他人に任せず、何でも一人で抱え込み、残業と休日出勤をしながら、いつもパニック状態。ある日、彼を高く評価している猛烈部長が会社で殺される。死に至る断末魔の表情がコピーされ、社内にばらまかれていた。この全社騒然の異常犯罪で、森川が疑われるが……。会社人間たちの心理をリアルに描きながら、最後に号泣のどんでん返し! 感動のミステリー。
  • 生きてるうちに、さよならを
    3.6
    「あなたが天国へ行った瞬間を知ってたわ。だって真夜中にきたわよね、私の部屋に。ごめんねって泣きながら…」「兄弟、おれに黙って、なぜ先に逝った。バカヤロー!」親友の葬式で、勝手に死者との絆を強調する自己陶酔型の弔辞に嫌気がさした会社社長の本宮は、自分自身の生前葬を企画する。だが彼は知らなかった。妻の涼子が重い病に冒されて、余命幾ばくもないのを隠していることを……。
  • 悪魔が囁く教会
    3.3
    二度結婚に失敗したが多額の慰謝料を得た戸山いずみは、再婚を前提に二人の男と交際する。だが男たちはたがいに甘い言葉を囁きながら、競争相手を「結婚詐欺師」などと罵る。三たび教会で愛を誓うべき相手はどちらか。相談を受けた長谷川美枝子と弁護士向井明は人物鑑定に乗り出したが、善人か悪人かの評価に迷っているうちに、想定外の殺人が起きた! 驚愕の結末が襲いかかる心理ミステリー。
  • 悪魔の手紙 ヨコハマOL探偵団
    3.0
    車の中で男が3人殺されている。通報を受けた神奈川県警のパトカーが多摩川沿いの現場に急行。だが、車内には血の跡が残されているだけだった。通報から到着まで90秒も経っていない間のことである。一方、3人の死体を目撃後、現場から逃げたヨコハマ自動車新入社員・杉本千鶴は、6年前のある出来事を思い出して──。同僚の名物OL達が千鶴を励ましながら、死体消失のトリックに挑む。会社ミステリー。
  • 飛鳥の怨霊の首
    -
    日本版ハッブル宇宙望遠鏡を目指す「飛鳥」プロジェクトの若きリーダー、天文学者の刈谷天空は、専門外の領域で「天武天皇は唐の天文学者に操られていた」と発言、物議を醸していた。その刈谷が、遷都千三百年でにぎわう奈良の南、明日香村にある「入鹿の首塚」の前で自殺! 第一発見者である英光大学古代史研究会のメンバーは、刈谷のキトラ古墳にまつわる禁断の研究資料を発見した!
  • 危険なふたり(大塚綾子の人生相談シリーズ)
    4.0
    「あ、そう。ぼくが出張中に彼女とデートしていたのね。じゃ、二度とそんな真似できないようにしてあげましょ!」新入社員の星野豪太は緑川剛編集長の声に震え上がった。人気出版社に中途採用された喜びもつかのま、なんと男の上司から惚れられた。婚約者の桃子にその悩みを打ち明けられずにいるうちに、なぜか豪太は、自分も彼を愛し始めていることに気がついた……。
  • 夫の妹
    3.3
    二十五歳のOL知花は両親の猛反対を押し切って、先妻と死別した五十歳の上司・国元公二と結婚した。後妻の立場と大きな年齢差が懸念されたが、それよりも問題は夫の妹にあった。四十五歳の義妹・小恵子は、二十も年下の兄嫁を「お姉さま」と呼んで慕い、洋服の趣味から髪型、さらに口癖・習慣に至るまで、知花のすべてを模倣しはじめる。そこには公二の先妻の死とも絡む大きな秘密があった。
  • 鬼の棲む家
    3.5
    新婚まもない華子は、古びた借家で夫の亮介を電動工具で殺害した! 華子は弁護士に「あの家には鬼がいたの」と語り、事件の背景には壮絶なDVがあったことを示唆する。それを知った華子の父は、夫こそ加害者で、娘は被害者だと訴え、罪の軽減に奔走する。だが、やがて父親は「鬼」の真の正体を知り愕然となる! 家族から殺人者を出した一家の崩壊する心理を描く、戦慄の新感覚ミステリー!
  • 陰陽師暗殺
    4.0
    金閣寺北方の総合病院・第7病棟に、キツネ憑きの発作を起こす老女が入院してきた。それは陰陽師・安倍晴明の伝説に基づく芝居なのか、それとも本物の心霊現象か。一方、一条戻橋の下で現代の陰陽師土御門泰山が殺害! 額には五芒星の形に輝く五本の蝋燭。さらに殺人の連鎖は止まらない。いったい誰が、何のために? ついに親友まで事件に巻き込まれ、英光大学の村野杏美は、魔界都市・京都へ!
  • OL捜査網
    4.0
    営業部長の妻が自宅で首を折られ殺害された。続いて総務部長の娘が自殺を遂げ、さらに宣伝部副部長が浴槽から溺死体で発見された。関係者がみなヨコハマ自動車の社員か家族で、殺人現場が密室風であることから、社内に戦慄が走った。入社2年目の美帆たちは、OL探偵団を結成し、事件の謎に迫っていく。やがて嫉妬や憎悪にまみれた社内の人間関係が……。OLたちが、連続殺人に挑む会社ミステリー。
  • 怪物が覗く窓
    3.1
    19歳の良太はドアスコープを付けた部屋で引きこもり生活を送っていた。父親はそんな息子を「怪物」と呼んで嫌悪する。やがて閉塞した良太の人生に転機がきた。向かいに若い女性が越してきたのだ。部屋の窓から眺めるその姿は、良太を久々に表の世界へ誘い出した。しかし、その女性が何者かに殺され、父は「ウチの変態息子」の仕業と決めつけた。だが…。意外な真相に戦慄する新感覚ミステリー。
  • 家族会議
    -
    一家四人でしあわせに暮らしていた沢木孝は、ある日突然、妻の麻紀に先立たれる。幼い子供たちが哀れだと、義母の芳子が同居を申し出て、家事と育児を引き受けたが、その一年後、孝は若手の女性社員に求婚した。義母は激怒し、家族会議により婿の再婚計画を白紙に戻そうとする。だがそれでも「嫁」はやってきた。不幸であることこそ人生との異常な価値観をたずさえて!
  • 可愛いベイビー
    3.5
    わずか半年で結婚生活の破局を迎えた松坂誠。しかし、妻の可愛い笑顔が忘れられない。ところが彼女はあっさり再婚。しかも相手は冴えない中年男。嫉妬の鬼と化した誠は、彼らの新居を監視しはじめるが、見せつけられるのは刺激的な光景ばかり。神経のバランスを崩した誠は、元妻の奪還を期して、異様なストーカーとなった。予想外の破滅が待ち受けているとも知らず……。
  • 京都 天使突抜通の恋
    -
    想像もつかない方法で殺されかけ、恐怖で髪が真っ白に…。祇園の芸姑小彩はそんな体験を語る若い作家の夢をみる。だが、その男――長友英治は実在した。京都天使突抜通への旅を機に、竹久夢二の絵に描かれるような女に恋した彼。それが男女五人の愛憎を生み、しかも皆、仮面の下に歪んだ性格を秘めていた! 彼らは縺れあうように地獄へ落ちてゆき、まさしく髪の毛が白くなるような驚愕の結末へ……。
  • 禁じられた遊び
    4.0
    こんな結婚しなきゃよかった――30歳にして家庭生活に絶望した綾は、子育てを放り投げ、「出会い系」にのめり込んだ。見つけた相手は自称作家の中年男。ついに不倫を体験した綾は、自分が飢えていたのは、愛でも性でもなく、危険な刺激だと気がついた。夫を困らせること、いっぱいしたい――屈折した形の復讐は、万引き・詐欺・AV出演とエスカレート。そして禁断の遊びは、究極の犯罪へ……。
  • コールドケース
    3.4
    元刑事の春日は、自称「透視捜査官」千石健志郎がテレビの番組でコールドケース(=未解決事件)を超能力で解明する様子を見て愕然とした。彼こそ30年前に女性焼死事件の容疑者として春日が逮捕を目指していた男だったからだ。一方、ノンフィクション作家の長谷川美枝子も千石の透視捜査に疑念を抱く。元刑事の執念は時効成立となった迷宮入り事件の真実にたどり着くか? 本格心理ミステリー。
  • しあわせな結婚
    3.3
    東山俊一と三菜子はまもなく結婚一周年。庭付き一戸建ての新居でアツアツムード、のはずが、暮らしてみて初めてわかった感性の違いに、両者の不満は爆発寸前! そんなとき、隣家にしあわせそうなおしどり夫婦が越してきた。その妻は俊一の理想像。その夫は三菜子の憧れ。たがいに「この人と結婚していたら」と感じたとき、ふたりの脳裏に大胆奇抜なアイデアが浮上した。しかも同時に!
  • 十三匹の蟹
    3.7
    明治以来、軍需産業の一翼を担い「死の商人」と批判されてきた清和重工業。その会長源田誠の死体が、瀬戸内海に浮かんだ。死者の唇は縫い合わされ、甲羅に武士の怨念の顔を背負った一匹の平家ガニが口の中でうごめいていた! 「十三匹の蟹」と名乗る犯人は第二の殺人を予告。犯人が十三人いるのか、標的が十三人なのか…? 源平の合戦になぞらえた抗争で荒れる社内は大混乱! 恐怖ミステリー。
  • セカンド・ワイフ
    3.3
    奈緒美は10歳年上の町田雄一と結婚した。自分は初婚だが、彼は4年前に離婚歴がある。その理由はきかなかったが、夫は優しく、新婚生活は幸せだった。が、あるとき雄一の手帳に「セカンド・ワイフ」という謎めいた言葉が書いてあるのを発見。それは奈緒美のことか、別の女の意味か? 急に夫の過去に不安を抱いた奈緒美は、彼の前妻に会おうとする。衝撃的な事実に直面するとも知らないで……。
  • それは経費で落とそう
    3.3
    年上の部下と年下の上司、単身赴任先での浮気、領収書のごまかし、人事異動の内示、お偉いさんとの気づまりな会話――。サラリーマンにとって決して避けて通れない身近なテーマ。喜劇と悲劇がつねに紙一重という、綱渡り的会社員生活の日常に潜む、思いもかけない恐怖をリアルに描く。身につまされる笑いのあとに、背筋も凍る戦慄、読みだしたら止まらない興奮の5編。ブラックな会社ミステリー。
  • 年下の男
    3.0
    36歳の営業課長・川島景子は年齢差を危ぶむ声をよそに、21歳の青年と結婚した。だがふとしたことから、自分たちの出会いそのものに不自然な作意を感じ、年下の夫に疑惑の目を向けはじめる。一方、景子をあきらめきれない男がひとりに女がひとり。窮地に追いつめられた彼女にトドメは夫の衝撃の告白! ついに精神的限界を超えた景子は、母の勧めで高原のログハウスに逃げ込むが……。
  • 卑弥呼の赤い罠
    3.3
    私が死ねばよいと思っている人間が七人いる――その言葉を残し、老古代史学者の新藤英二郎は殺された。復元した甕棺の中で「女王・卑弥呼」の再現衣装をまとい、顔を朱に塗られて! 日本という国の成り立ちに関する過激思想ゆえに生命を狙われていた老教授を殺したのは誰なのか? 教え子の歴女・村野杏美(あみ)は、新藤と巡った北九州古代史の旅をふり返りながら、恩師の死の謎の挑戦する! 歴史ミステリー。
  • やさしく殺して
    3.3
    角丸真理子は父の反対を押し切って、屋敷芳樹と結婚した。小野和人という恋人をふっての決断だった。しかし、新婚生活のスタートとともに地獄ははじまった。言葉の暴力――それも叱責や罵倒ではなく、やさしい皮肉。真理子の神経を柔らかく包み込むように、夫の言葉が鼓膜から脳髄へと侵入していく。精神の限界に到達した真理子は、ついに決断した。「やさしく殺して……」。
  • 別れてください
    4.3
    総務部人事課係長の石原滋が一目惚れした十一歳年下の妻瀬里は、フランス人形の如き美しさ。だが、表情に乏しく、夫との肉体的接触を嫌った。子供を作るときでさえも。耐えかねた滋は、部下の高田千絵と浮気をするが、それを察知した瀬里は、自殺騒動を起こし「別れてください」と懇願する。しかし、妻の行動に激怒した滋は、離婚を断固拒絶して自室に引きこもり、家庭内別居で対抗する……。
  • 私の遠藤くん
    3.6
    遠藤由美香は10歳年下の若い夫・彰男を「私の遠藤くん」と呼んで溺愛していた。だが、彰男の行動に対する猜疑心は強烈で、郵便物や携帯の無断検閲は当たり前。彰男あてのクラス会の案内には、勝手に欠席の返事を出す始末。妻の異常な干渉を愛情の裏返しと容認していた彰男も猛反発。中学校の同級生との集まりに強引に出席するが、夫の浮気妄想に取りつかれた由美香は、その会場に乗り込んできた! ホラーサスペンス。

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