学術・語学 - 原武史作品一覧

  • 〈出雲〉という思想 近代日本の抹殺された神々
    3.8
    明治国家における「国体」「近代天皇制」の確立は、〈伊勢〉=国家神道の勝利であった。その陰で闇に葬られたもう1つの神道・〈出雲〉。スサノヲやオホクニヌシを主宰神とするこの神学は、復古神道の流れに属しながら、なぜ抹殺されたのか。気鋭の学者が〈出雲〉という場所(トポス)をとおし、近代日本のもう1つの思想史を大胆に描く意欲作。(講談社学術文庫)
  • 高校生と考える世界とつながる生き方 桐光学園大学訪問授業
    4.0
    「オリンピックの建築は大災害で人間が謙虚な気持ちになれた新しい時代を象徴しなければなりません」―隈研吾 「「似ているけれどやっぱり違うんだよね」というところから出発する」―平田オリザ 明日を生きるために何が必要か、世界で活躍する豪華講師19人が中高生に向き合い真剣に語ります。建築やアート、音楽をはじめ、憲法・政治・コミュニケーション・文学・国際情勢・日本近代史など、さまざまな分野から考える好評シリーズ第2弾。この1冊で世界の成り立ちが見えてくる。
  • 皇室、小説、ふらふら鉄道のこと。
    3.6
    あるとき、会議中に原さんが猛然としゃべりだした。とある鉄道の本について、熱く熱く語っているのである。「いや、そんな細かい部分、ここにいるだれもわからんがな」と呆気に取られつつ、私は深く納得した。 なーんだ、ただのオタクだ! そこからなにがどうなって対談をすることになったのか、いまいち記憶が定かではないのだが、小説や天皇制や鉄道について、二人で好きなようにしゃべったのが本書だ。 私と同様、門外漢のかたにも、肩肘張らずにお読みいただける内容になったのではないかと思う。 ――三浦しをん(「まえがき」より抜粋)    * 三浦さんが女性作家として、時にびしっと本質を衝く意見や質問をされることに、思わずはっとさせられた。 「社会全体の中で女の人をどう位置づけるかは、学校教育も政治家も何も考えていないような気がします。」 「アマテラスは女性の神様ですが、その子孫であるとされる天皇家は、なぜ女系を採用しなかったんでしょうね。」 学者でない人々、とりわけ女性との対話を積み重ねることで、自らの学問が鍛えられてゆくことの大切さを、改めて思い知らされた次第である。 ――原 武史(「あとがき」より抜粋)
  • 「昭和天皇実録」を読む
    3.6
    昭和天皇の生誕から死去までを年代順に記述した「昭和天皇実録」。その細部を丁寧に読みこむと、これまで見えてこなかった「お濠の内側」における天皇の生活様態が明らかになってくる。祭祀への姿勢、母との確執、戦争責任と退位問題、キリスト教への接近……天皇と「神」との関係に注目し昭和史・昭和天皇像を刷新する。

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  • 〈女帝〉の日本史
    4.0
    神功皇后、持統天皇、北条政子、淀殿……連綿 と続いた女性権力者の系譜を掘り起こす。女性天皇はいかなる状況で登場したか、天皇や将軍の「母」はいかに権力を掌握したのか、なぜ時代とともに女性は権力から遠ざかったのか。多様な史資料を駆使し、社会構造や女性観の変遷、東アジア諸国からの影響を検討して謎に迫るとともに、日本の特性をも明らかにする。天皇の退位を控え、転換点にある今こそ読みたい注目作!
  • 大正天皇
    3.8
    愛情を受けず病気を繰り返した幼少期、全国を回った皇太子時代、明治天皇の重圧と闘いながら病状を悪化させていった天皇時代……。明治と昭和のはざまに埋もれた悲劇の天皇像を明らかにした、毎日出版文化賞受賞作が待望の文庫化。
  • 地形の思想史
    3.0
    「空間」こそ、日本の思想を生んでいた――。もう一つの「歴史」が眼前に! なぜ、上皇(皇太子時代)一家はある「岬」を訪ね続けたのか? なぜ、「峠」で天皇制と革命思想は対峙したのか? なぜ、富士の「麓」でオウムは終末を望んだのか? なぜ、皇室の負の歴史は「島」に閉ざされたのか?  なぜ、記紀神話は「湾」でいまも信仰を得るのか? なぜ、陸軍と米軍は「台」を拠点にし続けたのか?  なぜ、「半島」で戦前と戦後は地続きとなるのか? 7つの「地形」から日本を読み解く。 「空間」こそ、日本の思想を生んでいた――。 日本の一部にしか当てはまらないはずの知識を、私たちは国民全体の「常識」にしてしまっていないだろうか?  人間の思想は、都市部の人工的な空間だけで生み出されるわけではない。地形が思想を生み出したり、地形によって思想が規定されたりすることもあるのだ。 七つのテーマと共に、独特な地形と、伝説を含めてそこに滞在ないし生活する人々の間にきわめて強い関係がみられる場所を実際に歩く。 すると、死角に沈んだ日本の「思想史」が見えてくる。 風土をめぐり、不可視にされた「歴史」を浮き彫りにする原思想史学の境地! 【目次】 まえがき 第一景 「岬」とファミリー  上   下 第二景 「峠」と革命 上   下 第三景 「島」と隔離 上   下 第四景 「麓」と宗教 上   下 第五景 「湾」と伝説 上    下 第六景 「台」と軍隊 上    下 第七景 「半島」と政治 上    下  あとがき  新書版あとがき  主要参考文献一覧 ※本書は2019年12月に小社より刊行された単行本を加筆修正のうえ、新書化したものです。
  • 平成の終焉
    4.1
    平成とは天皇制の新たなスタイルが確立された時代だった。日本中をくまなく訪ね歩き、自らの思いを国民に直接語りかけてきた天皇明仁と皇后美智子。二人が生み出した「平成流」は退位後も受け継がれていくのか。皇太子(妃)時代からの足跡を丹念にたどり、「象徴」と国民との奇妙な政治的関係性を問い直す。

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  • 「民都」大阪対「帝都」東京 思想としての関西私鉄
    3.5
    阪急創業者・小林一三は、「政治中心」の東京に対して、大阪を「民衆の大都会」と呼んだ。 ターミナル・デパート、高級住宅地……国鉄に対抗し「官」からの独立を志向する関西私鉄は、沿線に市民文化を花開かせ、「民衆の都」大阪は東京を凌駕する発展を見せた。 だが、大正から昭和への転換、昭和天皇行幸を機に、街は次第に「帝都」へと変質してゆく―。 権力の装置=「国鉄」と関西私鉄との葛藤を通し、「都市の自由」の可能性とその挫折を描く、原武史の代表作。 第20回(1998年) サントリー学芸賞(社会・風俗部門)受賞。 [解説(鹿島茂)より] 「横軸としての鉄道に、縦軸としての天皇が交差することによって、思考の座標軸が形成され、二つのパラメーターが思考の軌跡をさまざまに描き出す」 [本書の内容] はじめに―昭和大礼の光景 第一章 私鉄という文化装置  「帝国」と「王国」  『細雪』から  関東私鉄と関西私鉄 第二章 「私鉄王国」の黎明  第五回内国勧業博覧会  法の抜け穴  二つの風土 第三章 「阪急文化圏」の成立  往来ふ汽車を下に見て―小林一三という人物  民衆の都  沿線文化の確立  反官思想の結実―阪急デパート 第四章 昭和天皇の登場  「大大阪」の誕生  昭和大礼と都市空間の変容  官民協力奮励セヨ―一九二九年の行幸 第五章 阪急クロス問題  「官」の巻き返し  逆風  小林一三、社長を辞任す 第六章 「帝都」としての大阪  大阪市民たるもの  天皇のまなざし  一生一代の御奉公 おわりに―「紀元二千六百年」の光景 解説=鹿島茂 ※本書の原本は1998年に講談社選書メチエより刊行されました。

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