色川武大 - 新潮文庫作品一覧

  • うらおもて人生録(新潮文庫)
    4.2
    優等生がひた走る本線のコースばかりが人生じゃない。ひとつ、どこか、生きるうえで不便な、生きにくい部分を守り育てていくことも、大切なんだ。勝てばいい、これでは下郎の生き方だ……。著者の別名は雀聖・阿佐田哲也。いくたびか人生の裏街道に踏み迷い、勝負の修羅場もくぐり抜けてきた。愚かしくて不格好な人間が生きていくうえでの魂の技術とセオリーを静かに語った名著。(解説・西部邁)
  • なつかしい芸人たち
    4.0
    学校をサボって浅草六区に通い詰めた幼少の頃から、映画・テレビの普及した今日まで、著者が心ひかれ、熱い視線を注ぎ続けた、忘れがたい芸人たち。かれらは、独特の芸と異才で人気を博したが、どこか危ういはみ出し者でもあった。エノケン、ターキー、金語楼など名だたるスターはもとより、青バットの大下、ヒゲの伊之助から、トニー谷、左卜全、渥美清まで、奇人・変人が総登場。
  • 引越貧乏
    3.0
    無個性な生き方はできない。しかし何かに成ることも嫌だ。どうせなら、遊び人らしく野垂れ死をしたい――。「暴飲暴食」「心臓破り」「傷は浅いが」……。五十代に入ったことをきっかけに書き始めた連作は、還暦を迎えて急逝する、そのわずか三カ月前に脱稿した表題作をもって、中断した。予感するように死を意識した日々の心情を綴った本書は、まさしく著者の「白鳥の歌」であった。
  • 百(新潮文庫)
    3.8
    「おやじ、死なないでくれ――、と私は念じた。彼のためではなく私のために。父親が死んだら、まちがいの集積であった私の過去がその色で決定してしまうような気がする」百歳を前にして老耄のはじまった元軍人の父親と、無頼の日々を過ごしてきた私との異様な親子関係を描いて、人生の凄味を感じさせる純文学遺作集。川端康成文学賞受賞の名作「百」ほかに三編を収録する。(解説・川村二郎)

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