浮穴みみ - 双葉社作品一覧

  • 恋仏
    -
    おるんは火付けで家も家族も失う。視力までも失ったおるんは庭職人・興三郎の優しさに救われ、しだいに心惹かれてゆく。だが彼は従姉の許婚であった。逡巡するおるんの耳に届いたのは、蔵に焼け残った「恋仏」の「燃やしてしまえ!」という声。一体何を告げているのか? 恋と謎が絡み合う長編時代小説。
  • こらしめ屋お蝶花暦 寒中の花
    3.8
    江戸日本橋の御茶漬屋女主人・お蝶は、悪事には拳を上げ、困っている者がいれば助けを惜しまない。周りからは「こらしめ屋お蝶」と呼ばれて慕われている。そんなお蝶の亭主・伊三郎は「お役目」だと言い残し、姿を消した。時々届く花だけが無事の報せ。いとしい人の帰りを待ちわびながら、今日もお蝶は世話焼きに駆け回る。
  • 小さい予言者
    4.7
    歴史時代作家クラブ賞受賞作『鳳凰の船』、第二作『楡の墓』に続く、明治から昭和に至る北海道開拓期を背景に描いた短編集。「時代小説ザ・ベスト2021」に選出された傑作「ウタ・ヌプリ」、樺太航路の玄関口が静かに見守る親子の情愛「稚内港北防波堤」、炭鉱の光と影を浮き彫りにし、ささやかな希望をこめた表題作など全五編。三部作、ついに完結!
  • 天衣無縫
    -
    三保の松原に舞い降りた天女の妙耶は、羽衣を盗賊に盗まれてしまう。その賊に親と許嫁を殺され、敵討ちを誓った菓子職人の太一と共に、妙耶は盗賊の行方を追う。そんな月日の中で市井に交わり、親子の情や、よすがなき女の哀しみ、職人がもつ矜持など、人間ならではの姿を目の当たりにしてゆく。哀歓に満ちた連作時代小説。
  • 楡の墓
    3.0
    歴史時代作家クラブ賞受賞作『鳳凰の船』につぐ、開拓期の北海道を舞台に描く短編集。札幌開墾を主導する大友亀太郎と、開墾に従事する青年の行く末/表題作。開拓長官・黒田清隆と札幌農学校初代教頭・クラーク博士が船上で繰り広げる教育論争/「七月のトリリウム」。『時代小説 ザ・ベスト2020』(日本文藝家協会編)に採録された注目作/「貸し女房始末」。新時代の波に翻弄されながらも、己の生きる道を選びとった者たちの姿を情感豊かに綴る全五編。
  • 鳳凰の船
    4.7
    明治初期の函館。洋船造りの名匠と謳われたものの、いまや仏壇師としてひっそり暮らす続豊治。だが若き船大工との邂逅により、再び奮い立つ/表題作。初代北海道庁長官・岩村通俊、イギリス人貿易商・ブラキストンなど、北海道開拓期に名を刻んだ者たちの逡巡や悔恨、決意を叙情豊かに描きあげた五編。第7回歴史時代作家クラブ賞受賞作。
  • 吉井堂 謎解き暦 姫の竹、月の草
    3.8
    時は天保の世、幕府天文方が改暦の準備を進めている。そんななか、神田で手習い所「吉井堂」を開く浪人・吉井数馬と妹の奈緒は、幕府と朝廷の暦合戦に巻き込まれる。果たして数馬の運命は?そして奈緒の秘めた思いとは?第30回小説推理新人賞受賞作を含む、浪漫情緒あふれる時代ミステリー連作短編集。

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