皆川博子 - 早川書房作品一覧

  • アルモニカ・ディアボリカ
    4.1
    第12回本格ミステリ大賞受賞、そして本の雑誌増刊《おすすめ文庫王国2014》国内ミステリー部門第1位に輝いた『開かせていただき光栄です』の待望の続篇、ついに刊行! 前作のラストから5年後の1775年英国。愛弟子エドらを失った解剖医ダニエルが失意の日々を送る一方、暇になった弟子のアルたちは盲目の判事の要請で犯罪防止のための新聞を作っていた。ある日、オックスフォード郊外で天使のごとく美しい屍体が発見され、情報を求める広告依頼が舞い込む。屍体の胸には〈ベツレヘムの子よ、よみがえれ! アルモニカ・ディアボリカ〉と謎の暗号が。師匠を元気づけるには解剖が一番!と、アルたちはダニエルと共に現場に旅立つ。それは、彼らを過去へと繋ぐ恐るべき事件の幕開けだった。ユーモアとペーソスに満ちた絢爛な歴史ミステリ、オールスター・キャストで再度開幕!
  • インタヴュー・ウィズ・ザ・プリズナー
    5.0
    独立戦争中のアメリカ。投獄された英国兵エドワードは、何故植民地開拓者と先住民族のミックスの青年アシュリーを殺害したのか?
  • 死の泉
    4.3
    第二次大戦末期、ナチの施設〈レーベンスボルン〉の産院に端を発し、戦後の復讐劇へと発展する絢爛たる物語。去勢歌手、古城に眠る名画、人体実験など、さまざまな題材が織りなす美と悪と愛の黙示録。1997年の「週刊文春ミステリー・ベスト10」の第1位。第32回吉川英治文学賞受賞の奇跡の大作!
  • たまご猫
    4.1
    遺書さえものこさずに自殺してしまった姉が、いたずらに鉛筆で紙に書き散らしていた“クライン・キャット”という謎めいた文字。この奇妙な言葉だけを頼りに、生前には知りえなかった姉の素顔をさぐろうとした妹を待ちうける、不可解な恐怖の正体とは? 日常生活にぽっかりとひらいた陥穽を描いた表題作「たまご猫」をはじめとして、夢とうつつの狭間に生じる不条理を題材とした、妖しくも美しい、10篇の恐怖のかたち。
  • トマト・ゲーム
    3.7
    壁に向かってオートバイで全力疾走する度胸試しのレース、トマト・ゲーム。22年ぶりに再会した男女は若者を唆してゲームに駆り立て、残酷な賭けを始める。背後には封印された過去の悲劇が……第70回直木賞候補作の表題作をはじめ、少年院帰りの弟の部屋を盗聴したことが姉を驚愕の犯罪に巻き込む「獣舎のスキャット」等、ヒリヒリするような青春の愛と狂気が交錯する全8篇収録。恐怖と奇想に彩られた犯罪小説短篇集。収録作:トマト・ゲーム/アルカディアの夏/獣舎のスキャット/蜜の犬/アイデースの館/遠い炎/花冠と氷の剣/漕げよマイケル
  • 猫舌男爵
    4.2
    棘のある舌で少女を舐め苛む怪異な男爵の物語……? 日本の稀覯本『猫舌男爵』の翻訳に取り組む外国人翻訳家ヤン。だが、言葉と文化のギャップは誤解と憶測を呼び、ヤンと本の関係者たちを思いがけない運命へ導く。爆笑必死の表題作他、死期が近づくと水槽に入る奇妙な世界の死生観と孤独を描く「水葬楽」、女性画家の生涯を死亡時点から遡ることで驚愕の真実が明かされる「睡蓮」等、小説の無限の可能性を広げる奇談集。収録作:猫舌男爵/オムレツ少年の儀式/睡蓮/太陽馬
  • 薔薇密室
    4.3
    第一次大戦下のドイツ・ポーランド国境近く。脱走兵コンラートは古い僧院に身を寄せる。そこでは所有者のホフマン博士が、人間と薔薇を融合させる常軌を逸した実験を行なっていた。コンラートはある思惑のもと、博士に協力を申し出る……。そして十数年後、ナチス・ドイツの弾圧から逃れたポーランド人の少女ミルカが見た、僧院の恐るべき真実とは? 戦争と美への欲求という人間の深い業を流麗な筆致で描く歴史ミステリ。
  • 開かせていただき光栄です―DILATED TO MEET YOU―
    4.1
    18世紀ロンドン。外科医ダニエルの解剖教室から、あるはずのない屍体が発見された。四肢を切断された少年と顔を潰された男性。増える屍体に戸惑うダニエルと弟子たちに、治安判事は捜査協力を要請する。だが背後には、詩人志望の少年の辿った稀覯本をめぐる恐るべき運命が……解剖学が先端科学であると同時に偏見にも晒された時代。そんな時代の落とし子たちがときに可笑しくときに哀しい不可能犯罪に挑む。
  • 夜のアポロン
    4.0
    ――八時三〇分。俺の炎でお前を焼き尽くす時刻だ……サーカス団の少年は恋人の胸に電極を繋いだ。高慢な太陽神に喩えられた美少年に何が起きたのか。青春の残酷なまでの輝きを映した表題作他、書籍未収録のミステリ中短篇全16篇をセレクトした傑作短篇集。

最近チェックした本