社会学 - 養老孟司作品一覧

  • 世間とズレちゃうのはしょうがない
    3.9
    世間からはじき出されないことを願う理論派・伊集院光と、最初から世間からはみ出している理論超越派・養老孟司。博覧強記でゲーム好きという共通点がある二人が、世間との折り合いのつけ方を探ります。見た目が大きくて、子どものころから同級生との違いをひしひしと感じ、「世間からはじきだされることがこわかった」という伊集院さんは、不登校になった理由や落語の道に進んだわけを明かしつつ、「人間はそもそも群れの中で生きる動物。『他人に優しくなるほうが得』ということになるんじゃないかな」と語ります。一方「自分ははじめから世間から外れていた」と語る養老さんは、「都市においては、意識で扱えないものは排除されます」という都市論・世間論を展開。さらに、たまには世間から外れて世の中をながめてもいいんじゃないか、と世間から抜け出す方法を提案します。抱腹絶倒のトークから、世間とズレながら生きていくヒントが得られる一冊です。
  • 「身体」を忘れた日本人 JAPANESE, AND THE LOSS OF PHYSICAL SENSES
    4.0
    解剖学者・養老孟司氏と作家・冒険家のC・Wニコル氏が、都市生活によって衰えた日本人の身体をテーマに、子どもたちのこと、食べるということ、極地での気づきなどさまざまな問題に切り込んだ対談集。  アレルギーになる子ども、災害時に火をおこすことが出来ない大人たち。便利になりすぎた都市生活によって、あまりに身体を使わない世の中になっていないだろうか。そして自然と触れる機会もなくなった現代人は、嗅覚、免疫といった身体機能も衰えている―。そんな問題意識から、話は広がっていきます。 【1章 森と川と海のこと】 荒れた森を再生する/日本の杉は苦しがっている/馬に木を運ばせる/木の力、森の力/森と川、そして海のつながり/川は「流域」で考えよう 【2章 食べること、住まうこと】 田舎の力/都会の罠/虫は貴重なタンパク源だった/何でも食べられるのは「貴族」/木を生かす適材適所/原発事故のあとに残された難問/人間関係を保険で補償する時代/経済成長とはエネルギーを使うこと 【3章 子どもたちと教育のこと】 「ほったらかし」が一番/二人の子ども時代/母親の世界から飛び出せ/ゲームより実体験/自然が足りないと世界は半分になる/新しいエリートをつくる/体験を通すと生きた知識が身に付く/森で授業を/小さいときに触れるべきもの 【4章 虫のこと、動物のこと】 生き物の分類は分ける人によって変わる/ゾウムシは中央構造線を知っている?/オスは時々いればいい/ハチに刺されて死ぬのはなぜか/クモに名前をつける/いなくなった赤とんぼ/生き物は複雑なシステム/キリンの首はなぜ長い/熊との付き合い方 【5章 五感と意識のこと】 ハエも用心するクサヤのにおい/顔色をうかがうための進化/意識はコントロールできない/人が失った絶対音感/山の声が聞こえる/銃を撃つ前に逃げるカモ/夢と意識/時間と空間/「意識の時代」と「身体の時代」 【6章 聞くこと、話すこと】 英語を強制されたトラウマ/気持ちと結びつく日本語/訓読みは難しい/主語の有無は文化の違い/自我の目覚めが遅い日本人/日本語と感覚/片言の中国語/「暗いところ」がなくなった/言葉がなくなると存在もなくなる 【7章 これからの日本のこと】 子供も、大人も外で遊べ/若者に責任を持たせよ/日本人に覚悟はあるか/言い訳の多い日本人/もう一つ先を考える/人間は「状況の産物」である/日本人よ、自分を取り戻せ
  • 年寄りは本気だ―はみ出し日本論―(新潮選書)
    3.8
    「日本には人命尊重という概念がない」「有事になると希望的観測で動く」「損切りができない」……この国を動かす「空気」の正体を断じる。「SDGsはただのスローガン」「AIの予測はだいたいはずれる」「カーナビは人間の感性をダメにする」……流行りものにも物申す。84歳と75歳が、日本のほんとうの難題を語り尽くす。
  • 歳を取るのも悪くない
    4.0
    長生きは喜ばしいことのはずなのに、人生百年といわれてもまるで希望が持てないのはなぜ? これからの人生に不安がいっぱいの小島さんが、傘寿を迎えた人生の先達、養老先生に率直な疑問をぶつけます。私たちはいつまで働き続けなければいけないの? 今の仕事は自分に合っているの? なぜ自分の気持ちをわかってもらえないの? 夫婦関係ってこれでいいの? 今とは少し違う景色が見えてくる、幸せに生きるためのヒントが満載です。
  • 日本人はどう死ぬべきか?
    3.3
    1巻1,430円 (税込)
    身体を見つめてきた解剖学者と世界を駆けまわる建築家が、現代日本の大問題、「死に方」について考える。 中高年男性の自殺率が世界でもトップレベルになった日本。 「死」が徹底的に排除された都市に住み、「死」について考えなくなった私たちは、 どのように「死」と向き合い、「その日」を迎えればいいのだろうか? 解剖学者と建築家という異色のコンビが、鴨長明の『方丈記』や、東京の歌舞伎座、 そして同じ学校で受けたキリスト教式の教育などをヒントに、ときにユーモアを交えながら、縦横無尽に語り合う。
  • 日本の歪み
    3.8
    この社会の 居心地の悪さは どこからきたのか? 明治維新と敗戦、憲法、天皇、 経済停滞、少子化、巨大地震… 「考えたくなかった」 戦後日本の論点を徹底討論! <本書の内容> 右も左も、いまだに外圧頼り。 内発的に自分たちの価値を肯定し、守るということができていない(東) 天皇が生物学を勉強したのは、正気を保つためにやっていたんでしょう(養老) 日本人は戦争による被害も、人災ではなく天災のように捉えてしまう(茂木) 「シビリアン・コントロール」なんて、 自分の国の言葉にもできないようなものが身につくはずがない(養老) 戦後、この国は、人の心を安定させるものを、かなり潰してしまった。 新興宗教が強いのも、コミュニティの貧しさと関係している(東) 「九条」に限らず、日本は整合性をつけることへの欲望がない(茂木) 日本経済が30年も停滞している理由は、 もう作らなくていい、壊さなくていい、という暗黙の民意なんじゃないか(養老) 被害の記憶を伝えたいなら、震災の日だけでも実際の津波の映像を流したほうがいい(東)
  • 本質を見抜く力―環境・食料・エネルギー
    4.2
    「(すべては情報という)社会でおそらくいちばん忘れられそうなこと、それはモノである。モノとカタカナで書くのは、私の場合には、ある対象があって、それが五感のすべてで捉えられる、という定義になる。……私は日本人で、人間を中心に考えるから、ヒトから見たモノ、それで社会を論じたい。以前からそう思っていた(養老孟司氏のまえがきより)」。 このような立脚点から養老氏が知見を論じ合うのは、ダム行政に手腕を発揮し、また地形やデータから日本文明の歴史を解き明かしてきた元国土交通省河川局長。石油高騰、温暖化、食料・水不足、少子化などの問題の本質に迫る。「日本人は既に一度エネルギー枯渇を経験している」「温暖化対策に金をかけるな」「小さいことが好きな日本は世界の見本になり得る」、さらに「自殺する人は傲慢」という卓見まで。戦う農業経済学者・神門善久との鼎談「日本の農業・本当の問題」も掲載。ものの見方、日本の見方を変える一冊。

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  • ぼちぼち結論
    3.8
    「理性」に振り回される現代世界を憂い、社会「常識」の怪しさを指摘し、虫捕りの時間がないことをぼやく。養老孟司の時評シリーズもついに完結篇。ホリエモン・村上ファンド騒動、子どもの自殺、団塊世代の定年……。さらに、幸せについて、文明についても考察。さあ、結論が見えてきた。

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  • まともな人
    -
    今回は「あたりまえ」について考えてみよう。こういう話題ならできるだけ具体的なほうがいい――。養老孟司が世の中の動きを定点観測。小泉内閣発足も、9・11同時多発テロや北朝鮮問題も、地球温暖化論や「新しい歴史教科書」問題も、何か通じるものがある。二一世紀最初の三年間の出来事とそれらをめぐる人々の姿から、世界と世間の変質をズバリ見通し、現代にはびこる「ああすれば、こうなる」式の考え方に警鐘を鳴らす。

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