伝統・芸能・美術 - 筑摩書房作品一覧

  • いちばんやさしい美術鑑賞
    3.9
    「何を見たらいいのかわかりません!」──そんな美術鑑賞にさようなら! これからはもう一歩作品に踏み込みましょう。しかも超簡単! 「上手さを知るには手を観る」「プレートは必ず読む」「誰かと一緒に観に行く」「評価のチェックリストを作る」……。1年に300以上の展覧会に足を運ぶカリスマ・アートブロガーが、美術の本質を見極めながら、広くて深くてしなやかな美術鑑賞法を教えます。
  • 一枚の絵で学ぶ美術史 カラヴァッジョ《聖マタイの召命》
    4.2
    バロックを代表する画家カラヴァッジョの名画《聖マタイの召命》。この謎の多い絵画に込められた豊かなメッセージを受け取ろう。美術をみる目を助ける基礎的かつ普遍的な知識を紹介し西洋美術史の豊かな世界に誘う一冊。
  • イメージの歴史
    4.5
    有名芸術家の名作はもとより、版画や挿絵、広告や記念碑に至るまで、美術作品が、何のために、どのように描かれてきたか──それが「イメージの歴史」だ。ここではさまざまな学問領域を自由に往来し、ポスト・コロニアル的かつジェンダー的な視線で従来の美術史を書き換える。絵画と社会のかかわりや画像の解釈方法などの理論を踏まえ、さらに西欧文化が繰り返し描いてきたイメージにメスを入れ、その精神的・社会的な背景を明らかにする。レイプを描き続けたのはなぜか、新しい政治形態はどのような画像を生んだか──人間の想像力に新たな光を当てる美術史の誕生。
  • イメージを読む
    3.9
    絵画は美しいのみならず、描かれた時代の思想・宗教観を密かに映し出している。ミケランジェロのシスティーナ礼拝堂の天井画、レオナルド・ダ・ヴィンチの『モナ・リザ』、デューラーの『メレンコリア』、ジョルジョーネの『テンペスタ(嵐)』。世界の名画のなかでもとくに謎に満ちたこれらの作品から、絵画の隠された謎をさぐる。画家が本当に描きたかったのは何か、何に託してその意図を伝えたか? 美術研究の成果を存分に駆使しながら、絵画に描かれた思想や意味を鮮やかに読み解くスリリングで楽しい美術史入門。
  • 失われたアートの謎を解く
    3.8
    名画の悲劇は美術史の知られざる裏の顔だ。修復不可能になったムンク《叫び》、2012年にアパートの一室から発見されたナチス御用画商の隠し絵画1万6000点、8万8000個の破片から再現されたマンテーニャのフレスコ画、フェルメール《合奏》を含む被害総額5億ドルの盗難事件……欲望と不運が綾なす黒歴史に詳細なビジュアルで迫る!
  • 駅をデザインする
    3.8
    駅の出口の案内は黄色。東京の地下鉄の案内表示は各ラインカラーの「○」――こうした日本の駅のデザインを決めてきたサイン設計の第一人者が、駅のデザインを、自身の手がけた豊富な実例をもとに語り尽くす。案内表示に求められるものとは何か、そのデザイン思想とはいかなるものか、1970年代に始まった日本の空間・サイン整備の歴史をたどりつつ論じ、現在の日本と海外の駅とを比較。混迷を深める日本の公共空間を批判的に検討し、利用者本位の、交通システムのあるべき姿を展望する。
  • オリンピックと万博 ──巨大イベントのデザイン史
    -
    2020年東京オリンピックの、メインスタジアムやエンブレムのコンペをめぐる混乱。それは、巨大イベントの開催意義について再考を迫る契機となった。そもそもオリンピックとデザインは、密接な関係にある。1964年東京オリンピックでは、日本のデザイン界が総力を結集し、各分野が連携を図り、統率のとれたデザインポリシーが展開された。その延長上に、1970年大阪万博でもデザインポリシーは発揮されることになる。本書では、戦後に「デザイン」という概念が定着していく過程から説き起こし、五輪と万博という巨大国家プロジェクトのデザインと、そこに貢献した丹下健三、亀倉雄策らの群像を追う。
  • 絵画を読む ──イコノロジー入門
    3.0
    絵画のもつ意味、それを“解釈”するにはどうしたらよいか──。その基礎的方法論のひとつとして挙げられるのが図像解釈学(イコノロジー)である。本書は、カラヴァッジョ『果物篭』、ボッティチェッリ『春』、ブロンズィーノ『愛のアレゴリー』、ブリューゲル『バベルの塔』等、重要な名画12作品を取り上げ、関連作品と比較しつつ、その背後にある思想や意味世界への接近を試みる。イメージの読み解きによって、美術の深みと無限の感受性への扉を開ける、美術史入門書の決定版。
  • 官能美術史 ──ヌードが語る名画の謎
    3.8
    恥じらいながら、生まれたばかりの透明な素肌を露にする愛の女神ヴィーナス、恍惚としてひとり横たわるマグダラのマリア、近代をとりこにした東洋の女奴隷たちの妖艶な姿態―西洋美術の世界を彩る美しいヌードが大集結。性のモラルの厳しいキリスト教社会で裸体を描くことがどうして可能だったのか? その多くが神話や聖書を題材とするのはなぜか? ボッティチェッリ描くヴィーナスのお腹が膨らんでいるわけは? いくつかの鍵を用いて読み解くと、魅惑的な姿に秘められた謎があざやかに浮かびあがる。カラー多数。200点以上の図版とともに楽しくアートの世界へ誘う極上の美術案内。
  • 近代美学入門
    4.7
    近代美学は、17~19世紀のヨーロッパで成立しました。美学と言っても、難しく考えることはありません。「風に舞う桜の花びらに思わず足を止め、この感情はなんだろうと考えたなら、そのときはもう美学を始めている」ことになるからです。本書は、芸術、芸術家、美、崇高、ピクチャレスクといった概念の変遷をたどり、その成立過程を明らかにしていきます。
  • クリエイター・スピリットとは何か?
    3.4
    日本のデジタルコンテンツは世界が認める文化。環境も需要も、本場だからこそ揃っている。何かを表現したい君、迷わずクリエイターをめざせ! そして最高にぜいたくな生き方をしよう。
  • 古伊万里図鑑
    -
    青山二郎と親交を結び、北大路魯山人に星岡茶寮を任され、柳宗悦の蒐集に協力した稀代の目利き、秦秀雄。すべての古美術に精通したが、伊万里を鑑賞の世界に引き上げた牽引役としてつとに名が高い。本書は、その秦が満を持して刊行した、究極の古伊万里鑑賞案内だ。掲載されている品々は、今も愛好家垂涎の的となっており、蒐集のスタンダードになっている。収められているのは、代表的な染付や白磁から、希少な赤絵、鉄絵、辰砂、鉄砂、瑠璃釉まで、約340点。秦秀雄の眼が射抜いた見どころを、ぜひ味わっていただきたい。幻の名著、遂に文庫化。
  • ゴッホとゴーギャン ──近代絵画の軌跡
    4.0
    ゴッホとゴーギャン。美術史のなかで燦然と輝く二つの巨星。ともに印象派絵画とジャポニスムから大きな影響を受け、西洋美術を超克した。なぜ、彼らの作品は後世の美術家を魅了しつづけるのか? 二人の数奇な人生をたどり、美術史的な観点から二十世紀の近代絵画へ架橋した芸術運動として「後期印象派」を総覧。狂気と理性がもたらした創作の秘密を解き明かす画期的な一冊。図版資料多数収載。
  • 残酷美術史 ──西洋世界の裏面をよみとく
    3.5
    西洋には残酷美術の名画が数多くある。なぜこれほど凄惨な場面がくりかえし描かれてきたのか? そこに人間のどんな欲望と残虐性を読みとることができるのか? 神話・聖書の怖いエピソードから、魔女狩り、子殺し、ペスト、拷問、処刑などの歴史上の事件まで、図版200点以上を収録。人間の裏面を抉り出す、衝撃の美術史。
  • 色彩論
    4.1
    文豪ゲーテは多くの貌をもつ。その文業とともに、終生情熱を傾けたのが、植物学・動物学・地質学・解剖学・気象学などに及ぶ広汎な自然研究であった。とりわけ形態学と色彩論はその白眉と言うべく、シュタイナーらの再評価を経て、現代的関心もきわめて高い。分析と還元を旨とする近代科学の方法に対して、綜合と全体化を目指すゲーテの理念の背景には、汎知学─ヘルメス学の伝統が控えている。『色彩論』の精髄たる「教示編」に加え、「科学方法論」を併載し、ゲーテ自然思想へのチチェローネとなす。
  • しぐさで読む美術史
    3.7
    西洋美術を鑑賞するには、人物の身振りやそこに込められた意味について知っておくことが重要だ。有名な《最後の晩餐》や《受胎告知》も、よく観察すると、描かれた個々の人物の異なる身振りがそれぞれ別の感情を表すことに気づく。知らないと見過ごしてしまうこれらの身振りや動作に注目すると、絵の中の「物語」が鮮明に見えてくる。古今東西の美術作品200点以上、カラー図版多数。
  • 象徴としての女性像 ──ジェンダー史から見た家父長制社会における女性表象
    5.0
    国家の象徴、男を滅ぼす悪者……男は女をどう描いてきたのか。美術史上の女性像の成立と受容をたどり、その波瀾万丈な変遷を跡づける画期的ジェンダー美術論。家庭内では出産・育児を引きうけ、また劣等であるがゆえ社会から遠ざけられ、さらに、男をたぶらかす悪者とされてきた、物言わぬ「女」たち。彼女らがどのようにとらえられ、表象されてきたか──その波瀾万丈な変遷を丹念にたどる新しい美術史。
  • 食品サンプルの誕生
    4.5
    どんな田舎にも、どんなにさびれた商店街にも、必ず存在する食品サンプル。「見るメニュー」としてすっかり定着し、スパゲティを絡めたフォークが宙を浮いていても、日本人は不思議には思わない。世界中の誰も発想できなかったこの日本独自のメディアは、いったいいつ、なぜ生まれたのだろうか。その謎に迫った唯一の研究を文庫化。リーディングカンパニー「いわさきグループ」の協力を得て、製造工程もカラー口絵で細かく再現する。
  • 新編 民藝四十年
    4.0
    民藝の入門書の定番として長く親しまれてきた柳宗悦の『民藝四十年』。しかし、柳はこの名著をさらに充実させる改訂案を温めていたのだった。本書は柳が生前、『民藝四十年』の初版本目次に書き加えていた15編の論考を新たに増補し、柳の訂正指示を反映させて編んだもの。これにより、柳が「民藝」を通して伝えたかったことがより明確となった。ものの真の美しさを掴み取るにはどうしたらよいのか? 何がものを美しくさせているのか?ものが美しくなる原理が迷える人間の救済にもあてはまるとはどういうことなのか?そのすべての答えがこの一冊の中にある。
  • 情報公開が社会を変える ――調査報道記者の公文書道
    4.0
    行政が押し進める理不尽な政策。そこに共通するのは、意思決定過程が不透明で結論や負担だけを市民に押しつける点だ。真実を知り、民主主義を守るためには、私たち一人ひとりが行政を監視し、政策をチェックすることが求められる。役所の不正に立ち向かうとき、強力な武器となるのが情報公開制度だ。これまでに千件もの情報公開請求を行い、数々のスクープを伝えてきた調査報道記者が、長年の経験をもとに、そのしくみとテクニックをわかりやすく伝授する。
  • 仁義なき聖書美術【旧約篇】
    5.0
    「おどれら、ほんまにいたしいのぉ~!」豪快な天地創造を皮切りに、人類リセット大洪水! 息子丸焼き命令! 中間管理職モーセの苦悩! 大親分ヤハウェの気まぐれと暴力が織りなす旧約聖書の世界を、芸術家たちはどのように表現してきたのか。ミケランジェロ〈天地創造〉、キルヒャー〈バベルの塔〉、カラヴァッジョ〈ダヴィデとゴリアテ〉などの傑作を、やくざ風物語と丁寧な美術鑑賞で読み解く。画期的美術読本!! 【新約篇】と同時刊行!
  • 仁義なき聖書美術【新約篇】
    -
    「この中にわしのことを密告(チンコロ)する奴がおる」幼児大虐殺! 十字架刑! そして、やくざ王国の建設! ヤハウェ大親分から直盃を受けた(と言われる)イエスと十二人の舎弟の悲喜劇が展開される新約聖書の世界を、芸術家たちはどのように表現してきたのか。エル・グレコ〈神殿から商人を追い払うキリスト〉、レオナルド・ダ・ヴィンチ〈最後の晩餐〉、マティアス・グリューネヴァルト〈磔刑〉などの名作を、やくざ風物語と丁寧な美術鑑賞で読み解く。画期的美術読本!! 【旧約篇】と同時刊行!
  • 聖母の美術全史 ――信仰を育んだイメージ
    -
    2020年4月、一枚の聖母像の前でフランシスコ教皇は、新型コロナと戦う連帯を全世界に呼びかけるミサを行った。今も昔も、悩み苦しむ人びとが求めるのは、「母なるもの」のイメージなのだろう。イコンをその源に持つ聖母は「受胎告知」「ピエタ」「無原罪の御宿り」など様々な主題を生み、祈りの対象としてのみならず、西洋美術史を強く牽引した。聖母像の起源から、ルネサンス、バロック、日本の南蛮美術やお掛け絵、現代美術に至るまで、その大潮流を追いかける比類なき美術史。
  • 西洋美術とレイシズム
    3.6
    聖書のエピソードに登場する人物を西洋美術はどう描いてきただろう。2000年にわたるその歴史の中で培われてきた人種差別のイメージを考える。
  • 世界はデザインでできている
    4.1
    今の世の中は、デザインがなくては成立しない。デザインはどのように見られ、どのように機能しているのか。広告、パッケージ、本の装丁など、グラフィックデザインで活躍中のアートディレクターが語るデザインの魅力。
  • 増補改訂 境界の美術史 ――「美術」形成史ノート
    4.0
    現在の美術を作り出した「境界」が引かれ、社会に浸透していく過程を、制度史的視点から捉えた画期的論集。近代において「美術」概念や日本画をはじめとする諸ジャンルは、いかにして形づくられ、純化へと向かっていったか。衝突や動揺を引き起こしつつも、五感の秩序における視覚の優位、工業社会の到来、固有の造型芸術への意志、これら三つが推進力となって「美術」は成立した。だが、その境界は画定し切ったわけではない。裂け目を孕みながら、未完の運動体として今もわれわれの目の前にある。『眼の神殿』と対をなす本書は、新たな作品創造と歴史記述の可能性へと読者を導く。
  • 増補 現代美術逸脱史 ──1945-1985
    4.0
    「美術」とは何かが問い直される時代にあって、日本の美術家たちは、どのような思想のもとにいかなる創作活動を展開してきたか。具体、ハイレッド・センター、もの派、美共闘、ポストもの派……。戦後40年の日本美術の流れを跡付け、欧米の模倣でもなく、伝統への回帰でもないその逸脱の軌跡の中に、日本固有の「美術」の萌芽を読み取っていく。作品や展覧会をもとに論じるだけでなく、針生一郎、宮川淳らの批評や、李禹煥ら作家の思想も追った。「類としての美術」を提唱した鮮烈な批評にして画期的通史、およそ100頁の増補を加えた決定版。
  • 誰でもカンタン!「いい字」が書ける ──双雲流二〇の極意
    3.0
    たとえ上手でなくても、その人らしい「いい字」を書くことは誰にでもできる。今では、少なくなったとはいえ、葉書や、年賀状、メモなど、まだまだ文字を書く機会はある。この本では、書道家である著者のリードのもとに、ひらがな、漢字を書く基本、それから、自分らしく書く楽しみ、伝える楽しみを学んでいきたい。「自分らしい、いい字を書く」そのための極意を、シンプルな言葉で伝える。お手本を見ながらドリルをすることで、すぐに体感できる。
  • 朝鮮の膳/朝鮮陶磁名考
    -
    浅川巧は日本に朝鮮半島の工芸のすばらしさを伝えた先駆者として知られる。ものだけではなく、ものを生み出した民族全体を愛する姿に、民藝の父・柳宗悦は打たれ、生涯の友となった。そして浅川と柳は当時誰からも評価されていなかった李朝工芸に美を見出し、ソウルの景福宮内に「朝鮮民族美術館」を設立する。本書収録の『朝鮮の膳』は膳の歴史や産地、形態、用途、材料、製作法などを紹介したもの。『朝鮮陶磁名考』は器物の本来の名称とその用途などを記録したもの。いずれも90年以上前の著作だが、朝鮮工芸に関する比類なき名著として、日本でも韓国でも読み継がれている。
  • 点と線から面へ
    4.0
    芸術にも科学を──。20世紀はじめに“抽象絵画”の概念をいち早く提唱し、絵画作品の新局面を切り開いたカンディンスキーが試みたのは、絵画の構成要素を徹底的に分析し、理論的・科学的に吟味することだった。点や線がもつ本源的な力を把握すること。そうしてこそ、それらが平面の上に置かれたときに相互に共鳴し合い、生きた作品としての“コンポジション”が実現するのだ。絵画にとどまらず、さまざまな造形芸術に大きな影響を与えた古典的名著。
  • 〈日本美術〉誕生 ──近代日本の「ことば」と戦略
    4.0
    作品じたいは古くからあった。しかし、「日本美術史」という歴史体系は、「ことば」によって近代日本につくられたのである――。本書はまず、明治期に「絵画」などの美術用語が作られていく過程、また「日本画」「西洋画」「歴史画」「裸体画」「風景画」といったジャンルが規定されていく過程を綿密に追う。その背後にあるのは、近代日本で芽生えた国家思想、つまりナショナリスティックな「日本」意識と、欧化・国際化との相克だ。作品・作家を生み出し支えた政治的・社会的機構をとおして、新たに近代美術の深部を抉りだす。
  • 日本美術の核心 ――周辺文化が生んだオリジナリティ
    4.3
    西欧や中国の美術はいわゆるファインアート、権力者による威圧的な造形を主流としているが、日本美術は違う。例えば鳥獣戯画や伊藤若冲の作品のように、遊び心にあふれ見る者を楽しませる造形によって鮮烈に彩られ、「真実」よりも「美しさ」を追求し発展してきた。「わび」「素朴さ」「デザイン性」「文字との融合」「多様性の競演」……世界に類のないそのオリジナリティを、本書では縦横無尽に読み解いていく。世界の周辺文化のトップランナーとしての日本美術の唯一無二性を解析する一冊。
  • 美学の逆説
    3.3
    主観的・個人的な感性の問題である“美”にとって、客観的な論理や学問は可能だろうか? 美学的営為はそのはじまりから逆説的事態を宿している。崇高と芸術との内在的関係を問う「崇高と芸術」、身近に芸術を体感できる美術館の逆説をめぐる「比較芸術学と美術館的知」など、美学が孕む諸問題を解き明かす力作論考9篇。
  • 美少女美術史 ──人々を惑わせる究極の美
    4.3
    この世でもっとも純粋で美しいもの――それは愛らしい少女たちの姿。なぜ、彼女たちは時代によって、エロスを漂わせた存在として表現されたり、性をそぎ落とされたけがれない姿で描かれたりと、変貌をくり返してきたのか? そこには人間のどのような理想と欲望が映し出されているのか? あらゆる女性の理想とされたあどけない聖母マリアから、突如挑発的な姿を露わにし始める現代の少女たちまで、200点の名画の裏に隠されたメッセージを読み解く。色鮮やかな図版が誘う究極の美の世界。
  • 美少年美術史 ──禁じられた欲望の歴史
    4.0
    神々が愛したかわいくエロティックなクピドたち。古代の英雄や皇帝たちを狂わせ、歴史の運命を大きく動かした少年愛のめくるめく世界。中世キリスト教社会で、激しい抑圧のなか密かに紡がれた同性愛的嗜好。そしてルネサンス期を迎え、ふたたび花開く男たちの肉体美――。西洋美術には美少年を描いた傑作が数多く存在する。彼らはなぜこれほどまでに芸術家たちを虜にし、その創造力をかきたててきたのか? ときに勇ましく、ときに儚げに描かれたその姿に、人類のどのような欲望が刻み込まれているのか? アート入門としても最適。カラーを含む200点以上の図版とともに辿るもうひとつの西洋史。
  • 魔術的リアリズム ──メランコリーの芸術
    4.0
    1920年ドイツ。表現主義と抽象全盛の時代に突如現れ、束の間妖しく輝き、やがてナチスの「血と大地」の神話の陰に消え去った、幻の芸術があった。歴史の狭間に忘れ去られた画家たちの軌跡を克明にたどり、仇花のごとき芸術の誕生と死を通して、ある時代の肖像を鮮やかに描きだした名著。
  • 密教アート入門
    3.0
    密教は「わからない」といわれることが多い。しかし、密教を「アート」というフィルターをとおして眺めると、あまり難しく考えずに、すっきりと本質を理解できる。日本の密教の開祖である空海も、アートを用いてその本質を知らしめる手法を重んじたという。この手法は、曼荼羅という密教アートの基本へと通じており、曼荼羅自体が密教寺院における本尊の役割も担っている。三〇年もの間、仏画・曼荼羅の研究と作画にたずさわってきた著者自筆の図版も収録、平明な語り口を通じて密教を理解する一冊。
  • 無言板アート入門
    3.3
    誰かがなにかの目的で立てたはずなのに、雨風や紫外線などの影響で文字が消えてしまった街角の看板たち。そんな“もの言わぬ看板”=「無言板(Say Nothing Board)」を、作り人知らずのストリートアートとして鑑賞する。美術評論家である著者が、まち歩きの道すがらに発見、収集した路上の芸術をカラーで約200点収録&解説。これを読めば、いつものさんぽ道がまったく新しい美術館に見えてくる!
  • 眼の神殿 ――「美術」受容史ノート
    4.0
    明治洋画の開拓者・高橋由一が構想し、遂に未完に終わった「螺旋展画閣」(1881年)。時代の力動を体現するこの構想は、あるひとつの言葉、「美術」の生成と軌を一にしていた。由一の事業着想の背景、博覧会・美術館・美術学校など諸制度の誕生、フェノロサと国粋主義運動……。入念な史料分析によって、官製訳語がいかにして成立し、定着=規範化していったか、その過程が明るみに出される。鮮烈なまでに露わとなるのは、「美術」という言葉が紛れもなく時代の分水嶺を象っていたことだ。制度論の視角から結晶化していく概念史。それは、以降の美術史研究を一変させた。第12回サントリー学芸賞受賞。
  • モチーフで読む美術史
    3.9
    たとえばあなたが実際に美術館に出かけて目にした、これまで見たことのない中世の西洋絵画を即座に読み解くにはどうすればいいだろうか。本書は、絵画に描かれた代表的な「モチーフ」を手掛かりに美術を読み解く、画期的な名画鑑賞の入門書である。西洋絵画だけでなく、日本を含む東洋の美術や現代美術にも言及している。人気の新聞連載に加筆し、カラー図版150点を収録した文庫オリジナル。
  • 闇の日本美術
    3.1
    日本の古代・中世絵画には苦しみ、恐れ、悲しみ、嫉妬、絶望など、世界の暗部をのぞき込むような主題が散見される。本書では絵巻や掛幅画に描かれた闇について、仏教思想や身体観、歴史的事件などを手がかりに「地獄」「鬼と怪異」「病」「死」「断罪」「悲しき女」の各テーマに分けて、よみといていく。日本人は生老病死をどうとらえ、どう描いてきたのか。暗闇からの日本美術入門。
  • ヨーロッパ近代芸術論 ――「知性の美学」から「感性の詩学」へ
    -
    私たちの時代の感性がここに幕を開ける! 19世紀は自らの内部に新たな想像力の源泉を見つけた。美術史の碩学が自選した評論により“近代”から“現代”に至る芸術の道筋を示す決定版。
  • 流出した日本美術の至宝 ──なぜ国宝級の作品が海を渡ったのか
    -
    明治維新の混乱のなか起きた日本美術の海外への大量流出。そのとき海を渡った作品の中には国内に留まっていたら国宝間違いなしと言われるものも多数含まれていた。フェノロサやビゲローといった著名コレクター、エドワード・モース、フランク・ロイド・ライトのような意外な人物、そして林忠正や松方幸次郎ら日本人まで、当時の記録を丹念に読み解くことで外国人による日本美術買い付けの実態を明らかにするとともに、いまも続く美術品流出の是非を問う。
  • ルーベンス回想
    -
    19世紀ヨーロッパを代表する美術史家・歴史家・文化史家ブルクハルト。本書は、「最大の絵画的物語作者」ルーベンスの生涯を追い、その絵画の本質を神話画・肖像画・風景画など作品テーマに沿って解説する。鋭利な筆によって、ブルクハルトが理想として思い描いていた、「万能の人」としての巨匠の姿が浮き彫りにされる。カラー口絵のほか、図版多数。新訳。
  • ヴィジュアルを読みとく技術 ──グラフからアートまでを言語化する
    3.8
    ちょっとした子どもの絵、データをもとにしたグラフ、美術館に展示される数々のアート作品。世の中には、言葉以外の形で表現されているものが無数に存在する。しかし、それらから何を読み取り、言葉にすればよいかはあまり教わる機会がない。そこで、様々な実例を挙げながら、特徴の摑み方、解釈の方法、言語化する術、社会での論じ方を段階的に解説する。アートと思考と言語が結びつけば、新たな知の興奮が生まれてくる。

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