小説・文芸 - 山田風太郎 - 小学館作品一覧
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4.4時代を超えた衝撃の名作短編を収録。 幕末から明治を舞台に描いた山田風太郎の名短編を、文芸評論家・日下三蔵氏の編により収録した短編集。大きく変わっていく激動期に、あるものは自らの意志を貫き、あるものは時代に翻弄される人生を送った。 無念流の免許皆伝の腕をもち、佐久間象山の下では、勝麟太郎とならぶ俊才と目されていた、立花久米蔵。蘭方の医者でもあり、妻は外国人の血を受け継いでいた。そんな彼が、黒船渡来で攘夷を唱える声に、異論を述べたことから悲劇が始まる、「ヤマトフの逃亡」。 火事のため、伝馬町の牢屋敷から囚人の切り放しがあり逃げてきた、高野長英の最後までを描く、「伝馬町から今晩は」。 ほか全七編。
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4.0新進作家として活躍する昭和24年25年。 昭和24年~25年。山田誠也は東京医学専門学校を卒業、インターンとなる一方、作家・山田風太郎として日本探偵作家クラブ賞を受賞、江戸川乱歩や横溝正史らと交流を深めながら数々の作品を発表しつづける。 <今……元旦零時。ラジオより除夜の鐘鳴りつつあり、夜雨静かにして咽ぶが如し。この年、二十八才! いかなる運命が余の前に展開せられるであろうか。呆々たる一日。夜、酒のみ泥酔(昭和24年1月1日)> <決意す。余が医者たるは肉体的に精神的に性格的に適せず。乾坤一擲作家たらんとす。(?)(昭和24年5月8日)> <午後、横溝氏訪ね、この十七日喀血せりとのことなれば見舞に卵三十個持ってゆく。談話不能にて、玄関にて奥さんと話す。新年号用小説の過労ならんと、〆切迫り表に靴音すれば原稿とりにあらずやとビクビクし、さて脳中何らのプロットなし、この苦悶見るも苦しと奥さんいう。横溝氏もこの点に於てはこちとらと同じなりと急に可笑しくなる(昭和24年11月24日)> 作家として萌芽のときを迎え、旺盛な執筆活動の合間には、膨大な読書量と時には無頼な暮らしぶりもあった。山田風太郎戦後日記シリーズ第3弾。
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-20代最後の2年を綴った戦後日記第4弾! 昭和26~27年。山田風太郎が20代最後にして独身生活最後の2年間を精力的に過ごした2年間を綴っている。 〈夜、成城の横溝氏たずねのんでいるうち前後不覚、気がつくと、どこともしれぬ深夜の町をフラフラ歩いていた。眼鏡消失、額にけがして血だらけ、金も消失。さかんにお巡りにトッチメられ、朝ヘトヘトになってかえる(昭和26年3月9日)〉 〈およそ日本民族の最大の弱点は科学的精神の欠如だろう。換言すれば推理力による把捉を重んじないという性向だろう。これを矯正するために探偵小説は一臂の力をかし得るはずではないか。日本の民衆に推理という精神作用がいかに興味あるものであるか、これを知らせるために探偵小説をかくという気概があってもよいではないか(昭和26年6月23日)〉 〈概していえば余は肉体でかく芸術家を軽蔑する。肉体でかく、とは肉体小説をかくという意味ではない。鈍で、ただ丈夫だけで押しまくるような作家である。小説でいえば田村泰次郎。余は頭でかく作家である。而して余は感性でかく作家には全面的に降服せざるを得ない。例えば太宰治(昭和27年5月10日)〉 終戦から6年、戦後日記の掉尾を飾るシリーズ第4弾。
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4.5昭和21年の日本を克明に綴った傑作日記。 昭和21年。のちに山田風太郎として、さまざまな人気作品を世に送り出すことになる希代の物語作家は、そのとき、24歳の医学生だった。勉学に勤しみながらも、大量の本と映画に囲まれていた。 〈吾々はこの前途に全く光のない暗黒の惨憺たる日本に生きている。聞こえるもの飢餓の呻きと「戦争犯罪人」への罵倒と、勝利者への卑屈な追従の声ばかりだ〉 激変する情勢、占領下での厳しい暮らし、東京裁判と天皇の巡幸、変節する人々の価値観……。 激動の一年を克明に綴りながら、透徹した目で何を見、何を考えていたのか。 第一級の昭和史資料が、ついに電子化。 『戦中派虫けら日記』『戦中派不戦日記』に続く、山田風太郎の戦後日記の第一弾。
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-医学生作家となった山田風太郎誕生の2年間 昭和22年~23年。25歳の青年は東京医学専門学校(現在の東京医科大学)で試験と実習に追われる傍ら、前年書き上げて探偵小説専門誌に投稿した『達磨峠の事件』が入選、人生の大きな転換期を迎えていた。 〈むずかしい。小説の苦しさを初めて知った(昭和22年3月30日)〉 〈新憲法施行の祝日だそうな――。冬に逆戻りしたような冷たい雨、風! ザマ見やがれッてんだ。推理小説「歯車」(仮題)構成す、『植物性神経外科』読(昭和22年5月3日)〉 〈朝、江戸川氏より明元旦午後より夜にかけ遊びに来ぬかとのハガキ来る。ひるごろ、ビヨウキエンキスルとの意の電報来る。この年末の忙しいのに乱歩さん、何をマゴマゴひとりで騒いでいるんじゃ(昭和22年12月31日)〉 探偵小説の重鎮・江戸川乱歩との交流、氏に宛てた手紙の草稿、食糧不足が続く占領下での日常、東京裁判の判決、殺到する小説執筆の依頼……青春の只中で、作家への道を歩み始めた日々と戦後日本を感性豊かに綴る。医学生・山田誠也から作家・山田風太郎へ――。混乱の渦中に記された、戦後最大の物語作家誕生の記録。『戦中派焼け跡日記』に続く、山田風太郎戦後日記シリーズ第2弾。
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-文豪たちが描いた日本の「名城紀行」が復刊。 1977~78年に小学館より発刊された「探訪日本の城」シリーズに掲載された作家の紀行文の復刊。 第1巻は森敦、藤沢周平、円地文子、杉浦明平、飯沢匡、永岡慶之助、奈良本辰也、北畠八穂、杉森久英の9名の文豪たちが個性豊かに描く日本各地の名城紀行である。 視点も作家により様々で、ガイドブックとはひと味もふた味も異なる城案内。史料をベースにまとめる作家もいれば、自分や家族とのかかわりから展開していく作家もいて、実にバラエティに富んでおり、時間が経っても色あせない名文揃いで、城マニアにもお勧めの一冊。
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-風太郎ワールドを満喫できる時代短編小説集。 「桐華散ラントシテ桐葉コレヲ護ル……」謎の言葉とともに大阪城絵図を北の政所から託された秀吉の遺臣7人は、そこに込めた秀吉の豊臣家生き残りの秘策を探る。そこに降りかかる思わぬ悲劇と、この謎の真意とは……。表題作「幻妖桐の葉おとし」のほか、うだつのあがらぬ旗本たちの生き様を描く「数珠かけ伝法」、忠臣蔵をテーマにした連作「行燈浮世之介」、「変化城」、桜田門外の変でたおれた井伊直弼の首に纏わる奇談「首」など、全6編の時代小説集。 江戸時代初期から幕末までの時代に生きた様々な身分の人間の情念、人間味を独特の視点から描いている。その時代の世相をときにユーモラスにときに皮肉たっぷりに描く山田風太郎ワールドが満喫できる。