書店員レビュー一覧:小説・文芸

  • この世でいちばん大事な「カネ」の話
    マンガ家・西原理恵子が「カネ」と自らの人生について、赤裸々に語った本。
    「カネ」で家族が崩壊するという壮絶な経験をしたのち、高知から上京。貧乏生活を続けながら美大の予備校に通うも、成績は最下位…。そんな状況で「絵でお金を稼ぐ」という信念を持ち続けるのは容易ではなかったはずですが、彼女は自分のやり方...続きを読む
  • 私の男
    2007年に直木賞を受賞し、2014年6月に待望の映画化となった本作。

    大地震で家族を失くした10歳の花を、25歳の淳悟が引き取り、やがて二人は二人だけの幾つもの「秘密」を重ねていく。
    この物語は、主人公の花の結婚から、徐々に過去へと遡っていきます。
    パズルのピースをはめるように、お互いを...続きを読む
  • 開かせていただき光栄です―DILATED TO MEET YOU―
    作家というのは嘘つきなものですが、皆川博子ほど上手に嘘をつく作家も珍しいのでは。
    本作の舞台は18世紀ロンドン。解剖学に命を捧げる外科医・ダニエルの前に、突如としてあらわれた2つの異様な屍体。治安判事の捜査に協力するうち、浮かび上がってきた犯人は──という、いわゆる本格ミステリ小説ですが、そこは皆...続きを読む
  • 狩人シリーズ
    新宿・ハードボイルドといえばご存じ『新宿鮫』ですが、「鮫」だけでなく「狩人」もいたのです。本当に恐ろしいところです、魔都新宿。
    「狩人」の名は梶雪人。秋田からやってきた彼は一見、純朴な田舎者。物語は彼があっさりとボッタくりバーに連れられていくところからスタートします。「やめとけ!」とつい声が出そう...続きを読む
  • 俺は絶対探偵に向いてない
    これまでは自身の体験をもとに旅行記を執筆していた著者が、小説に初挑戦!
    探偵もので想像するものと言えば、殺人事件…そしてそれを解決する超頭脳派で、かっこいい主人公たち。この作品はそんなイメージを吹き飛ばす、軽快コメディタッチの新感覚探偵小説。
    主人公は、愚痴る時だけは口が達者な25歳の無職のニー...続きを読む
  • ハチ公の最後の恋人
    「好きな小説は?」と聞かれたら真っ先に思い浮かぶのが、この本。初めて読んだのは10年以上も前なのに、何度読み返しても引き込まれてしまいます。
    高校生のマオと、やがて遠い地へ旅立ってしまうハチ。おばあちゃんの予言通り、やっと出会えたのに、別れの日は刻々と近づいて…お互いを好きなまま、もう一生会えなく...続きを読む
  • あまからカルテット
    寝る前に読んではならない本といえば、続きが気になるミステリー、背筋の凍るホラーが定番だろう。しかし、美味しそうな食べ物がたくさん出てくる本も要注意!私は夜中に『あまからカルテット』を読み始め、冒頭の「お揚げから美味しいおつゆがジュワッ」というお稲荷さんの描写があまりにも美味しそうで、空腹の胃を抱えて...続きを読む
  • 河北新報のいちばん長い日 震災下の地元紙
    当時、私は都内某所のビル18階におりました。大きく長い揺れ、徒歩で数時間かけて帰宅したこと、実家や友達となかなか連絡が取れなかったこと、その後、流通マヒにより業務が大混乱になったこと…冒頭のシーンで記憶が蘇ります。きっと一生忘れられないでしょう。
    この作品は、現地の有力新聞「河北新報」が百年以上続...続きを読む
  • 夢の上
    良いですよーコレ! と、何はともあれ、まずオススメの言葉をお送りします!
    少女と騎士の話から始まる儚くも美しい幻想譚。全3巻+外伝という構成ですが、本当に読んで良かったと感じる作品でした。複数の視点で構成されるストーリーは、それぞれの登場人物が歩んだ夢と想いを描きつつ、最終章へ収束していくこととな...続きを読む
  • ジェントルマン
    運命の出会い、というものがある。
    夢生にとって漱太郎との出会いがそうだ。ハンサムで誰にでもやさしくてクラスの人気者──最初は、その「ジェントルマン」っぷりに違和感をおぼえていた夢生だが、漱太郎の秘密(彼は悪魔である!)を知ることで、激しい恋に落ちてしまう。漱太郎は誰のことも愛さないが、夢生だけは「...続きを読む
  • 警視庁公安部・青山望
    昔の刑事ドラマで凝り固まった警察像の崩壊!
    実際に警視庁公安部で勤務した著者が、最新かつリアルな警察を描きます。主人公の青山望を中心に、ノンキャリアだけど大卒(体育会出身)でキレキレの同期4人が、ヤクザ・政治家・IT長者・半グレ・芸能界・宗教団体が複雑に絡む難事件を、様々なIT技術で解決。ビッグデ...続きを読む
  • ユリゴコロ
    突然の不幸が次々と家族を襲うさなか、実家の押入れから発見された「ユリゴコロ」というタイトルの奇妙なノート。そこに書かれた「殺人鬼の半生」は一体誰のものなのか。それが判明する時、彼の現実も動き出す…!
    「ユリゴコロ」というノートに綴られた殺人の記憶は、目を覆いたくなるほど残酷で、全くもって共感しがた...続きを読む
  • 青天の霹靂
    一流マジシャンを目指していたはずが、ずるずると場末のマジックバーで働く轟晴夫(とどろきはるお)。晴夫の母親は、晴夫を産んだ直後に亡くなり、父親とは何年も顔を合わせていない。
    ある日父親の訃報を受けたあと、両親が生きている過去へ突然タイムスリップする。過去へ行って初めて知った、父と母の出会い、そして...続きを読む
  • 生涯投資家
    日本では投資家のイメージはあまり良くないかも知れない。「自分たちの利益だけを求めお金儲けのことばかり考えている。自分が儲かれば他の人がどうなっても構わない」そんなイメージをもっている人も多いと思う。また村上氏が逮捕された当時は「お金儲けしか考えていない乗っ取り屋の悪党」のような報道のされ方をしていた...続きを読む
  • 戦略課長
    取引銀行から送り込まれたサラリーマンロボット。社内ではあらゆる武器を駆使して立ち回り、ライバル企業には鉄の心で立ち向かう。そんな矢先に、ライバル企業が開発した高性能ロボットが現れ最大のピンチを迎えるが……。ロボットアクション×企業小説というジャンルレスなスペクタクルエンターテイメント小説ここに誕生!...続きを読む
  • シスターズ・ブラザーズ
    シスターズ・ブラザーズが荒野をいく。ゴールドラッシュに沸くサンフランシスコをめざして。彼らは金を探しにいくわけではない、殺し屋としてある男を消すために旅をするのだ。
    ずいぶんと変なタイトルだと思ったが「シスターズ」は彼らの苗字だった。
    粗暴で狡猾な兄と、内気だがキレると凶暴な弟の危険なコンビ。ま...続きを読む
  • 第三の時効
    正直なところ、短編小説というと、長編に成り得なかったテーマというイメージがありました。
    全くのアホな思い込みでした。申し訳ございません。
    本のタイトルになった『第三の時効』だけでなく六編全てが映画にできるレベルで、中でもおススメは『ペルソナの微笑』。8歳の子供を巧みに誘導し、青酸カリ殺人を実行さ...続きを読む
  • 息がとまるほど
    こんな女性が近くにいたら…と想像しただけでゾッとしてしまうほど女の怖さが描かれた短編集です。この作品の特徴は、読み終わってから読者にその先のストーリーを想像させてるところです。全てを描き切らず、あくまで読者にゆだねる。ゆだねられた読者のほとんどは同じ想像をするのだと思いますが、こんなにも想像する力を...続きを読む
  • 愛には少し足りない
    唯川恵作品の中でも、ストーリー展開にこれほどまでに引き込まれて読み進めていってしまうほど、面白い作品です。将来設計を考え始めなければいけない年頃の女性心理や行動は、自身の中にある本質的な欲望を知った時に変わっていく…。読み始めは、いつもの唯川作品らしく柔らかですが、終盤に近付くにつれ読む速度が速くな...続きを読む
  • 戯言シリーズ
    「西尾維新」の原点がここに。
    メフィスト賞受賞作である「クビキリサイクル」から始まる「戯言シリーズ」。ミステリーという分類ながら、「物語」シリーズに通ずる超常っぷりもある、変格に近い作品群。
    主人公・いーちゃんは冴えない大学生。友人に天才技師・玖渚友や人類最強・哀川潤を持つものの、本人は至って普...続きを読む