ブックライブの書店員おすすめレビュー

小説・文芸のおすすめレビュー

  • 新聞・テレビ・ラジオの3大巨大メディアを持つフジサンケイグループ。鹿内信隆という人物がどのようにしてのし上がっていったのかにとても興味があったので読んでみた。彼は、日本の戦後の動乱の中で、「児玉誉士夫」や「横井英樹」「小佐野賢二」のように闇から権力を牛耳ることとなる。巨大メディアとなったフジサンケイ...続きを読む

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  • 華道教室に通うまりかと、その先生である龍彦という2人の人間を中心に起きる奇怪な出来事をまとめた短編集です。
    怪談蒐集が趣味の竜彦に惹かれ、なんとなく怪談を集めるようになったまりか。
    知人などから話を集めるうちに、まりかの周囲では奇怪な出来事が起こるようになります。

    竜彦とまりかという決まっ...続きを読む

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  • 説明できない息苦しさのリアルな描写に圧倒されて、読了後の疲労感に包まれています。笑
    角田さんの作品は読むたびにこの気持ちになるって分かってるんですが、やめられない中毒性があるんですよね…。

    補欠裁判員に選ばれた一児の母・里沙子は、子供を溺死させてしまった被告の環境に自身を重ねていくようになる...続きを読む

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  • 医学部をはじめとする大学入試における性差別。あれってどうしてなのか?得点を調整することなしに試験を行えば募集人員に対する女性の比率が高くなるから。それはそうかもしれないけど、どうして?なんで?そこまで明確に答えているメディアは少ない。つまりは言ってはいけない、人によっては残酷で不愉快な不都合な真実だ...続きを読む

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  • 今自分が生きている場所と、そこからあまりにも遠い憧れの場所。
    何かの主人公として生きていくにはあまりにも平凡な女の子たちが、
    憧れとほど遠い現状を打破しようと、時に恋愛や性に走ろうとするものの、
    うまく夢中になりきれず、でもその中で
    もがいたりしながら生きていく連作短編集です。
    彼女たちに...続きを読む

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  • 就職活動に奮闘する大学生の青春群像劇だと思ったら、最後ものすごいスピードで私の期待を裏切っていった作品(いい意味で)。
    就活自体もリアルで重い感じなのに、より話のコアとなるモラトリアムや自我や自意識についての語りがとにかく心をえぐってくるので、心当たりのある方はご注意ください。

    「俺は企業に...続きを読む

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  • 名だたる著名人が絶賛しているWEB連載発、大人のラブストーリー!
    Facebookで元彼女に友達申請を送ってしまったところから始まる私小説。
    著者の燃え殻さんは私とは世代が違うものの、90年代の東京の雰囲気、空気、カルチャーなど自分があの時代・あの場所にいたかのように錯覚するほど、描写が自然で巧...続きを読む

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  • 「パリ」という街はもはやただの地名を超えて、色々な意味を持っていると思う。
    元祖・オシャレな憧れの街。
    けれど、実際に行ったことがある人はそう多くはない。
    だからこそ、イメージはどんどん膨らんでしまう。

    そんな理想のパリが、本当はただの海外の一都市だとみんなが微かに気づいている。
    オム...続きを読む

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  • 2019年秋、福山雅治、石田ゆり子主演で映画化!大人のための恋愛小説。
    主人公のギタリスト蒔野と、ジャーナリストの洋子は、わずかの時間話しただけなのに一瞬で恋に落ちる。仕事や、人の嫉妬、戦争など複雑に絡み合い二人を引き裂こうとする。その後二人はそれぞれ別々に結婚して家庭を築き、でも忘れられない二人...続きを読む

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  • 本書は、数多くの名作を生みだしたあるいは平成の文豪とも呼ぶべき作家、村上春樹によるエッセイです。
    著者は1991年から4年半の間アメリカに住んでおり、その体験を主として、90年代のアメリカ社会の情勢やアメリカに住む人々の暮らしなどが描かれています。

    ただし、内容は単なるエッセイに止まりません...続きを読む

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  • 「今まさに電車が迫る線路上に、物欲しげな目つきの人々が立っていたので、踏み切りに身を投げるのは止めにした。」題名は入らない、文章に句点は一つ、詩ではなく物語であり、物語の中でも怪談に近い。これらの条件に沿った一続きの文章を一行怪談とし、集めたのがこの小説集である。

    一行のなかにとびっきりの怖い...続きを読む

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  • もはや経済小説を超えた!スパイ映画並みのシリアス感!
    主人公は『ハゲタカ』に登場した老舗ホテルのオーナー松平貴子。
    『ハゲタカⅡ』~『レッドゾーン』の間に起ったパリの一流ホテルの買収をめぐる内紛騒動を描いています。『ハゲタカ』の時と同様に、買収を目論む様々な輩(失礼)から中国当局まで!あらゆる陰...続きを読む

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  • あることが原因で学校へ行けなくなった主人公のこころは、光る鏡を潜り抜けた先のお城で、オオカミのお面をつけた「管理人」の少女と、こころと似た境遇の6人の子供たちに出会います。管理人は言います。「この城から鍵を見つけた1人の子供の願いを、なんでもかなえてあげる」と。
    鍵を探す話ではなく、そこに集った7...続きを読む

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  • アニメ化で話題。亡くなった祖父の借金のかたに、かくりよ(あやかしが棲む世界)にある宿「天神屋」へと連れてこられた主人公・葵。鬼神である大旦那様(美形)に嫁入りしろと言われるが、葵は得意の料理を武器に、宿で働いて借金を返そうとする。天涯孤独だけど明るい主人公と、ツンデレな大旦那様のやりとりが微笑ましい...続きを読む

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  • 「最近の若いのは」という言葉をよく耳にする。
    実際に使ったことがある人も、少なくないだろう。

    言葉こそ違えど同じニュアンスの文言は、明治の文豪たちの作品にも垣間見られる。
    つまり、この言葉は昔からずっと、時代毎の若者が浴びてきた罵倒の言葉である。
    では、現代に生きる若者は、明治に生きた若...続きを読む

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  • ドラマ化決定で話題。これは著者が経験している本当の話。同じ大学に通う青年と交際を始めた主人公・こだま。だけど、何をどうやっても彼の性器が入らない。いつか入ることを夢見ながら、入らないまま二人の絆は深まっていく。18歳だった私は38歳になり、兄弟のように植物のように安心で清潔な暮らしを営むのもいいと思...続きを読む

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  • 後宮の奥深くに住みながらも夜伽をしない特別な妃、「烏妃」。彼女は不思議な術の使い手で、頼まれれば依頼者の差し出す代償と引き換えに、呪殺、祈祷、失せ物探しと何でも引き受けてくれるという。そんな彼女のもとへ、あるとき皇帝がやってくるところから始まる、中華風ファンタジー兼ライトミステリー小説。
    コバルト...続きを読む

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  • みなさんは正夢を見たことがありますか?
    正夢は、自分の現実における記憶に基づいて、脳が錯覚を起こしている状態だそうです。

    みなさんの夢は白黒ですか?それともカラーですか?
    年配の方であればあるほど、夢は白黒と聞いたことがあります。
    現代の若者は特に、テレビ等も含めほぼすべての経験をカラー...続きを読む

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  • 水川あさみ主演ドラマで話題。中央公論文芸賞、島清恋愛文学賞、柴田錬三郎賞をトリプル受賞の衝撃恋愛小説。主人公の奈津は、主に4人の男と関係を持ちます。面倒だけど優しいところもある夫・省吾、自信家で大人の演出家・志澤、穏やかで優しい学生時代の先輩・岩井、好みではないはずなのに何故か惹かれてしまう役者・大...続きを読む

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  • 実践的恋愛小説!
    主人公の渡辺は彼女に振られ自暴自棄になっている非モテ。ある日仕事で知り合った永沢さんに恋愛工学の手ほどきを受けて、次々と女性を口説けるようになるが。イエスセット、バックトラックなど、恋愛工学の手法はカタカナ語が多く、大げさ感があって、必殺技みたいでいちいちかっこいい(笑)全ての女...続きを読む

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