ブックライブの書店員おすすめレビュー

小説・文芸のおすすめレビュー

  • 著者の佐々木常夫氏は、家族の病気を抱えながら限られた時間の中で仕事をして、東レという大企業の取締役までなった方です。様々な苦難を乗り越えてきた著者の経験談からの文章は説得力があります。内容的には老後の話が6割以上で、「常識」よりも「現実」を取る、というものです。参考になったのは「孤独とひとりは別もの...続きを読む

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  • 「彼女を失ってなお生きていくのは、地獄も同然だ」
    荒涼としたヨークシャーにそびえ立つ<嵐が丘>の屋敷。その主人に拾われた孤児ヒースクリフと屋敷の娘キャサリンの二家三代にもわたる愛憎物語。
    これを愛と呼んでいいのかと躊躇うほどの執着。まるでモノクロ映画を観ているかのようなリアルな映像性で描かれる究...続きを読む

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  • 自分の力だけではどうにもできない「不条理」を目の前にしたとき、人間はどうするべきなのか。
    1940年代、その感染症はアルジェリアのある一県を襲った。その猛威は止まるところを知らず、平等に人の命を奪っていく。行政の対応は後手後手に回り、病に対する対処法も見付からず、人々は混乱の中、死の恐怖に怯え続け...続きを読む

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  • 元々X JAPANのファンではないのですが、バラエティでよく見るようになり、スイーツ好きのTOSHIさんという人物に興味を持ちました。「この人は何故10年以上も表舞台に出ず、宗教にどっぷり浸かってしまったんだろう」という疑問から読み進めていくと、狂気としか思えない新興宗教団体の洗脳術は本当に残酷な内...続きを読む

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  • 悲劇も喜劇に変えてしまうような、切なくもおかしな日々を描く話題の自伝。

    幼くして母親に捨てられた著者は、そのトラウマからか女性に振り回される人生を送ることになります。
    憧れのマドンナから「君の笑った顔、虫の裏側に似てるよね」と言われて笑えなくなった高校時代。初体験は出会い系サイトに生きる車椅...続きを読む

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  • 入場者数の伸びが頭打ちになり、急激に落ち込む業績…。絶体絶命の危機に陥りながらも、独創的なアイデアを駆使し、限られた予算で大きなV時回復を遂げたUSJの凄腕マーケター、森岡毅が提唱する発想法をまとめた一冊です。
    関西のテーマパークといえば誰しもが思い浮かべるユニバーサル・スタジオ・ジャパンですが、...続きを読む

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  • 【世界一性格の悪い男】【プロレス王】と様々な異名を持つ鈴木みのる。

    アントニオ猪木全盛期の新日本プロレスでキャリアをスタートし、今もなお、フリーのプロレスラーとして世界中のプロレス団体で人々を魅了し続ける、そんな彼のレスラーとしての信念を垣間見ることができる本作。

    この本のすごいところは...続きを読む

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  • 例えば、古事記のイザナミ、竹取物語のかぐや姫、堤中納言物語の虫愛づる姫君。昔話に出てくる女性たちは、激怒の末に毎日1000人ずつ殺すことにしたり、人死にが出るほどの無理難題を押し付けたり、世の中が好むことを好まずに好まないことを好んだり、なんだかみんな「ヤバい」。でもホントにそれだけかな…?と、テキ...続きを読む

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  • 2019年公開のアニメーション映画『天気の子』。この本は『天気の子』を手掛けた新海誠監督による自筆の原作小説です。これは、祈るだけで天気を晴れに変えてしまう少女”陽菜”と、島から東京に家出をしてきた少年”帆高”が出会い、今を必死に生きていく物語です。陽菜や帆高を初めとするこの物語に登場する人たちは、...続きを読む

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  • 一言で言うと、「奇麗」な作品です。
    作中で「奇麗」という言葉が何度か出てきますが、まさしく「奇麗」な作品でした。

    女性刑事クロハの過ごす殺伐とした現実。そして、儚い雰囲気の美しい仮想空間。
    冷凍コンテナから見つかった凍死体の真相を追うクロハの日常をメインとして、現実と仮想空間、2つの世界が...続きを読む

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  • 情報と共に生きる上で必要な「知的生産の技術」が、この本には詰まっています。
    1969年に出版された本のため、章によっては、現代にそぐわないものもあります。そのような章は、現在と比較して読むと非常に面白いです。
    現代にそぐわない章として、「ペンからタイプライターへ」の章があります。漢字が打てないタ...続きを読む

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  • こんな日記がかけたらいいなーと思うような日記風エッセイです。
    絵が可愛く、ほっこりできます。

    この本は、2004年春から2006年春までの季節を通した日記風エッセイです。
    一つ一つの章が短く、短い時間で読めます。そして、半分以上のページが絵なので読むのに疲れません。
    そのため、通学通勤中...続きを読む

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  • 世の中の「夫」という生き物はこんなこと考えているんだというのがわかる本です。女性は結婚をして母になることにより娘→女性→母→姉→おじさんになるものなんですね。恋愛から家族に移り変わるということだと思います。家族というものはほのぼのするもの。そんなことが感じられます。とはいえ「ボンレスハム」は頂けない...続きを読む

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  • あなたは自分が持っている価値観こそ正しいと思い込んではいませんか?
    そしてその価値観を他の誰かに押し付けてしまったことはありませんか?

    この本には2作品収録されていて、どちらも他者との価値観の違いから、感情が揺さぶられ変化していく人間模様を描いています。
    1作目の『レンタル世界』では、人間...続きを読む

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  • 新しい服を着てみたら、新しい自分に気づいた。そんな経験をしたことはありますか?
    恋愛にどこか不安や悩みを抱えた5人のアラサー女性が、自分のために作られたかのような運命の一着に出会うことで、前向きな一歩を踏み出していくというオムニバス形式の作品。

    作者がルミネの広告を長年担当しているコピーライ...続きを読む

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  • 旅は、人生を思い返すきっかけになったりします。
    この物語は、執事であるスティーブンスが、旅の最中に自身の人生を思い返す物語です。
    どこまでも完璧な執事であり、どこまでも完璧な執事であろうとするスティーブンス。そんな彼の働き方や生き方を、自分の働き方や生き方と比べて読み進めると面白いと思います。
    ...続きを読む

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  • キキという魔女の女の子が、さまざまな人との関わりを通じて、独り立ちをし、大人になり、そして母になっていく物語です。
    特に、大人になっていく様が感じられる4巻「キキの恋」、5巻「魔法のとまり木」が甘酸っぱくておすすめです。
    澄んだ描写、美しい描写がされています。そのため、まるで自分自身もキキの暮ら...続きを読む

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  • 全てはここからはじまった。

    伝奇?新本格?オカルト?ホラー?
    それらを全て内包し、しかし骨子は圧倒的な理。

    今更語るに及ばずな超人気作ですので、読むことを躊躇している人の背中をそっと押してみます。

    ボリューム:中盤から終盤にかけては、むしろ読むことを止めることが出来ません。思いの...続きを読む

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  • 都会育ちの《ゆるーい》青年がド田舎で林業に従事する青春ストーリー!
    本屋大賞で第4位受賞。映画化もされ、シリーズ累計で35万部を超える人気作品

    横浜育ちの平野勇気は、高校卒業と同時に無理やり三重県の神去村(かむさりむら)に放り込まれた。神去村は見渡す限り山、山、山で携帯の電波も入らないド田舎...続きを読む

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  • 神林作品に共通したテーマ、人・機械・意識・魂の対比が色濃い、大御所らしい本格SF作品。
    でありながら、アツく、優しく、少しセンチな物語。

    車好きな人、モノづくりが好きな人、少年マンガの王道のような、友情、ひたむきな情熱が好きな人。

    語られる作品の魅力が、それぞれに異なる懐の深さ。
    ...続きを読む

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