書店員レビュー一覧:小説・文芸

  • シャイロックの子供たち
    人気ドラマ「半沢直樹」原作小説『オレたちバブル入行組』の池井戸 潤が描く、銀行を舞台にした作品。どんどん続きが気になって一気に読み終えてしまいました。
    とあるメガバンクの一支店に勤務する10人の銀行員をそれぞれ主人公とした短編集かと思いきや、全然そんな甘いものではございません。
    上層部の勝手で非...続きを読む
  • ペンギン・ハイウェイ
    頭が良く、研究熱心で、理屈っぽい。全然子供らしくないけど、どこか憎めない小学四年生のアオヤマ君。彼の町で起こる不思議な現象とミステリアスなお姉さんとのひと夏の研究と冒険の物語。
    ペンギンの群れや「海」、シロナガスクジラやジャバウォックが次々と町に出現してくると思ったら、普通にいじめっことのケンカや...続きを読む
  • 組織犯罪対策課 八神瑛子
    法の番人でありながらアウトロー。公務員なのに暴力的。そんなダーティハリーやダイ・ハードのような刑事が本作の主人公です。しかし他の警察小説の主人公と大きく違うのは、いかついワイルドなタフガイでなく容姿端麗な女性であること!そしてその捜査の仕方もかなりブラック。殴打戦など名刺代わり、非社会的な面々とも強...続きを読む
  • 煌夜祭
    酸の海に浮かぶ十八の島。その一つの島で語り部たちが魔物の物語を語り明かす煌夜祭が開かれます。ストーリーは彼らによる語りで進みますが、その一つ一つが胸の奥にジンとくる魅力があり、どんどんのめり込んでしまいます。話が進むにつれ全てのエピソードが見事に繋がっていくなど、構成力が抜群にうまい!人を食う業を負...続きを読む
  • 仕事休んでうつ地獄に行ってきた
    丸岡さんといえば、「情報ライブ ミヤネ屋」の担当コーナーでいつも宮根さんにいじられていた美人アナウンサー。あの人が“うつ”に…!?信じられない気持ちでページをめくると、そこには、彼女が直面した恐るべき「うつ地獄」の実態が…!
    学生の頃から元気で明るい体育会系。バリバリの報道キャスターとして活躍する...続きを読む
  • 空白の五マイル チベット、世界最大のツアンポー峡谷に挑む
    すべての事はもう一度行われている
    すべての土地はもう人が辿り着いている
    ――――― 『マニアの受難』 ムーンライダーズ

    今どき探検家ほど活躍が難しい職業もないだろう。マロリー、アムンセン、植村のような英雄の活躍はすでに前世紀の神話。今でも世界は驚きに満ちているが、前人未到の峰や秘境はほとん...続きを読む
  • ナウシカの飛行具、作ってみた 発想・制作・離陸――メーヴェが飛ぶまでの10年間
    不朽の名作「風の谷のナウシカ」に出てくる飛行具「メーヴェ」を作る!本作はその製作過程を綴るノンフィクション作品です。

    完成までにかかった年月はなんと10年!最終的にはエンジン付きの、本当に乗れる飛行具を作ってしまいます!実現可能かというところから始まり、資金調達の厳しさなどさまざまな障害を乗り...続きを読む
  • くじけないで
    映画も公開され話題となっているこの作品。90歳を越えて詩作を始めた柴田トヨさんが98歳のときに出版し、詩集としては異例の168万部もの売上を記録したそうです。

    詩の内容は、ひとり暮らしのトヨさんの日常や普段考えていることなど。決して大それたことは言ってません。でも読んでいるといつのまにか、じん...続きを読む
  • 蜩ノ記
    藩主の側室との密通の罪で幽閉されている主人公・戸田秋谷(とだしゅうこく)。彼は10年という期限付きで、藩譜の編纂を命じられています。なぜ10年という期限付きなのか?10年後には、切腹することが決まっているのです。

    物語は、秋谷が家族と暮らす山村の家に編纂補助(お目付)として送り込まれた若き藩士...続きを読む
  • 沖で待つ
    「同期」とは不思議なもの。私には十数名の同期入社がいます。助け合い、張り合ったり、時には呆れもしますが、根っこには常に信頼と感謝の気持ちがあります。友達や家族や恋人とは違う、いわば運命共同体。同時に入社しただけで、「同期」という関係は会社を出ても年をとっても変わらず、血脈のように続くのです。
    「沖...続きを読む
  • 東京難民
    両親からの仕送りを頼りに東京の大学に通う主人公・時枝 修。が、ある時、両親が事業に失敗し行方不明に。仕送りも無くなり大学は除籍。住んでいたマンションも強制退去となり日雇いの危ないバイトを転々としながらネットカフェ中心の生活に陥っていきます。
    自分に弱く、そして優しすぎるがゆえに底なし沼にはまってい...続きを読む
  • 掏摸
    「掏摸」という言葉は、「獏」の文字に似ているからか、まるで動物の名前のように見える。この小説は、生活のための掏摸ではなく、掏摸という行為そのものに生きる男の話だ。無意識に取り、変装資金のために取り、愛する人が死んだ悲しさで手当り次第に取る。これはいわば「掏摸」という動物ではないか。
    まず興味を惹か...続きを読む
  • かわいそうだね?
    花火大会が混雑するように、岡本太郎が「芸術は爆発だ!」と言ったように、爆発とは人を惹きつけてやまないもの。近年の綿矢りさ作品は、穏やかな日常から、突如爆発する。例えば、心優しい幼馴染が変貌する「トイレの懺悔室」(『憤死』収録)、想い人の恋人に嫉妬するあまり衝撃の行動に出る『ひらいて』など。確かに、か...続きを読む
  • 長いお別れ
    男が本作品を読み終えた時、その感想は2つしかない。

    1.こういうオトナになりたい(30歳未満)
    2.こういうオトナになりたかった(30歳以上)

    自らのモラルのみに従い、強く生きる。
    まさにハードボイルドの王道ともいえる本作品の魅力は、やはり主人公フィリップ・マーロウのカッコよさにつき...続きを読む
  • フルタイムライフ
    新年度が始まりました。新入社員の皆様はいかがお過ごしでしょうか。たくさんの変化に、きっとまだついていけない日々でしょう。私も昨年までは新入社員で、「働く」ことにくじけそうになった日も何度かありました。けれど、諦めずに働き続けていれば何とかなるものです。お陰様で、今日も社会人2年目として元気に働いてい...続きを読む
  • ドラゴンキラーあります
    やさぐれキャラが好き、本作はそんな貴方にぜひお勧めしたいバトルファンタジー。やたらと口汚く正義のヒーローから掛け離れた性格の主人公ですが、むしろそれがいい!マンガ作品で言えば『ブラック・ラグーン』、映画なら『ダイ・ハード』などが好きな方はきっとお気に召すハズ。
    ふと気づけば大通りで銃撃、「おっ、降...続きを読む
  • 死の泉
    舞台は第二次世界大戦下のドイツ。ナチや人体実験、ゲーテの「ファウスト」、北欧神話をはじめ、芸術に狂う医者の倒錯的な愛、精神不安定となった母親の幻想的な悪夢、去勢された男性ソプラノ歌手(カストラート)の美声etc…、ありとあらゆる耽美要素でお腹いっぱいの一冊だ。
    さらに本書がギュンター・フォン・フュ...続きを読む
  • 妖奇庵夜話 その探偵、人にあらず
    「妖怪」じゃなくて「妖人」。
    見た目は人間と同じ。人間の亜種として近年発見され、DNA検査でしかわからない。いじめや差別が増え、警察も対応の部署を新設、妖人と人間が共存する世界。毎度妖人がらみの事件で行き詰る刑事達は、洞察力の鋭い美貌の妖人・洗足伊織(せんぞくいおり)を訪ねる…。
    本格的なミステ...続きを読む
  • 全一冊 小説 上杉鷹山
    突然ですが皆様、尊敬する偉人はいますか?私はといえば真っ先に浮かぶのが上杉鷹山!かのジョン・F・ケネディ大統領も尊敬する日本人として挙げた凄い人です。
    江戸時代、面子と体裁を何よりも重んじる武士の振る舞いが財政破綻を引き起こした米沢藩。主人公 治憲(後の鷹山)は傾いた財政を立て直すべく、改革に乗り...続きを読む
  • この世でいちばん大事な「カネ」の話
    マンガ家・西原理恵子が「カネ」と自らの人生について、赤裸々に語った本。
    「カネ」で家族が崩壊するという壮絶な経験をしたのち、高知から上京。貧乏生活を続けながら美大の予備校に通うも、成績は最下位…。そんな状況で「絵でお金を稼ぐ」という信念を持ち続けるのは容易ではなかったはずですが、彼女は自分のやり方...続きを読む