ブックライブの書店員おすすめレビュー

小説・文芸のおすすめレビュー

  • ノワール小説で知られる著者が、夫人と愛犬2匹との日々を、愛情豊かに描いています。
    マージは、著者が飼っていた、バーニーズマウンテンドッグという犬種の大型犬。
    原産国のスイスでは、大型犬について「3歳までは幼犬、6歳までは良犬、9歳までは老犬、10歳からは神様の贈り物」という言葉があるそう。マージ...続きを読む

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  • 時代も場所も形式も異なる6つのお話。19世紀の若きアメリカ人公証人が書く航海日誌、第一次世界大戦後のベルギーからイギリス人作曲家が親しい友に宛てて書く手紙、1970年代のアメリカで一人の女性ジャーナリストが追うスキャンダル、現代イギリスの老編集者が綴る回顧録、近未来のアジアで交わされるファブリカント...続きを読む

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  • 2014年新潮ドキュメント賞候補作。なぜ、タクシードライバーという職業を選んだのか、夢破れた先の終着点として、職場の人間関係になじめず、気楽さを求めて敢えて選択した人など、実に様々な人生が語られています。乗客との心温まる話から、死ぬかと思った壮絶な話まで、タクシーという個室で日々繰り広げられるエピソ...続きを読む

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  • 日々の、嬉しい出来事、悲しい出来事。登場人物達は、様々なハードルを乗り越えていく。結婚、離婚による家族の形。両親、子供、犬、友人、職場の同僚との関係。生き方や働き方について、子供も大人も、みなそれぞれの悩みを抱えている。人との距離感を測りかねたり、口論になったり、これからの人生をどう過ごしていくかな...続きを読む

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  • 谷崎潤一郎賞、中日文化賞、親鸞賞受賞作。人生の後半に差し掛かった主人公が東京を抜け出し、来し方行く末を思いながら美しい志摩半島で日々を過ごす。人は老い、いつか死ぬ。家族、親しい友人、恋人が自分より先に亡くなることもある。いつか何らかの形でおとずれる死・別れと向かい合うために、今を大切に丁寧に生きるこ...続きを読む

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  • 吉川英治文学新人賞受賞作。このシリーズは日本SF大賞を受賞し、「このミス」でも上位入選常連なのに、もっと世の中の認知が上がって良いはずだということを強く言いたい!決してライトな作品ではないため、この価格帯、文量に躊躇してしまう文芸初心者の方もいるかもしれません。でも是非、シリーズ1作目『機龍警察〔完...続きを読む

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  • 「贈りもの」をコンセプトに、人気スタイリストが選ぶ56の逸品。あのブランドの文房具、あのショップの珍しい商品、こんなグッズあるんだ!と驚かされるものも。大切な人に、愛する人に、「私」という人に。
    相手が大切であればあるほど、贈り物には悩むものです。そんなときに、ヒントをくれる一冊。贈るのも嬉しい、...続きを読む

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  • 歌舞伎が大好きな主人公が、入学した高校で歌舞伎の部活動を始めようと奮闘するところから物語は始まります。もちろんその過程は山あり谷あり。部ってどうやって作るの? 部員は? 顧問の先生は? 誰が教えてくれるの?っていうかそもそも歌舞伎って、高校生になってから誰でも突然始められるようなものだっけ?でも、ま...続きを読む

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  • もしこの世と「アメリカ」が完全に断ち切られたら、あなたはどうしますか?映画・音楽・ディズニー・スポーツ・ジャンクフードといった文化的なものから、米軍や莫大な投資など、全部が断ち切られたら、どうしますか?あるいは、世界はどうなると思いますか?逆に、「アメリカ」はどうなると思いますか?
    意外と彼らは困...続きを読む

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  • 幸せな四人家族の長女として、何不自由なく育った主人公・弥生には、幼い頃の記憶が欠けている。
    彼女は何かに導かれるようにして、叔母ゆきのの家を訪ねる。そこで見つける、懐かしく切ない想い出。雨の日、木が生い茂る森のような庭の中に建つ家、ゆきのがパジャマで床に座っているというシーンが印象的。弥生の周囲で...続きを読む

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  • 15の物語が収められた、SF短編集。
    いかにもSFらしい話もあれば、純文学っぽい話もあり。でも、どれもすごくいい!
    中国移民の二世である息子と母との心の隔たりと悔恨を、「動く紙の動物」というファンタジックなギミックを使って、素晴らしい物語へと織り上げている「紙の動物園」。
    縄文字(縄の結び目で...続きを読む

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  • ノーベル医学生理学賞を受賞した東工大栄誉教授の大隅良典さんが学者を目指す契機となった良書

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  • 特に目立つわけでもないけれど、なぜかモテる男性っていますよね。ニシノユキヒコはまさにそんな男。モテすぎるがゆえに、交際~浮気~別れをエンドレスで繰り返す。そんなニシノユキヒコの人生を、彼に恋したりされたりした女たちの目線から語り継ぐ物語。しかし、ニシノユキヒコは読み終わってもどこかふわふわした存在の...続きを読む

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  • 藤原竜也・綾瀬はるか他、豪華キャスト出演の映画「インシテミル 7日間のデス・ゲーム」原作小説としてご存知の方も多いのではないでしょうか。作者である米澤穂信といえば、TVアニメ「氷菓」の原作シリーズ「古典部シリーズ」をはじめとした“小市民シリーズ”など、人の死なない日常系ミステリを得意とするイメージが...続きを読む

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  • 2012年の本屋大賞を受賞し、松田龍平さんと宮﨑あおいさん主演の実写映画でも話題となった本作。
    いつもなにげなーく使っている辞書の裏側に、こんなドラマが潜んでいたとは…!
    「辞書」の持つ、愛想のなさやお堅いイメージのせいか、エライ先生たちが事務的にクールに作っていると思っていたのは、どうやら間違...続きを読む

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  • 上野千鶴子が世に介在する男女観を記号論的に分析し、我々の中で無意識的に培われた性差にまつわる自意識の存在を公にしたとき、日本はバブルムード最高潮で「モテ」が支配する世界にいて、そんな中一部の対極に『オリーブ』が位置していて、彼らはカウンターカルチャー的に「モテ」を内在化していた、そんな80年代。
    ...続きを読む

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  • 【2014年本屋大賞2位受賞作品!!】
    病で夫<一樹>を亡くしたテツコと、一樹の父親<ギフ>の、奇妙だけど切ない、悲しいけどどこかあたたかい、二人暮らしの物語。
    この物語は、この三人の話だけでなく、一樹の幼馴染や従兄弟、テツコと結婚したい<岩井さん>、ギフの亡き妻<夕子>などそれぞれの人物にスポ...続きを読む

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  • 同じキャリア警察官の主人公「竜崎」と、幼馴染「伊丹」の物語。
    とにかく「竜崎」のキャラ設定が秀逸!万事の『原理原則』に忠実で、しがらみの多い警察機構の中、ただひたすら『正論』『理屈』を武器に超合理的に全てを進めていく姿が痛快になってくると、あなたは立派な「竜崎」ファンです。堅物過ぎてヤな奴なのは否...続きを読む

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  • 1日経ったらどんな記憶も忘れてしまう特異体質の探偵・今日子さんと、いつもトラブルに巻き込まれるフリーター隠館くんの物語。設定自体はもっとも探偵には不向きと思われるのに、それが逆に物語をスピーディーな展開にしていて…凄いです!

    隠館くんが今日子さんとどんなに仲良くなっても、今日子さんは絶対に忘れ...続きを読む

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