【感想・ネタバレ】抵抗都市のレビュー

ユーザーレビュー

Posted by ブクログ 2020年03月16日

日露戦争に負けた東京で繰り広げられる陰謀をめぐるミステリー。ウクライナやポーランド、バルト三国で起きたことの焼き直しでは?と思う部分もあるが、歴史改変モノに珍しい「後ろ向き」な世界観のリアリティは秀逸。
東京特に千代田区周辺の土地勘があるとより楽しめます。
単に100年前のお話しと片付けられないのが...続きを読む深いところ。在日米軍を守るために日本の警察が日本人を傷つけたら、日本人は何を思う??

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Posted by ブクログ 2020年03月13日

舞台設定がおもしろい。
現実はアメリカに支配されているが国民の思いはいろいろだろう。主権者としてよく考えたい。

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Posted by ブクログ 2020年05月01日

 佐々木譲は基本的にミステリーの書き手ではなく、冒険小説作家だと思っている。スケールの大きい国際冒険小説、第二次大戦もの、幕末もの、どこをとっても骨のある男気の感じられる小説ばかりだ。とりわけ男性読者が多いのではないかと思われる。

 最近は警察小説作家という印象が前面に出ているように思うが、それに...続きを読むしたって謎解きミステリーからは距離を置いて、現代、そして現実というところの素材を多く持ち出して、警官に血と体温を与えたような捜査の面を浮き彫りにしてゆくタイプの、いわば人間の生き様重視、それでいてスーパーではない庶民の、たった一つの生き様の重さを測っているようなところがある。

 だから小説に血が通う。男女のロマンややわな描写をあまり得意とせず、どちらかと言えば無骨で真っ正直な庶民性のある主人公を持ってくるか、とことん英雄となるべき魂を持ってくるかのどちらかだろう。

 本書は、その前者、無骨で真っ正直な帝都東京の巡査を主人公にして描いた、歴史改変捜査小説である。この作品世界では、なんと日本は日露戦争に負け、ロシアに統治権を委ねている。東京の通りの名前はロシアの有名人の名を冠され、天皇制は保たれているものの、警察権力にまで統治者であるロシアの監視を免れられない、これに逆らえば日本そのものが失われてしまうという極めて危うい亡国の状況の下に、たった一つの殺人事件が、国家を揺るがす陰謀の導火線に火を点けることになる。

 新堂と多和田という二人の警察官が、大きなスケールの国際的謀略を、世界大戦の暗雲が押し寄せる時代の下で、日露戦争敗北後の帝都という舞台の上で活躍する物語なのである。こんな難路をなぜこの作家は歩むのだろう。著者自身が答えている。「今の日本への問題意識を示すために、この舞台を選んだ」と。

 そう捉えると現代の日本が日露戦争ならぬ太平洋戦争という名の日米戦争に負けてアメリカの軍隊を受け入れ、準じているその姿をこの小説の背景に感じさせないわけではない。より過激なより古い時代に材を置きつつ、こうしたシミュレーション・ノヴェルのような状況下で血の通う刑事たちを生かす離れ業を、まずは考えてくれる作家、というだけで少し嬉しい。そして、その試みの意思を作品として結実させてくれることで、なお心強い。

 前半は地道な捜査と時代状況の複雑さに圧倒されるが、刑事たちの有能さが国家的危機を救う鍵となり、彼ら自身も危険に身を曝す緊張状態の後半に入るにつれ、スリルとアクションとの連続、その中で読み解いてゆく真実への迷路、等々、古き時代の冒険小説を思い起こさせてくれそうだ。

 現在のオートメーション感覚での面白さのサイドではなく、冒険小説の伝統を重んじた重厚かつリーズナブルな背景設定と、その暗さや重さにもめげぬ直球勝負の男たち、といった無骨で古臭いエンターテインメント。セピア色の懐かしさ。そして現代の冒険小説健在を感じさせてくれる作家の、この方向性こそがぼくには何より嬉しい一冊なのであった。

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Posted by ブクログ 2020年03月08日

日露戦争で敗北し、ロシア統監府が日本を統治。〝御大変〟と呼ばれる敗戦による大きな体制転換から約10年後、水道橋付近で死体が発見される。それは、国を揺るがすような陰謀へと繋がってゆく。捜査にあたるのは警視庁刑事課の特務巡査・新堂と西神田署の刑事・多和田。警視総監直属の高等警察とロシア統監府保安課の介入...続きを読むを受けつつも真相を追う。
改変歴史もの。
地名、反ロシア派、ロシア軍、親ロシア派の動き、ロシア統治の世界がしっかり描かれる。そういった土台だけでなく、新堂の過去のお話や、ロシア人大尉の人柄等、それがより一層物語を深いものにさせ、堅苦しくなく、暗くならず、一大エンターテインメント作品になっていると思います。
ただ、歴史やSFがどちらかというと好きでない私としては、長いなーと感じてしまった、正直なとこ。いや、予備知識なしに読んだら、そういう内容だったのかと。頑張って読みました。

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Posted by ブクログ 2020年02月11日

最初、歴史小説と思い込んでいたので、しばし混乱。日露戦争で敗北し、ロシア統治下となった東京での反露運動めぐる殺人事件。今の日本への問題意識示すため執筆したと佐々木さん。ロシアを米と読み換えるとシュール!

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Posted by ブクログ 2020年02月07日

 歴史改変警察小説とある。SFよりミステリー色が強い作品。日露戦争に敗れた日本は、「二帝同盟」の名の下にロシアに従属させられていた。折りしも、第二次世界大戦下の欧州に派兵中で、さらなる増派を求められていた。そんな中、ある殺人事件を追う二人の刑事を中心に話が進む。
 この二帝同盟下の日露関係は、太平洋...続きを読む戦争後の安保体制下の日米関係を模していることに気づく。謎解きよりも、そちらに目が行ってしまった。作者が「今の日本への問題意識を示すために、この舞台を選んだ」と語っているとおり、今の日本を問うているのだ。

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Posted by ブクログ 2020年01月11日

虚実ごちゃ混ぜで境界線がよくわからないところが小説の面白さ。本作はその典型だ。中身からすると冗長すぎて3割ぐらいは削れそうな印象だが、大正の世界大戦勃発からシベリア出兵あたりの時代の空気や東京の雰囲気がよく描かれている。日露戦争講和後にロシアの半植民地化した日本でのレジスタンス、という設定がなかなか...続きを読む面白い。刑事二人が殺人事件から暗殺計画を暴いていくまでの筋は少し無理があると思う。

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Posted by ブクログ 2020年04月27日

フィクションなのに実際の場所がふんだんに出てきてリアルだった。が、長かった。ステイホームの時期でなければ、完読出来なかった。話は面白いし、破綻がない。

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Posted by ブクログ 2020年04月26日

読み応えはあったが、いかんせん長い。思想や歴史背景の解説、地名の説明も本筋に関わる最低限で良かった気がする。そっちに集中力を持っていかれて犯人推測にエネルギーを使えなかった。

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