【感想・ネタバレ】展望塔のラプンツェルのレビュー

ユーザーレビュー

ネタバレ

Posted by ブクログ 2020年02月02日

児童相談所の児童虐待問題との取り組みも難しさを徹底した取材で描写するのがメインかと思うと、不妊治療の話、行き場のない若者の話と複数の話が出てくる。最後それがうまくリンクしていく。暴力シーンなどが過激なこともあって、最後は興奮状態で読み終わる。ディテイルのちょっとしたところのうまさが光る。こうした女性...続きを読む作家によるリアルな話というのが、やはり面白い。宇佐美まことはこれからもチェックですね。

本雑2019年度ベストテン 1位 エンタメベストテン2位

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Posted by ブクログ 2019年12月25日

虐待されている子ども、虐待する親。たくさんの残酷な毎日がある。児童相談所の職員の思い、大変さと日々ニュースになっていることが描かれている。子どもを守ること、安心した生活を取り戻させること。そのための児相の仕事。その全てが目を逸らしたくなる現実がある。弱者と言われる人たちの今、未来。なかなか救いが見え...続きを読むてこないけれど子どもたちが笑う瞬間に希望を感じることができる。他人事ではなく目を向けられるようにならないといけないんだと思う。重たい内容ではあるけれどたくさんの人に読んで欲しい作品。

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Posted by ブクログ 2019年11月17日

展望塔が街を見下ろす多摩川沿いの地域は、貧困や反社会的勢力などにより治安の悪い地域だった。…

児相職員の悠一、貧しく不幸な生い立ちの海とナギサ、親からの虐待にあう6歳の壮太、不妊治療の甲斐なく子供に恵まれない郁美。
彼らがどのように関わっていくのかが気になり、またその壮絶な不幸に顔をしかめながら読...続きを読むみました。

親のせいで不幸に見舞われる子供達を救う児相の状況も垣間みることができ良かったと思います。
虐待死のニュースの度に頭を下げる地元の児相の方々の見えない苦労は、これからは想像しなければならないと思いました。

心配していた子達の先の姿が見れたラストにグッときます。
そして、著者により仕掛けられた事実に唸りました。

素晴らしい作品、印象に残る出逢いでした。

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Posted by ブクログ 2020年04月27日

題名のファンタジー感からは想像できない、リアルな現実の話。
心が元気なときに読まないと、途中で読めなくなるかも。
ただし、ラストの10数ページで救われます。
貧困や家庭内DVとその連鎖、民族

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2020年04月14日

時間軸がいじられていることはなんとなく気がついた

喋らない子があの人物だなというのも察しがついた

海となぎさとハレの物語が切ない

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2020年03月07日

読むのがつらい場面がいくつもあり、どうなるんだこの話はとおもったけど、、、
緊迫した場面での女性の言葉がそれぞれ意味深い。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2020年03月02日

初めての作家さん
児童虐待をテーマに時には目を塞ぎたくなる描写もあるが、それがまたリアルに感じ逆に目を背けちゃいけないなと。
合田課長の子供は死ぬために産まれた訳じゃない、の一言にドキドキし、郁子の荘太を家に入れてたところでまたドキドキし。うん、読んで良かった。
こんな世の中、なくなればいいのにな。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2020年03月02日

川崎市と思われる街を舞台に少年と少女、幼児と不妊症に悩む主婦の人生が錯綜する。最後に世界観が同期するところは見事。

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Posted by ブクログ 2020年02月29日

「愚者の毒」と同じ作者だったので。

とっ散らかった部屋を一体どうするのだろうと思っていたら、
すべて片づけられて、しかも美しく収納されて、
プロの技だなぁと感心した、という表現では稚拙だろうか。

注意深く読んでいれば、散らかっていないことは分かるのだろうが、
もちろん自分には分からなかった。
...続きを読む待を疑われている男の子、不妊治療中の夫婦、
社会からはじき出されている少年少女、そして児童相談員。
通称ラーメンタワーを軸に子供たちの「現代」が描かれているが、
その「現代」が「現在」ではない。

ひりひりするような現実が描かれているが、
社会派という訳ではなく、やはりミステリーであるそのバランスが素晴らしい。

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Posted by ブクログ 2020年02月27日

 児童虐待をテーマにしつつ、陰惨な描写が続くも、ちょっとずつ気が抜けるところがあり読みやすい。あと謎があるから先がどうなるのか気になって読む手が止まらない。
 終盤からエンディングはおーっとなる。そして、巻末の著者の略歴を見てとなるほどミステリ畑の人だった。

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Posted by ブクログ 2020年01月19日

いやあ、よかった!
これ映像化してほしいなあ。
登場人物のキャラがどれも際立ってました。
実際に映像化するとなると、那希沙役は
かなり体当たり演技がいるけど

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Posted by ブクログ 2020年01月13日

児童福祉司は、児童相談所で虐待や非行などの対応に当たる職位である。児童福祉法に基づくもので、社会福祉士や一定の実務経験があることなどが要件になっている。だが、全国の児相で、福祉の専門職として採用されている人は7割弱、3割は一般行政職が就いている。つまり3割の職員は自らの希望ではなく、児童福祉司の職を...続きを読む命じられた人なのだ。

一時保護所でほごされた正輝は、保護者との面会が制限されていると説明した。緊急避難的に保護された子らは、通常一時保護所からでることはない。学齢に達した子も通学することはない。通学途中に連れ戻されることがあるからだ。学ぶ機会を奪われ、不自由な生活を強いられるわけだがら一時保護所にいるのは原則として2ヶ月までと決められている

ながいかみのラプンツェル

笑うことも忘れ、人と接することにおびえる。ますます虐待をする相手の言いなりになってしまうのだ。虐待者は、そういった子供の態度につけ込む。卑劣な行為だ。性的虐待が、「魂の殺人」といわれる所以である。

たった数年しか経っていない子が自分を守るために編み出した処世術 期待しないこと、感情を殺すこと、物事に執着しないこと。

ハレ、自分の人生を他人にまかせるな。お前の人生はお前のものだ。

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Posted by ブクログ 2020年01月06日

那希沙の壮絶すぎる生い立ちや
虐待されている子供達の描写には
読んでて正直しんどかった。

ちょっとここまで酷いと
リアリティがないのか
ありすぎるのかよく分からない。

でも終盤のサプライズで報われたような…
重いテーマなだけに考えさせられることの方が多かった。

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Posted by ブクログ 2019年12月15日

子供への虐待が事件になるたびに、なぜ児相はもっと早く動かなかったのか、なぜ行政は子供を無理にでも親から離さなかったのかという話になるが、それはもしかしたら、とても皮相的な捉え方なのかもしれないと感じた。虐待を放置しておいてもいいはずは当然ないが、かといって親子を引き離せばそれでいいのかといえば、それ...続きを読むも正しいのかどうかわからない。世の中は、きっとそんなに単純ではないのだろう。
ひとつ感じたのは、ほんの少しのきっかけで、悲惨な状況にいる子どもたちも自分の人生を見つけることができるのではないかということだ。
そんなきっかけをひとつでも多く与えることができる社会。大人が子どもたちのためにするべきことは、そういう社会をつくっていくことなんだろう。

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Posted by ブクログ 2019年10月20日

治安が悪く荒んだ下町を舞台に繰り広げられる、ちょっと痛々しくて切なくて、でも最終的には少し救われる物語。読み始めはそうは思わなかったけれど、読み終えてみればミステリでもありました。
虐待される子供を救おうと奔走する児童相談員。劣悪な家庭環境の中、それでも懸命に将来を求める少年少女。そして不妊に悩まさ...続きを読むれる女性。どれも絶望に沈んで苦しく思えるそれぞれの物語が少しずつ繋がっていき、そこには希望が見えてくるのか。どの人もこの人も幸せとは程遠く思えるのだけれど、それでも拠り所となるものがあるのとないのとでは全然違うのかも。そして結局のところ、助けを待っているだけではダメなんだろうなあ、と。
ラストで明かされるあの人の犯罪は、正しい行いではないかもしれないけれど。それでも誰も非難はできないでしょうね。生き延びるためにはそうするしかなかったのかも。むしろそこまで強く決意できたことは偉いすらと思ってしまいました。平穏な暮らしをできている人からは、想像もつかない状況だものなあ。

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Posted by ブクログ 2019年10月12日

展望塔が見下ろす町で生きる「子」を中心に描かれる物語。

心まで殺される、そんな日常に晒されている子供達が今この瞬間に存在することを改めて突きつけられた思いだ。

子は死ぬために生まれるわけじゃない…家族だから…それぞれの立場の言葉が次々とせつなく突き刺さる。

自分の人生は自分のもの、自分の力で自...続きを読む分を救うしかない。それでも誰かを救ったり、救われるおとぎ話をそっと胸に生きる「晴れた海の渚」の思いに涙が止まらなかった。
哀しみから驚きへ、展望塔が見下ろすから見守るへと変わるような読後感。
ここに宇佐美さんらしい小さな魔法を感じた。

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Posted by ブクログ 2020年02月17日

児童相談所の松本と市のこども支援センターの職員前園は虐待児童を救うのに忙しい。前園は親に対して加害者のような見方をしがちな正義漢、松本は10年以上異動願いを出してないのが周囲に不思議がられる。フィリピンとのハーフの海(カイ)、父親に性的虐待を受け、兄の友達にもレイプされた那希沙(ナギサ)は、共同生活...続きを読むをしていて、虐待され家から徘徊している幼児を保護する。松本たちの苦労と、カイたちの生活が交差するのは・・・

重たいのに清々しい。虐待について考えさせられる。

「うん、前園さんのしたことは正しいよ。でも正しいことがその子にとってのベストとは限らないんじゃないか」

舞台は多摩川市となっているが、川崎を連想する。読む限りとても治安の悪い感じがしてできれば住みたくないようか感じがするが住んでる人はどうなのだろう。

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Posted by ブクログ 2019年12月26日

どんな扱いでも親は親なのか。なんか、悲しい。
その場所から逃げ出せばいいのに、と思うのは周りの人間だけってことね。苦しい境遇の中で一人でも自分の味方がいてくれたらそれだけで頑張れそう。

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Posted by ブクログ 2019年12月22日

2つの大きな社会問題を取り上げている。児童虐待事件が報道されるたび、死者がでたから大事になったのだろう、潜在的虐待は多くあるのだろうと思う。また福祉機関が家庭の中に介入することの難しさも理解できるので、一方的に責めることもできない。物語は登場人物の環境を極端に表現しているが、差別や貧困や暴力の連鎖は...続きを読む強固であることは現実だ。とても悲しい話だったが、ちゃんとミステリーとして楽しませてくれた。老朽化して撤去予定の塔は、底辺の人々にとって希望や救済の象徴。希望や勇気を持つことが難しい社会になってはいけない。

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Posted by ブクログ 2019年11月25日

作者の「聖者が街にやって来た」でも描かれた架空の街神奈川県多摩川市。この街を舞台に、児童相談所で働く悠一、自らも凄絶な虐待に会いながらも港で出会った少年に「ハレ」と名付け目をかけるナギサとその男友達・カイ、子供を欲しながら不妊治療に明け暮れ精神的に追い込まれる郁美、3つの場面が章ごとに移り変わりなが...続きを読むら物語は進む。
描かれるのは胸糞が悪くなるほどの児童虐待の姿と、無力感に苛まれ疲弊していく児童相談所の職員たちの実態。もう、感情のスイッチを切って読むしかないほどの怒りと悲しみに襲われる。

よくよく読み込めばわかるんだけど、ちょっとしたミスリードの罠にはまり、ラストであっ!と驚き、最初から読み返したくなる展開は見事で、真相がわかってからの悠一、ナギサそれぞれの生きざまは人間の強さと可能性を信じたくなる。

タイトルに秘められた思い、どん底の状況にあるからこそ「希望」の持つ力は絶大で、追い込まれ狭い世界で苦しむ子供たちが、ちょっとしたきっかけや手助けで違う人生を歩むことができるということがささやかな救いでした。

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