【感想・ネタバレ】スナック墓場のレビュー

ユーザーレビュー

ネタバレ

Posted by ブクログ 2020年02月16日

細々と丁寧な暮らしぶりが読んでいてとても心地よい。
特別なことなんて何もない。
地味で庶民的。けれど、慎ましさ・素朴さでほんのりとした温かさがじわりじわりと心に染み渡る短編集。

日雇いのライン作業を地道にこなす中年女性の二人
女中に憧れ家政婦となった姉とラブホテルの受付をする右手の指先がない妹
...続きを読むきれいどころが一人もいない」のにさびれた商店街を不思議と賑わすスナックのママ達三人
ちょっと浮世離れしていて性格もバラバラ。
けれどとにかくみんな、仲良しだ。
肩寄せあって生きている、この感じは昭和の香りが微かに漂い、懐かしく微笑ましい。
この読後感はちょっと癖になる。

特に『ラインのふたり』『姉といもうと』『スナック墓場』が好き。
『姉といもうと』の続編はぜひ長編で読みたい。

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Posted by ブクログ 2020年03月30日

特別じゃないようで特別、特別なようで特別じゃない。
人間って一人ひとりにドラマがあるんだよな、ということを読後感じました。
お隣さん、同じ職場の人、姉妹、夫婦・・・自分にいる近くの人にだってストーリーがある。
そういうことをかみしめて生きたいなと思えるような本でした。

産後1年、やっと本を1冊読め...続きを読むた嬉しさ。

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Posted by ブクログ 2020年03月18日

「ラインのふたり」「カシさん」「姉といもうと」「駐車場の猫」「米屋の母娘」「一等賞」「スナック墓場」の6編

読みながら「穏やかな不穏」なんて言葉が浮かんできました。
一見日常の様でどこか少しズレている。それが小さな「不穏」。その不穏を柔らかい筆致でフワフワと丁寧に描く。で「穏やかな不穏」。
危なっ...続きを読むかしい話なのになんだか可笑しい。ホッとする。何とも不思議な作風です。

嶋津輝(シマヅ テル)さん。林芙美子文学賞最終候補とかオール讀物新人賞受賞とか実力派の新人作家(若くは無い)さん。宮本輝の連想で男性だと思い込んでいたのですが、女性なんですね。

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Posted by ブクログ 2020年05月24日

普通な人たちの、ちょっと普通じゃない日常の短編でしょうか。
自分にとっての日常は、知らない人から見たら非日常なのかもな。

ラインの2人と姉といもうとが特に好きでした。

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Posted by ブクログ 2020年04月07日

初読み作家さん。
表題作含め七編を収録。

人生の一コマを切り取った作品集なのだけれど、不穏なことが起きそうで起きない、この不可思議な感覚が面白い。

例えば「カシさん」。クリーニング屋の常連となった「カシ」なる女性客。初めての来店の時にいきなり下着を出して断ってもなんとか洗ってもらおうとしたり、ク...続きを読むリーニング屋に出した服ばかりを着ていたり。その服も何とも言えない微妙なセンスだったり。

例えば「姉といもうと」。物心ついたときから指が何本も欠けている妹と暮らす女性。派遣型の家政婦をしつつ、その派遣先の主人と妹との不思議な縁に気付く。

そして表題作の「スナック墓場」。特に美人がいるわけでもないいかにもな場末のスナックだが繁盛している。だがいつの日からか一人また一人と常連客が亡くなっていく。

他にも「ラインのふたり」ならバイトには許されない車通勤、「駐車場の猫」なら隣のふぐ屋、「米屋の母娘」なら米屋で販売している奇妙な弁当、「一等賞」は主人公の両親との関係、ドキッとする要素がある。


作家さんによっては陰惨な殺人事件だったりドロドロの人間関係だったり、救いようのない家庭内暴力だったりに発展しそうな要素なのだが、この作品集はいずれとも違う。

短編である故とも言えるかも知れないが、最初はやや拍子抜けな感があった。だが読み進めて行くにつれてこれが奇妙な味というか癖というか、興味深くなってくる。
つまりそんな不穏な要素はちょっとしたスパイスであって、それは主人公たちのドラマには関係ないのだ。
不穏な要素を抱えている側から書けば大事件にまで発展するのかも知れないが、そうした大事件とは関係なく生きている側の人たちの物語。不穏な要素があってもそこに振り回されずに生きている姿は何とも清々しいように見える。

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Posted by ブクログ 2020年03月28日

ちょっと可笑しく、微妙に悲しく、なぜか羨ましい、そんないい話が詰まった短編集。日常を描いていても、他人から見れば、それは非日常である。その距離感を近づけてくれる魅力にあふれている。「姉といもうと」「ラインのふたり」が特にお気に入りで、黙々と生きている姿を見せつけられた。静かに、黙々と、力強く。

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Posted by ブクログ 2020年01月18日

7編の短編
短編だからか、意味深な内容に触れておきながらそれを回収せず終わるなんともいえない読後感…。

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