【感想・ネタバレ】神の獲物のレビュー

ユーザーレビュー

ネタバレ

Posted by ブクログ 2020年04月05日

ジョー・ピケット猟区管理官シリーズ第三弾。

このシリーズが面白い、というかハラハラさせられるのは、
職住一致なので家族、とくに子供たちが、
自然な流れで事件に巻き込まれてしまうところだと思う。
眼鏡をかけてアウトドア好き、鷹狩りを習っている最中の長女と
おしゃれ大好き、友達とファッション・ショーを...続きを読むする次女。
でも、危険なところには妹を行かせないし、
姉を置いては逃げない。
ハラハラするが、二人の成長も楽しい。

今回の事件は実際に起こった家畜惨殺事件を基にしたらしい。
前回の作品で登場した鷹狩りの師匠ネイトが再び活躍したが、
どうも彼の語る「熊」の存在がピンと来ないと言うか、
納得が行かないというか。
邪悪の存在?で毛が真っ白になってしまったラブラドールは
かわいそうだったし。
夫を操り、夫の兄も操り、
娘を捨てて、大金を持って逃亡しようとした女が
何よりも「邪悪」だと思うのだが。

FBI捜査官も再登場したけど、次回も登場するのだろうか。

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Posted by ブクログ 2019年04月10日

ワイオミング州で猟区管理官をするジョー・ピケットは山中でムースの死体を発見した。局部や顔が切り取られていた。そして牛の死体が、そして人間の死体が見つかった・・・景気が悪かった地元はガス採掘のバブルが到来していた。しかし相次ぐ事件により不動産価格は下落。超常現象の研究家まで現れて・・・

シリーズ第3...続きを読む作。このシリーズはずっと読み続けていくと思う。

自然がいい。ジョーの真っ直ぐなキャラクター、娘たちの可愛さ、奥さんの聡明さといったプラスのキャラクター造形がいい。保安官たちの役立たず、犯罪者たちのマイナスなキャラクターもいい。そして、ストーリーがいい。まさかそういう結末が来るとは。

小説に求めるものがすべて入っていた。

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Posted by ブクログ 2017年08月18日

カルト?Xファイル?
ちょっと、そっちの方向にいくのか?
と若干不安な印象もありましたが
安定感のある面白さ。
それにしても事件が続きすぎて
呪われてるぞジョー

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2016年11月10日

「外科的」に惨殺された獣の死骸を見つけたジョーは、山に形容しがたい気配が満ちていることに気付く。
その動物の不思議な惨殺事件は連続し、ついには人が殺され、ジョーは混乱していく。
この時期、妻のメアリー・ベスは能力を活かして仕事を始め、家庭には隙間風が。食事も冷凍食品に頼ったり、子供との会話もはしょら...続きを読むれたりで、それを感じる子供たちの不満と不安の描写がリアルで苦笑してしまいます。作者は男性なのによく分かっているなあ…というか妻子がモデルなのかな?
今回の作品で、U.F.Oなど最後まで漂うオカルト感がギリギリの線で読者を鼻白ませないのは、前作でネイト・ロマノウスキというキャラを作り得ていたからかと思いますが、ネイトの魅力はここに至ってますます輝いています。彼のこの後の活躍やいかに。

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Posted by ブクログ 2015年07月10日

猟区管理官ジョー・ピケットシリーズ第3作目。主人公が子供たちと行ったハイキング先でムース(鹿)が切り裂かれたような異常な死にかたをしているのを発見する。その後付近の牧場で十数頭の牛が同様に死んでいるのが見つかり、またその後二人の男性が殺される事件が起こる。すべての死体の謎は繋がっているのか、ただの偶...続きを読む然なのか。。と主人公や捜査関係者たちが真相を追う話。今回も正義感の塊の主人公が自らの直感や推測をもとに独自の捜査を進める。オカルト的な要素がからんできたりするがそれ以外は読みやすい流れと展開で楽しめる。今作もネイトが登場して活躍が読めた。結末は納得の部分とほわっとした部分があってなんとも言えない読後感だった。

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Posted by ブクログ 2013年06月10日

 ワイオミングの高地を舞台にした猟区管理官ジョー・ピケットのシリーズ最新訳である。都会派ハードボイルの多いアメリカ小説の中で、ひときわ異彩を放ちながら、しかも人気シリーズとして定着していること自体が、ひとつのエポックである。ハードボイルドの系譜を砂漠ではなく、山林に持ち込み、なお作品として評価されて...続きを読むいること自体が、ある種の意味のある文芸史の流れと言えよう。

 作者の経歴が既に異色である。もちろんワイオミング州に生まれ育つ。牧場労働者、測量技師、フィッシング・ガイド、ミニコミ誌編集者、といった、ド田舎に生きるために選びようのない職業を転々とし、ようやく水を得た魚のように泳ぎ出したのが、この土地を活用したカントリー・ハードボイルドの新しいウェイヴであったわけだ。

 前二作ですっかりぼくの中で固まってしまったこの作者への高い評価を基準にすれば、第三作は、突拍子もなく素晴らしい作品ではないと思う。なぜなら、題材が、モンタナで実際に起こった集団家畜変死事件であったりすること、そこに群がるUFO説、超常現象説などの、カントリーには相応しくない都会的なソフトの流入は、現実さながらに本書のプロットにも大きく取り入れられているからだ。

 ネイチャー志向の、本シリーズはできることなら、そういった文明の匂いから遠く隔たって孤高であって欲しいものだが、前作と言い、本シリーズは、静かに生きる田舎に対して、流入する都会文化、国家施策などが悪徳として描かれているので、致し方ない部分がある。本作でも、急に土地に押し寄せたのは、天然ガスの掘削業者たちであり、鉱夫たちである。

 俄か開発景気の中で頻発する謎の集団家畜死。やがて、沸き起こるのが、切り裂き魔による異常でむごたらしい殺人事件である。ジョー・ピケットは、保安官でも警察官でもなく、取り締まることができるのは密猟のみ。今回は、野獣であるムースの惨たらしい死骸を発見した頃から、連続殺人事件の捜査チームに加わる。もちろん歓迎されず、権限をほとんど与えられず、しかし、事件の舞台に関しては最も理解のある立場で。

 無骨で、不器用で、特殊な能力をいささかも持たない、地味きわまる主人公である。敢えて言えば、彼には美しい妻と、可憐な二人の娘たちがいて、一家は貧しい収入の中でささやかな山中のロッジ暮らしを余儀なくされている、というあたりが、地味ではあるが本シリーズの最大の特徴だろう。

 ホームドラマを基調とした山に生きる家族の生活、これがストーリーの中で活き活きと輝き、子供たちの表情の豊かさやその個性が、作品を際立たせる。人間的な精神の豊かさが物質的な貧しさを凌駕するこのバランスこそが、都会の小説に比してとても有利な部分なのかもしれない。ディック・フランシスのようだと、例えられるのもこうした揺るぎなき安定性の部分ではないだろうか。

 ちなみに本書では、こんな夫婦の会話シーンがある(415頁)。シリーズの個性を現わすのに最適なシーンと確信し、ここに引用する

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「自分が君のようにタフだったらと思うよ」
メアリー・ベスはふたたび微笑して、彼の頬をつついた。「あなたはタフよりずっといいのよ、ジョー。あなたは善良だわ。わたしは善を応援しつづける」
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 男はタフでなくてはいけない、そんなフィリップ・マーロウの名言が、形無しである。

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