【感想・ネタバレ】いるいないみらいのレビュー

ユーザーレビュー

Posted by ブクログ 2020年04月03日

きっと激情みたいな渦巻いたものがそこらにうごめいているのだけど、世の誰にもそれは含まれていて言葉にすることすらないんだろう。それを掬い上げて静かに届けられた。ぐらんぐらんとそして私は揺さぶられたんだ。

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Posted by ブクログ 2019年12月10日

結婚しているけど、いないみらいの私には共感と刺さりまくりの物語であった。夫婦における、子供いる?いらない?の短編集。人生の大きな選択肢。思い悩む登場人物たち。「こうしなさい!」と突き付けるのではなく、固くなった心を優しくほぐすぐらいのラストが良い。子供を持っても持たなくても、後悔しない保証なんてない...続きを読む。だったら現状を生き抜くのみ。しかしたま~には落ち込んでしまう。周囲の女性陣に比べると、「私ってマイノリティだな」と。そんな私の心もほぐしてくれた一冊である。

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Posted by ブクログ 2019年09月18日

読み終わって、人肌のような温かさを感じた一冊だった。窪さんの作品が好きだ。

子どもを持つ、持たないを迷う人々の短編連作集。うっすら繋がっていて、友達のような親近感を感じて嬉しい。

誰かを慈しむことができるのか。弱くて、小さな子どもを育む自信があるのか。
作中の登場人物たちは、内側に「かよい合いた...続きを読むい心」を持ちながら、周囲や社会とは何かしっくりいっていない不全感を抱えている。

「普通じゃない」「人と違う」
そんな曖昧で、うっすらとした違和感が積み重なり、登場人物たちは罪悪感や、何か自分だけが欠損を抱えているような疎外感に苦しむ。

そんなとても繊細な在り様は、窪さんの絵画のような筆致で丁寧に描かれている。

それはまさしく私そのもの。本当はかよい合いたいのに、欲しいものにはあえて手を伸ばさずに日々をやり過ごす。

言葉で説明するのではなく、窪さんが描かない寂しさや心細さ、失ってしまった誰かに甘える気持ち等に思いを巡らせ、私が登場人物の傍らにひっそり寄り添いたくなる。
『私は子どもが大嫌い』の茂斗子さんの育ての親への遠慮や負い目に思わず涙した。

『金木犀のベランダ』の節子さんの存在で心がぽっと温まる。
「あなた、頑張ってきたのねぇ。頑張ってきた人の手ねぇ。」
このセリフ、素敵だな。
「ご主人とはなんでも話をなさい。怖がらなくてもいいの。大丈夫」

デビュー作のような官能描写ではなく、あえてすべてを言葉で尽くさない、まるで絵画のような巧みな小説で、これからの窪さんの作品がまた一層楽しみになった。

出会えてよかった素敵な一冊だ。

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Posted by ブクログ 2019年08月27日

こどもを持つといことを描いた短編5作。それぞれ「経済的な不安」「男の不妊治療」「こどもが嫌い」「こどもを亡くすということ」「養子をもらうということ」をお題とした話だが、かなり内容は深い。今の日本の社会は昔のように普通に産んで普通に育てるということすら難しくなっているのだろうか。確かに夫の給料だけでは...続きを読む生活できなくなっている日本というのも情けない限りで、既に経済大国とは言えそうもなく社会環境も更に悪化していきそうで、みらいは辛いものになりそうだ。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2019年08月12日

未婚・既婚・子あり・子なし…女性は大人になると生きる道が色々分かれてゆき、その都度選択を迫られる。
昔と違い選択の幅が広がったことは良いことだけれど、その選択に対し世間から好き勝手に線引きされたり批評されることは、正直悔しい。
その人が自由か不自由なのかは、その人本人が決めるべきこと。
他人に決めつ...続きを読むけられる謂れはないはずだ。

最初の短編『1DKとメロンパン』の主人公がラストで思ったこと
「明日が来ることが楽しみだと、二人でそう思えるのなら、もうそれで今は十分なんじゃないかな」が印象的。
幸せってこれに尽きるんじゃないかと思う。

ラストの短編『金木犀のベランダ』の主人公が思ったこと
「未来は不確定だ。確かなのは今の気持ちだけで、それが今、二人で確認できたのなら、それでもう十分だろう」には救われた。
生き方に悩んでいた5人の短編の主人公達の苦悩も、この一文で解きほぐされた気がする。

5編の内、特に好きな短編は『私は子どもが大嫌い』『金木犀のベランダ』。
切なくて泣けた。でも温かで優しい気持ちにもなれた。
今まで読んだ窪作品の中で一番好きな短編集になった。

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Posted by ブクログ 2019年08月09日

タイトルの「いるいない」が読後ストンとおちてしみます。

私は子どものいる人生を望んで、幸い授かったけど、子どものいない人生だったら…と想像することもある。

きっと、いろんな女の人に寄り添ってくれる短編集なんだと思う。

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Posted by ブクログ 2020年03月20日

積読してた本を片っ端から読もうシリーズ31冊目。

様々な夫婦が、子どもを持つか持たないかに向き合う。
そんな短編集でした。
年代が近いこともあって、めちゃくちゃリアルで、
共感もすごいあった。
夫婦で子どもに関する価値観が一緒だとも限らないし、
妊活疲れしている人もこのご時世増えて来ているんだろう...続きを読むなと思った。
子どもがいなくても、夫婦で向き合い、手を取り合って進んでいく姿に、胸がじんわりしました。

また、それぞれの短編につけられたタイトルにもセンスを感じる。
個人的には「無花果のレジデンス」と「金木犀のベランダ」が好きだった。タイトルも中身もね。
「金木犀のベランダ」に出てくる節子さんのあったかい言葉には、ふと涙がにじみ出ました。

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Posted by ブクログ 2020年02月23日

普段あまり連作ではない短編集は読まないけれど、おもしろかったです。
まず目次を見て「1DKとメロンパン」「無花果のレジデンス」「ほおずきを鳴らす」など、タイトルがとてもいいじゃないか!と期待が膨らみました。
読み終わった今、五つの話のどの登場人物のことも愛しくなるような、皆それそれでいい、それぞれの...続きを読む人生を大切にしようと応援されているような気がしています。

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Posted by ブクログ 2019年12月15日

子供がほしい、ほしくない、なんていう葛藤にスポットを当てた短編集。
窪美澄さんの本は、重くて長いのが多いけど、これは短編でさらっと読めた。
心の機微を過剰にクローズアップすることなく淡々と書かれているのに、各話主人公の気持ちがすごく共感できたなぁ。

「私は子供が大嫌い」がいちばん好き。
嫌い、迷惑...続きを読むと思っていたけど、実際に関わりを持った子供には情を感じるって、よくわかる。
よその子供のことだから、自分にはどうすることもできないのに。
それでも、願わずにいられない主人公に気持ち重ねてしまって、奥歯がきゅーっと痛くなった。


こどもがいても。いなくても。みんなが自分の人生に納得して生きていけたら良い。

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Posted by ブクログ 2019年12月10日

どの物語も、人それぞれの子供に対する考え方の違いがテーマになっている。それは、状況によっても違う。子供が欲しい欲しくない、自然に出来るまで待つ、他人の子、子供の死、養子。
自分が同じ状況になったら、簡単には答えが出せないものばかり。
自分には子供がいる。自分も嫁も子供が好きで、今は子供がいない生活は...続きを読む考えられない。たまに、嫁との会話で、「子供ができなかったらどうしてたか」という話題になる。いくら子供が好きでも、自分としては治療してまで子供を作る気にならないと話をするが、それは、今子供がいるから言える事なのかなとも思う。
人にはそれぞれ価値観があるり、生きていればその価値観が変化もする。子供のことに関しては、価値観が変わる大きな要因にもなり得る。
自分の価値観を考え直す、考えさせられる本。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2019年12月04日

*いつかは欲しい、でもそれがいつなのか、わからない。
夫と二人の快適な生活に満足していた知佳(35歳)。しかし妹の出産を機に、彼の様子が変わってきて……「1DKとメロンパン」
妊活を始めて4カ月が過ぎた。時間がないとあせる妻に対し、夫の睦生(34歳)は……「無花果のレジデンス」
独身OLの茂斗子(3...続きを読む6歳)は、単身者しか入居していないはずのマンションで子どもの泣き声を聞いて……「私は子どもが大嫌い」
子どもがいてもいなくても……毎日を懸命に生きるすべての人へ、そっと手を差し伸べてくれる、5つの物語*

子どもが欲しくない。自信がない。いなくても幸せ。子どもがキライ。子どもが出来ないかも。そんな夫婦の物語。
これまで、子どもが欲しいとか出来なくて悩む系の小説は多かったけど、なんとなく子どもが欲しくないだの自信がないだのと言う微妙な気持ちを切り取った短編集はあまりなかったように思う。すごく新鮮。
今は選択肢が多いことが逆に災いして、いつまでも迷ったり悩んだり吹っ切れなかったりする気がします。そんな時にこの短編集を読むと、救われる人もいるんじゃなかろうか。
解決策なんてないけど、二人で寄り添って、自然な結果に落ち着けたらいいね、って思えたら。あたたかくて、切なくて、でも、前を向いて行こうと思えるような読後感。

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Posted by ブクログ 2019年11月16日

子どもを持つことに関しては
本当にその夫婦はもとより、個人個人で
こんなに悩み、葛藤がありつつ
自由に選択できるものでもなく
正解もないってことが
改めて考えさせられた。

でも子どもがいても、いなくても家族は家族。
それだけはよく分かった。

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Posted by ブクログ 2019年10月23日

子どもが好きだったわけではない。
普通に結婚して、普通に子どもを持ったとき、私にもできるんだ、とびっくりした。
いなくても平気だと思っていたけど、今は、我が子のいない人生は考えられない。
でもできてなかったら、それはそれで、アリだった気もする。
あくまでも、気がするだけ。
で、今、子どもに関わる仕事...続きを読むをしている。
まさかの、本当に想像もしていなかった未来を生きている。

世の中にはいろんな人がいて、子どもを持つ、持たないは時に思うようにはいかない。
思いは人それぞれ。

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Posted by ブクログ 2019年10月05日

どの物語も子どもに関係するお話。子どもが欲しくないのに周りに言われて窮屈な思いをしたり、自分が欲しくなくても奥さんが妊活を始めたり。

夫婦は全く同じ考えを持っているとは限らないから、こうした心のすれ違いは多少なりとも生じてしまうのも事実。

これらの物語を読んで、自分たちのことを思い出...続きを読むした。私たち夫婦も一年半くらい子どもが出来なかったのだが、たったこれだけの期間でも、出来ない間は永遠にも感じる長さだった。
だから、②の無花果のレジデンスの奥さんの気持ちは凄くよくわかった。生理がくるたびに悲しむ奥さん。諦めと希望の入り混じった気持ちでこないでと待つ生理予定日。
なんとなく全ての物語が他人事じゃなく、凄く身近なことに感じられた。

①1DKとメロンパン
35歳の知佳は結婚して仕事をしているが、子どもはいない。職場の仲間は妊娠ラッシュ。知佳の妹が出産し、夫の智宏とお祝いに行ってから智宏は子どもが欲しいと言うようになる。それでも知佳は子どもが欲しくなかった。

②無花果のレジデンス
妻の妊活が始まっても睦生は気が乗らない。子どもが欲しくないわけではないのだが、自然にできればというのが睦生の気持ちだった。妻の本気を知り、病院に通うことになり、そこでの診断は睦生の精子の運動量が足りないということだった。それから2人には微妙な空気が流れ。

③私は子どもが大嫌い
36歳の茂斗子は子どもが嫌いだ。結婚にも興味がない。このまま年老いて死んでいくんだろうなと思っていた。そんな茂斗子だが、マンションの隣の部屋の女の子に触れ、なんとなく世話を焼くようになる。

④ほおずきを鳴らす
54歳の勝俣は過去に娘を亡くした経験がある。その後、夫婦関係がギクシャクし始め、離婚してから再婚することなく1人で暮らしている。
たまに夜の公園で電子タバコを吸っていると、不思議な女性と出会う。なんとなく娘が生きていたらこんな年齢かと思うとその女性のことが気になりだした。

⑤金木犀のベランダ
夫婦でパン屋を営む繭子は43歳。何年か前に子どもを作ることも考えたが、できないまま43歳になった。このまま2人で生きていくんだとなんとなく考え、今の生活に全く不満も感じていなかったのだが、ある日、夫が養子が欲しいと言いだして。

どれも著者らしい、なんとなく優しい物語。色々あっても、最後には前を向ける。
子どもがいる人にもいない人にも。至極の短編集です。

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Posted by ブクログ 2019年09月25日

派手な話ではなく 短編同士も
ほんの近所であるような設定で
子供について様様な思いを描く人が
身近にいる そんなことに気が付かされます

子供を持つ ということが
天からの授かりものである一方
明確に持つという意識をもつことに
迷いが生まれる気持ち よく伝わりました

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Posted by ブクログ 2019年09月10日

女性にとって、夫婦にとっての子どもにまつわる短編5編

『子はかすがい』ということわざがある
確かに一面では真実であろうが、一概にそう言いきれない場合も多々ある
子どもはいても、夫婦関係が破綻する例もたくさんあるし、子どもがいなくても、お互いの絆と信頼関係を深め、円満に夫婦関係を続けている夫婦もたく...続きを読むさんいる

重いテーマで、いろいろ考えさせられたが、
明日が来ることが楽しみだと、二人でそう思えるのなら、もうそれで十分なんじゃないかなと・・・
「1DKとメロンパン」より

未来は不確定だ。確かなのは今の気持ちだけで、それが今、二人で確認できたのなら、それでもう十分だろうと、そう思った
「金木犀のベランダ」より

に尽きると思った。きれいごとかもしれないけれど

5話、施設で育ったため、自分の子どもを持つことに不安を感じている繭子に対して、生涯独り身だった節子さんが語る言葉が心に沁みた

欲しいと思ったものが手に入らないこともあるの。手に入らなくても欲しい、欲しい、って手を伸ばすのが人間だもの。だけど、すでに持っているものの幸せに気づかないことも時にはあるわね

欲しい、欲しい、と思っていて、あきらめかけていたものがふいに手に入ることということもあるの

老い先もみじかいでしょう。思っていることはなんでも話すようにしているの。あのときいっておけばよかった、って後悔が私には山ほどあるのよ。・・・だから、あなたには言っておくわ。ご主人とはなんでも話をなさい。怖がらなくてもいいの。大丈夫

全編、おきまりの最後には妊娠してハッピーエンドではなく、いろんな選択があっていいんだよという穏やかな優しさに包まれていた

この感想を書くため、もう一度見返していて、1話の智宏が行列に並んで買ってきた子羊堂のメロンパンが、5話の栄太郎と繭子が営む子羊堂だと気づいて、びっくり!
繋がっていたんだと分かり、ちょっと得した気分!







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Posted by ブクログ 2019年08月29日

子どもを望む人、夫婦間での相違、子どもが嫌いな人、欲しいけどできない人、すぐに亡くしてしまった人などさまざまな状況、立場の人たちが登場する短編集。選択肢が増えたけれど理解がされてなかったり、受け入れられなかったり。子どもを望むこと、産むこと、そのあとの生活のこと。色々な角度から書かれていて色々な考え...続きを読む方があるのがわかる。身近なもの、遠くに感じるもの。そういうこともそれぞれでその人に合ったものが周りにも理解が広まればいい。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2019年08月13日

いるいないみらい、すべて”こども”に掛かってる短編集。
産む、産まないに置き換えてもいい。
どれも切実な内容だけど、どれも温かくて希望がみえるとこが窪美澄たるとこで読後感はさわやか。

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Posted by ブクログ 2019年08月08日

あー「いるいない」って、そういうことか〜…。

子どもを持たないという人生を選択したひとたちの生き様を描いた、切なくも温かな短編集。

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Posted by ブクログ 2019年08月06日

自分も妊娠を最近深く意識しはじめたので読んでいてすごく苦しかった。
無花果のレジデンスがすき。
適齢期を迎えるひとは救いになるのか、それともわたしのように少し苦しくなるかに分かれてしまいそうです。

女性の性について描くのが上手な窪さんだからこそかけた、とてもいい作品。

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