【感想・ネタバレ】アタラクシアのレビュー

ユーザーレビュー

Posted by ブクログ 2019年11月16日

日々がコマ切れで日めくりカレンダーの由依。 何か不変なものになりたいと考える由依。
理解されがたい人物だったけど、憧れずにはいられなかった。
フランスは多国籍国家でその人その人がマイノリティ。何が正解ということもない。生きていける上での最低限のルールが大事。金原ひとみのインタビューでの“共感のスイッ...続きを読むチをオフにすること“
日々の生活で、無理に共感している自分への救いになった。
やっぱり金原ひとみの作品に救われる。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2019年08月09日

ほとばしる筆。溢れかえる描写。抑圧された煮えたぎる怒り。これが、金原さんか。初読み。

金原さんが紡ぎだす言葉には、これでもか、これでもかという行き場を失った寂しさと、満ち溢れた怒りを感じる。

寂しさと、積もり積もった寂しさが形を変えた怒りは、行き先を失い、最後自分を責め、攻撃し、「一線を越えてし...続きを読むまう」。

結婚した男女たちの群像劇のなかで、それぞれが寄る辺なさを抱え、誰かの肌の温もりを欲しながら、意図しない日常が次々と寄せてくる。

略奪、家庭内暴力、虐待、不倫、パパ活、摂食障害、子どもの犯罪等々。世間でワイドショーや週刊誌、あるいはSNSが断罪する「いけないこと」が満載。やるせない。

傍にいてほしい。分かって欲しい。大切にされたい。
そんな単純なことなのに、儘ならない。

伴侶も、親も、子も自分以外はすべて他者。別物だ。
上手くいかない登場人物たちが、自分でも気づかぬまま、悲鳴に近い孤独を訴え、他者と交錯するさまは、容赦なく、苦しささえ感じる。

ラストのどんでん返しは、ある意味溜飲が下がる。他人にとって「善き人」は、実は支配体質ということがあるから。そうだったのかあ。こういう結末、たまらない。

なんとなく、今まで敬遠していた金原さんの作品だが、出会ってよかった。

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Posted by ブクログ 2019年07月11日

うーわ…
と思わず読み終わったあと声に出してしまった。金原さんの作品毎回そうかも、うーわ。声が出てしまう、びっくりして? あらゆる意味で感銘を受けて? いろんな角度から呆れて? 不快で? 全てが詰まって思わずこぼれる。
蛇にピアスから15年も経ったのか。わたしより少し年上の彼女が芥川賞とったときは、...続きを読むこんな若くても作家になれるんだと驚いた以上に、彼女の描く作品があまりにも暴力的でしんどかった。あれから15年経ったこの作品は、まぁなんというか精神的にくる。
それと最後にえーっていう伏線が目眩したよ。いい人だと思ってたのに。すごくいい人だと思ってたのに。
コウボクノマックっていうハンネセンスいいなー好き。
途中時系列で迷子になったりもしたけど、わたしはこの作品すごくすごく好き。虚無感と幸福感があわさって、うーわーとしか言えない感じがすごく好き。怖いくらいにどうしようもなくて、好き。

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Posted by ブクログ 2019年05月30日

金原ひとみは全巻初版を持っているオタクですが、今回は抜群に面白かった。愛を求めたり、与えたり、拒絶されたり成長したり拗れてしまったり様々な人達の群像劇。最初オチの一つに「またこのネタか…」と思ったけれども、最後の2ページで一気に話がひっくり返され、その鮮やかな話運びに感動してしまった。オチだけでなく...続きを読む、一つ一つの章がそれぞれ物語として確立していただけあってその絡みようがまた見事。本当に面白かった!

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Posted by ブクログ 2019年05月28日

ベスト級に面白かった、最高に好きだった
けど、わたしがこの人の小説に求めていたものというのがすでに古びててわたしの方が化石になってて、その間にこの人はストーリーテリングの方の力をバキバキに伸ばしてて昔とは全く違った感じにわたしはこの人の小説を楽しんでいることに気付く ぜんぶ、楽しんでいる

...続きを読むしんで読むという感覚が昔はなかった
ただすごい力で糾弾され殴られ蹴られみたいな暴力的なインパクトに疲弊しながらそれでも強制的に体に穴を開けられてやっと自分の感情の流れがわかるような感覚に惹かれ続けてぼろぼろになって読み終えてしばらくしたらまた手に取ってという読書をしていた

やっぱりこの人の文章を読むと体に穴が開く それは変わらない その感覚も残したまま小説そのものの筋書きに夢中になっている
スカスカに穴が開いて、でも楽しかった 小説を読んだ すごく読んだ
わたしはこの人の小説が本当の本当に大好き 心から大好き 会社の人には絶対に言わない絶対に

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Posted by ブクログ 2020年05月09日

真奈美の最初の章
感覚、価値観は人それぞれなのに自分の尺度ではかり、それを押し付けることほど、惨めなものはないと改めて思う。
たいがいそうしてる人ほどそのこと自体に気づいていない。

全ての行動を人間は白黒はっきりつけるべきではないと考える。というかつけられないと思う。
物事や出来事には必ずグレーゾ...続きを読むーンが生まれる。その固有のケース毎に考えることしか意味をなさない。
例)
同じような悪いことをしたとしても人間はこの人は許せない、この人は許せるなど、曖昧なことも多い。特に不倫や軽犯罪など。
プラス小さいことにこだわり過ぎている風潮が最近は特にあると思う。


人を愛するということ、それがかなわない時に人はどうなるのか。そこには破滅しか残されていないとでも言うような小説。愛の形にも改めて考えさせられるものがある。

二回読んで初めて理解できることも出てくる気がするような小説。

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Posted by ブクログ 2020年01月24日

その人からどう思われているかということはもちろん、自分にとってのその人の存在の意味も、それを根拠づけてくれるものなんて何もない。
自分自身が目に見えないものを信じられるかどうか。
そして、それを盲目的に信じ込んでしまうことの怖さ。
人は一人では生きていけないというけれど、人との関係の中でしか生きてい...続きを読むけないからこそ生まれる苦しみも確かにあるんだとあらためて感じた。

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Posted by ブクログ 2019年11月09日

初めての金原さん。
全体的に暗くてどろどろした中にいる印象。
読むのすごくつらかったけど、でも読み切らないとという気持ちにさせられる。
人間の中のどうしようもない感情とか、ままならない事情とか、言葉にすることが難しくて気持ち悪いことを、しっかり描いてくれている。
もやもやしたものを言語化することには...続きを読む勇気がいる。
たぶんこの本の中の人たちはわかっていないんだけど、それを金原さんが言語化してくれることで、同じような状況にいる自分を理解することを助けてくれる気がした。

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Posted by ブクログ 2019年11月08日

主人公の由依は掴みどころがなくて、いつも白けた感じで、一般受けはしないタイプなのに何故か目が離せない魅力がある。彼女に夢中になっている夫や恋人、また彼らの周りの人たちの表向きの生活や裏の顔が描かれている。一気読みした本。

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Posted by ブクログ 2019年11月06日

アタラクシアな人たちの話。アタラクシア自体、知らない単語でしたので調べました。このタイトルの意味と内容がガッチリと一致しているので、まずはタイトルの意味を理解してから読んだらより面白いと思いました。しかし、読んでいて気分が良い内容ではない。誰も幸せな人がいないし、自己中心的な考え方の人ばかりだし。見...続きを読むた目では優雅に自由に生きていて幸せに暮らしている様にも思えますが、実際は心がボロボロの状態の登場人物達。ラストはある登場人物が事件を起こしてしまうのですが、それが衝撃的で唐突に物語が終わった感じがしました。他の登場人物達の話がもう少しあると思っていたので、なんとなく消化不良な気分に陥りました。

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Posted by ブクログ 2019年09月07日

ラスト怖すぎ、これって
なにげにホラーだったのね。

人間、怖っ。

文章自体がもう、狂ってる感がすごい。
隙間なくセリフがだーっと書いてあるのを
息をつめて読む感じ。

疲れる一冊。

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Posted by ブクログ 2019年08月08日

どこかしら繋がりがある人々が順番に語っていくスタイルの本。
恋愛、夫婦、仕事、色んな形があるなーと。
登場人物は皆、歪んだ変わった人が多いけど、共感できる点もあったり、なかったり。桂が怖い。

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Posted by ブクログ 2019年08月04日

金原ひとみはデビュー時の印象が強すぎ、苦手意識から敬遠していた。本作が初読みだが意外にも相性はいいかもしれない。一人称の語り手が次々に代わり1つの物語が綴られていく、いわば“リレー小説”。とは言え、大きな事件が起きるわけではなく、その多くが不倫の悩みだったりする。タイトルの“アタラクシア”とは、心の...続きを読む平静不動な状態のことを言うらしい。登場人物の誰一人としてこの境地には達していないのだが……。

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Posted by ブクログ 2019年07月18日

描かれている登場人物は、どの人も危うく極端な感じがするけれど、かと言って理解できないわけでも、まったく共感できないわけでもなく…
少なからず、どこかに共通点があるような、不思議な感覚になりながら読み進めた。

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Posted by ブクログ 2019年07月18日

夫婦はそれぞれの距離感でそれぞれのバランスで成り立っている。破綻してしまうときもそれぞれの終わり方で終わっていく。不倫や暴力がありつつも関係をきっぱりと精算できないのはなぜなのか。傍から見るとそう思うのだが渦の中にいると抜け出す方法も方向もわからなくなる。物語にはいろいろな男女が出てくるが、それぞれ...続きを読むの内面が濃厚に描かれていて、読むのが苦痛になる場面も多々ある。しかし他人の生活は気になるからページをめくる手は止まらない。結婚は(最初はそう思っていなくても)人生をかけて取り組むことになってしまうものなのだなと感じた。だから真剣になるし、与える傷、受ける傷ともに深くなる。血みどろになっても、おいそれと引き返せないぞ、ということになる。怖い本だけど、他人の話なのでとてもとても面白く読める。

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Posted by ブクログ 2019年07月11日

共感出来ない登場人物達である。
それがゆえに、こういう人たちはこんな事を考えているのかな、と考えさせられる。
簡単に不倫生活をする登場人物たち、そんな人物に執着する伴侶たち。
そんな共感出来ない登場人物達でありながら、あるがゆえに面白く読み進めました。
こんな人たちとは付き合いたくないな〜ってのが、...続きを読む最終的な感想。

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Posted by ブクログ 2019年07月10日

他人の気持ちには無頓着で目の前にある幸せだけを求める既婚女性と、その恋愛相手であるフレンチシェフ、浮気性の夫にも母親にも息子にさえ愛情をもてずに苛立つパティシエ、売れないミュージシャンである夫のDVに怯え同僚との浮気で息抜きをする編集者、それぞれの結婚生活と周囲の人たちの抱える心の闇を描く。

平穏...続きを読むな心という意味の哲学用語であるタイトルとは裏腹に、誰もが深く傷ついた過去をもち、不安定な現実のうえに起爆剤を抱え込んで暮らしている。持ち回りで語り手となる登場人物たちは、吐き出す言葉も行動も驚くほど激しくて、読んでいて心が削り取られていくようなつらさに襲われる。
それも、醜いものから目を背けずに心の奥底をのぞきこみ、冷静に分析して的確な言葉を丁寧に紡いでいく作者の力量があってこそ。圧倒的なパワーを感じる作品だった。
金原ひとみの未読の作品がいくつかあるので、ぜひ読みたい。

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Posted by ブクログ 2019年07月09日

不倫という暗闇に包まれた世界に生きる複数組の夫婦の物語。手に取ったもののネガティブな要素が多いのでは、と思い込んでいたが、最後になるにつれ光が見え始める。結論はぜひ手にとって読んでみて欲しいが、全体の印象として著者である金原ひとみさんのレンズを通して夫婦を見ているような気がしていて、不思議な気持ちに...続きを読むなる。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2019年06月28日

家族に疎まれ十代でパリに渡った由依。
知り合った日本人シェフ瑛人と恋に堕ちるが、モデルとしての成功をつかめず帰国する。
翻訳者として働くうちにラノベの人気作家・桂に見初められ結婚。しかし流産を経験してから心に空虚を抱えるようになり、帰国してレストランを開いた瑛人と密会を重ねる。

瑛人の部下・英美は...続きを読む、浮気をくりかえす夫・口煩い姑・反抗的な息子に精神的に追い詰められながら働いている。

由依の友人・真奈美は、人気の落ちたミュージシャンの夫からのDVを受け、同僚・荒木との逢瀬に救いを求めている。

由依の妹・枝里はホストの彼氏に振り回され、自暴自棄にパパ活を繰り返している。

由依の夫・桂は、盗作事件を起こしてから仕事がうまくいかず、妻から離婚を切り出され、精神的に不安定になっていく。

誰一人として幸せな登場人物がいないという…
ラスト、いい味出してる脇役で、チャラいふりしてるけど実は誠実な良い人なんじゃないか?と思わせていた荒木がヌルリと皮を脱ぎ捨てて真っ黒な内面を曝すサプライズ。

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Posted by ブクログ 2019年06月08日

金原ひとみは昔蛇にピアス読んだけど挫折して以来。
なのでほぼ初読。

みんな救いようないし、ドロドロだし、読むの辛いのに、
どう着地するのか気になって無我夢中で読んだ。

私は倫理観が破壊しているといわれた由衣さんに一番共感できたな。

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