【感想・ネタバレ】隠居すごろくのレビュー

ユーザーレビュー

Posted by ブクログ 2020年03月02日

仕事漬けの毎日であった糸問屋の元主人・徳兵衛が、還暦を機に隠居生活。しかしながら、幼き孫の千代太が持ち込んでくる厄介ごとに巻き込まれ、商売道楽に勤しむ予想外に忙しい第二の人生双六に投じることとなる。

先日「永田町小町バトル」を読みましたが、やっぱり西條さんは時代小説が合っていて、抜群に面白い、と失...続きを読む礼ながら得心してしまいました。あらすじだけでもそれなりに想像のつくベタな展開ではあるけれども、その安心・安定感で気持ち良く読むことが出来るし、温かい人情噺についつい涙を滲ませてしまう。子供たちならではの柔軟な発想やベテラン店主の腕が光る差配、他にも老若男女問わずで皆が力を合わせて商売ごとを成り立たせていく姿が素直に面白く感じた。このサクセスストーリーを現代にそのまま置き換えると、ちょっとご都合感を感じるというか、ファンタジー感が拭えなくなってしまうのだけれど、江戸の時代に設定してあるからこそ、非現実感に囚われることなく素直に受け入れられるのかなと思う。
最期の締めの場面で涙腺崩壊。幸福感と充実感に溢れていて、とても気持ちの良い読書でした。

このレビューは参考になりましたか?

Posted by ブクログ 2019年12月04日

面白かったー!
さいしょは、(なんだ老害のハナシか、、)なんて眇めに読み始めたが、徳兵衛といっしょに、だんだん、出会いと出来事に情がほぐれ暖められていった。後半あたりからもう、涙ぐんでばかり。だれかのためにできることがあるって、嬉しいよね。ほんとはだれにでも備わっている感情だとおもうし、自分にも重な...続きを読むりそうなだめな部分を晒す人物もあちこちに出てきて、身近にこころ動かされた。こどもって、すごいよな。そして「人徳」ってこういうことだよなあ、と。決して生まれながらの聖人なんていないけど、自分のなかの性分や義憤と折り合いをつけつつ、反省するべきは素直に省みて、やれることを試行錯誤する。ときに真っ向から怒りもする。いつのまにか徳兵衛に敬意を持って応援しつつ、こどもたちの未来を祈っていた。締めの場面も良き。私も手を合わせたよ。
これは全身で推す良作。ひさびさに星5つ!
大満足、あたたかい気持ちになれる1冊。オススメです。

このレビューは参考になりましたか?

Posted by ブクログ 2019年09月26日

読み進むうちにどんどん引き込まれていきました。
糸問屋の六代目徳兵衛が隠居してからのお話。
孫の千代太が徳兵衛を巻き込んでいきます。
徳兵衛が千代太に、そして千代太が徳兵衛に感化されお互いが成長していきます。
とても心に残るいい本でした。

このレビューは参考になりましたか?
ネタバレ

Posted by ブクログ 2019年09月05日

嶋屋徳兵衛(しまや とくべえ)は糸問屋の六代目あるじ。
このたび、隠居して、店の主の座をを息子に引き継ぐ、と宣言した。
長年、手堅く商売に励み、代々続いた暖簾を守りぬいた。
幼い頃から商人として、父親に厳しく躾けられ、趣味も持たず仕事一筋。
隠居したら好きなことを思う存分にしよう!
と楽しみにしてい...続きを読むたのだが…

"仕事人間で家族を顧みなかった男の定年退職後"
テーマは現代にも置き換えられる。
仕事人間?
趣味が無かった?
やばいぞ、ボケるぞ、家族に邪魔にされるぞ―――!

元百姓家の大きな家を買い取り、まだ大おかみとして頼りにされている妻とは別居。
何もしない生活と静かな自然を楽しむが、ひと月で飽きる。

そんな徳兵衛の元に、嵐を呼ぶ(!)、孫の千代太が参上!
次々と人助けと事件の渦に巻き込まれ…
あ~れ~…とか言いながら渦潮でくるくる回ってるじじさまが目にうかぶような…

とにかく退屈しない。
困っている人を見ると放っておけない、純粋で優しい、孫の千代太、
隠居屋で徳兵衛の世話をするベテラン女中・おわさもとってもいいキャラ。
「貧乏は怠慢の報い」と冷たく突き放すばかりだった徳兵衛も、庶民の様々な事情に触れて、変りはじめる。

隠居で「上がり」だったすごろく=人生ゲームの二枚目が始まった。
一回休みも、三マス下がるも普通にありますぞ!
釣りも俳句の会も、お茶屋遊びも、結局、性に合わなかったのだ。
自分は根っから商売が好きだった。

「リタイア後、得意な事を生かして地域の役に立ちませんか?」
地元の広報誌などで見かける言葉。
それが、飛びきり面白い小説になった
すごろくに「上がり」はなく、誰かに引き継ぎが出来るのは幸せなことである。

このレビューは参考になりましたか?

Posted by ブクログ 2019年08月19日

商売に厳しく、細かいことまで目が届き、厳しく怖いそんな6代目の店主が還暦を迎え、ある日隠居を宣言する。
糸問屋「嶋屋」は大店とは言えないまでも堅実に7代目に引き継がれた。

隠居、徳兵衛は、女子供でも歩けるほどの近くに、丹念にリサーチした百姓家を隠居屋とした。

妻のお登勢は、おっとりした跡取りの嫁...続きを読むに、まだまだ助けて欲しいと、嶋屋にとどまる。

あんなに、恋い焦がれた隠居の生活。
早くも一月で飽きてきた頃、孫の千代太が女中とやってきた。誰にでも何にでも優しい千代太は初めは犬や猫を拾っては徳兵衛を閉口させたが、綱吉の例をとって説明し、人助けができるように、と諭す。
ところが千代太は次の日から三日も何も食べていない、しらみがたかっているような貧乏人の子供を連れてくる。

徳兵衛の人生は、お家を大事に、無駄遣いもせず、商売仲間とも遊ばないという、石橋を叩いて渡るような堅実な生き方をしてきた。

8代目を継ぐはずの、千代太の商いの勉強をさせると決めた。

千代太にわかるように諭し教えるようになると、徳兵衛は商いについて、深く考え直すようになる。
余計なことには耳を貸さなかった今までとは違い、失敗しながらも、千代太に理解させ納得させ、一つづつ、貧しい子らの家族の生業が、立つようにと、工夫をする。
千代太を師範にして寺小屋を始め、できることを考えて協力して、少しでも収入が立つようにと。。。

結果的に、いつの間にか貧しい人々が十八人も集うような家に。そして徳兵衛も今まで感じなかったような幸福感を感じるようになる。

いつになっても、成長することはできる、いつ賽が投げられるか?どこがターニングポイントになるのか?
最後までワクワクするお話でした。

このレビューは参考になりましたか?
ネタバレ

Posted by ブクログ 2019年08月06日

読み初めは、こんなじいさま嫌だ~、めんどくさいよ、と思ってたんですが、子どもたちに振り回されて、さすがのご隠居様も形なし状態にはなかり笑えました。しかも、なんだかんだで女性の手のひらで踊らされてる様子もおかしくて。タイトルの『隠居すごろく』って、本当にうまいタイトルつけたなと思いました。子どもたちが...続きを読む隠居家に通うようになって、すさんだはすっぱな感じがとれていって、明るく希望を持っていく様子が本当に嬉しくなり、ホロリときました。現代にも置き換えられそうな物語だったけど、やっぱり人とのつながりにしろ、商売のことにしろ、現代だと難しいのかなと思いました。寂しいけど。

このレビューは参考になりましたか?

Posted by ブクログ 2019年07月28日

のんびりした隠居生活のはずが,孫の千代太の優しさからの頼みごとがどんどん膨らんで,いろんなことが大きく育っていくところ,手習いから始まって,組紐の立ち行き,子ども芝居や商売の工夫,それらがお互いを成長させていく.お見事というしかない人物の動きと口上,涙あり笑いありの物語.本当に面白かった.

このレビューは参考になりましたか?

Posted by ブクログ 2019年06月16日

隠居して家移りもした。これからは悠々自適の隠居生活・・・?

おもしろすぎて一気に読んでしまった。
子供達特有の言いようと、そこを収めていく隠居さんがさすが。

このレビューは参考になりましたか?

Posted by ブクログ 2019年04月28日

初出 2017〜18年「公明新聞」

文句なく面白い。笑えるし泣ける。

 商売一筋の厳格な糸屋の主徳兵衛が隠居して、隠居所に引きこもったが、心優しい8歳の孫の千代太が、「かわいそうな」犬、猫、欠食の兄妹を、寂しくて「かわいそうな」おじいさまの隠居所に連れてくる。
 徳兵衛は商人の心得を教え込み、貧...続きを読むしい者に手を貸すのをやめさせようとするが、どんどん巻き込まれていき、隠居所は手習い所になり、組紐の工房になり、子供芝居の稽古場になる。
 徳兵衛は人を助けることが経済を回すことになると気づいて行き、初めて商売が楽しいと感じ、今まで心が通じていなかった人々と心が通じていく。

 続きが読みたいのだが、徳兵衛さん亡くなっちゃいましたね。

 

このレビューは参考になりましたか?
ネタバレ

Posted by ブクログ 2019年11月11日

千代太屋がとても楽しそう。いい孫に恵まれてホント幸せだよね。好きなことをやって他の人の人生を軌道に乗せて感謝されて、大勢の人に死を悼まれる。こんな老後が送れたら幸せだよなぁ。さらに最高なのはお登勢さんだよ。内助の功これに極まれりって感じ。組紐の商いがいい感じで使われててよかった。一度やってみたいな。

このレビューは参考になりましたか?

Posted by ブクログ 2019年10月04日

導入部でちょっと戸惑iましたが、すぐに引き込まれてしまいます。
七代目に店を譲った、一本筋は通っているが偏屈で吝嗇な糸問屋の隠居・徳兵衛。喜々として隠居所での生活を始めたものの、元々道楽など無く暇を持て余していた。その隠居所に通い始めた孫の千代太が、次々と可哀想なもの、犬、猫、果ては飢えた子供を拾っ...続きを読むてくる。その後始末に振り回されているうちに。。。というお話。

いわば大江戸版「小公子」。
純真で一途な孫にひきずられオタオタする徳兵衛の姿が可笑しく、それと共にどんどん他人への思いやりを持ち直して行く姿が楽しい。心地良い読後感でした。

このレビューは参考になりましたか?

Posted by ブクログ 2019年09月29日

堅実に仕事に打ち込んできた、糸問屋の6代目、徳兵衛の隠居後のお話。
最初の100ページ位は、怒りっぽくて吝嗇家の、寂しい隠居生活が綴られていて、ちょっと読み続けるのをどうしようかと思ったけど。
やたらと優しい孫に振り回される内に、隠居生活が充実したものに。
商売の工夫と人情を組み合わせたサクセスス...続きを読むトーリーに、どんどん引き込まれて、気づいたら一気読みの、2度読みでした。

このレビューは参考になりましたか?

Posted by ブクログ 2019年08月20日

店を息子に譲り、静かでのんびりした隠居生活を始めようとした徳兵衛。
しかしその思惑は、隠居所に孫の千代太が現れたことから大きく外れていく…。

西條さんらしい、楽しくテンポよく展開していく作品。
最初は口うるさく融通の利かない老人だった徳兵衛と、お坊ちゃんで優しいだけが取り柄の千代太が段々変わってい...続きを読むくというベタな展開ではあるものの、これまで店を守るためだけの商いをしてきた徳兵衛が隠居だからこそ出来る自由な商いの楽しさを知り、千代太もまた同年代の子供たちとともに商いのアイデアを捻り実行し実際にお金を手にして商いの楽しさを知るところは面白い。

またこれまで施しが大嫌いだった徳兵衛が、実際にその日暮らしの親子たちに接することにより、怒鳴りつつも手も差し出すようになるのも良いし、千代太もまたその日暮らしの子供たちと共に商いを学ぶなかで施しではない人助けを知るのも良い。

偏屈な老人と子供たちの取り合わせは楽しい。なんだかんだで子供には勝てないし、子供たちも老人に学ぶ。
周囲の人々も良いし、これぞ活きた学問だろう。

このレビューは参考になりましたか?

Posted by ブクログ 2019年07月02日

巣鴨で六代続く糸問屋の嶋屋。店主の徳兵衛は、還暦を機に隠居生活に入った。
静かな時間を過ごすつもりが、孫の千代太が隠居家に訪れたことから、厄介ごとが舞い込んでくる。人生の「第二の双六」の賽を振ってしまった徳兵衛。心優しい千代太がかわいくて、情が幸を生む。読んでいてほっこりとする、西條奈加さんが描く時...続きを読む代物。今回も楽しませていただきました。

このレビューは参考になりましたか?

Posted by ブクログ 2019年05月15日

西條さんやっぱいいねえ
最後にはお登勢さんが3人組を懲らしめてくれると期待していましたが、やり返さずに自分たちで新たな道を切り開いて行くところに意味があるんでしょう。銀さんが捕まってどうにも困った時、「ゴメスを出せ!」と思ったのは私だけかな?

このレビューは参考になりましたか?

Posted by ブクログ 2020年01月31日

最初は、千代太の子どもらしい我儘と勘七の生意気がいらっとして、あまり読む気がしなかったのだけど、話が進むに連れ良い感じに。

このレビューは参考になりましたか?

Posted by ブクログ 2019年05月25日

巣鴨で六代続く糸問屋の嶋屋。店主の徳兵衛は、三十三年の働きに終止符を打ち、還暦を機に隠居生活に入った。人生を双六にたとえれば、隠居は「上がり」のようなもの。だがそのはずが、孫の千代太が隠居家を訪れたことで、予想外に忙しい日々が始まった!千代太が連れてくる数々の「厄介事」に、徳兵衛はてんてこまいの日々...続きを読むを送るが、思いのほか充実している自分を発見する…。果たして「第二の双六」の上がりとは?

このレビューは参考になりましたか?