【感想・ネタバレ】アマゾンの倉庫で絶望し、ウーバーの車で発狂した~潜入・最低賃金労働の現場~のレビュー

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Posted by ブクログ 2020年08月14日

ーーー本書を読むかどうか悩んでいる人へーーー
実は、自分は過去に読むかどうか悩み、結局辞めたことがある。
理由は単純で、日本語版のタイトルがややしつこく、かつ少々安っぽく感じられたため(ただ、Hiredという原題を訳したりカタカナで用いるだけでは、本書の内容を伝えにくいことも事実)。

同じ理由で迷...続きを読むっている人がいたら、今すぐ手に取ることをお勧めしたい。
本書はいたって真面目で、エンターテインメントとしての煽り文句や、ありきたりな“貧困層の問題への提言”などが書き連ねられているものではない。
著者がその身をもって体験した、「私たちのスマホの先」や「家族の面倒を見てくれるあの人」の世界が、淡々と描写されている。
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イギリスにおける最低賃金労働の現場を描いたもの。
単純に現場の人々を取材するだけでなく、自身もそこに身を置くことによる一人称の視点が、本書の特色である。
余談だが、最終章まで読み進めると、原題に込められた皮肉が際立つだろう。

消費者として、手元のスマホのワンタップで得られるメリットがどのような人々に支えられているのか、無知でいるわけにはいかないと思い知らされる。

また、ちょうどEU離脱の国民投票と取材時期が重なっていたことを考えると、なぜ有権者たちが離脱を選択したのか、本書を通してわずかに理解できた気がした。
日本にとっても決して他人ごとではなく、自分たちが目を向けていないだけなのだと。

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Posted by ブクログ 2021年06月01日

いつも利用しているサービスの裏側について体験をもとに書いてあり勉強になった。
自分の仕事への姿勢についても考え直すきっかけになった。

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Posted by ブクログ 2021年04月21日

他国の話とはいえど、資本主義は国境を超えてやってくる。
笑い話ではなく、きっとこうなってしまう未来もあると思う。
内容としては、非正規労働者の現状であったり、そもそも仕事が無い問題についてのルポ。刺激的な内容であり、これが必ずしも実態ではないと思うが、問題提起として頭の中に入れるには十分だしなんなら...続きを読む分量が多い。

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Posted by ブクログ 2020年04月11日

著者自身がある意味奴隷的でもあるニューブラック的な職業を体験したレポート。介護の現場は日本もイギリスも同じであることが解った。

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Posted by ブクログ 2019年12月31日

当たり前のようにネットで買い物をする人間がいる一方、該当の商品を探して倉庫内を走り回り、そのスピードを常に監視されている人間がいる。アプリで手軽にタクシーを呼ぶ客がいる一方、アルゴリズムによって管理されるタクシー運転手がいる。社会の底辺とも呼ばれる職場に潜入し、その実態を暴くだけでなく、労働者階級の...続きを読む人々の本音を引き出す著者。現在、イギリスでは約20人に1人が最低賃金で生活していると言われる。移民問題、廃れた地域、ゼロ時間契約...。労働者階級の生活を、著者自らの眼で見て、真実を確かめたノンフィクション。

p7
現在、イギリスでは約20人に1人が最低賃金で生活している。

p8
世界金融危機のあと、自営業者が100万人以上も増えた。その多くが、インターネットなどを通じて単発の仕事を請け負う“ギグ・エコノミー”という働き方を選んだが、彼らに労働者の基本的な権利はほとんど与えられていない。

p10
ゼロ時間契約[訳注、zero-hours contract、週当たりの労働時間が決まっていない雇用契約のことで、特に近年のイギリスで大きな社会問題になっている]

p22
同僚たちの大半は東欧から来た人々で、そのほとんどがルーマニア人だった。私の存在に気づいたルーマニア人たちはしばしば、なぜイギリス人がこんな卑しい仕事をして自らを貶めているのかと不思議がった。

p25
それぞれのピッカーは、商品を棚から集めてトートに入れる速さによって、最上位から最下位までランク付けされた。

p25
このようなアルゴリズム管理システムが生み出されたという事実は、将来への警告であると同時に、フレデリック・テイラーが提唱した「科学的管理法」への後退でもあった。1911年、フィラデルフィア在住の裕福な機械エンジニアだったテイラーは、無益な作業と人間の怠け癖をなくすことを目指し、労働活動の科学的な理想像を描いた研究論文を発表した。彼が編み出した科学的管理では、仕事場すべての作業が細かく監視さら、時間計測され、記録されるべきだとされた。労働者は製造のための構成単位であり、作業に使われる機械と同じように生産高が計測され、細部に至るまで指示が出されるべきだとテイラーは主張した。当時の著名な知識人たちと同じように彼は、労働者階級の人々を完全な人間だとはみなしておらず、利益を上げるために利用することのできるリソースだと都合よく考えていた。「(たとえば銑鉄運びは)洗練とはほど遠い、ごく初歩的な作業であるため、ゴリラを訓練すれば人間よりも効率よくこなすにちがいない」。テイラーは労働者のことを、自分たちを支配する原理に対する「理解が足りない」人々だと記した。“経営者階級”はテイラーの理論を嬉々として探り入れようとした。2001年に米国経営学会は、20世紀でもっとも大きな影響を与えた経営管理本にテイラーの『科学的管理法』を選んだ。

p37
2016年4月の時点で、ルーマニア国内に住むルーマニア人の手取り月給の平均は413ポンドで、地方での額はさらに低かった。

p44
強大かつ不可解な資本主義の力に圧倒された社会では、何故か移民だけが標的にされる。実際にイギリス文化が踏みにじられているのだとすれば、より大きな責を負うべきなのは、東欧から来た果物収穫作業員ではなく、ドナルド・マクドナルドのほうだろう。

p259
ギグ・エコノミーとは、フリーランスの単発の仕事によって成り立つ急成長中の労働市場だった。依頼されるのは出来高払いのフレキシブルな業務で、携帯電話のアプリを通して割り振られることが多い。

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Posted by ブクログ 2019年10月24日

国は違っても経済格差の構造は一緒なんだな。低賃金の仕事はどの国へ行っても低賃金なので当たり前かもしれないけれど。なんとなく経済大国へいけば稼げるイメージがあるけれど(だから出稼ぎ外国人がいるんだけど)自国民がやりたがらない酷い仕事を押しつけられるだけだ。
現実逃避のためジャンクフードや酒、ドラッグな...続きを読むど手軽な快楽になけなしの金を使い、体をこわして更に貧困へ陥る。政治に絶望して無関心なので(外国人ならはなから対象外だし)政治的活動で改善をしようという気もない。外国人に仕事を奪われた、治安が悪化したと文句をいうけれど根本的な経済の問題を見ようとしない。これでは負のスパイラルが止まらない。
日本でも同様のことが起こっているがせめて「知る」ことで無知故の悲劇に陥らないようにしたい。

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Posted by ブクログ 2019年09月08日

邦題につられたわけだけど、つられて良かった。

ウーバーはイノベーションの陽の側面がことさら強調されているけど、専業とした労働者視点にすると宿場女郎並みの閉塞感。ギグエコノミーの欺瞞、という章題が全てをあらわしている。「保障」を怠る企業というのは、はたして企業なんだろうか?プラットフォーマーですから...続きを読む、という詭弁も、いつまで続くんだろうか。

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Posted by ブクログ 2019年06月08日

イギリスのどちらかというと貧困層の仕事、生活の実体が描かれている。日本で起きていることは、他の国でも似たような事象が発生していることなんだと思う。そこからの抜け出しは何が有益なのだろう?教育か?政治か?

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Posted by ブクログ 2019年05月07日

イギリスにおける格差社会、貧困問題を、著者自身が底辺の街に住み、悲惨な職場で働くことを通じてあぶり出すという意欲作。途中、職場とは関係ないやん!というような、ホームレスの話が突然出てきたりするのはご愛嬌。タイトルにある企業をただ批判する本ではないのに好感が持てた。
それにしても格差社会、貧困問題は完...続きを読む全に日本と同じ・・日本もいずれこうなるのか、足元ではすでにこうなっているのか。若い人たちに、こんな絶望的な社会しか残せないことになんだか悲しくなる。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2020年03月01日

職がない、あるいは職はあっても収入が十分でない。そして職が不足し、生活が変わり、文化が失われる理由は、政治ではなく移民に求められてしまう。
貧困層は、派遣社員やギグエコノミーの「自営業者」といったわかりにくい姿でも世の中に存在している。働いている限り社会保障は受けにくく、後戻りできない恐ろしさがある...続きを読む。社会が形を変えるのに合わせて、セーフティネットの在り方も変えていくべきなのだろう。
正直いまは「自分ごと」ではないけれど、無視するのでも諦めるのでも哀れむのでもなく、冷静に考え続けたい。

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Posted by ブクログ 2019年11月09日

アメリカの話と思って読み始めたら、イギリスの話だった。原題は“HIRED”なのに、全く違う扇情的な邦題にしたのは編集者の考えか。あまり好きな付け方ではないけれど、このタイトルでなければ手にしなかったかもしれない。
「はじめに」を読んで、日本との類似性に驚かされる。雇用率が高い反面、低賃金かつ不安定な...続きを読む雇用形態の拡大、上がらない賃金、格差、移民…。全く同じ問題が日本にも起こっている。本書では何度かオーウェルのビッグ・ブラザーを引き合いに出し、ITによる労働者の監視社会、査定社会に危機感を募らせる。うーん、これは本当に人ごとではない。

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Posted by ブクログ 2019年10月18日

原題は「Hired」なので、うまい邦題をつけたなというのが第一の感想。
筆者が実際に企業に潜入し、そこでの体験や経験、一緒に働く移民の同僚たちの語りを用いて、イギリスでの格差社会や貧困を描き出している。
本書を読むことで、日本では意識しづらい「階級格差」をリアルに感じることができる。具体的な解決策が...続きを読む明示されていないので、読み終わっても未来への不安な気持ちがぬぐえない。

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