【感想・ネタバレ】ガラスの殺意のレビュー

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2022年05月07日

事故による高次脳機能障害を持っている柏原麻由子が人を殺した、と自首するところから始まる。麻由子は事故後、新しく記憶することが出来ない。麻由子は10分から20分くらいの記憶しか維持できず、その間にメモを残すことによって、記憶をつなぐ方法を得ていた。麻由子の脳機能障害の加害者である光治は彼女と結婚し、献...続きを読む身的に介護していた。麻由子と両親は通り魔事件に巻き込まれ、麻由子の両親は死亡、犯人から逃れるために逃げた麻由子を車で撥ねてしまったのが光治だった。
ある日、麻由子は両親の敵である閤田幹成を殺した、と自首する電話を警察にかける。麻由子の取り調べを担当した桐谷優香は記憶障害のある麻由子を認知症のある自分の母を重ね合わせる…

とても面白かった。終盤に犯人かも?と思う人がどんどん交代していく。米森さんが登場してきたとき、この人怪しい、と感じたけれど、そこにつながるとは思わなかった。雇われていた弁護士はどうなるのかなあ。
優香の介護に対しての心情を描く部分が多くあるので、非常にしんどく感じるところもある。犯人よりも何よりも許せない気持ちになるのが、優香の兄だ。介護に口出しするなら、金出すか、自分がやるか、しろよ!優香は家族には今、恵まれていないかもしれないが、職場には恵まれているよなあ、と思う。
麻由子のおぼろげな記憶の描写がとても見事で、こんな状況をよく書くことが出来るなあ、と感心してしまった。最後がとても切なく終わるのだけれど、これはこれでいいのだろうか。

ただ金銭の現実で考えると両親の生命保険があったとしても、20年経っても資産家、というのは難しいんじゃないかなあ、と考える。興ざめにはなるが。

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Posted by ブクログ 2021年04月28日

レビューを拝見して知った本です。ありがとうございます。

ラストがすごくハラハラさせられるサスペンスで一気読みでした。

柏原麻由子は自分を高校三年生だと思っていますが、実際は41歳の主婦です。
20年前、閤田幹成による通り魔殺人で両親を殺されています。
その後交通事故に遭い、加害者である長岡光治と...続きを読む縁があり結婚しています。
しかし麻由子は事故が原因で記憶障害を発症してしまっています。
それで、すぐに自分が結婚していることも夫のことも何もかも忘れてしまうのです。

その麻由子が「自宅で閤田を刺し殺した」と自分で警察に電話をかけて逮捕され、留置所にこう留されます。

以下、途中までネタバレありますのでお気をつけください。

夫の光治は「自分だけを信じるんだ」と麻由子にメモを残します。
そこに米森久江という麻由子を娘のように可愛がる老婦人が「麻由子は無実だ。あの子がそんなことをするはずがない。弁護士をつける」と言い出し「夫が麻由子に暴力をふるっていた」と言い出します。
麻由子は夫に電話をかけさせられたことを思い出します。
それで今度は麻由子の介護に疲れた夫の金銭目的の犯行が疑われ、久江が光治に襲われて光治が指名手配されます。それで麻由子は釈放されますが、そこから物語は麻由子の記憶がないということがネックになり麻由子は真犯人に狙われるというどんどん怖い展開になります。
一体、真犯人は光治なのか…。
それとも他に誰かいるのか…。
麻由子は誰を信じるのか。

本当にハラハラする展開で怖かったです。
ミステリーというよりはサスペンスかと思います。
最後は怖いだけでなく泣かされるオチもあります。

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Posted by ブクログ 2019年12月19日

これは良かった。いつも秋吉さんの本は良くも悪くも「残らない」のが持ち味だと思っていたが、これは考えさせられるし、余韻がある。麻由子は、交通事故を負った21歳で記憶障害となり、それ以降の記憶が最大20分間しか留めておけない。41歳のある日、そんな彼女が殺人犯として逮捕されるがー。ミステリとしては想定内...続きを読む。睨んだ奴が黒幕であった。しかし麻由子の記憶の無限ループの描写、彼女を追う刑事の母の認知症問題等、脳の障害の辛さが心に響く。ラストも温かく切ない。イヤミスでなく新境地ぽいかな?既読の中では上位ランク入り。

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Posted by ブクログ 2024年02月05日

⁡二転三転するストーリーにページをめくる手が止まらない…
気づけば1冊読み終わってました。
大切な人を愛する温かさと切なさが残るラストに涙。⁡⁡⁡
⁡ミステリー、サスペンス、愛情、感動⁡…
読んだ後は少し寂しさと温かさの余韻が残る1冊でした。

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Posted by ブクログ 2023年06月10日

記憶障害の女性にかけられた殺人容疑。死んだのは父母を亡きものにした通り魔だった…
交通事故によっておった脳障害。記憶はもって20分。そんな状態で復讐はできるのか最初から疑問。色々と出てくる人達怪しい… 途中から忘れていく麻由子が子供みたいに思えてくる

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Posted by ブクログ 2023年02月12日

秋吉 理香子さんの作品なので、きっと捻りがあるんだろうと冒頭から様々な想像をしながら楽しめた作品。

殺人事件に高次脳機能障害を絡ませた展開は斬新でラストまでドキドキしながら一気に読めました。

交通事故に遭い、記憶障害を負った柏原麻由子が主人公。
記憶出来る時間は10分~20分程。

認知症の母親...続きを読むを持つ刑事、桐谷優香のエピソードを本筋に大きく絡める事で読者の意識をそちらに向かせる趣向はお見事でした。

二転三転するストーリー、騙し騙される展開だけに留まらず、親子・夫婦間の在り方、愛情の深さも感じ、読後感も良い秀作です。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2023年02月09日

途中まで完全に犯人を決めつけてた。
記憶を自分で保持出来ないという状態の麻由子の日々の絶望感とそれすらまたすぐに忘れるループ。
それを支え続ける夫。最後はとても切ない。

優香目線の介護の描写やそれに纏わる家族の温度差の描写がなかなか重く胸が詰まるような気持ちで読んだ。

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Posted by ブクログ 2023年01月16日

本当にわからないひとにはもうしわけないんですけど

ジョジョの奇妙な冒険 第6部
ストーンオーシャンに

ジェイルハウスロックっていうスタンドが出てます

読んでる時に頭ぐわんぐわんとしながらもなんだ?この見たことある感じと思ったのは

本編はスタンド合戦ではありません。けど、人の内面こそ1番のミス...続きを読むテリーがあることを思い知らされる一冊です

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2022年10月12日

だいぶ最後の方まで、犯人が夫だと信じてた自分の浅はかさに少しがっかりしました。秋吉先生の小説は暗黒少女以来ですが、こちらは少し私には怖くて深夜に読めないです。
まあ主ストーリーはもちろん面白いですが、介護の大変さを女刑事が頭の中で訴えるシーンがどの物語や体験談よりもリアルで鮮烈だったのが印象に残って...続きを読むいます。

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Posted by ブクログ 2022年05月05日

秋吉理香子さんの作品にハマりました!この作品も思ってもない方向で結末を迎えます。読み応え、あります。

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Posted by ブクログ 2022年03月29日

「私、人を殺しました」
通報者は高次脳機能障害を持つ女性、柏原真由子。彼女は数分前の記憶を保つ事が出来ない。20年前、通り魔 閤田幹成の手によって両親を殺され、自身も逃げる際に車道に飛び出し車に撥ねられてしまう。記憶障害はこの事故での後遺症だ。その後、車を運転していた事故の加害者 柏原光治と結婚す...続きを読むる。

彼女はメモに残す事で記憶の補填をするのだが、それを復讐心の維持に利用する。だがその行為によってメモを見る度に両親が無惨に殺された事実を知る事となる。これが数分置きに繰り返されるなんて....。心はそんなに強くできているものなのだろうか、考えただけで真由子の置かれた境遇に心が潰れそうになる。
数分後の自分に向けて「今は幸せです」と一言残せばこの苦しみから解き放たれ一生思い出す事は無くなるのに、彼女はそれを選ばなかった。ここの執念に圧倒されてしまった。
しかし、私もきっと同じ境遇に立たされたら忘れたくないと願うはずだ。苦しい。真由子に対する同情心で更に潰れてゆく....。
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記憶が維持出来ない恐怖を、真由子は障害として、刑事優香は母の認知症と重ね介護の苦しさも同時に表現している。完全なるフィクションに絶妙なリアルが混入していた。
正直に言うと、ぶっ飛んだ設定を内心面白がり箸休め程度に手に取った作品だった。最初は記憶を無くしては補填する、取り調べや留置所での真由子視点の歩みの遅さにもどかしさすら感じていた。そしてココにそれを愚痴の如く書き連ねる未来の自分も視えていた。...はずだったのだが、恐ろしい程物の見事に感情移入していき、どんどん心臓が圧迫されていく始末だ。久々に読書後に気分が落ち込んでいる。
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終盤に訪れる怒涛の二転三転は見事としか言い様がない。そんなに苦しみを増やさないでくれと心が嘆いていたのも事実だが、小説としての面白さで考えると素晴らしい構築だったと思う。強いて言う不満は、刑事はバディでなくて良かった事くらいだ。ここだけは著者の女子を感知してしまい居心地が悪かった(笑)
そう言えば、真由子の旦那 光治に全く触れなかったが、19年の介護生活は愛か打算か、読者はどちらでこの物語を追うのか、読者の心に巣食うのは天使か悪魔か、物語の真実は喜びか悲しみか、是非ご自身の目で見届けていただきたいと心から思います。
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唐突だが、夢は人に話すと実現しなくなるなんて話を聞いたことがある。これを例に、辛い 悲しい話はどんどん産み出され、発信されるべきだと私は思う。そして絶対にその物語を現実に連れ出してはならない。悲劇を学ぶのだ。

なんちて、持論展開で気持ち良くなってみようと試みてみたのですが、暫くはこの気分の落ち込みは続きそうだなぁ...。安静にします...。
面白かったです^ ^

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Posted by ブクログ 2022年02月03日

どんどん展開が変わってずっとハラハラしてた
え?ええ??ってなりながらも読み進める手が止まらなかった

記憶がすぐ消えることもあって普通の小説みたいにまっすぐ読み進めれる訳じゃなかったが、それでもすごく読みやすかった
痛々しいほどの気持ちが何度も襲うので、すごく苦しいところも沢山あったし、想像を絶す...続きを読むる介護生活の描写もとてつもなくリアルだった

今を大切にしないといけない
心からそう思わされた1冊✿.*・

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Posted by ブクログ 2022年01月25日

結末には驚きが隠せませんでした!展開が二転三転していき、全く予想のつかない真相でした。
事件とは別に、介護がいかに大変なものかも鮮明に記されていて、色々な面で勉強になる作品だったと感じます。
内容がすごく濃く、本当に読み応えがありました‪☺︎‬

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Posted by ブクログ 2022年01月24日

二転、三転するストーリーは読み応えがあった。
愛とはなんなのか考えさせられる。
秋吉さんの小説は他の数冊読んだ限り、女性の役割やあるべき姿など意識して描いている気がする。
ストーリーの温かみだけでなく、考え方にも気づきを与えられる一冊だと思った。

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Posted by ブクログ 2021年03月04日

記憶障害のある女性が殺人事件に巻き込まれる話。

すぐに読み終えてしまった。それくらい小説の世界に入り込んで、続きが気になり読むのが止まらなかった。
記憶が持続できない恐怖、それだけでなく、親の介護への心の持ちようが、とてもリアルに表現されていた。
今の私には、どれも関係のないことだが、それでも、も...続きを読むし私だったら、、と思うと胸が苦しくなったり、切なくなったりした。

そして、そんなつもりで読んでいた訳ではないのに、深い愛の話だったんだなと、読み終えてそこまで嫌な気持ちにはならなかった。

読んで良かったな、と思う。

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Posted by ブクログ 2021年03月04日

記憶障害のある女性が殺人事件に巻き込まれていく話。


読み始めてとまることなく、3時間ほどで読み終わってしまった。それくらい勢いがあり、小説の中に飲み込まれていった。こんな展開になるのかなと想像しながら読んだが、それでもとても楽しめた。

親の介護の話もあったり、記憶障害についてもそうだし、色々な...続きを読む立場になり考えてみると悲しかったり、辛い部分もあった。
しかし、今の自分の置かれている状況、親が当たり前に元気でいること、大切なこと、様々なことを考えさせられた。


そして、そんなつもりで借りたわけではなかったが、深い愛に胸が打たれた。

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Posted by ブクログ 2021年01月10日

記憶障害により記憶が数分しかもたない主人公の話。今起きた幸せな出来事も、すぐに忘れてしまうのが読んでいてとてもつらい。記憶障害をテーマにどんなふうに物語が進むんだろう…?と疑問を抱きながらページを捲った。
中盤あたりから、物語が二転三転して「なんだなんだ?!」と読む手を止められなくなる。終盤では何が...続きを読む真実か分からず、気づけば1番最悪の結末を想像して読んでいた。
読者の想像よりもっと踏み込んだところに真実が置かれていて、いい意味で期待を裏切られる作品。

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Posted by ブクログ 2020年05月10日

10分で記憶が消える女が殺人犯だった?

犯人が二転三転して(!?)ってなる。旦那さんは味方だったんだね。何を信じていいか、何を疑えばいいのかわからなくなるときってどうしたらいいんだろうね。老婆がやばいやつだったとき震えたわ恐ろしすぎ

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Posted by ブクログ 2020年02月27日

評価は4.

内容(BOOKデーターベース)
20年前に起きた通り魔事件の犯人が刺殺された。警察に「殺した」と通報したのは、その通り魔に愛する両親を殺された柏原麻由子。だが、麻由子は当時現場から逃げる途中で交通事故に遭い、脳に障害を負っていた。警察の調べに対し、麻由子による通り魔殺害の記憶は定かでな...続きを読むい。はたして復讐は成し遂げられたのか―?

忘れてしまう。何度繰り返しても忘れてしまうのは、高次脳機能障害とは言え悲しい。
刑事の認知症の母親の介護と2本の話が平行して話は進む。
しかし、、、犯人はそこでしたか~。

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Posted by ブクログ 2020年01月19日

設定の奇抜さに惹かれて読み始めたものの、それだけではなかった。あっという間に惹き込まれて一気読み。

介護の話は、それなりに身近なこともありグッときました。

お話が進むうちにどうしようも無いやるせなさと切なさが持ち上がり、同時に真実が見えなくて気持ちが二転三転。

そして真実は予想の三歩先でした。...続きを読む

特に最後の海のシーンは切なかった。
残酷なのか、ハッピーエンドなのか…。

すごく考えさせられるものを、ものすごい疾走感のなかで読みきって、ちょっと呆然としてる読後感。

単純に『面白かった』という言葉では表現し難い感想です。でも確実に読んで良かった。

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Posted by ブクログ 2019年12月15日

犯人が記憶障害で決定的な証拠もなければ決定的なアリバイも見つけるのも困難っていう新感覚のストーリーだった。殺人とかそういうのって憎しみとかそういう感情が目立ちやすいけどこの話は要介護者の周りの人の辛さとか葛藤とか社会問題みたいなものが組み込まれてて普段そういうの読むの避ける私でもスラスラ読めて介護の...続きを読む大変さとか学べた。展開読めてきたぞって思ったらあれ?ってなるのを何回も繰り返してたらいつの間にか終わってた感じで面白かった。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2019年11月21日

なんとも切ないラスト。いつものように予想を裏切られ続けた。
記憶障害を持つ主人公は数分前の出来事すら覚えておくことができず、何とももどかしい。
主人公とその夫を母親と自分に重ねて見る女刑事の心情がリアルだなと思った。

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Posted by ブクログ 2024年04月20日

事故の後遺症で記憶を留めておくことができない殺人犯。
事件を追う刑事の母親は認知症。
殺人犯と母親の、記憶に問題がある人たちの目線で描かれた部分は面白かった。
周囲の人たちの大変さも伝わってきた。

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Posted by ブクログ 2023年12月16日

登場人物が少ないのであからさまに怪しいこの人は犯人ではないしこの人かなと思った人が犯人だった、そこはもう一捻りあっても良かったかなとは思う。
実際に記憶障害のある人がこういう事件を起こしたら大変なんだろうな、と思わされた。

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Posted by ブクログ 2023年05月24日

記憶がなくなるからメモを残し、それを純粋に信じた結果…。自分自身も誰を信じたらいいのか悶々しながら読み進めていた。

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Posted by ブクログ 2022年05月27日

なんだか何とも言えない気持ち
記憶を保てない人の話は映画とか本とか色々みてきたけど
想像できない苦労と現実と
その人を支える周りの人がいるんだろうな、

記憶って財産だし
その人の全てな気がしてきた

一回え!ってなったのを
またひっくり返されて
すっきり!
長すぎずちょうどよい

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2022年01月17日

おもしろかった。そのときそのときで泡のように記憶を思い出すので、どれが本当でどれが誘導によるものなのか分からないし、どの人を信じたらいいのかはらはらしながら読んでいた。
ラストは予想してなかったな~。

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Posted by ブクログ 2021年06月19日

記憶障害となってしまった夫婦と殺人事件がこんなにも入り組んでるとは…介護の大変さは言葉では言い表せない事だろう。何度も夫が真犯人だなー!と思いながら、大どんでん返し!そういう事!って思った。さすが秋吉さん。最後は切ない気持ちになりました。

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Posted by ブクログ 2021年05月16日

中盤で物語が動き出すまでがやや冗長だけど、そこからは最後まで一気読み。介護について考えされられる側面もあり。野村くんの最後のセリフがステキでした。

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Posted by ブクログ 2021年03月07日

20年前、通り魔事件に巻き込まれて両親を失った麻由子。自身も逃走中に事故に遭い脳に障害を持ってしまい、新しく記憶できない体に。そんな麻由子が犯人を殺害したと自分で通報する→麻由子を担当する刑事の優香は若年性アルツハイマーの母を施設に入れたことで罪悪感を感じている。何度状況を説明しても覚えていない麻由...続きを読む子がもどかしい。犯人はどんでん返し。最後のバディの野村の言葉「親は子供が幸せなら幸せ」に救われる。

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