【感想・ネタバレ】避雷針の夏のレビュー

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感情タグBEST3

Posted by ブクログ 2017年07月23日

色々な事柄をよく観察しているからなのか、こんなに色々なジャンルで書けるとは…スゴイ作家さんである。

人間描写と話の流れは飽きないし、多分登場人物(主役でなく)の誰かはまるで自分の投影された姿のような気になる。
あぁこれが現代社会というものなのかと思い、本当によく観察されていると思う。生々しさがスゴ...続きを読むイ。

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Posted by ブクログ 2023年07月15日

不快で嫌な話なんだけど嫌いじゃない笑。
田舎町の閉塞感、そこで暮らす人達の鬱屈とした思いや、人が持つ醜い感情と悪意がギューッと詰まっていて、登場人物に苛立ちながらもグイグイ読めた。
梅宮と真保美が、特に嫌。
終始不穏な空気が漂っていたけど、ラストは溜飲が下がる思いで読後は悪くない。

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Posted by ブクログ 2020年05月24日

余所者を一切受け付けない町、睦間。いくらこの町に引っ越して何年たとうとも……

梅宮は仕事がない。
友人に誘われて塾へ講師として睦間に引っ越してきた。要介護の母と妻、娘と一緒に。
しかしすぐに嫌気がさし介護の母を妻に押し付けて家を出る。
たまに帰るが一声かけてすぐに家を出る。
この町の住民はどこかお...続きを読むかしい。
地元民が起こした犯罪はもみ消され、余所から来た者に対してはいじめ抜く、何年も。
放火、レイプ、殺人、ありとあらゆる犯罪が起きて犯人がわからなければ余所から来た者に罪をなすりつける。
年に一度の祭りは誰もが気が高揚しほとんど暴動になる。店は襲撃され、余所者の家は何人もの人間によって破壊される。
梅宮の家の方向が赤く燃えている。もしかして家に火が……

余所者を全く受け付けない町というのは探せばどこかにありそうですが犯罪がまかり通るというのは大問題でいやーな気分になりました。
もっと人間関係がドロドロしてホラー寸前までのくらーい感じを予想していたのですが何か軽い感じになっているのが残念でした
(本文中のSNSのツイートが軽い感じを出しているのかも)

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Posted by ブクログ 2018年07月15日

私なんかは容易に複数の映画館に行ける立地の町でなければ住めないと思うのですが、それでも田舎暮らしにはある種の憧れがあります。町の誰しもが顔見知りでまるで大きな家族のよう、あったかくて、困ったときは何の見返りも求めずに助け合う。田舎とはそういうものだと思っているし、そうであってほしいと思っている。そん...続きを読むな思いが見事にぶった斬られるのが、坂東眞砂子の『くちぬい』であり、この櫛木理宇の『避雷針の夏』であり。

地元の人間であれば、たとえ殺人犯であっても赦されるどころか英雄視。よそものならば目立たず慎ましやかに暮らしていても難癖をつけられる。そんな町に越してくるはめになった家庭の娘ふたりは何を企てようというのか。

娘のうちのひとりの父親には虫酸が走る。実母の介護を妻に押しつけ、自分は家にも帰らずに好き勝手。悪いのは俺じゃないとひたすら言い訳する奴に限って「業腹だ」と言うんだわ。そんなあなたに業腹です。

これを読んで田舎暮らしなんてまっぴらごめんと思ったあとは、乃南アサ原作の映画『しゃぼん玉』(2016)を観て、やっぱり田舎もいいなぁと感じることをお勧めします。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2022年08月31日

ネタバレかも。
イヤミスが好きで。
真梨幸子さんも好きですけども、櫛木さんはまた毛色が違う気味の悪さを表現してて。
本作もエンディングまでのうわぁ…って思わせるような感じが堪らなかった、けども最後、最後もう少しあったんじゃないかなって。
誰かが救われる話は誰かが奪われる話に近似している、そう感じまし...続きを読むた。

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Posted by ブクログ 2019年05月24日

閉鎖的な田舎を舞台にした暗黒小説。これを読んだら田舎になんか住みたくなくなっちゃいますよね。
ただ、作者がいいたかったのは、田舎=閉鎖的で鬱屈している。ってことではなく、たまたま舞台を田舎にしただけで、人間の心理的に嫌な部分だとかを描きたかったのだと思います。

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Posted by ブクログ 2018年02月07日

強烈な男尊女卑、容赦ない余所者いじめが蔓延する閉鎖的な町・睦間町。異常な猛暑で死者が相次ぐ夏、積もり積もった人々の鬱憤が爆発する。不快指数100%の胸糞悪サスペンス。
登場人物の中にいい人無し。唯一のまともっぽい女子高生二人も、純粋な心の持ち主ではない。よくぞここまで嫌な物語を書けるものだと思うと、...続きを読む逆に清々しさを感じる。避雷針の役割を果たした倉本家がなくなったとき、被害は町全体に起こるというタイトルの巧さが秀逸。

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