【感想・ネタバレ】公明党 創価学会と50年の軌跡のレビュー

\ レビュー投稿でポイントプレゼント / ※購入済みの作品が対象となります
レビューを書く

感情タグBEST3

Posted by ブクログ 2022年01月15日

公明党について、客観的に深掘りした良書。良くも悪くも、公明党が日本の産んだものであることが歴史的に良く分かる。

0

Posted by ブクログ 2017年08月23日

創価学会の文化部として誕生した公明党は2014年に結党から50年
を迎えた。本書は巨大な支持母体を持ち、政権与党に名を連ねる
公明党の50年の変遷を辿っている。

公明党本部でも党史を出版しているようだが、俯瞰した党史として
読むなら本書は良書だろう。

結党当初は創価学会の教えを反映して...続きを読むの宗教色の強い主張をして
いた公明党だったが、1969年に明治大学教授だった藤原弘達が書い
た『創価学会を切る』に対しての言論出版簿外事件を契機に政教
分離を打ち出す。但し、学会色を前面に押し出すことをしなくなった
だけで、現在でも票田は創価学会信者であることに変化はない。

この大票田が公明党の強みだ。投票率がどれほど低かろうが、
組織的な得票が安定した議員数に直結する。そして、これに目を
つけたのが自民党だ。

55年体制が終焉を迎え、国政選挙があるごとに投票率が低下し、
度重なるスキャンダルで盤石だった支持層が弱って来た自民党に
とって、公明党が保有している票田は喉から手が出るほど欲しい。

だからか…と思う。非自民連立政権に公明党が名を連ねた時、
自民党はとことん公明党を攻撃した。創価学会が支持母体である
ことを事あるごとに持ち出し、政教一致を猛攻撃した。

それが今はどうだろう。手のひらを返したような自公連立政権で
蜜月が続いているではないか。

あれだな。金目当てで言い寄って来た男に時々暴力を振るわれる
のだけれど、たまに優しい言葉をかけられたりプレゼントをもらった
りして「この人、私がいないとダメなの」と思ってしまう女性のよう
だな。まぁ、結局は選挙の為ならどんな政党とも組むカメレオン
でもあるんだけど。

ただ、現在は自民党に押し切られることが多い公明党だけれど、
その昔は自民党を追及していた時代もあったんだよね。創価学会
が絡んでいなければ、結構まともなことを主張していることもあるし。

「出たい人より出したい人」という候補者選びの様子など、これまで
分からなかったこともあって勉強になった。

「平和と福祉の党」との党是を掲げている公明党。山口代表曰く
「自民党の暴走に歯止めをかける役割をしている」そうだ。今後
予定されている消費増税に対して軽減税率対象品目の拡大は
公明党の手柄だろうが、安全保障関連法案に関してはなす術も
なく自民党に押し切られていやしないか。

党是と現実との乖離。この溝をどうやって埋めるのかが公明党の
今後の重要課題になるんじゃないのかな。

2015年夏、安全保障関連法案に対して公明党の支持母体である
創価学会信者の中からも反対の声が上がっていたものね。

巻末には公明党関連の年表、結党以来の国政選挙の候補者数・
当選者数・得票数の一覧表もあり資料としても充実している。

全体を読み通すのが面倒臭かったら、「終章」と「あとがき」だけを
読んでも十分面白い。

0

Posted by ブクログ 2016年05月01日

今年ベスト5に入りそうな良書。公明党を扱う本なんて身内本と身内ダミー本(佐藤優)と誹謗中傷でほとんどな中で、まともに偏らず穏やかに、しかも新聞記者出身なのに取材秘話みたいなものにも頼らず、資料に依ってきちっと書いてある。過去はよかった最近はなんだ、という論調で、これが偏りなのか事実なのかはわからない...続きを読むが、今後の公明党と創価学会の関係はあるいは、重要な人物の去就によって変容することもありそうだなあ。

0

Posted by ブクログ 2017年02月14日

あるようで無かった公明党に関する分析本。結党から第2次安倍政権に至るまで、公明党と創価学会に関して分析を行っている。公明党がなぜ集票力が強いのかという点よりは、自民党を激しく批判する政党から、現在の連立政権の蜜月関係に何故変貌したのか、そのような変化をもたらした政界構造は何かという点に着目している。...続きを読む
読んで中身を理解するというよりも、手元において何か気になった時に参考資料として役立つ本だと思う。もう少し、安保法制や特定秘密保護法等をめぐる現政権(安倍政権)とのやり取りにも触れて欲しい感はあったが、それは他の本や新聞の方が有用ということなんだろう。

0

Posted by ブクログ 2016年10月21日

巨大な支持母体・創価学会を背景に持つ特異な政党である公明党の軌跡を辿り、その構造にメスを入れている。
公明党の実像はなかなか見えにくいと感じていたが、本書を読んで、公明党発足の経緯やその変遷、特徴がよくわかった。まじめに「部分最適」を追求する政党だが、必ずしも「全体最適」にはつながっていないという指...続きを読む摘は言い得て妙だと感じた。
ただ、そもそもなぜ創価学会の信者がこれほど多いのか、また、なぜ創価学会の信者は根強く公明党を支持するのかという点については、新興都市住民の支持を得たといった一般論的な分析にとどまっており、十分には理解できなかった。

0

Posted by ブクログ 2022年10月16日

安保問題や、小選挙区制容認など、ブレているようで、母体(池田ファンクラブ)擁護では一貫している。もともと庶民感覚で左翼思想に馴染まない人々が構成要素として多かった

0

Posted by ブクログ 2017年01月08日

知っているつもりになることも、知らないのにおそれることも、違うと思って、あらためて知ろうとすると、とても興味深かったりする。

0

Posted by ブクログ 2016年07月13日

 「公明党」は、単一の新興宗教団体に全面的に依拠しながら、長期にわたって安定した組織基盤を形成して、終始一定数の国会議員を有し続けているという点で、世界に類をみない特殊な(国際比較が不可能である)政党であるが故をもって、これまで政治学でも歴史学でもまともに研究対象とはなっていなかった(巻末の参照文献...続きを読むを見ても学術的水準を満たす先行研究はほとんどないことがわかる)。本書の著者は研究者ではあるが新聞記者出身なので、アカデミズムよりはジャーナリズム寄りの内容で、学術的分析としては必ずしも十分ではないが、未開拓の分野であることを差し引けばやむをえないものがろう。支持母体である創価学会の会員の多くは草創期から本質的に「保守」的であること、安全保障政策における右傾化は1970年代後半から段階的に進行しており、自民党との連立には歴史的必然性があることを強調している。意思決定において創価学会から相対的自立性が認められる一方で、議員候補者選考における創価学会の主導性を具体的に明らかにしている点が興味深い。

0

Posted by ブクログ 2016年05月21日

手堅い書き口。新しい情報や分析はないが、公明党、日本戦後政治の基礎文献ではあるだろう。最後の方に出てくる山口のインタビューで、ふと、確かに自民党は続くのだろうかと思った。

0

「社会・政治」ランキング