【感想・ネタバレ】天災から日本史を読みなおす 先人に学ぶ防災のレビュー

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Posted by ブクログ 2024年02月25日

冒頭、秀吉と二度の天災の章がおもしろかった。こういう発見を探すのが歴史学者なのだと今後ももっと伝え続けてほしい。未来の素敵な学者ががもっと増えそう。
最後の東北地震の章は、編集者の意図なのか著者が本心から入れたかった話なのかわからないけれど、ちょっと蛇足感があった気がする。おわりにでサラリと話すのみ...続きを読むでもよかったのでは的な、微妙な違和感が。

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Posted by ブクログ 2023年09月24日

過去の文献から、地震、噴火、台風の日本各地での状況を特に過去マックスの被害を受けた可能性のある場所、状況を考え今後の防災への呼びかけを訴える。
地震では南海トラフは150年程度のスパンで起こっており、あと20年の猶予はあるかと著者は考えている。また、富士山噴火は、大地震と前後することがほとんどであり...続きを読む、火山灰の影響は数週間は出て、目がやられる。津波は、想定していたものより過去の最大の高さは大きい。台風や貯水池の崩壊による水害は各所忘れたことろには弱い場所に家が建っており被害を大きくしがちである。

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Posted by ブクログ 2021年03月28日

天災と日本史の関わりについてわかりやすく解説されている。
非常に読みやすい。
人間同士の関係性についつい目が向きがちだが、歴史を学ぶときにはその時代の自然環境・気候なども含めて理解することが必要だということに気づかされる。

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Posted by ブクログ 2020年08月22日

「歴史学は生きている。我々の命をも守りうる現代に必要な学問である。」筆者の強い信念の元書かれた本書は防災史に残る名著であろう。

歴史研究は決して過去のものではない。現代の目から過去を見つめることにより、未来に活かしていく学問。そんな筆者の考えが本書から伝わってくる作品。

地震や火山活動には周期が...続きを読むある。人の一世としては短くとも地球から見ればあまりに短い。何千年、何万年のサイクルで見ると、繰り返される大きな地殻変動がある。東日本大震災でも津波が由緒ある神社の鳥居の手前でピタリと止まる場面が多くの場所で見られたという。それもそのはず、過去の人々は苦い経験を基に新たな集落を築き神を祀る、それが長い年月の間に忘れられてきた歴史を繰り返している。そんな実例を筆者は多くの土地を取材し実例を挙げていく。

本書は2013年から2014年の新聞連載。当然、東日本大震災の記述が多い。古文書を紐解くと過去にも同様な災害が起こっている例の実に多いこと。人はまだ過去から学び続ける必要がある。

本書の後書き、筆者は3つの危機を記す。第一は地震津波など地学的危機。第二は風水害、高潮、土砂崩れなど気象学的危機。そして
「第三に、世界の人的交流の進展やテロの可能性が高まり、抗生物質耐性菌・インフルエンザ・出血熱などの感染症学的的危機も高まってきている。第三の医療・健康・感染症対策については、ここでは述べることができなかった。」

筆者の予想は残念ながら的中し、世界は新型コロナウイルスによる感染と未曾有の経済不況に不況に見舞われている。

本書刊行より後の話だが、筆者は今スペイン風邪その他過去の感染症の古文書を読み解き先人たちの苦闘と克服の過程を各種メディアに提供している。歴史学のあるべき姿を実践する姿勢には感銘を受ける。今後のさらなる活躍に期待しつつ、この本を多くの方に読んでいただきたいと思う。
素晴らしい一冊でした。

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Posted by ブクログ 2020年05月07日

最近は毎年災害が発生しています。
しかし昔の自然災害による被害は現代とは比べ
ものにならなかったでしょう。

そしてそれらは、その後の歴史に大きく影響を
与えたと推測されます。

一方で被災に遭った先人たちはその教訓を後世
に伝えようともしたはずです。

東日本大震災では震災遺構を残すべきか、それ
...続きを読むとも「真っさら」にして「無かったこと」に
してしまうかの議論はニュース等で見た方も
多いと思います。

この本は私的な悲しみを乗り越え、公的な使命
を全うした先人に防災を学ぶ一冊です。

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Posted by ブクログ 2019年03月02日

過去日本に起きた天災、災害について古文書から読み解き、昔の人の経験や教訓をこれからの自分たちに生かして行こうという筆者の思いが前面に詰まった一冊。
歴史というと、小中学校では覚えることがたくさんあって、よく分からない政治のことやら人物やらできごとやらを一生懸命覚えてテストして…これに歴史を学ぶ意義を...続きを読む見出して一生懸命取り組めって到底無理な話だなぁと思いながらとりあえず授業は受けてたけど、磯田さんのこの本を読んで、歴史を学ぶことというのはこういうことなんじゃないかなと思わされました。
当時の人々の生き様、そこにあった苦労や経験の結晶として古文書が現代にも多く残されているのであり、一次史料からそうした当時の人々の様子を読み取って、現代に伝え、教訓として活用していくことこそ本当の歴史を学ぶということだろうなと。そして学校とかではそんなことを学ぶ機会なんてそうそうないから、歴史をニガテに感じたり、暗記だと思ったり、毛嫌いする子もいるのではないかと思いました。
特に日本は地震、津波という災害とは切っても切れない関係にあり、これらをどう克服していくかという課題はまさに古文書の記録や文章に眠っているのではないかと思います。自分も地元の古文書を読んでみたくなりました。

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Posted by ブクログ 2018年11月15日

日本史の1つの切り口、災害史。
日本は歴史的に数多くの自然災害に遭遇している。
このため、それを遺した古文書が数多くあるというのが、
磯田氏が繰り返し伝えられている過去の災害の記録である。
東日本大震災から月日が経つにつれて、地震や津波に対しての関心が早くも薄れつつあることを感じる。
しかし、過去の...続きを読む歴史に学ばなければ、将来に来たるべき災害から自らの身を守ることはできない。
改めて、身近な地域から自然災害について考えてみたい。、

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Posted by ブクログ 2018年10月20日

 古記録に残る天災の資料のいくつかを紹介し、今後の防災に役立てようという趣旨である。わが国は世界有数の天災多発地帯にある。台風は低気圧による季節的な被害に加え、長期的で予測不可能な大地震や津波の害を繰り返し受けてきている。その数は膨大だ。
 にもかかわらず、私たちが日々の生活に恐怖を感じることがない...続きを読むのは、私たちの寿命と関係している。大災害が発生しても次に同じ規模のものが来るまでには人生のスパン以上の時間の流れがあるのだ。強い痛みも時間の流れの中で風化してしまう。
 それでも、先人の残した記録によって救われる命もあったようだ。本書で紹介されているエピソードの中には、古記録や口碑を尊重した集落が奇跡的に救われたというものがある。歴史に学べとは災害史以外でもよく聞かれる言葉だが、被災時ほどそれが切実に感じられることはないだろう。
 本書には災害が起きたときに何をすべきか、してはならないかという事例が先人の残した記録から示されている。これは語り部の翁の至言として記憶にとどめたい。
 本書でもう一つ興味深いのは、限界状況を迎えた時の過去の日本人の行動である。津波が来襲し老母と息子のどちらか一人しか助けられない時、我々ならどういう決断をするだろうか。記録では泣く泣く子を捨てて母をとったという。似たようなエピソードは説話文学の中でも見た気がする。儒教的な人生観によるものと考えられる。では、現代人の限界状況を支えるのは何か。それも気になってしまった。

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Posted by ブクログ 2024年01月27日

日本史に関わってくる天災についての本。当たり前の話だが、日本が地震大国と言うのは大昔からなのだと改めて実感する。その時々の経験や知恵が生かされ、また別の分野にも影響を与え次の代へと繋いでゆく。それらが後の天災への対応に役立った例も多々ある。つくづく歴史というものは馬鹿にできない。
それを残すために必...続きを読む要なものは何か、地縁なのである。今回の金沢地震で強制移住の話が議論されてきた時期があったが、そんな事をしてしまえは過去からの繋がりをみすみす絶ってしまい取り返しのつかないことになる可能性もある。
歴史とは何か、歴史について考えるとはどういうことか、机上で唸るだけでなくフィールドワークも大事であると実感した本。

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Posted by ブクログ 2022年03月21日

 地震、津波、台風、高潮、がけ崩れ等々、日本は自然災害が多い国であるが、その歴史が過去の古文書にたくさん残されている。本書は磯田氏がそれらを広く収集し研究したものをまとめたものである。新聞の連載記事を集めた部分があり、同じ内容の繰り返しなど、一冊の本としてのまとまりに欠ける箇所はあるが、そのことが気...続きを読むにならないほど過去の災害体験者たちが残した文書や口伝の迫力は強かった。
 このような災害国に住んでいながら、過去の記録に無頓着に土地を開発して家を建てて住んだりしている自分たちに警鐘をならしてくれる研究の価値を再認識した。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2022年03月14日

日本は災害多発地帯であり、予測、防災が困難である以上歴史に学ぶことが大切で、それが歴史学者としての使命とされているようだ。集められた津波関係の古文書、証言は涙を誘う。それだけでなく、実地に繰り出し過去の津波の波高をいろいろな手段を用いて推測する様子に感銘を受けた。興味深いのは、伏見地震によって家康が...続きを読む命拾いし、天下が手中に転がり込むようになったとの見立てだ。災害は日本史の重要局面も左右している。

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Posted by ブクログ 2021年09月20日

古文書から読み解く防災史。
データ主体では無く、伝承される体験史料を元に考察しています。
そこから、今後の温暖化による自然災害や新たな感染症の危険性までピタリと予測する。
語り継がれる歴史の大切さを思い直しました。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2021年07月14日

磯田先生、侮っていました。
ちょっと目新しい視点で歴史をちょいちょいとつまむ、タレント学者だとばっかり思っていたら、結構本格的に「災害史」「防災史」を研究していらっしゃいます。

災害のあった地の古文書を探して読む。
土地の古老に先人の言い伝えを聞く。
地図を見て、災害の中心地と被災地の距離を測った...続きを読むり地形を分析したりして、実際に起こったであろう災害の規模を割り出す。
地名の由来を調べる。
コツコツと研究されています。←なに様?

文章が読みやすいだけではなく、構成も上手なので、ちゃんと歴史の本になっているのもうまいと思います。
災害について書かれている本にこういう言い方は良くないのでしょうが、読んでいて、続きがすごく気になるほど面白かったです。

2014年に書かれた本ですが、あとがきを読んでショックを受けました。

”これから備えるべき自然の危機は三つある。第一に、地震津波などの地学的危機。第二に、地球温暖化に伴って台風や集中豪雨が激化することによる風水害・高潮・土砂崩れなどの気象学的危機。そして、第三に、世界の人的交流の進展やテロの可能性が高まり、抗生物質耐性菌・インフルエンザ・出血熱などの感染症学的危機も高まってきている。”

こんなに以前に知る人は知っていたのに、全然無策だよなあ。

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Posted by ブクログ 2021年06月03日

新聞連載を元にしていることもあって読みやすい。紹介される災害関連の史料の数々も興味深いが、それらを踏まえた将来への警鐘として読むのが良いと思う。

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Posted by ブクログ 2020年09月04日

教科書や時代劇等では知ることができなかった日本の天災史。
先人達が子孫のために残してくれた貴重な資料と教訓をしっかりと伝承していきたい
災害が一気に身近なものになった気がする

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Posted by ブクログ 2020年04月20日

日本史上の史料に残る地震、噴火、台風被害、津波などを考察。

なによりも興味深いのは、著者の母が津波からの生存者であったこと。たまたま四国に里帰りしていた幼い母は津波を避難して山の階段を上っていたが家人とはぐれてしまう。が翌日無事を確かめられた。それゆえ磯田氏地震も津波にはひとしを興味を持っていると...続きを読むいう。

森繁久彌が遭遇した大津波の記事もおもしろい。


2014.11.21出版
2019.2.27購入

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Posted by ブクログ 2020年01月02日

学校で習った日本史とは別の視点から、歴史を見ることができ、とても興味深かった。

日本人はずっと昔から災害と一緒に生きてきた。災害に負けず、自然と共存してきたということを改めて考えさせられた。

災害時にひとりでも多くの人の命を救うために、地元の災害史を学びなおす必要を感じた。

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Posted by ブクログ 2019年05月18日

過去の古文書や言い伝えから、日頃の天災に対する備えの重要さを説く。

時が経つとどうしても忘れがちになるが、備えを怠ってはいけない。

本の中身については、一つ一つのエピソードというか事例について、もっと深く記述してほしい。できれば、いろんな学者で、一つの事例を掘り下げ、その災害の全貌を描くようなも...続きを読むのがあると面白い。

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Posted by ブクログ 2019年05月06日

天災は忘れた頃にやってくる、昔の人の言い伝えは言いえて妙ですね。私に関するものでは、1995年の阪神大震災、それを忘れた頃に実際に18階の勤務先で体験した、2011年の東日本大震災です。

この本では天災という視点から、磯田氏が日本史を解説してくれています。日本史という一つの流れを色々な切り口で眺め...続きを読むてみると、また違った面白さを発見することが出来ます。

以下は気になったポイントです。

・江戸時代の大名時計の目盛りは、一刻(約120分)を10分の1に刻んだものが多い、聖職者が鐘をついて時刻を下々の者に知らせる時間知識のエリートの地位を失った時こそが、近代社会の到来である(p3、4)

・天正地震が起きなければ、徳川家康は二か月後に豊臣秀吉の大軍の総攻撃をうけるはずであった、兵力は秀吉のほうが圧倒的に有利、長久手の戦い(1584)で一勝したものの、再び秀吉が大軍で攻めてくれば難しい情勢にあった、滅亡の可能性もあり、屈指者であった、石川数正が裏切った(p11)

・1596年の伏見地震でほとんど死にかけた、伏見城は台所一棟を残して全壊した、秀頼を抱いて一生を得た。真っ先に駆け付けたのは細川忠興であった(p18)

・京の大仏が壊れたのは、秀吉が金をケチって金銅仏に造ってあげなかったため、のちに秀頼が莫大な費用をかけて大仏を、金銅仏にして大仏殿も再建した。しかもこの釣り鐘の銘に難癖をつけられて戦争をしかけられた。この大仏を鋳つぶして、寛永通宝にして全国に流通させた(p28)

・富士山が噴火するときは五年前から軽い地震が増え、二か月前から富士山中だけの火山性地震が毎日続く、前回の宝永噴火のときはそうであったと古文書からうかがえる(p44)

・1946年に昭和南海地震が起きたが、その時の津波の高さは70センチであった、それで現在の大阪は津波の恐ろしさを実体験した人が少ない、これは恐ろしいことである、防災は前回に起きた災害の記録に影響されてしまう(p69)

・日本書紀から現代までに、10回の南海地震が起きている、最近南海トラフが動いたのは、1944年と1946年である(p79)

・1680年(延宝8)の閏8月6日の台風は、江戸時代最大の台風といわれる、江戸の雰囲気を一変させたもの。

・1917(大正6)の10月1日、東京を襲った台風は、東京湾の潮位は海抜3.1メートルまであがり、高潮が市街に流れ込んで、500人が溺死した。築地、木挽町(銀座)までも水浸しとなった(p109)

・藩主自ら西洋帆船にのり、その構造を見た段階で佐賀藩は日本中どこにもない異常な藩となった、鍋島茂義は火縄ではなく、火打石で点火する西洋銃を購入、兵の洋式化をすすめた、戊辰戦争まで佐賀藩は他のどの藩よりも軍事技術で最先端を行った、維新の前半戦は薩長だが、後半戦、日本を平定する段では佐賀藩が武力装置となった(p113、124)

・津波被害が繰り返される場所が、塩入もしくは塩入田とよばれているのを何か所もみる(p186)

・巨大津波では、松は根こそぎ抜けて流され、人や住宅に襲い掛かるで危険である(p187)

・仙台平野は、2000年前、1100年前(貞観津波)、400年前(慶長三陸津波)、そして2011年と四回も大津波に襲われて、内陸4キロ前後まで浸水している、次に来るであろう南海トラフの津波も見ておくべき(p192)

2019年5月6日

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2018年12月30日

第一、事前に家族で地震時にどうするか話し合っているかで生死が分かれる。第二、いちど逃げたら、忘れ物を取りに家に戻ってはならない 松林はかえって危険。巨大津波では松はすぐに根こそぎ抜けて流され、人や住宅に襲いかかるのだと言う

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Posted by ブクログ 2018年12月28日

歴史という学問が現代や未来をどのように生きていくかの羅針盤となるものだということを啓蒙する優れた著作。歴史好きな私としては主語が「天災」よりも「歴史」の方がよかったが、それにしても素晴らしい仕事だと感じました。

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Posted by ブクログ 2018年11月18日

NHK「英雄たちの選択」の司会をしている磯田先生、本でもテレビ同様に語りが熱いです。
災害を研究するようになると、もう誰も災害で死んでほしくないと思うようになる、というのは自分にも経験がありますが、磯田さんもそんな思いがあるのでしょうな。

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Posted by ブクログ 2020年07月27日

山内一豊の妻が湘南宗化を育てた話。◆森繁久彌の昭和南海地震の津波の話。◆鍋島閑叟のこと。◆◆昔は忠を重んじ、災害で死んでしまったことなど。◆柏原氏災難の話は泣ける。◆

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Posted by ブクログ 2023年03月19日

防災について、歴史に学び、先人の教えを遺し伝えることは不可欠。そのために歴史書を発掘し明らかにしていくのも重要。当地で伝えていくメッセージにもなりそうだ。

例えば富士山が噴火するときには5年前から軽い地震が増え、二か月前から富士山中だけの火山性地震が毎日続いたと、宝永噴火のときのことが記されていた...続きを読むり(p.44)、噴火後振動は4日間、火山灰は12日間続いたという記録も貴重(p.56)。和歌山で、津波の前に、井戸の水が枯れたという前兆現象を濱口が指摘していたというのも興味深いし(p.172)、三陸で東日本大震災で神社が流されなった、鳥居の位置まで水がきたという話も(時々きくような話だが)メッセージとして重要である(p.186)。


他にも、静岡の土砂災害の履歴を古文書から調べたり伊賀忍者の子孫の方の厚意で文書からため池決壊の記事を見つけたりと、研究プロセス自体も面白い。

また、地震が豊臣政権崩落のきっかけになったともいうが(p.31-32)、現代にあっても民主党政権のときに東日本大震災が起こり、そしてその舵取りを誤った菅首相ら民主党の衰亡を招いたのだとも振り返りたくなる。

***
あとがきに、大学のときの歴史学の授業で水本邦彦先生が「歴史学というのは、なにも政治史だけのものではない。動物の歴史だってあるし、トイレの歴史だってある。自然の歴史もある。地震や噴火などの歴史は現代にもつながる生きた歴史である」というようなことを話したという。歴史は生きているし、歴史に学ぶことは、時間スケールの災害との対峙にあってこそ本当に本質的だと思った。

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Posted by ブクログ 2023年03月12日

史実のひとつひとつが印象深い。たいていの物事には経緯というか、原因があって結果があることを示してくれている。
今がすべて正しい訳でも無いが、まずは歴史に謙虚に学ぶ姿勢が大切だと感じた。

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Posted by ブクログ 2020年10月09日

古文書や歴史資料に記述される過去の災害の記録を歴史に重ね、被害状況や官民への影響を紐解く。秀吉時代の地震、江戸の津波と富士山噴火、土砂崩れや高潮、幕末史を変えた台風、津波。

災害大国日本を再認識。100年に一度、というのは、稀というより必至と捉えるべきだと知る。

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Posted by ブクログ 2020年05月04日

地名や神社の位置には先人の教えが表れている。歴史は繰り返す。だからこそ歴史に学ぶもいつの世も人間は変わらないことを今ほど痛感することはない。

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Posted by ブクログ 2019年03月24日

良書。
流石、磯田道史さん。当時の庶民の残した書物を足で探し、読み解き、客観的な感想・意見を元に書かれていて、信憑性がある。
現状、大企業、政府に忖度した都合のよい基準で震災対策、原発推進を行っているように思える。すでに起きた歴史にまなばなければならないのに。
富士山は噴火する。ゴーグルが必要だな。...続きを読む
何も持たずに逃げる。戻らない。

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Posted by ブクログ 2019年02月16日

元は朝日新聞の日曜版で連載されていたコラム。著者はテレビなどで大活躍中の歴史学者。著者の紹介する様々な時代に生きた方々の残した生々しい記録の数々に戦慄するとともに、改めて防災について考えさせられた。特に「宝永の大噴火」の話や「シーボルト台風」の話は深い印象が残った。

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Posted by ブクログ 2019年01月03日

震災史も手掛けているんだなぁ。地震というと理系の研究という感じがするが、歴史学的にも大きな研究対象なんだと知った。

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