感情タグBEST3
Posted by ブクログ 2017年08月19日
常岡浩介。戦場ジャーナリスト。2001年、グルジアで身柄を拘束
される。2004年、ロシア秘密警察に逮捕されて国外退去。
2度あることは3度あるって訳じゃないのだろうけれど、3度目は
日本国内でも大きなニュースとして扱われた。
2010年4月、アフガニスタンでタリバンの幹部を取材直後に誘拐
され...続きを読むた。
その過程を漫画にしたのが本書である。笑っちゃいけなんだが
笑ってしまうのだ。いや、本人はきっと大真面目に人質になって
いたのだろうし、誘拐した方も大真面目に誘拐したのだろう。
でも、まぬけなの。誘拐犯は日本大使館に電話したはずなのに、
繋がったのは毎日新聞の記者だし、最新型の携帯電話の使い
方を人質に教わってるし。
しかも、「インターネットが出来ますぜ、旦那」とか言って、人質に
なっているのにTwitterで呟いているし。
日本のメディアでは誘拐したのはタリバンと報道されたが、毎日
新聞の記者と常岡氏が話した時に政府系組織の名を挙げている
のだよな。
漫画だけにとっつきやすいし、アフガニスタンのことも理解しやすい。
当事者である常岡氏のコラムもあり、最後の方で常岡氏がアフガン
に赴くきっかけとなったひとりの青年との出会いのことも描かれている。
そうか。漫画って手もあるんだね。文章だけじゃ理解しにくいことも、
こういう表現方法だと誰でもとっつきやすいかもしれない。
Posted by ブクログ 2014年10月13日
ギャルハウスでの常岡さんの扱いがヒドイ(笑)
(ギャルハウスと言うと若い女の子だらけのハーレムを連想させるけど、実際は普通のシェアハウスみたいですね。何故常岡さん以外は女子だけなのか知りたい…)
人質としてどんな生活をしていたのか描かれているけど、この本を読んでも人質になった時に役に立つかと言えば...続きを読むたたないでしょうね…。
捕まったとき、「アメリカ人だったら首を切って殺したよ」と言われたり。でも拷問されたりひどい扱いを受けたようではないけど、これはただ単に本に描けない(描きたくない)だけなのかなぁと思ってしまう。
常岡さんは長期間拘束されたものの無事に解放されている。同じ人質でも解放されるもの、殺されるもの、一体何が違うのか。
解放された後の迷惑こうむった外務省の常岡さんの扱いには納得はするけど素直に従う日本のマスコミ、それでいいのかなぁと考えさせられる。
Posted by ブクログ 2013年07月01日
アフガニスタンへの取材中に武装勢力に拘束されたジャーナリスト・常岡浩介。本書では筆者の長年の友人である女性からの目線と、拘束された常岡氏が、絶望的な状況をユーモアで切り抜けるところが印象的です。
これはあまり一般会話では言うことはないのですが、僕は彼と同じく報道写真家の長倉洋海氏と人生で三回ほど邂...続きを読む逅したことがあり、その際に戦場取材の心得とは?という趣旨の質問をして、対する氏の答えは
「勇気を持って、臆病に、引くところは引く」
といった答えであったことを覚えております。
本書では通称「ギャルハウス」に住む同居人の筆者から見た「つねおかさん」であり、彼がアフガニスタンの取材中に誘拐され、開放するまでの151日間をユーモラスに、時にはシリアスに、当人である常岡氏のコラムや、同居人たちの座談会も交えつつ、漫画で紹介するものです。
拘束され、各地を転々としながらいつ訪れるかもしれない「死」におびえつつも、彼らとのやり取りから自分が誘拐された状況を探ったり、食事の様子を語ったりするところは面白かったのですが、後に彼と同室になるつかまったスパイが(恐らく)処刑されるくだりは
「コイツらは人を殺すことに慣れすぎている!!」
という平和な平和な日本にいる限りではまず理解できないようなメンタリティーの違いに背筋が寒くなってしまいました。
結局のところ、常岡氏はなんだかんだあって帰国し、同居人の轟々たる批判にあいつつも、
「僕は自分の身に起きたことの真相を知りたい」
といって再びアフガニスタンに赴こうとするのです。
ただ、漫画では旅立ちでエンディングですが、コラムによると実際のところでは、「複雑なオトナの事情」によって現地入りはかなわないのだそうです。現在も戦火が耐えない激動の大地、アフガニスタン。そんな「遠い世界」を身近なものに感じるためにも、彼の存在は貴重だと思うのですが…。
Posted by ブクログ 2013年04月13日
アフガニスタンで何者かに誘拐されたジャーナリスト 常岡浩介さんの157日間に及ぶ拉致監禁生活体験記です。可愛いイラストと軽快な文章に頬が緩んでしまいます。それだけに、ゆるい笑い話の中に垣間見える死の恐怖に、いたたまれなくなってしまいます。
Posted by ブクログ 2011年09月12日
アフガンでタリバンに誘拐されタリバンの人質になったと言われたジャーナリスト常岡さんの捕虜生活を漫画にしたもの。と、言っても本人の性格なのか漫画にした、にしかわたく・岡本まーこさんの性格なのかはよく分からないが結果的にはノホホン記でギャグ漫画になってしまっている。人質なのに携帯の使い方を教えてあげたり...続きを読むして、あげくのはてに常岡さん自身のツウィッター・アカウントを利用して世界中に無事を伝えたりとどこか現実離れした話しが笑える。それにしても本当は政府軍の一部の犯行のようだが、それでは世界に対して申し訳が立たないのか関係者が「タリバンの犯行」ということにしているという下りは、何ともビンラデウィンを匿っていた現在のパキスタンみたいで世界政治の複雑さを表しているな。
Posted by ブクログ 2011年09月09日
常岡さんがアフガンでの人質から解放されて、もう1年になります。ですが、「常岡さんがアフガンで拘束された」という事を記憶している人はほとんどいないんじゃないでしょうか。と同時に、アフガンが今も変わらず混乱のただ中にある事も。
「常岡さん、人質になる」は漫画という形をとることで、人質事件という深刻なテー...続きを読むマをソフトに表現することに成功した、と言えます。常岡さん言うところの退屈でマヌケな人質生活には、こんなほのぼのとしたタッチの絵柄がよく似合います。
それにしても、かんだたみカワイイなぁ(笑)
Posted by ブクログ 2020年12月01日
自分がいくらお金を積まれてもならないだろうなあという職業の一つが戦場ジャーナリスト(カメラマン)なのですが、これはその戦場ジャーナリストの常岡さんが、アフガニスタンで誘拐された顛末を漫画化したもの。
正直、この事件のことは知らなかった。
かなりソフトなタッチで漫画化されているのと、拉致された理由や目...続きを読む的が実際のところ不透明な部分もあり人質になっているという緊迫感はあまり伝わってこない(もちろん、実際にはもっと逼迫した状況で、あえてそれをそこまで生々しく伝えないようにしているのだろうけど)。
ただ、そこで生きる人々が自分とは全く違う尺度(いざとなれば躊躇なく殺すだろうといった話とか)で生活しているといったエピソードや、すぐ間近にアメリカの爆撃があったエピソードなどは十分に緊張感が伝わってきたのだけど。
人質になった常岡さんは、それでもまたアフガニスタンに行きたいという。その使命感には頭がさがるばかりである。
Posted by ブクログ 2014年11月03日
中東問題や、海外の紛争・内戦の話題は、毎日のようにニュースから流れてくるというのに、それをただ「聞いてる」だけで「理解」はしていなかった事に気づかされた。恥ずかしい。
コミカルに、面白く漫画は描かれているが、内容は日常的な死と殺人、戦う理由を考えられない状況等、重い。
Posted by ブクログ 2012年01月14日
そういえばこんな事件あったなーくらいで読み始め。不思議な読後感。
世界はずーっと動いてるのに、見ないで生きてくののなんと容易なこと。
「友人の安否が気にかかるから、行く」。シンプルで強い言葉でした…