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Posted by ブクログ 2016年05月06日
森先生の人となりが垣間見えるような、教育についての対談。
研究者とはどのようなものなのか、大学とはどのような組織なのか。
すべてが~の作品で出てくる研究室の背景がここにある気がします。
Posted by ブクログ 2009年10月07日
論理的思考・客観的思考がとっても大好きで、
頭の切れる人に、尊敬の意を持たずにはいられない自分ですが、
自分と同種の人には、この本はかなりおすすめだと思います。
この本の内容は、今まで通りに三つに分けようと考えていましたが、
結局一つにまとめられる事に気づきました。それは、
1:客観的事実に基づ...続きを読むき思考せよ!
理論も、理性も、感情も、過去も、経験も、未来もいらない。
客観的データだけが事実であり、真実でもある。
って事に尽きます。
それだけです。
それを思い出させてくれただけで、この本は買う価値ありです。
Posted by ブクログ 2014年07月15日
大学をテーマに作家で工学博士でもある森博嗣さんへのインタビューを取りまとめた一冊。中は文字も大きく内容もそこまでない。しかし森さんの独特の考えが示された良本であると思う。
Posted by ブクログ 2013年08月04日
森博嗣が大学についてQ&A形式で答えていく
ただ、言っている内容は大学の研究室でボスが言っていた事とそんなに変わらないので、個人的にはそんなに目新しさはなかった
ただ、世間一般的な人からすると意外な事実なのかもしれない
大学で研究したことがない人や高校生が読むべき本
大学は研究機関であ...続きを読むって、教育機関ではない
研究のスタートラインにたたせるための教育はするが、それが主管業務ではない
なのに、ポストが上にあがっていくにつれて研究への配分が下がっていくジレンマ
いびつな構造をなんとかしないといけないんでしょうけど、なかなか難しいでしょうねぇ
Posted by ブクログ 2012年05月07日
現在は退官されているようだが、
かつて国立大学の教員として勤務しており、
当時から今も変わらず作家として活躍している森博嗣が、
“大学”についてのインタビューに答えたものをまとめた一冊。
テーマが限定されてはいるものの、語られている内容の
核の部分は、森博嗣のエッセィ等で何度も語られてき...続きを読むたもの。
森先生がご自身でもおっしゃっているとおり、
明らかに少数派に属する意見だろうと思うし、
このようなことばかり主張していると
組織の中では異分子扱いになるだろうな、とも思う。
社会のことについて非常に無知な自分でもそう思うのだから
まともな人が読んだら、拒絶反応すら示すのではなかろうか。
だが、別におかしなことは何も書かれていない。
どれも理屈が通っていて、うなずける話ばかりだ。
それなのに、この本に書かれているようなことが
社会的に少数派の意見であるのはなぜなのか。
その問いを発することにこそ、おそらく意味がある。
書かれていることを自分が受け入れられるかどうか、
といった尺度だけでこのような本を評価すべきではない。
こういった考え方もあるという事実を認識し、
なぜそう考える人がいるのか、
また逆に、なぜそう考えない人がいるのか、
といったことを考察してみると、きっと有意義だろう。
Posted by ブクログ 2012年03月02日
名古屋大学の非合理的なところに「つきあってられねぇ」と思っていた(思っている)んだろうなと予想されることが書かれています。多くの点で賛同しますが,「これは屁理屈だろう」と思えるところもあったりします。しかしながら,少なくとも,僕が知っている大学教員よりも数段もまともな考え方の持ち主だろうと思います。...続きを読む
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同じ問題を解かせると,たしかに,昔の学生よりは得点が低いといったデータがあるわけですから,その「学力」に関しては,低下していることは事実でしょう。それは,しかし,「ゆとりのある教育」という謳い文句で,ずっと邁進してきた結果であって,そうしようと皆さんが考えてしたことではないのでしょうか。今さら,低下していると目くじらを立てる方がどうかしているように思います。(p.25)
家庭内暴力という言葉がありますが,子供にとって,家庭とは,もう生まれたときから縛られているもの,それこそ暴力の一種だと考えても間違いではありません。家庭は,存在するだけで,子供にある種の暴力を振るっている,と認識すべきです。子供の自由を奪っているのですからね。もちろん,だから家庭なんて崩壊すれば良い,と言っているのでは全然ありませんよ。ただ,「家庭は無条件に良いものだ。すべてを解決する愛の場だ」と考えることは,もうほとんど宗教の世界だと思います。(pp.37-38)
小学校,中学校,高等学校,にはいずれも「校」の文字が付く。ところが,大学は大学校とはいわない。これはつまり,大学がスクールではないからだ。すなわち,「教えてもらう」あるいは「教育を受ける」場ではない,という意味である。学ぶための知識と方法は,すべて(ほとんど)高校までの教育で身につけられる。もう自力で学ぶ手法を知っている。それが大学生なのだ。大学の教育とは,講義室で行われる授業にあるのではなくて(あれは単なるガイダンスだと思って良いだろう),学びたい学生が,自分からすすんで教官の部屋へ訪ねてくる。そこで議論があり,ともに学ぶことができる。こういった学び手の主体性のうえに成り立っているのが本来の大学のシステムだろう,と森は考えている。この観点からすると,現在の大学(の多く)は,単なるスクールに成り下がってしまった,と思えてしかたがない。ほんの少し,大学の雰囲気を残す唯一の例外は,「卒業研究」だろうか(これさえ廃止してしまったところもあると聞く)。(pp.62-63)
仕事と手法が与えられたとき,それを的確に解決できるのが,学士。仕事を与えられたとき,手法を自分で模索し,方向を見定めながら問題を解決できるのが,修士。そして,そもそも,そのような問題を与えることができるのが博士である。(p.67)
[申請書を作成する時の]研究テーマなんて,もうほとんど架空のものだといっても良くて,SFとまではいいませんけれど,まあ小説を書いているような,つまり創作だと思ってもらってけっこうです。とにかく,研究を遂行することが主目的ではなくて,いかにして審査にパスするか,いかにして資金を獲得するか,ということが最優先課題になるわけです。(pp.91-92)
旧帝大は,それなりに意識していますね,お互いを。もちろん,それは執行部がです。なにかというと,他の旧帝大の動向を調べて,比較をしています。他の大学がやったら,うちもやらなくてはいけないって考えるんです。変ですよね。普通,他でやったら,もううちはやらなくても良い,と考えるのが自然でしょう? 独自性を出せと言っているわりに,同じようにしたがるのは何故でしょうか。(p.131)
私学の先生なんかが,学生が多くて授業が大変だ,という話をされますが,それは,多いから大変なのではなくて,やる気のない学生が沢山いるから,邪魔だ,という意味でしょうね。これに対しては,教員の力ではなんともなりません。目先を変え,講義やカリキュラムの工夫をする,といった教員側の問題ではなく,大学の運営側の問題に帰着します。ようするに,私学だったら,理事会ですね。入れるだけ入れておいて「学生にやる気を出させろ」なんて,そんなことができるのは,ほとんど宗教団体でしょう。(pp.162-163)
大学は基本的に研究を行うところです。そこに,学びにくる学生たちがいる。研究する人の身近で,学問とは何なのか,学ぶということにはどんな楽しみがあるのか,を知る場所なのです。
高校生までの子たちは,学問が楽しいとは絶対に考えていません。また,大学を就職するための通過ポイントだと考えている人にも,学問の楽しさは発見できないでしょう。別に全員が発見しなくても良いと思います。ただ,そういう機会があった,というだけでも,将来の布石となるはずです。
大学のときは全然勉強をしなくても,三十代,四十代になったとき,ああ,あのとき勉強をしていたら良かったな,今からでもできるかしら,と考えられる,それだけでも,大学の価値はあると思います。大学に行っていなければ,それこそ,学問なんて雲の上のもの,まったく自分には無縁のものだと思い込んでしまうでしょうからね。(pp.170-171)
Posted by ブクログ 2012年01月27日
自分が大学生で身近だからか、森博嗣の新書の中では一番好きかもしれない(もちろんまだ読んだことのない新書もあるのだが、それを読んだとしてもこれが一番好きでありそう、という意味)。自分が曖昧に思っていたことをきちんと言葉にしてくれて、文章がすんなり入ってくる。
Posted by ブクログ 2011年11月25日
「あるあるあるある・・・」と思いながら読みました。
少子化について、学力低下についてなど、肯定的な意見を臆することなく発していて感心しました。
Posted by ブクログ 2011年05月04日
森博嗣という研究者が大学をどう捉えているのか。研究の場としての大学と教育の場としての大学の面から語っています。日本の大学教育の変革は意識の変革と言ってもいいと思っているので、著者の考え方に賛同しています。
Posted by ブクログ 2009年10月04日
森 博嗣って優秀そうなのになんでずっと助教授なんだろうっていう疑問が解決した。
大学の中にある政治的な部分や予算に関するバカバカしい規則なんかがよくわかる。
大学教員がこんな本だせるなんてすごい。
Posted by ブクログ 2009年10月04日
先々週に森さんの本を後輩に紹介して
もらって以来、8冊近くの本を読破しました。
スカイクロラの映画も見に行きましたしね。
この本は私も人生の多くの時間を投資している
大学という組織について書いてあります。
しかも、地方旧帝国大学ということで
かなり共感できる部分も多くありました。
心を動かされた...続きを読む部分が一つあります。
それは「ニート」や「学力低下」ということについて
先の事を心配して、豊かさが無くなるという事に対して
批判する事は良くないと言っていた事です。
そもそも、勉強をしない人やしないような仕組みを作った国だったとしたら
経済的に韓国、中国や他の国などに比べて
一歩二歩遅れたとしても、どうにか生きていける
国や人生を歩もうとしているのだから
それは批判すべきでないという考えでした。
まだ、うまく考えられていないのですが
怠惰な人を見て、怒ったり変えようと思うのは
傲慢なのかなぁと考えさせられました。
努力をしない人というのはそれでもしょうがない人生を
選択しているのだから、それを捕まえて批判するのは
自分の価値観を押し付けているっていう事だなぁと
実感します。
森さんの考え方はすごく共感して学ぶところが多くあります。
しかも、小説も素晴らしいですしね。
とりあえず、森さんの本は全部読んでみようかなぁ。
Posted by ブクログ 2009年10月04日
大学一、二回生におすすめ! 大学の意義と意味、学問と学生のするべきことがわかる新書本。
これは大学一、二回生のときに読んでほしい。
例えば、
教育は、学生にやる気がなければ成立しない。
大学の講義は、ガイダンスである。
など大学と大学生に関する森先生の考えがよくわかります。
大学院の実態、国立大...続きを読む学に在籍する助手の存在など、その運営とシステムが興味深かった。
そのため、どなたが読んでもためになるかと。
国立大学の内側と裏側など普段わからないところがわかり、疑問に思うところも。
余った予算は返上しなければならない、という意見には賛成です。
ただ、大学の経営面で、縮小すればいい、人員を削ればいいという意見は少し暴論のような気がする。
削られる人々が気の毒だ。
最後に、森先生がすごした三重大での生活は本当に楽しそうでうらやましかった。
やや物足りなかったので、★4つ。
Posted by ブクログ 2010年10月14日
とっても読みやすいものでした。あっという間に読めちゃったよん。それにしてもこの人は、ホント理系人間だなぁーと。絶対に私とは交われないと思った。うなずくところも?と思うところもそれぞれありましたが、相変わらずの森節でした。チャンチャン。
Posted by ブクログ 2014年03月30日
作家の森博嗣氏が、名古屋大学の助教授を辞めた年に出版した本です。偉くなると雑務が増えてしたいことができなくなるのは企業も大学もいっしょのようです。
66ページの学士、修士、博士の違いというコラムはなるほどと思いました。
要約しますと、
学士:仕事と手法が与えられたとき、それを的確に解決できる
修士...続きを読む:仕事が与えられたとき、手法を自分で模索し、方向を見定めながら問題を解決できる
博士:そもそも、そのような問題を与えることができる
Posted by ブクログ 2013年08月01日
国立N大学工学部の元教官で、人気ミステリ作家でもある森博嗣さんが、大学を辞めた年に出版した本。若い人向けに、今の国立大学の惨状を語って聞かせる形式をとりつつ、内容はかなり過激である。私がN大工学部に通っていた頃は、森さんも現役の助教授として勤めていたので、「すべてがFになる」を片手に研究室訪問でもし...続きを読むておけばよかったかも。まさか定年前に辞めてしまうとは思っていなかったけど、本書を読めば、森さんがいかに大学組織に嫌気が差していたかが分かる。(ちなみに、N大工学部時代の私の先輩は、サインをもらうために、わざわざ森さんの部屋を訪ねたらしい)
Posted by ブクログ 2012年09月25日
今の大学の在り方と教育についてをインタビュー形式で述べたもの。掘り下げて考えるというよりも、頭を柔らかくして見つめてみるといった印象を受けた。口語で書かれているため手軽に読める一冊。
Posted by ブクログ 2012年04月29日
「大学は基本的に研究を行うところ」だから「大学は、学問をしたい人に学問をする環境をいつでも提供できるということが使命」だ。
最近は少子化のため大学も生徒集めに奔走している大学もあると聞く。大学へは全員入学できる時代である。もちろん希望通りの大学へ入学できるかどうかはわからないが、数だけで考えるとそう...続きを読むなるらしい。大学はどうあるべきなのか、人それぞれの価値観も多様化している現代において、しっかりと考えていかなければならない問題であろう。大学も淘汰されていく。それは当然のことであろう。
Posted by ブクログ 2011年09月09日
著者はスカイクロラなどで有名な森さんですね。
中身はインタビュー形式な感じです。
色々書いてあって面白かったです。
学問をなぜするのかとか、大学が歪だとか。
特に、減ったり、失われたりすることに対する考え方には考えさせられましたね。
Posted by ブクログ 2010年01月05日
将来のため、勉強の一環としても参考になりました。
自分の考えを固めるまでには、知識も経験も不足ですが。
何を自分の人生から切り離すか…。
捨てることも選択の一つであるということを、改めて感じました。
人生における選択も同じなのだなあと。
Posted by ブクログ 2009年10月07日
どこかで森さんが、質問をするかしないかではなく、質問の内容で成績を決めるって言っていたことが印象に残っていました。それからずっと森さんの教授としての考え方や、大学というものに対する価値観が面白いって思っていて、この本はお誂え向きだと。でも森さんのブログやエッセイなどを読んでいる人には新鮮味が欠けるか...続きを読むも。彼の大学への根本的な価値観が書かれているんで。国立大と私立大では経営面ではぜんぜん違うけれど、大学という場で学ぶ学生という立場にはそんなに違いはないと思う。月並みだけど、自分はなんで大学に行ってるんやろー・・・って疑問に思ったら、読んでほしいと思います。
Posted by ブクログ 2009年10月04日
名古屋大学の助教授が、思うがままに大学について語っている本。
彼の基本スタンスは無為自然です。
大学が廃れようが、滅びようがなすがまま。
いかにも研究者的な先生です。
気分転換にいいです。
Posted by ブクログ 2012年02月20日
最高学府のデバイスとポテンシャル・・・質問者(中央公論新社:名倉宏美)が阿呆で困ったなあ・・・回答者はビジネスとして真面目に答えている〜【学生論】学生について話しましょう。【大学論】大学って何でしょうか。【研究者・教育者・作家】僕の話もするのですか?〜《ああ,そうなの》・助手は9割,助教授は4割,教...続きを読む授は1割,自分の時間を研究に使える・名古屋大学工学部は解体され,大学校教員が授業に出向する・学会というのは発表お祭り会・理系の先生はスーツにネクタイ・文系はラフ・国立大の教員は非公務員化した(教官が消滅)《そうそう》少子化は大問題ではなく,歓迎すべき・待たされることに豊かさを感じるべき・体験学習は効率が悪く,言葉で伝達する方が効率が高い・制度は自ら複雑化して人員を減らされないようプロテクトする・独自性を出せと言われて他の行為を真似る愚かさ・好奇心は育てられるものではない・実績の無いところに程,資金を提供すべき・文系と理系の違いは数学で点数が撮れるか否かの差・大学院へ進学するか否かは経済的困難がなければ進んで損なし《なるほど》質問したことと内容を評価する・生き残りのために異形となるより消え去る方が潔い《あらまあ》名古屋大学という固有名詞を出しちゃった!