【感想・ネタバレ】地域再生の罠 ――なぜ市民と地方は豊かになれないのか?のレビュー

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Posted by ブクログ 2016年02月13日

「地域に関わるなら」と、オススメされて読んでみた一冊。参考になる視点が多く、僕も誰かにオススメしたい一冊です。市民や商店には「連携」と簡単に言ってくれるけど、庁内の施策すら部課で連携できていない点とか、おそらく行政の中にいる人たちに見えていない自分たちの抱えている矛盾が外から浮き彫りになっていて、実...続きを読む際そこを自分のまちではどう捉えて取り組んでいるのか、聞いてみたいと思いました。そしてそれは行政だけではなくて、企業内でもそうだし家族であったり団体であったり、いろんなグループで活かせる知見なのかなとか。

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Posted by ブクログ 2013年09月10日

 甘党
たむらの姿から、あり得べき街の姿を思い浮かべられる人は、どれくらいいるかな。思わず立ち止まってしまうような佇まいに溢れていたものね。

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Posted by ブクログ 2013年05月25日

地方では、地域再生・地域活性化が叫ばれて何年もたっていますが、
どこの街もなかなかうまくいっていないのが現状のようですね。
若者の視線がどうしても都市へ向いてしまうということや、
鉄道の無い街での自動車のあり方など考えなければいけないことも多々あります。
この本を読んで思ったのは、
成功例を模倣して...続きを読む失敗し無駄な税金をつぎ込むのではなく、
多くの失敗例から学び、その街にあったやり方を考えだすということですね。
私が仕事しているM市もがんばっているようですがなかなか・・・
N島地区にやはり商店街共有の駐車場を作り、
車から降りて待ちのなかを歩いてもらうよう考えなければいけませんね。
また、「ふれあいサロンほっとな~る」などという交流場所もあるのですが、
チャレンジショップなど推進していますが、
飲食店はダメというおかしな話。
ちょっとした喫茶スペースがあった方が高齢者も気軽にお茶を飲んで交流できると思うのですけどね・・・

別の本で、私が住んでいるD市が移住政策で成功しているように書かれていましたが、
地元に住んでいる住民の視点からすると成功とは見えないんですけどね・・・

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Posted by ブクログ 2012年03月12日

 地方の街づくりについて考えさせられる本です。成功していると言われている商店街でも、実は一月のほとんどは閑古鳥が鳴いていたり、これまでの大型商業施設誘致、官中心の街づくりについて徹底的に批判し、住民視線での街づくりを提唱しています。

 地方へ旅行に行くと、シャッター街のさびれた商店街をよく目にしま...続きを読むす。買い物しようにも開いている店を探す方が難しく、購買意欲が無くなってしまう経験は誰でもあると思います。

 著書では、従来の街づくりでの問題点を指摘し、間違った街づくりで街がさびれてしまった例を引き合いに出しています。地域再生の罠として、2つの本質的な問題を挙げています。

・(大型商業施設のような)「目に見える」「誰でも分かる」ものを尊重し、とりわけ「数値や力の大きい」ものや権威に依存する。
・「目に見えにくい」「気が付きにくい」ものを軽視する。
 
 街作りで大事なのは、そこに住む住民視線でいかに考えるかであり、著者は地域再生の7つのビジョンを掲げています。

①私益より公益
②経済利益よりひとの交流
③立身出世より対等で心地よい交流
④器より市民が優先される地域づくり
⑤市民の地域愛
⑥交流を促すスローフード
⑦心の拠り所となるスポーツクラブ、居場所

 いずれも住民の為の街づくりであり、住民が主役となるキッカケを作ることが大切と説明しています。ボトムダウンではなく、ビルトアップの考えが、これからの街づくりに必要と言えると思います。

 思うに、活き活きしている街は、人々も活き活きしています。施設や街並みに目を奪われがちですが、その街に活力を与え、輝かせているのは、間違いなく「人々」です。「人々」の活気や笑顔によって、街がつくられると言えると思います。

 地方の温泉街でもそれが当てはまるかもしれません。食べ歩きやレストラン、お土産屋、足湯のある街は人通りも多く、「街」の光景がイメージできます。一方、豪華な大型旅館中心で形成されている温泉街は、食事や温泉等、旅行客は大型旅館の中でしか過ごさないため、一歩外に出ても人通りが少なく、有名な温泉街でも閑散としている場合があります。

 豪華な大型旅館は日本全国どこにでもあります。一方、自然と文化、そこで生活する人々が織り成す温泉街は、そこにしかない、まさにオンリーワンと言えると思います。日本全国ここにしか存在しないコンテンツで勝負することで街づくりを進めることが、これからの時代必要かもしれません。

目次
第1章 大型商業施設への依存が地方を衰退させる
第2章 成功事例の安易な模倣が地方を衰退させる
第3章 間違いだらけの「前提」が地方を衰退させる
第4章 間違いだらけの「地方自治と土建工学」が地方を衰退させる
第5章 「地域再生の罠」を解き明かす
第6章 市民と地域が豊かになる「7つのビジョン」
第7章 食のB級グルメ化・ブランド化をスローフードに進化させる―提言1
第8章 街中の低未利用地に交流を促すスポーツクラブを創る―提言2
第9章 公的支援は交流を促す公益空間に集中する―提言3

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Posted by ブクログ 2020年04月03日

本文は論旨が不明瞭だと感じる部分が多いが、提言のクオリティーの高さから、本書は買い、だ。

特に、入口をフリーにしておくという戦略を、まちづくりに適応したのは、筆者が初めてではないかもしれないが、インパクトがある。

言われてみれば、西欧の広場はそのように作られている。

日本が地域をどのように再生...続きを読むできるか。まだまだ、知恵が使えることを痛感。

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Posted by ブクログ 2017年08月24日

街中再生(中心市街地活性化)の手法に対し、行政と土建工学者への痛烈な批判を展開する。行政は、土建工学者が推奨する成功事例を鵜呑みにして、累々たる失敗事例を造っていく。地域資源や住民に着目した再生が求められるという著者の主張は首肯できる。しかし、それが上手くいかないからこそ地域は悲鳴を上げるのだ。土建...続きを読む工学者さえ触手を伸ばさない弱小自治体は、箱物さえ作れずにソフト施策のモノマネでしのぐ様を著者は見えているのだろうか?

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Posted by ブクログ 2016年07月03日

地方再生について。住みやすい街としてランクインしている街は地域再生としては失敗しているケースではないのかという問題提起から、どうすれば良いのか、著者の考える地域の幸せな姿に向けての提言。良い本です。

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Posted by ブクログ 2015年06月21日

商店街振興の流れで、もっと広く地域再生に関する著書を見つけ、読んでみました。
著者は、地域再生プランナーということで、著書内にも、全国の事例が豊富であり、実名で良い点、悪い点が挙げられている。名指しされた自治体にとっては耳の痛い話もあるが、意見としては真摯に受け止め、実態を見据えた対策が求められます...続きを読む
そうでない自治体にとっても、ここで指摘されたような、悪い政策を行っていないか、地域の強みを見失っていないか、検証が必要です。



著書で紹介された商店街や事例等
小樽3点セット、函館「はこだて自由市場」、青森駅前「アウガ」、宇都宮市「109、表参道スクエア、ギョウザ、カクテル、ジャズ」、太田市「南口商店街」、新潟市「アルビレックス新潟」、富山市「コンパクトシティ、総曲輪」、高岡市「万葉線株式会社」、富士宮市「やきそば」、長野市「ぱてぃお大門」、岐阜市「路面電車廃止、岐阜シティ・タワー43、柳ケ瀬、ネーミングライツ」、松江市「天神町商店街、バリスタの聖地」、出雲市「中町商店街」、広島市「甘党たむら」、上勝町「葉っぱビジネス」、久留米市「やきとり」、武雄市「いのしし課、佐賀のがばいばあちゃん課」、豊後高田市「昭和ロマン蔵」、大分市「関さば」、由布市「湯布院」、鹿児島市「県庁の郊外移転」、那覇市「牧志第一公設市場」

<この本から得られた気づきとアクション>
・地域再生は、こう行うもの、専門家の意見は正しいもの、といった無意識に思っている「常識」を疑ってみることが大切。
・多くの事例を参考にすることで、強みを見つけていきたい
・政策の総合性の必要性
・全国でモデルケースとして紹介されたものにも、必ずしもモデルになれるものばかりではない。裏のカラクリを見定めること。

<目次>
第1章 大型商業施設への依存が地方を衰退させる
第2章 成功事例の安易な模倣が地方を衰退させる
第3章 間違いだらけの「前提」が地方を衰退させる
第4章 間違いだらけの「地方自治と土建工学」が地方を衰退させる
第5章 「地域再生の罠」を解き明かす
第6章 市民と地域が豊かになる「7つのビジョン」
第7章 食のB級グルメ化・ブランド化をスローフードに進化させる―提言1
第8章 街中の低未利用地に交流を促すスポーツクラブを創る―提言2
第9章 公的支援は交流を促す公益空間に集中する―提言3

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Posted by ブクログ 2014年06月28日

公務員試験を受ける際にかなりお世話になった本。今回、実際に自治体職員として働く者の目線で読んだが、以前試験の際に読んだ時とはまた異なった気づきがあった。
最近地方自治体は、消滅可能性都市に指定されたことに対しての対応が求められている。しかし、指定を受けてしまったどの自治体においても、その地域ごとの資...続きを読む源等の限界に直面しており、壁に直面していることかと思う。そのような自治体で働く身として、この本に書いてある提案は、かなり魅力的だった。もちろんそれらの提案をそのまま受け入れるということではないが、自治体にはない考え方をこの本では学べた。

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Posted by ブクログ 2013年10月02日

地域再生に関して事例を挙げ、その良い点、悪い点を解説している。
視察は性別、世代の異なった人たちで行くべき。
お店に入らない理由は、買いたいものがない、入りにくい、値段が高い、品ぞろえが悪い、何を売っているかわからないから。
地元商品応援していますというのを掲げるお店は、顧客にとっては応援するのは顧...続きを読む客だという意識がある。
コミケには大量のボランティアスタッフがいる。

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Posted by ブクログ 2013年08月18日

本書は全国各地で行われている中心市街地活性化事業(まちづくり)が何故失敗し、地域の衰退に拍車をかけるのか。
その原因を分析し、ではどうすれば地域再生を行うことが出来るのか?まちづくりの現状分析から提案までを行う。
大きく分けると、現状分析(@失敗事例とその原因A成功事例とその本質)と提言で構成されて...続きを読むいる。

現状分析においては、各自治体のリアルな情報が満載で非常にイメージがしやすい。
ビジネスにおいて常識といえる「顧客目線」「課題分析」といったことが嘘のように欠けている。
現場で活動を行う著者は、まちづくりを推進する自治体・土建工学者による施策実態に呆れながらも、それを産み出す構造を冷静に分析している。

本書はまちづくりを行う行政、土建会社、NPO団体はもちろん、街に住む私たち市民にとっても多くの気づきを与えるだろう。
私たちのまちが形作られる、その背景の構造に理解を深め、一人一人がまちを作る構成員であることを認識し、まちづくりに参画する後押しにしたい。
望む点とすれば、この現状はすぐには変わらない現実を受け止め、私たち市民がどのような行動を起こせば良いか?
日々の生活で行えるレベルまで落とし込んだ提案があると、より問題の指摘に留まらないまちづくり実践の書に成り得るだろうと思う。

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Posted by ブクログ 2013年08月11日

地域再生プランナーの著者による、衰退する地域に対する助言の書。
「罠」という書名には、既存の「(いわゆる)地域活性化論」に対する反抗の意図が明確です。
とりわけ土建工学者(建築学、土木工学、都市工学の研究者)が提唱する、
「欧米や国内成功事例の機械的模倣」「ハコモノ中心」の活性化論に対する敵対心が露...続きを読む骨と言わざるを得ません。
私も都市工学を専攻する学生として、本書を終始笑顔では読めませんでした。

筆者の主張する新しい地域再生のキーワードは、「地域の人、利用者目線」「交流」「私益よりも公益」の言葉に集約され、第7章にまとめられています。
末尾に添えられた「スローフード化」「スポーツクラブの設置」という二つの提言には少し検討の余地があるとしても(笑)

地域再生に対する個人的パラダイムシフトを起こすのには十分な書籍ではないかと思います。
続刊的な『商店街再生の罠』なるものも出てるんですね。こちらも読んでみよう。

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Posted by ブクログ 2013年06月28日

 本当の意味での「地域再生の成功」を考えさせられる一冊。地域再生の成功例として取り上げられている商店街の中には、月に1度のイベントのときだけにしか人が集まらず、地域の住民の幸せにつながっていない例が数多く存在する。著者はその原因を、経済的な豊かさばかりを追求する地域再生の考え方そのものにあるとする。...続きを読む地域再生の本質を見極め、それを実現しようとすることが、「地域再生の成功」につながる。
 著者は地域の箱物に厳しい目をむける。箱物をつくることが前提の地域再生化策が実施され、結果として住民のニーズが無視されている。箱物は住民のニーズに応える選択肢のひとつであるべきで、箱物あるべきという考え方はあまりにも横暴だ。
 地域活性化の話なんだけど、マーケティングにかなり近いような感じもする。地域だけじゃなくて、マーケティングに興味がある人にもおススメしたい。

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Posted by ブクログ 2012年08月17日

1行でまとめると
「地域活性の押し売りはせず、住民目線でものごとを考える」
ということですかね。


以下、まとまりなくだらだらと。

地域再生、地域活性について成功事例と一般に紹介されていても、提供者や街づくりの地域再生関係者の目線での成功例が多く、実際に地域住民が豊かになる形で活性している事例は...続きを読む極めて少ないことを指摘し、著者が考える地域活性の条件とその提案がかかれている。

住民無視での箱物建築、駅前再開発による地域活性化の押し売りではなく、人と人とのつながり・信頼・共感と、それを促す場が必要である。




・自治体関係者を含む地域活性関係者はどこも他地域の成功事例ばかり気にしていて、模倣するが、失敗する。それは活性には、表面的な仕組みではなく、ヒトが一番の要であることを示している

・徳島・上勝町のはっぱビジネスはどの地域でもできるが、実際にやってみると、はっぱを探す住民もいなければ、はっぱを売る先もない。長い年月をかけてヒトと地域が努力した結果が上勝町の成功事例になっている

・地域活性関係者は、地域計画を作るが、計画は、街として効率化していたり、画一的なものだったり、ルールが多かったりする。ヒトはたいてい、ルールで指示されると生活しにくくなり、むしろ反感を覚える。

・地域の問題の前提を間違っている事が多い。


・地域外へのPRのときも似ていて、明らかに地域が計画的にPRしようとすると押し売り感がでて観光客もいい印象はもてない。

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Posted by ブクログ 2012年08月15日

地域再生に取り組んでいる「だけど」うまくいない。本書は「だけど」ではなく「だから」という因果関係を捉えるとことから始まる。
多くの自治体ではさびれゆく街中の賑わいを創出するため、どこもかしこも大型商業施設の誘致に躍起になっている。東京でさえ伊勢丹、西武が撤退しているにもかかわらず、多くの地方都市が...続きを読む街中にぽっかり空いた大型商業施設の撤退跡地に再び大型商業施設の誘致をしようとしている。しかも、計画たるや、3割の自治体が地域住民の意向をまったく把握せず計画を策定している。残り7割もごくごく簡単なアンケートでしか地域住民の意向を把握していない。表面的な質問でアンケートが終わってしまい市民のニーズというものを全く掬いとっていない。市民目線ではなく起業者目線でのみ事業が進められている。撤退した真の理由も考えず結果だけを急ぐ焦りから導かれた計画である。
シャッター街と化している既存の商店街の活性化策も同様である。話題性確認の市民行動にすぎない開業時の賑わいだけを見て成功事例だと囃したてる成功事例集にまんまと乗せられ模倣する。しかも推進する商工会とか自治体というのは、起業につきもののリスクから最も遠い人たち。そんな人たちが支援をするといっても市民の心に全く響かない。客も売り手も少なすぎて困っている商店街がそもそも必要なのか。需要側も供給側も必要性を感じていないものに本当に支援が必要なのか。本来は競争で淘汰されるべき小売店を無理矢理生きながらえさせているだけではないのか。
後半からは真の地域再生のあり方が豊富な事例をもとに詳説される。悪い例も多数紹介されている。富山市の繁華街総曲輪などはかつての面影をまったく失い廃墟と化しつつあるとまで言われてしまっている。確かに鳴り物入りで誘致された大型商業施設の周辺はいまや人影もまばらである。身の引き締まる緊張をおぼえた。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2012年06月19日

これは、成功じゃなくて、失敗事例集
やっぱその点、斬新で、成功事例集(アグリコミュニティ~)よりおもしろかったように思う。ただ、随所にでてきて、最後の結論にもつながる筆者の主張は、具体的が故に疑問も大きかった。ただ、理想は面白くて俺もすごい影響受けたと思う。さらに、最終章には具体案も掲載されていて、...続きを読むおもしろかった。


*120607レビュー
実際の行政を名指しで批判しているところに、リアリティと本気の警告が見られた。その解決策として出されているのが、地域での収益を考えることなんだけど、これは観光圏の話にもつながっておもしろかった。でも、それを実際どうやってやるんだろう、ってところが、最終章にちろっと載っていて。現実問題、それができるのはいい意味でも悪い意味でも行政しかないんだな、って思った。

あと、青森の例が載ってたけど、地域と住み分けしているってゆう話だけど、お店が入っている以上、やっぱりそこで収益をあげなきゃお店がでていっちゃうよなぁ、、、って疑問。

全体的に、批判は勉強になったけど、その上になされるこの人の主張は疑問が残った。

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Posted by ブクログ 2012年04月22日

【地方自治体を如何に再生するかを解き明かす】
箱モノだけが立派な自治体、海外の事例を模倣しようとする自治体、上勝町のような国内の成功事例を模倣しようとする自治体・・・
日本の自治体が活性化に失敗した理由を、作者の経験を基に論理的に説明されている。作者が最終的に述べたいことは、住民本位且つ地域特性に合...続きを読むった街づくりを行うことだ。自治体が其々持つ個性を生かすことこそが、自治体活性化に効率的に貢献すると言うことだ。

<余談>
私が、自治体の活性化に尽く失敗する理由は、活性化をする人が一度もビジネスを経験したことがないからであると考える。ビジネスとは、いわば「少ない投資で、大きなリターンを得る」ことを根幹にしている。誰が、大きな費用対効果の無い建物をビジネスの場で建てるだろうか?誰が、海外の成功事例をそのまま日本に持ち込んでビジネスをする人がいようか?誰が、他社の成功事例をそっくりそのまま模倣するビジネスがあろうか?
それを当然とやるのが、役所職員であり、政治家だ。金や地位、出世や名声などを気にしてないで、彼らにはもっと大切な事を、気にかけて欲しいものだ。

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Posted by ブクログ 2012年04月14日

役所が主体的に中心市街地の方向性やテナント募集をしなくちゃいけないのは当たり前で、僕も入所前はそうだと思っていました。しかし、実際には土地の権利者や地元中心市街地の商業者がいるのでどうしてもまとまりがないものになってしまいます。
中心市街地をコンパクトシティにするのはわかりますが、なぜそこに家具屋が...続きを読むドンと構えているのか?ミシンショップが建っているのか?もっともっと、コンセプトを確立してそれに沿わないと興醒めします。

そもそも、「若者を中心市街地に呼び寄せた方が良いのか?」という根本的問題を無視してまちづくりを担当している気がします。若者に対する一般イメージはどちらかと言うと否定的なものが強く、それなら、彼らに媚び売って中心市街地に来てもらうよりも、ターゲットを中高年に絞って、徹底した中高年向けの空間を作り、集客力をアップした方が得策かも知れません。結局まちづくりは顧客ターゲットを全方位にしているから中途半端になり、面白味や魅力が無くなり、失敗する。
外から(主に観光客を)引っ張ってくるコンセプトなのか、地元住民の満足度を高めるのか、ターゲットの顧客層は、イベント集客か、一定量集客か。また、まちづくりの成功ビジョンを明確にしないのも問題です。所謂ハコモノをつくって、ハイ終わり、では呆れます。税金を払ってる地元住民が一番の被害者なのですから、多様な意見を参考にして計画してもらいたいです。
しかし、『住民の意見』とは非常に抽象的で、一体誰に聞くのか?著者は役所関係者のみならず、若者や中高年や井戸端会議のおばちゃん等、末端の声を積極的に拾っていますが、まちづくり関係者は、彼らの意見を聞こうとはしません。何故か?それは役所ならではの『特定の人の意見を聞くことはその人を贔屓することと同義であり、中立的立場に反するものである』というジレンマがあります。だから、住民代表の意見は、肩書きの強い人、例えば地元区長やNPO法人代表理事など、それこそ役所と特定の「関係を持つ人たち」の利益誘導となっています。これも問題です。兎に角も、色々な選択肢があるなかで、決定権を握るのは、市長や市役所職員ないし商工会職員なので、そこがブレないように頑張ってもらいたいです。

にしても、商工会職員は地元有志との無駄な飲み会が多すぎて、癒着も甚だしいです。だから中心市街地のまちづくりもお粗末様なんですよね。あれは負の資産です。市役所職員、商工会職員、そして住民商業者が連携することなく、己の私利私欲を守ろうと腐心?政治能力を発揮するのは、本当に辟易します。

簡単に考えているけれど、なおざりにされているのが、まちづくりにおける『成功』の定義です。交流人口を増加させる、あるいはイベント集客○人以上等、考え方は色々あると思いますが、どのまちづくりにも欠けている視点は、時間です。つまり、成功を一時点でしか捉えていない。だから、例えばイベント集客が○人になったと言っても、その時だけ増えるものは、果たして成功と言えるのでしょうか。イベントが終われば元の閑散としたまちなかに戻るのであれば、全く意味がありません。特に最近は成果主義の導入もあって、目先の利益しか追及しないから、『立派なコンサートホールをつくりました!』とか、未だにハコモノが賞賛されたり、『中心市街地に新規店舗が増えました!』なんて言われても、2~5年後はどうなっているかは不透明だし、まちづくりにはもう少し未来の時間軸に重点を置いて計画しなければならないことを再認識するべきです。

若者が家でまったりするのが好きだという件は、現象と本質を履き違えている点で看過できません。若者は家が好きだから街中に出て消費をしないのではなく、先ず魅力的なものがないこと、そしてお金を持っていないこと、それらの理由から、家にこもるようになったと考えるのが自然です。
著者は、現象を『若者は家にひきこもっ』て、本質を『若者は家が好き』と考えているようですが、僕は、現象を『若者は家にひきこもるっ』て、本質を『魅力的なものがない、そもそもお金を持っていない』と解釈します。

本書は全体的にまとまっていて、読みやすく分かりやすいので、これから地域再生に携わりたいと思っている人にはオススメできますし、現在地域再生に携わっているにも読んでいもらいたい本です。僕の評価はA+にします。

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Posted by ブクログ 2011年09月22日

コンパクトシティっていうけど若い人は郊外に住みたいんじゃないか?古い町並み保存を訴える人が近代的な住宅に暮らしているのはなぜか?地産地消をお客様に強要していないか?まちづくりの偽物の成功事例に警鐘を鳴らし、住民の声を聞こうと訴える一冊です。勉強になりました。

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Posted by ブクログ 2019年01月16日

地域再生プランナーの久繁さんの本。

中期的に同じよーなことに携わりたいと思っているので、拝読した。

個人的に「地域再生〜」とかに疑問を持っていた

「上っ面なアンケートをまとめて政策をすすめても」
「箱物つくればいいってもんじゃない」
「地域ブランド品は製造元しか儲かっていない」

等々の問題点...続きを読むを、直球で指摘しており胸が透く思いがした。

そして、
地元に根ざしたモノを生かして、住民の生活に利する形にし、全体を盛り上げていく事を掲げるスローシティ構想は、
説得力があった。


久繁さんと同じロジックではあるが、
どことはあまり言えませんけど、B級グルメで盛り上がっても、
地元の人は盛り上がっていない矛盾をずっと感じている。

対案なき批判はただの文句だから、もっといろいろ吸収しないとね。

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Posted by ブクログ 2019年01月16日

少々語り口は行政マンにはきつく感じられる。しかし、「おっしゃるとおりだな」と思わなければ、公務員と言う世界に馴染んでしまったことになるような気がする。特に、ジブンは外部から入った「中途採用者」なので、いつまでも行政を俯瞰して見られる視点を持ち合わせていないといけないように思う。その気持ちを忘れないよ...続きを読むうにしないといけないと思いながら、気になるフレーズを数多く引用してみた。
課題の提起まではしっかりとしているし、課題解決の方向性(ビジョン)も明確に示しているが、そこから先(政策形成というべきか)はいまひとつぼんやりしている。ビジョンをどのように政策形成に反映させていくか、そのための具体的なアイディアは記されていない。そこは考えろ!!と言うところなのかもしれないが、特に、住民ニーズを把握するための手法(具体的にはアンケート調査)は消費者の深層心理を読み解く「インサイト」のような考え方を盛り込むことが必要なのかもしれない。どうしたら多くの方の生の声を集めることができるのか、非常に大きな命題だ。

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Posted by ブクログ 2014年10月30日

[ 内容 ]
社員を大切にしない会社は歪んでいく。
それと同じように、市民を蔑ろする都市は必ず衰退する。
どんなに立派な箱物や器を造っても、潤うのは一部の利害関係者だけで、地域に暮らす人々は幸福の果実を手にしていない。
本書では、こうした「罠」のカラクリを解き明かし、市民が豊かになる地域社会と地方自...続きを読む治のあり方を提示する。

[ 目次 ]
第1章 大型商業施設への依存が地方を衰退させる
第2章 成功事例の安易な模倣が地方を衰退させる
第3章 間違いだらけの「前提」が地方を衰退させる
第4章 間違いだらけの「地方自治と土建工学」が地方を衰退させる
第5章 「地域再生の罠」を解き明かす
第6章 市民と地域が豊かになる「7つのビジョン」
第7章 食のB級グルメ化・ブランド化をスローフードに進化させる―提言1
第8章 街中の低未利用地に交流を促すスポーツクラブを創る―提言2
第9章 公的支援は交流を促す公益空間に集中する―提言3

[ POP ]


[ おすすめ度 ]

☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度
☆☆☆☆☆☆☆ 文章
☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー
☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性
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☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度
共感度(空振り三振・一部・参った!)
読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ)

[ 関連図書 ]


[ 参考となる書評 ]

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Posted by ブクログ 2017年10月31日

成功事例の模倣による地域再生がうまくいかない理由を解き明かし、「土建工学者などが提案する提供者目線の机上の空論」ではない「地域の現場・市民との交流」から感じとったエピソードにもとづく地域再生に向けた提言を行っている。
本書の内容には、地域再生についての鋭い洞察が含まれていると感じた。ただ、根拠が明確...続きを読むでない決めつけ的な論調が少なくなく、著者の提言についても十分に説得力があるとは感じられなかった。

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Posted by ブクログ 2014年12月23日

地域再生とは何かについて、市民と地域が豊かになることを問い質す1冊。解決策として需要創出する交流の場を設けること(食と街中の未利用地の活用)を打ち出し、地域全体、個店単独ではなく、地域全体で利益を出すことを提案している。メモ。(1)地域全体で利益を上げるための戦略的な赤字設備の設置。(2)公的支援は...続きを読む需要吸引型の箱物ではなく、交流を促す公益空間に集中する。

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Posted by ブクログ 2014年03月07日

私益より公益を重んじた地域振興をテーマに、地域再生プランナーである著者による、廃れる地域を再生する際の方針策定をはじめとした課題の紹介と、解決策の提言。
スローフード推進、街中スポーツクラブ建設ありきで論が進められている感が否めないが、課題は具体的な地名を出して紹介され、多くの知見が得られる。
解決...続きを読む策は、筆者の求める結果ありきな気がする。すなわち、紹介される反論以外にも論理が弱そうなところがある感がある。しかし、地域振興に限らず、何かの提供者として学ぶところは多いと感じた。

レバレッジメモ
・アンケート調査は結果ありき
・「(地域再生の)成功事例」の捉え方が土建工学者や自治体(提供者)と地元住民(消費者)で異なる。提供者目線では地域再生
・誤った前提から次々と導かれる誤った施策が、地方街中をさらに疲弊させる。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2013年07月31日

【内容】 社員を大切にしない会社は歪んでいく。それと同じように、市民を蔑ろする都市は必ず衰退する。どんなに立派な箱物や器を造っても、潤うのは一部の利害関係者だけで、地域に暮らす人々は幸福の果実を手にしていない。本書では、こうした「罠」のカラクリを解き明かし、市民が豊かになる地域社会と地方自治のあり方...続きを読むを提示する。 (「BOOK」データベースより)

【感想】 地域再生プランナーによる地域再生を考える一冊。再読。いろんな地域を歩いて考えた事例が記されており、参考になる。全国各地、いろんな地域の成功・失敗事例を知ることは大切。その上で、自分の地域にとっての最良の方法を探ることが、もっと大切。きっと他の都市にヒントはあっても、アンサーはないんだと思う。

・筆者の7つのビジョン(P180)
①私益より公益
②経済利益よりひとの交流
③立身出世より対等で心地よい交流
④器より市民が優先される地域づくり
⑤市民の地域愛
⑥交流を促すスローフード
⑦心の拠り所となるスポーツクラブ、居場所
・筆者の3つの提言
提言1 食のB級グルメ化・ブランド化をスローフードに進化させる(P205)
提言2 街中の低未利用地に交流を促すスポーツクラブを創る(P221)
提言3 公的支援は交流を促す公益空間に集中する(P237)

 本書で示されている視点や分析は、筆者の経験と知識に基づくもので、納得させられる部分も多い。最終的に示されているビジョン・提言の妥当性は、今後の分析や成果確認が必要だと思うが、地域再生という課題に取り組むために参考になる1冊である。

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Posted by ブクログ 2013年07月23日

各所で幾度となく繰り返されながら、未だこれぞといえる成功例のない「地域再生」。その阻害要因として著者が挙げるのが、高踏的な都市工学者、前例主義に固執する行政、既得権益層と化した商店主、などなど。彼らへの鋭い舌鋒は小気味良いものがあるし、IBMでマーケティングに従事していた著者ならではの「ニーズ」志向...続きを読むの論調はなるほどと思える部分も多かった。

しかし著者が言うように、市民のニーズを押さえないままの地域再生が問題だとしても、それ以前に、まず著者も言及している次の大きな疑問に答えなければならないのではと思う。

「需要側も供給側も、必要性を感じていないものに支援が必要なのか?」

そもそも地域再生は誰が欲しているのか。これに的確に答えるには、「物語」や「地域に対する愛情」等を根拠とする著者の立場はややナイーブ過ぎるのではないかと思った。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2012年10月24日

 立派なJRの複線があるのに、一年に一回東京に行く事が便利になるというだけで新幹線の開通を心待ちにしている地域の人々もこの本を参考にすべきです。新幹線にかかる費用よりもずっと安く、列車本数を増やしたり新型車両を導入したりで、日々の通勤通学をもっと便利にすることができるのに。
 最後の方で、噴水で遊ぶ...続きを読む子供たちの声がうるさいから、裁判所命令で噴水を止めた、という話。近隣の高齢者の訴えによるものらしいですが、どこにでもちょっと変わった人っているもんなんですね。年とってるから、余計に意固地になってるんでしょうね。

 

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Posted by ブクログ 2012年01月21日

自治体が、専門家からの成功事例に価値を置き、市民、顧客志向に欠けるとは思わない。かなり考え方に偏りがある内容だなぁと感じました。ただ、地域の衰退に、縦割り組織の弊害があるのは事実だと思うし、私益より公益、経済的な利益より人との交流を重視する地域づくりには共感を覚えました。

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Posted by ブクログ 2013年11月24日

・日本全国の様々な場所での地方再生の取り組みが書かれているので、自分の出身県の事例を見るだけで楽しめる

・基本的な著者のスタンス
  悪者 …土建工学者、自治体、商店主 →おっさん連合
  善者 …消費者 →若者、女性、子供

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