【感想・ネタバレ】春のめざめは紫の巻 新・私本源氏のレビュー

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Posted by ブクログ 2015年09月29日

 田辺聖子は特に好きな作家の一人だが、その中でもこの本は何度読み返したか分からない。

 一口に言ってしまえば源氏物語のパロディであるが、本家を超える面白さがある。その理由は登場人物の魅力にある。
 光源氏は低俗で情けない人物として描かれているが、源氏を取り巻く女性たちは対照的に、鮮やかで生き生きと...続きを読むした魅力にあふれている。

 紫の君は、はねっかえりで源氏をいつもやりこめてばかりいる。女三宮も溌剌としていて天真爛漫だ。玉鬘は源氏の古臭い色香に惑わされず、運命の相手を自分で選び取り、空蝉は自ら大胆に源氏を誘う。

 彼女たちは常に自分の気持ちに正直に生き、潔い。真っ直ぐで大胆で、それでいて馥郁とした美しさと気品を持ち合わせている。
 男の気まぐれや都合に翻弄され、泣き寝入りをしてきた源氏の女たちにはない、凛とした強さがある。

 本当にみんなチャーミングだが、特に紫の君は魅力的だ。
 やんちゃで、お転婆で光源氏に対してずけずけと言いたいことを言うが、心の底では光源氏を大切に想っている。思いっきりツンデレなんだよね・・・。わがままで勝ち気だけど根はやさしい。
 美少女のツンデレほど美しいものがあるだろうか。
 
 やはり光源氏という男は幸せ者なのかもしれない。

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Posted by ブクログ 2011年11月18日

さすがの光源氏も中年になれば、若い子からは、イタイおじさんか…私も気をつけよう……と思ってしまうほど、ムリなく読めて面白い。御大の力を感じます。

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