【感想・ネタバレ】高校生からのゲーム理論のレビュー

\ レビュー投稿でポイントプレゼント / ※購入済みの作品が対象となります
レビューを書く

感情タグBEST3

ネタバレ

Posted by ブクログ 2023年09月29日

ゲーム理論を現実世界の事例を用いてわかりやすく面白く説明している。
恋愛・PK戦・きつねの手袋・いじめなど多岐に渡ったジャンルが述べられており、事実や筆者の考え、理論からの解説、全てが面白かった!


<世の妻が口うるさいのも全く同じ原理だ。結婚前はあんなにお淑やかだったのに、と嘆く貴兄は男女の戦略...続きを読む的関係がわかっていない。離婚のコストは高いが、恋人なら「ごめんなさい」の一言で別れられる。恋人が口うるさくないのは「退出」というオプションを持っているからなのである。>(P.112)

<序章の最後で、自分が当事者でありつつも、外から見る目を養うことがゲーム理論を学ぶうえでの第一原則だと述べた。しかし、人生の目的が幸せを追い求めることにあるとすれば、ゲーム理論を活かす上での第一原理は、相手のことを思うことであると言っても過言ではない。>(P.172)

0

Posted by ブクログ 2016年01月28日

タイトルに「高校生からの」とあるが、「ナッシュ均衡」や「囚人のジレンマ」はP18~27のたった10ページで説明されており、全く知らない人がゲーム理論を体系的に知るのに適しているとは言えない。
ただしジョークを交えた文体で、読み物としては読みやすい。

一方、本書のほとんどはゲーム理論の社会への応用で...続きを読む占められている。
それはまえがきの「恋愛」から始まり、「戦略編」「歴史編」「市場編」「社会編」からなっており、経済はもちろん、サッカーのPK、デートの待ち合わせ、共働き、格安航空会社の破綻、サラミスの海戦(ペルシアと古代ギリシアの海戦)、三国志、法規制といった多様な現象にゲーム理論を当てはめていく。

ところが、最後の「未来編」では、突如としてソクラテス、プラトン、アダム・スミス、デイヴィッド・ヒューム、デカルト、ルソー、カント、アインシュタインといった人々が登場する。
そこで書かれているのは「科学哲学としてのゲーム理論」と言えるようなものだ。

本書は「ゲーム理論の理解によってより良い社会を作ることができる」という思想に基づいていて、そのための手引きを若い世代に託したい、という著者の思いが、文章全体、特にこの「未来編」から伝わってくる。

0

Posted by ブクログ 2013年01月27日

 いろいろな事例をゲーム理論で考えてみるとどうなるかというのを記しながら、ゲーム理論の基礎の基礎について述べた本。専門用語もそれほど取り上げておらず、ゲーム理論自体についての概説本というよりも、ゲーム理論からいろいろなことを考えてみるもので、この本でゲーム理論の全体像が分かるものではない。
 しかし...続きを読むながら、実際にどのようにゲーム理論が実際の世の中に当てはめて考えることができるのかを、平易な文章で分かりやすい内容で伝えているので、非常に読みやすい。また、著者の個人的な話と絡めていじめの話を取り上げているので、とても興味深く読めた。

0

Posted by ブクログ 2012年11月05日

「高校生からの」と言うくらいやさしいゲーム理論の入門書です。とは言え、数学的な話とかは何にも出て来ません。これだけでゲーム理論がわかったりはしません。そうした意味のゲーム理論の入門書は、他にたくさんあります。
でも、この本のいいところは、人と人の相互的な行為として営まれる社会現象をゲームとしてモデル...続きを読む化して解析しようとするゲーム理論の根本みたいなところを、丁寧に示してくれるところにあると思います。ですから、ゲーム理論入門にトライをかける前に、入門のそのまた一歩手前みたいなところで読んでおくとよい、お薦めな本です。

0

Posted by ブクログ 2022年05月01日

ゲーム理論に関する本を読んだのも、本作で3冊目となります。まったく数式も出てこないので一番分かりやすくゲーム理論って何?といったところでは理解しやすかったです。

0

Posted by ブクログ 2020年07月17日

経済学者 松井彰彦氏がゲーム理論について解説した2010年の著作。ゲーム理論の対象は自分の利得が自分の行動の他、他者の行動にも依存する状況を意味し、経済学を始め、経営学、政治学、法学、社会学、人類学、心理学、生物学、工学、コンピュータ科学などのさまざまな学問分野に見られます。本書では、具体例を挙げな...続きを読むがらゲーム理論を解説しています。まずは実際にどんな事例があるのかを学んでから、理論を学びたいと思う人向けの入門書です。

0

Posted by ブクログ 2018年10月20日

ゲーム理論を分かりやすい例で解説する。人間関係を分析する手段としてゲーム理論を使う。まずは理想的な簡略化を行って、自分の手を相手もいることを考えて考えることにする。

0

Posted by ブクログ 2015年05月26日

とてもおもしろかった。
囚人のジレンマなど、ゲーム理論でよく知られた話が、もちろん出ているのだけれど、さまざまなケース、さまざまな角度から説かれているのだ。
例えば歴史上の有名な戦いを、ゲーム理論で読み解いたりするのも、そういう見方があるのか、と興味をそそられる。

個人的な偏見かもしれないけれど…...続きを読む
ゲーム理論というと、金融工学とか、何かそういった生臭い興味で語られることがあるように思う。
著者、松井さんは、ゲーム理論は「人間の科学」を志向するものだ、つまり人と人との関係を解明するものだ、と言っているのが、とても新鮮だった。
そういう方向で活用されるのならいいな、と思う。

0

Posted by ブクログ 2014年07月22日

出だしは良かった。中頃から中途半端な経済の話に。もっとゲーム理論の事例や理屈の解説が欲しいところ。でも勉強にはなる。

0

Posted by ブクログ 2013年09月22日

非常に読みやすく、面白かった。高校生にもお薦めの1冊。
最初の方は確率の話などが少しややこしいが、進むにつれて面白さを増した。
特に最後の章は圧巻。ヒューム認識論といじめ問題とゲーム理論を組み合わせた話や、プラトンのイデア論「洞窟の影」を「経済学者とビジネスマンの関係」に喩えるとか。

哲学の言葉は...続きを読む、どうしてこうも高揚させるのだろう。
思考の根本の奥底を掴んで押さえ付けるような、えもいわれぬ美しさがある。
もう少し手を伸ばせば触れそうな、もう少し首を伸ばせば見えそうな、もどかしさを伴う期待感を噴出させる。

0

Posted by ブクログ 2013年01月14日

ゲーム理論の基礎について色んな実例を交えながら学べる一冊。
西洋合理主義に基づくゲーム理論なだけに(本書でかじっただけの浅はかな知識ですが)
ともすれば実利のみを追求するような議論になりがちですが
この本はしっかりと東洋思想も組み込まれた構成になっておりバランスが取れた一冊です。

経済的な視点だけ...続きを読むでなく人間関係に関しても色々示唆に富んでいて
これからはまた新たな視点で物を考えられそうな気がします。

子供が高校生になったら是非読んで貰いたいです。

0

Posted by ブクログ 2022年01月21日

高校生からの、と謳っているだけあって非常に読みやすい。

しかし自分に関していえば、ゲーム理論を理解できたのかどうか不安。
もう少し別の本で学び直したい。

歴史の挿話は非常に面白かった。

0

Posted by ブクログ 2020年11月08日

高校生もわかる本ということで、学問的・ビジネス的ではなく恋愛やスポーツなどの例からゲーム理論を考察しており面白かった。
特段、新規の発見がなかったのが残念。

0

Posted by ブクログ 2020年02月22日

ゲーム理論苦手ーって意識があるまま読んで、ものすごーくわかりやすいわけでもなく、例えがなるほど、というものでもなく。
第1章に本質がまとめてあるので、そこ読んだら十分かも。

0

Posted by ブクログ 2019年06月17日

「高校生からの・・・」というタイトルに違わず、身近な例からゲーム理論の基本をわかりやすく教えてくれる本。

ゲーム理論というと(トランプとかモノポリーとか狭い意味での)ゲームのカラクリを研究するガクモンのように思っちゃうけど、実はさにあらず。かけひき理論、とでも言った方が誤解は少ないような気がする。...続きを読む

Wikipediaにもあるように、

・ある特定の条件下において
・利害が異なる複数の主体の間で生じる
・戦略的な相互関係

を研究するものであり、その「特定の条件」と「相互関係」がゲーム理論をゲーム理論と呼び習わせているミソなのだろうと思われる。

さて、この本。
恋愛談義から始まって、サッカーに興じたり、ギリシャ故事や三国志をひもといたり、きつねの手袋に涙したり、いじめ問題と取り組んだり等々、多彩なたとえ話が楽しい。(そっちが活き活きし過ぎていて時々話の本筋が見えなくなっちゃうのはご愛敬(笑))

まあ、「ナッシュ均衡」とか「囚人のジレンマ」といったゲーム理論ではおなじみの用語も出て来つつ、まずは簡単なところからゲーム理論の本質的な考え方を捉えてみよう、という筋になっていると思う。

その本質とは、120ページに出てくるとおり、

「さまざまな現象を、(感情なども加味はするが)損得計算という観点から分析しようとする。」

ということ。

人間や社会はなかなか理屈で割り切れるものではないけど、登場人物同士の関係性(損得利害)に話を単純化することで、ものごとのカラクリが意外に見えてくる、と。

なかなか勉強になる本でした。

0

Posted by ブクログ 2019年01月31日

初めて、ゲーム理論についての本を読んだ。

読んだらわかったようでわからなかったが
一つ一つの例えが面白かった
もう一度読み返してみる

0

Posted by ブクログ 2018年11月05日

ゲーム理論の入門書。歴史から市場から社会まで幅広い事例をゲーム理論の切り口で切ってみせる。

顔の見えない競争(「退出」が重要)と見える競争(「声」が重要)の対比が興味深い。実社会では、オープンな市場よりも組織内での取引(顔の見える)の比重が高いのだから。

0

Posted by ブクログ 2021年08月08日

身近な問題をゲーム理論を使って解説しているところは面白かった。特にいじめ問題の解説は、ゲーム理論の守備範囲の広さを知らしめる好例であった。

0

Posted by ブクログ 2016年08月01日

松井彰彦氏の文章は読み手に伝わるように書かれているため、ゲーム理論について初めて読む人におすすめ。
恋愛やサッカーのPKなど身近な例を引き合いに説明してあり、複雑なゲーム理論も理解しやすい一冊。

0

Posted by ブクログ 2016年03月20日

ゲーム理論を高校生向けに書いたもの。難しい数式はない。ただ何となくわかった気がするが、まだスッキリしない。ゲーム理論というメガネを通して物事を別の捉え方ができる事がわかった。でももう一度読み直しだね。

0

Posted by ブクログ 2014年07月26日

教室のいじめからエア・ドゥーの破綻まで日常見かけるあの場面やこの場面をゲーム理論で読みこなしていく一冊……なのだろうか? ゲーム理論というよりも、傍証や例えの分量が多く、ゲーム理論の本を読んだという印象がかすむ。

0

Posted by ブクログ 2014年02月20日

MBAの講座でゲーム理論の面白さにちょこっと出逢った。

人の行動はある意味で何らかのゲームを演出しているのかもしれない・・・
そして、
それは、人間だから。。。
つまり、人間という素晴らしい生物が持つ感情があるからだから、
と思うのである。

だから・・・
ゲームという安定的なパターンとしてまとめ...続きを読むきることができないが、
ひとつのミカタとして、現象を観てみると、
な~~るほどっとつながるストーリーがある楽しさがあった。

日々の何気ない現象や行動について、
ゲーム理論というミカタで観た身近なストーリーの一冊。

結構複雑な理論が展開されるところもあるが、
自分に近いところでゲーム理論を楽しめるのではないだろうか?

0

Posted by ブクログ 2014年02月06日

20140206 タイトルの通り分かりやすく解説してくれて読みやすい。世界平和の実現にも役立つのではないだろうか。

0

Posted by ブクログ 2013年11月16日

流石にサクッと読める。「顔の見える競争」について、「退出(市場競争)」と「声(組織的な改善)」のトレードオフについての議論は面白かった。あと、最後にヒュームの人性論に踏み込んでたのも面白かったなぁ。

0

Posted by ブクログ 2013年10月28日

高校生が読む入門書って感じではなくて、経済、ゲームネタのコラム集のような色彩。勉強というよりかは読み物として楽しみましょう。エアドゥーがなぜ失敗したかあたりの分析が面白かった。

0

Posted by ブクログ 2013年05月30日

2冊目。ゲーム理論についての入門書。
ゲーム理論の事例がいくつか紹介されていました。
面白かったのは、タルムードの財産分割のところ。(pp.41~47)
ある男が借財を背負ったまま破産した。債権者はA、B,Cの3人いて、それぞれ100、200、300であった。残念ながら男の資産は600には足らず、債...続きを読む権者たちは何がしかの金額をあきらめなくてはならない。
上記の場合のタルムードの規定が、ゲーム理論でいう「仁」の解と同じらしい。資産額の多寡によって、分割のルールが異なるという点と、ユダヤ人がそのルールを公平と考えていた点が興味深い。
本書には、ゲーム理論とはそもそも何か、という説明が少なく、事例をあげて「こんな感じなのがゲーム理論ですよ」というスタンス。分かったようなわからないような・・・。
ヒュームの説明をしたところが、「倫理」の授業で使えるな、と思いました。
(つちなが)

0

Posted by ブクログ 2013年03月06日

ゲーム理論の入門書。ゲーム理論とはどんな使い方をするものなのかについて書かれている。
実例も多く、図解も多くてわかりやすかった。

■この本を知ったきっかけ
 本屋で見かけて。
■読もうと思ったわけ
 ゲーム理論について知りたくて。

0

Posted by ブクログ 2013年01月13日

松井彰彦著「高校生からのゲーム理論」ちくまプリマー新書(2010)
*離れて人間関係を読む事は大切である。当事者なのに離れてみる。でも心はあついままに。幽体離脱では有るまいし、と思うが、この幽体離脱のような離れ業こそ恋愛だけではなく、社会科学にも必要な物である。マーシャルという経済学者も「熱き心と冷...続きを読む静な頭脳」といっている
*顔の見える競争は競わせる側にとって望ましい事が多い。1つは競争をより多くさせるように報酬をコントロールすることができる。報酬のほか、表彰、出世の可能性を開く事でより一層の努力を引き出す事ができる。さらに、顔の見えない競争と違ってしばしば長期的な競争になるため、一時的な足の引っ張り合いの効果も薄れそのようなネガティブな行動がばれやすいため競争の中にも協力関係が生じやすい。

0

Posted by ブクログ 2012年10月11日

Twitterで好き勝手つぶやいていたらあるときいろいろな意味で有名な池田信夫さんから「それはフォーク定理ではナッシュ均衡だから~」という返信が来た。
さっぱりわからなかったのだがどうやらゲーム理論に関することだということだけは判明したのでダッシュで池袋のジュンク堂にいってこの本を手に取った。
フォ...続きを読むーク定理については載ってませんでしたが、ナッシュ均衡についてはなんとなくイメージくらいは掴めたかな。
文章も内容も具体的でわかりやすいので入門書としてはなかなかのものだと思う。

0

Posted by ブクログ 2018年10月31日

三国志やエア・ドゥの航空業界参入、いじめ問題といったわかりやすい例を取り上げて説明しているので、読み物としてはとてもおもしろい。ただ、私の目的だったゲーム理論の入門書としての役割は果たしているのか、読み終えてもよくわからない。ある意味、それくらい敷居は低く、読みやすい。

Give&Take...続きを読むで両者がWin-Winの結果をもたらすことを探るのがゲーム理論の醍醐味だろう。ただ、いじめ問題においては、1人がいじめられている状態が「均衡」になってしまうのが悲しい事実。本人の対策としては、クラブ活動に参加して交友関係を広げ、友人関係を固定しないことが有効なのではないか。外部から解決するためには、新たな均衡に移行させるための頻繁なクラス替えをするのはどうだろうか。あくまで均衡を崩せばよいのなら、という思いつきにすぎないが、そんなことも考えさせられた。

人間関係の大きなメカニズムをゲーム理論で理解すれば、それをベースにして個別のケースに応用できるだろう。その意味では、これは隠れた名著かもしれない。

・啓蒙思想の中心は18世紀にフランスからスコットランドに移る。ヒュームは、カントを独善のまどろみから目覚めさせ、アインシュタインの相対性理論誕生に寄与し、アダムスミスの経済学に多大な影響を与えた。

0

「雑学・エンタメ」ランキング