【感想・ネタバレ】ダリの繭のレビュー

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Posted by ブクログ 2022年05月01日

やっぱり短編より長編の方が読み応えがある!
手がかりが少しずつ発見される過程が丁寧に描かれているので引き込まれる。
幾つもの要因が絡まりあう謎にはそれぞれの理由があり、無理なく説明がされていて良い。
最後はしんみりしちゃったけれども、きれいな終わり方だったなぁと思う。
アリスたちの掛け合いもコミカル...続きを読むで、ミステリも楽しかったので、本当に面白かった!

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Posted by ブクログ 2022年01月21日

読み終わるのに10日ほどかかった。
白状すると、最初の方は特に引き込まれないというか、ノってこないというか、とにかく寝落ちをしまくった。
でも謎がどんどん深まり火村が「分かんねぇんだよな」と呟くところに同感し、二転三転する犯人像にこの話はきちんと解決するのかと不安になった。残り少なくなるページにやき...続きを読むもきしていたけど、とある真実から一気に急展開。うわあああ面白いとなって読み進めた後、十章の展開ととあるセリフに胸を撃ち抜かれお手上げ。
有栖川有栖の作品は、警察に引き渡す前に犯人に真実を突きつけ、その後犯人が自白するのがお決まり。私はその独白のシーンで有栖川有栖にどっぷりはまったんだけど、これはもうあまりにも美しい最後で、読んだ瞬間ああ……とため息が出ちゃったわ。
そのシーンを見ただけで私はこの作品を読んでよかったと思った。

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購入済み

最後は少し泣いてしまった…

2024年01月14日

犯人はだれだだれだと話しが進み、ようやく犯人が明かされたときは少しだけ泣いてしまいました。

被害者?側の話はダリだとか繭だとかで重いので、火村先生のアリスさんに対する愛ある毒舌が話を陽の方に傾けている気がします。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2023年06月11日

タイトルで面白そうとは思わなかったけど読んでみたら面白くてビックリ。
ただ実際に出来るのかちょっと疑問な所はあった。
そしてカナリアが心配になってしまう。

人が皆繭を持ってるなら、私にとっての繭は何だろうと考える。




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Posted by ブクログ 2023年06月01日

なんだかふしぎな話だった。
ミステリとしては、「えー」って思うようなところがそれなりの理由を持って説明されるので、わりとすっきりした感じで読めてよかったし、ダリと繭のイメージが印象的でそこがよかったな。
幻想とか妄想とか感覚とかの揺らぎとか現実との乖離とか、TRUMPシリーズの繭期のイメージもあって...続きを読むすごい不安定でもろい感じがしたんだよね。

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Posted by ブクログ 2023年03月24日

前半はかなりのんびりした感じなので飽きずに中盤まで一気に読むのが良さそう。一度前半途中まで読んで飽きてたので...

まだ2作しか読んでいないのですが、有栖川作品、最後が物悲しいというか切ない感じが多いのでしょうか。
最後の描写好きでした。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2022年10月09日

何度読んでも悲しくなる。 その動機も、結末も、明かされる弟たちも恋人も、明かす火村もアリスも、何だか全てが悲しい。 ダリに魅せられ、でもダリにはなれなかった被害者。 繭のカプセルがどうしても怖い。 殺人が起きて、解決までの道のりに大小謎が多すぎるのも、色んな人が疑われて、関係ない秘密も暴露される。事...続きを読む件て色んな人を傷つける。解決して謎という面ではスッキリするのに、悲しさのせいでもやもやしたまま。 でも、きっとまた読むと思う。

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Posted by ブクログ 2022年03月19日

徐々に明らかになっていく真相。探偵役の火村からではないところもあり斬新だった。ダリの繭というものを用いた犯罪もアイディアを感じた。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2021年10月24日

火村&有栖シリーズ第2作(角川文庫1作目)。今回は状況からこの人が犯人だった人以外以内という結論を早めに出すことができた。そこから、動機や方法をある程度推測することができた。孤独な社長は可哀そうにも見えたが、計画を立てるのは完全な悪だし同情はできないし自業自得。また、犯人に関しては追い打ちをかけてし...続きを読むまったのはダメだが、仕方ない部分もあるとは思う。人間の感情の動きなどを読むのはとても楽しかった。

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Posted by ブクログ 2021年08月28日

とても丁寧で、ある種の安心感を抱きながら読むことができ、最後には程よい驚きを味あわせてくれる。

"なぜ遺体にトレードマークの髭がないのか"
"いつもと違ってなぜフロートカプセルは50分に設定されていたのか"
などの奇妙な謎を残したまま、一つ一つ手がかりを提示...続きを読むしていく。
それらの謎が綺麗に解かれる様も鮮やかだし、手がかりを基にした推測で犯人を指し示しながらも、最後には失言によってロジカルに犯人を特定しているところも好印象。

学生アリスシリーズとは少し雰囲気が違うが、このシリーズにも既にハマりかけている。

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Posted by ブクログ 2021年08月13日

「超現実主義」者であるサルバドール・ダリに心酔していた宝石商の社長が殺害されたが…という話。

様々な人間が犯人なのじゃないかと匂わせながら、最終的にたどり着くのは殺人という非現実的な行為をした人物の解明。彼の「繭」の中において、殺人はとても現実的な行為であるのかもしれないけれど、周囲の人間から見た...続きを読むらやっぱり非現実的な行為に映ってしまう。

人が取り扱い、人が裁くものでありながら、その判断を下すための根拠が曖昧で脆すぎる。火村の言う通り、罪というのは人間が都合よく生きるために作り出した不完全な社会システムであり、非常に不確定なのかもしれない。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2021年04月14日

火村英生シリーズ第二弾

人間の嫉妬心は怖い。
現実にも似たような感情で殺してしまう事があるけれど、この作品内では計画性を持ってと言うのがまた…

誰かを殺してでも一緒になりたい人がいると言うのは素敵な事の様に思うけれど、それを実際に実行してしまうのはもはや愛情云々と言うより狂気に思える。
しかも最...続きを読む後に分かった事実が事実なだけに、なんとも物悲しい気持ちになりますね。

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ネタバレ購入済み

2021年01月16日

錯乱した現場、混乱した被害者・加害者・第三者の立場。前作よりさらに、人の内面にウェイトをおいた謎解きが面白い。秀一のフロートカプセル、優子のライトハウス、相馬の女装癖etc. 例え共感されずとも、その人にとって特別な繭というのはある。守られた世界、あるいは子宮内の楽園。それが動機となっているのが悲し...続きを読むく、冒頭を読み返すと一層哀れだ。
それにしてもアリスが小説を書くのも、意外に重い理由があるんだなぁ。知らないだけで皆いろんなものを背負ってるもんなと暗くなりかけたところで、絶妙に新婚ごっこをやる二人。いいコンビ。

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時代に慣れれば面白く読めます

xfh
2019年10月14日

昭和後期~平成初期らへんの時代感覚です。
携帯電話がありません。ワープロ、ラジカセ、自作のカセットテープ、店探しはタウンページ、買い物はテレフォン・ショッピング。
オフィスの自席で喫煙、40代の登場人物の父親が第二次世界大戦に出兵経験あり、など。
また、作家アリスシリーズの最近の作品を先に読ん...続きを読むだ人は、この本の火村先生に違和感を抱くかもしれません。女嫌い設定が前面に出て、煙草のマナーもちょっと…、あと警部や容疑者に横柄というか、それにセリフの語尾もちょくちょく変です。

でも長編本格推理小説としてとても面白いので、もろもろの違和感に目を瞑ってガッと読んでほしいです。

大きく分けて2部構成です。
前半は、容疑者の一人が「こりゃコイツが犯人だわ」と早々に決着しそうになり、その真偽に火村先生とアリスが立ち向かう流れ。
後半は、全ての容疑者に新事実が次々と発覚し「コイツこそ犯人だ」がひっきりなしに繰り返される流れ。
個人的には後半の方が楽しめました、テンポが良いです。
反対に前半の、被害者の死体を見つけるくだりは「話の流れで分かるよ、そん中に死体があるんだろ、ちゃっちゃと進めてくれ」と思いました。

この本のテーマは「繭」です。
己の心を護る繭。それを護るためなら偽証だってする。己の繭について警察に正直に話せばアリバイが成立する人ですら、繭のために「犯行時間帯は一人でした」と言う。
アリスや火村先生の繭にも言及します。アリスが火村先生の繭に踏み込めないのは最近の作品でも同様ですね。それだけ火村先生の過去や内面に深い何かがあるんだろうなと思います。

あらすじのとおり被害者からは特徴的な髭が消えているのですが、その理由、凶器に隠された新事実、この人物は冤罪なのか?事件に関わっているのか?、アラームは何故10分だけ普段より遅く鳴る設定に変えられていたのか、犯行現場と死体遺棄現場が異なる理由…、謎は山ほどあります。
火村先生がそのすべてに理由をつけ、最後には真犯人をズバリと当てるのが爽快です。

あとは女性ファンが驚いた(喜んだ?)セリフ、アリスと火村先生の「まるで新婚家庭」「新妻になったような」「新婚ごっこはもう終わりだぜ」などのセリフが出て来るのはこの本です。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2019年04月12日

幻想を愛し、奇行で知られたシュール、リアリズムの巨人ーサルバドール・ダリ。宝飾デザインも手掛けた、この天才の心酔者で知られる宝石チェーン社長が神戸の別邸で殺された。現代の繭とも言うべきフロートカプセルの中で発見されたその死体は、彼のトレードマークであったダリ髭がない。そして他にも多くの不可解な点が…...続きを読む。事件解決に立ち上った推理作家・有栖川有栖と犯罪社会学者・火村英生が難解なダイイングメッセージに挑む。ミステリー界の旗手が綴る究極のパズラー。

ドラマを観た後に再読。
誰かがレビューか何かで言ってたけど、「繭」っていい表現だな、というのに共感。
「殻」や「壁」ほど固くなく、高くなく。
外からは、透けて見えそうで、見えない。
簡単に破れそうで、破れない。
中にいると居心地がよくて、出たくなくなる。

最後の飛行場のシーンがすごく印象的なので映像で見たかった。本当にある場所らしいので、行ってみたい、と思っていたけど、もうないんだったっけ?

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Posted by ブクログ 2017年03月09日

殺されるのは一人だけであるにも関わらず、読み進めていると状況が二転三転。
その情報の出し方が上手くて、最後までぐいぐい引っ張られた。

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Posted by ブクログ 2019年10月07日

温泉旅館で再読。この作者の、別の短編集「暗い宿」を再読したばかりだったので、旅先で本が読みたくて持参した。
作家アリスの小説を書き始めた思い出は、初めて読んだ中学生だか高校生だかのころには、あまり共感できなかったけれど、この年になってわかるようになってきた。
というか、若い頃、思春期の女の子特有の、...続きを読むある種の残酷さそのものなのかも。
小説家っていうのは、本当にいろんな立場のいろんな人のいろんなものの見方を「理解」することができるんだろうなぁ。

作中の火村とアリスの「理解できる」という共通の口癖には共感した。
私もそうありたい。目指しているけど、たどり着けているかな?

20191007 再読
「理解できる」口癖、今も私の人付き合いの指針になってる。モットー。
「理解できる」というよりは、「理解したい」と思って過ごしている。理想とする大人になるために。
こうやって、肥やしになって読んだ人に定着していく。心の栄養だなってしみじみ思う。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2024年04月21日

「自分にとっての繭はなんだろう?」と読んだ。
作家アリスシリーズは面白い!
やっぱり本格ミステリはいいな〜

正当防衛とは思わなかった!
トリックも良かったです!

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Posted by ブクログ 2024年04月12日

作家アリスシリーズの二作目でした。
火村さんはカッコ良いですねぇ。惚れ惚れします。ストーリーは読み易く、トリックも中々のものでした。続きが楽しみです。

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Posted by ブクログ 2022年03月14日

中盤くらいまであまり読み進まなかったけど、曝露が始まってから推理がどんどん進んだ。

火村さんシリーズも好きで、推理の行動範囲が広まるけど、やっぱ大人になるとどうやっても男女のもつれの類が入ってくる。学生アリスシリーズは青年達の奮闘が面白かったんだよなーと思いつつ、大人の推理を堪能。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2021年12月05日

事態が一転、二転、三転して読みながら翻弄された
犯人を特定する手がかりが出てきても、すんなり事件解決に向かうのではなくて、さらに謎が深まるのも面白い
でも、それがちゃんと糸口になっているんだから凄い
「安らかに眠りなさい」の一文が好き

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2021年11月09日

フロートとか髭とか、犯人に何かそうせざるを得ないのっぴきならない理由があったのか?!とワクワクしてたけど、まぁそっか、そんな理由はやっぱないか笑(特に髭)

本筋とはあまり関係ないけど(いや見方によっては大アリだけど)、結婚相手を決めるのにインチキ臭い占い師を頼る人がそんなに魅力的かねぇとは思った

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Posted by ブクログ 2020年12月27日

推理しながら読むのに楽しかったですね。凶器、アリバイ、血痕などなど要素がたくさんあって犯人誰か考えながら読むのに良いミステリーでした。

学生アリスのが好きですが、火村シリーズもまだまだたくさんあるので楽しみです。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2020年11月06日

作家アリスシリーズ2作目。
アリスの友達が事件に関わっており、
火村にも依頼が来て事件が始まる。
この作品は犯人が嘘をついているので、
読み進めないと話が読めてこない。
一人の女性を巡る恋の物語。

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Posted by ブクログ 2020年10月02日

シリーズ作品。
今回の事件は真相が全く読めず。

事件そのものよりも、フロートカプセルの存在が気になる。
気持ち良さそう。入ってみたいな。

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Posted by ブクログ 2020年03月08日

再読。髭の顛末については覚えていたんだけれど犯人が誰だかは曖昧にしか覚えていなかった。犯人が誰なのか二転三転するが肝心の謎解きはあっさりめ。作家アリスシリーズとしては古い作品なのもあってか火村先生のキャラが今とは若干違うように感じられる。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2019年05月21日

サルバドール・ダリを愛する社長が殺された。
不可解な状況、ご自慢のダリに倣った髭も消えていた…。
臨床犯罪学者、火村と推理作家、アリスが事件に挑む。

*****

火村英生シリーズ、2冊目。
シリーズ作品ながらいくつかの出版社から出ていて、時代設定も少し違ったりするみたいだからどれから読んでいいの...続きを読むかが分からない~でも、できるだけ順番(出版順?)に読みたい~と多分これが2作目だと思って読んでいる。
違っていたりして。

さて、私は1作目の『46番目の密室』より本作の方が読みやすかった。
何でだろ。
ダリについては本当に“髭”のイメージしかないので改めて検索してみたら独特…。
小説に出てくるダリの作品を画像検索したりして見てみたけれど、ちょっとグロテスクとも言えるような雰囲気のものもあった。
奇才ではあるんだろうな。

最後の謎解きの方は『46番目の密室』と同じく、ちょっと物足りない感じも受けたけれど、このままシリーズをコツコツ読んでみようかなと楽しみになった。

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Posted by ブクログ 2018年09月19日

ドラマ見て犯人がわかってたからか全然進まんかった。。 でも表現の仕方はやっぱ小説ならではの面白さがあるなぁと思いました。しかし、なんとも進まなかったので、ドラマ化されてる他の話は見るの考えようと思います。。
フロートカプセルはいってみたいなぁ。

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Posted by ブクログ 2018年02月19日

ダリを崇拝する宝石チェーン店の社長が、神戸の別邸で殺された。現代の繭とも言うべきフロートカプセルの中で発見されたその死体には、彼のトレードマークであったダリ髭がなかった。他にも不可解な点が多く……。

読みどころはアリスと火村の新婚ごっこかな?事件が少しずつ解きほぐされていくのが気持ちよかった。それ...続きを読むぞれにとっての繭。でもどうしても鷲尾さんが好きになれなくてラストもふーんって感じだったし社長がそこまでするほどか?って感じだったのでやっぱり動機とかはどうでもいい文化なんだな。

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Posted by ブクログ 2018年01月27日

想像していた以上に面白かった。謎解きとしては、それほどびっくりするようなトリックや仕掛けがあるわけでもないのだが、主人公たちの会話の中で何度か登場する「繭」についての議論は、少し文学的で考えさせられる内容で興味深かった。

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Posted by ブクログ 2018年01月24日

火村英生×有栖川有栖シリーズ2作目です。2016年1月期に斉藤工×窪田正孝でテレビドラマ化された際、第4話で放送されてます。前作より踏み込んで描かれる2人の関係と、有栖の過去も堪能出来ます。論理的に事件を解決する火村の観察眼は見事な物ですが、関係者のアリバイが・・・それ有りなの?と言う感じで私はいた...続きを読むだけませんでした。ダリの説明やオタクの説明。退屈な部分もありましたが、長編物はやっぱり面白いです。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2017年04月19日

作家アリスシリーズ2作目。
火村の33回目の誕生日を祝してフランス料理店で食事をしていた有栖たちは、宝石チェーンのオーナー社長・堂条秀一が若い女性を伴って来店したところを見かける。
後日堂条は、彼が繭と呼んでいたフロートカプセルの中で遺体となって発見された。
画家ダリに心酔していた彼が似せていたトレ...続きを読むードマークの髭を剃られ、現場には堂条の下着しか残されていない。
有栖のもとに警察から問い合わせの電話が入る。
大学時代の知人で、友人の結婚式で顔を合わせたばかりの吉住のアリバイを確認するためだった。
事件推定時間に友人・吉住には明確なアリバイがない。
しかも、吉住は堂条の弟で事件現場となった山荘にもたびたび出入りしていたという。
もともとの犯行計画。
どんなことをしても手に入れたいもの、他人には譲れないものがあったとしても、人はそう簡単に犯罪に手を染めるとは思えない。
やはり計画を思いついた時点で、歪んだ感情は狂気に支配されていたのだろう。
自分の態度がはっきりしなかったからと謝っていた・・・彼らにとっての女神。
本当に何の計算もなかったのか。
二人の男の間で、強い意図はなかったとしても、彼女にも事件の責任の一端がある。
そう思うのは女だからだろうか。
鳥羽のみやげ物屋にあった手作りの女神像。
ひとつひとつが手作りのため、よく見れば違いははっきりとわかる。
計画そのものが杜撰なこともあり、「殺す」という目的だけに目が行き、完璧な計画だと思っていたのは犯人だけだった。
すべてが思い通りになると、傲慢にも思い込んでいた男の最期を火村はどう受け止めたのだろう。
誰かを自分だけのものにしたい。
誰にも渡したくない。
それは愛ではなくて執着だ。
正当防衛が認められればいいと思ってしまった。
過剰防衛だとしても、情状が酌量されればと考えてしまった。

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Posted by ブクログ 2017年10月14日

火村シリーズ2作目、だと思います・・・。
なにしろいろいろな出版社から新書だの文庫だの多数でてるので。
発行日順に読んでいくことにしました。

まず最初、ワープロという単語に時代を感じました。
ワトソン役の有栖(アリス:推理小説家)が使ってるんですが、
今はもう聞かないなぁ〜。
それに、大阪球場跡地...続きを読む
劇団四季のドームシアターに住宅展示場。
そういえばそうでした。
あれはいつまでだったかな、すっかり忘れてました。

サルバドール・ダリに傾倒していた宝石商のオーナーが殺されます。
トレードマークのダリ髭を剃られ、カプセルの中に全裸で発見されました。
店はチェーン展開もしていて資産額が大きく、家族関係も一癖あり、
警察側は有りがちな考えに傾きかけますが、
火村は担当刑事からアドバイザーとして呼ばれ、
アリスは事件関係者の中にサラリーマン時代の知り合いがいたりして、
この同級生コンビが関係者に話を聞いていくうちに、
各自の普段隠されていた一面が見えてきます。

犯人側の因果は何となく理解できますが、
被害者側がちょっと弱かった気がします。
最初に死体として登場しただけなので影が薄いのは仕方がないとして、
人物像がぼんやりしていて、事件を重く受け止められないというか。
謎解きの醍醐味は事件関係者とのやり取りでしたが、
個人的には被害者の心理が一番ミステリーでした。

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