【感想・ネタバレ】きっと君は泣くのレビュー

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感情タグBEST3

Posted by ブクログ 2020年11月24日

面白かったです。サクサクと一気に読めました。
山本文緒さんが描く人間(特に女性)は「こういう人居る」と思えるキャラクターが多いから、その分感情移入して読める気がします。

この作品の主人公・椿も例外ではなくて、「こういう人って居るよね‥」って思いながら読みました。
美人に生まれて、それを自覚してるか...続きを読むらこそ同性に嫌われて、恋愛に関してもそこまで真剣じゃなくて‥あまり先のことを考えず、今だけを楽しんでいるような人間。
多分、読む人のほとんどがこの主人公をむかつくと思うだろうけど、私はそこまで感じなかった。美しく産まれた人特有の苦労というのはあると思うから、多少ひねくれるのも分からなくはない。
ただ、確かに想像力は足りないな、と思った。(作中で敵対する看護士の女性に、「あなたに足りないのは想像力」と言われるシーンがある)
23歳にして、順風満帆だった人生に影が差す。そこで初めて、人生における様々なことの大変さに気付く。
想像力が欠如していたからこそ、そこで初めて焦ったりしたのだろう、と思いました。

個人的に色々と重ね合わせて衝撃的でもあったし、ラストもある意味衝撃的というか‥バッドエンドまではいかないけどハッピーエンドでもないから、読後は何とも言えない気持ちになりました。けして嫌な感じはしなかったけれど、軽い気持ちで読み終えられる感じでもなく。。
これまでのツケが回ってきて、この先主人公・椿はどうするのか。その先は描かれていないからこそ、色々と考えてしまいます。

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Posted by ブクログ 2024年01月03日

自分が憧れた存在が、実は想像よりもダサい人生を送っていたことで、どれほどのショックを受けるのだろうか。
ただ、孫の前では毅然としている祖母の姿勢にはそれでも尊敬の念を抱いた。

子供に夢を持たせられる人は、たとえハッタリだとしても素晴らしいと思う。

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Posted by ブクログ 2023年11月24日

ドロドロしたお話で楽しめた。ドラマだったら毎回展開が楽しみになるような。最後の方いろいろ起こってどうやって終わるんだろうと思ったら、まあ納得の終わり方でホッとした。人間って捨てたもんじゃない。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2023年09月06日

主人公の椿に対して、もう全然好感もてないまま読み進めていったんだけど、最後にはキレイに抱き締めてあげたくなってた。

途中から、びっくりするような事が次々出てきて、え?え?って思ってる間に終わってしまった感。でも読後じわじわ来る。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2023年09月01日


「人に好かれる人間というのは、どこかに隙を持っている。そな隙を無意識に、あるいは故意に人前に晒す事ができるのが好かれる人間だと思う。祖母にはかけらも隙がなかった。」
祖母の人間性を知った時、隙が見せられないのだと思った。
強く、逞しく、卑しく。そして、弱く枯れそうな自分を必死に隠していたのかもしれ...続きを読むない。
その姿を見せることができたら、救いの手を差し伸べてもらえたのかもしれない。

祖母が椿に注意をした場面があった。
「あんたのその僻み根性はどう見ても卑しいよ。心の卑しさは顔に現れるんだ」

祖母は椿に自分のようになって欲しくなかったのかなと思った。


祖母のようになりたいと願った椿は、祖母のようになれていた。
ただ、椿は魚住や先生に隙を見せることができたから救いの手を差し出してもらえた。




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Posted by ブクログ 2022年12月08日

久々に山本文緒さんの本を読んだ。
潔いくらい感じが悪く、でもすごい美しい椿。
大好きな祖母がボケてきて、それでも周りを見下してきた椿だけど、終盤で過去のことも次々明らかになっていくなかで、椿の素直さがすごく見えてきて憎めない存在になっていった。

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Posted by ブクログ 2022年10月16日

初めて読む作者。
題名と本の表紙の絵からほのぼのとした素敵なお話なのかと思ったら、とても生々しい話でした。
そしてとても面白かった。
個性的な登場人物ばかりで皆それぞれの個性が際立っている。
アクが強いはずの人達が多いのにどの人物も私は好きになった。
なんだかぶつかってばかりの主人公だけれども、彼女...続きを読むはそのおかげで大切にしたい人達に出会えたのではないかと思う。
作者さん、好きになりました。

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Posted by ブクログ 2022年04月17日

想定していた話ではなかった分、なかなか面白い話だった。

主人公椿は、男は全員自分に靡くと思っているし、女子との仲を必要以上に取り持つこともしない。

そんな彼女が嫌いになれないのが不思議。

作中で自分の価値観を物おじせずにズバズバいうところがなかなか爽快だったからだろう。

それと、美人だけど性...続きを読む格が悪いので、肉体関係を持ってくれる男はいても結婚できない、慕っていたおばあちゃんがボケてしまう、父親が最悪のクズ男など、結構酷い目に遭っているからかも。
それでも他の人に弱々しく頼ることもなく、自分の力でなんとかしようとするところがいじらしいというか、たくましいというか。

こんな共感度0の彼女の間違った方向の頑張りでも、なんだか勇気をもらった。

「ブス」らしい魚住との裸の殴り合いみたいな激しい喧嘩も実物。
今、優しい人や、表面的に穏やかだけど話が通じない人々なんかが増えているので、ここまでストレートな物言いをする登場人物たちは新鮮だったし、エネルギーを感じた。

ラストの椿の選択も、この小説を普通の小説から格上げしていると思う。
成長はないようだけど、確かな変化が感じられるラスト。

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Posted by ブクログ 2021年09月08日

純粋で感動系のいい話なのかと思って手に取った本
読んでみると、、純粋系とは程遠い内容だった。
私は椿とは性格がまるで違うけど、椿っていう人がほんとに存在するのではないかと思うほどリアルだった。
酷い性格だけど優しさもあり、強い感じだけど弱さもある。最終的には自分の理想を捨てて、自分の発した言葉に責任...続きを読むを持つ。
私は椿になりたいとは思わないけど椿がかっこいいなって思った。
私が読んだことの無い部類の内容だったけど早く続きが読みたいって思えた本

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Posted by ブクログ 2018年04月03日

この人の本は以前一冊読んでしっくり来なかったのをうる覚えしている。しかし、今回の本は面白かった。人の心の機微を堪能できるまでに自分の心が耕されているのだろうか。それとも、4月の新しい出会いと別れの時期だから、センチメンタルでセンシティブになっているだけなのだろうか。でも、読書ってタイミングは大切だと...続きを読む思う。出逢うべきときに出逢えた本は、心に響く。共感は出来ないが、感情は移入される。人の心の変化を成長と呼ぶのか堕落と呼ぶのかはそれぞれの主観に委ねられるのだろうが、やはりそういう場面は、物語のピラクルなのだと思う。人の本心が曝け出されるときは、やっぱりちょっとドキッとする。そんな場面に溢れた一冊。

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Posted by ブクログ 2016年09月18日

魚住さんの優しさに感動。最終的にはグンゼが大切と気づいたのね。

椿さんが信じられないくらいに自己中心的で感情移入しない分客観的に読めた。最後まで自分が会ったこともない祖父を頼りにできるなんて都合よすぎでしょ。

感情移入できないところが山本文緒さんの小説の特徴だと思うわ。

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Posted by ブクログ 2015年12月20日

美貌を売りにコンパニオンをし、実家がそこそか金持ちなのをいいことに刹那的に遊び、男とともにする。誰かにすがってでしか生きていけないのに、自分で状況を変えようとはしない。
そんななか肉親2人が倒れ、生活は激変。複雑な人間関係の家系などもあり、椿の周りは、美貌以外頼れるものはなにもない状況。
そんななか...続きを読むでも、さらに人に頼ろう、男にすがろうと必死な椿は、清々しくさえあった。
彼女は救われたのか、これから先の人生をどう生きるのか。

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Posted by ブクログ 2015年11月05日

椿って、家もそこそこのお金持ち、顔もそれなりの美人で、女ともだちはなし。決して私も友だちになりたいタイプではない。
だけど、自分の武器は美貌だと決めて、それに対する努力は惜しまない。
目標はおばあちゃんみたいに、凛とした女性。

父親のことは殺してやりたいほど嫌い。俗物だから。
母親は見た目もパッと...続きを読むしないし、自分の母であるおばあちゃんと折り合いが悪い。
椿は両親のことなど全く顧みることなく、好きなことをして遊び暮らしている。

ところが、おばあちゃんが事故でけがをして入院した辺りから運気が変わり始める。
仕事も恋愛も家族関係もうまくいかない。
今まで自分が見てきたものが、ことごとく違う様相を見せ始める。

中三の時の初体験の相手グンゼとは、腐れ縁でつながっていた椿だが、他には派遣のコンパニオン仲間の雛子くらいしか友達がいない。
そんな椿に、おばあちゃんの入院先の病院の看護師たちが実によい関わりをしてくれる。

ちやほやせず、嫌がらせをせず、普通に扱ってくれる。
そんな人たちは今まで椿の人生の中にはいなかった。
そして本気でけんか相手になる魚住。

魚住は、学生の頃「大魔神」とあだ名されていた。
椿とは真逆の生き方をする魚住。

椿の一人称で語られる物語。
椿の見たいようにものごとが見えていて、椿に見せたいように取り繕う周りの人たち。
きっと泣く君って誰だ?

私は泣かないと思う。
ひとりじゃ生きていけないことをようやく理解し、だけど、もたれることなく一人で立とうとしている椿のこの先は、泣きたいほどつらいことが起きると思うけれど、きっと泣かないと思う。
だって、グンゼを待ってないとならないし。

今まで椿が見ていたと思っていた世界が、次々と裏返っていく様が気持ちよい。
どういうこと?どういうこと?
椿の一人称だからこそ、このプロットが生きてくる。

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Posted by ブクログ 2015年07月25日

自分を美人だと思っている椿というOLの話。
美人だと思っているがゆえに傲慢な言動、考えが目立つ。
周りの登場人物も色々とトゲのある人ばかりで、人の裏って怖いなと思える作品。
実は椿はただ純粋なだけだったのかも。

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Posted by ブクログ 2015年04月20日

23歳。お金持ち、美人で傲慢な椿の物語。
凛として美しい祖母のような女になりたい、美人なステータスを生かし男と遊びまわり、コンパニオンの派遣仕事を適当にこなし、女友達は不要、という生き方で幸せな暮らしをしていたが、どんでん返しが待っていた。

ロクな人間が出てこない。
そして、山本文緒の描く女心の醜...続きを読むさが椿の言動にすべてあらわれている。
やはり山本文緒はこうでなくちゃ。

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Posted by ブクログ 2014年11月06日

大学生の時初読。2014/11/4,5 再読。その時点で情のある関係を優先すること、その程度の気持ちにタイミングが後押ししただけならいいやと思うこと。主人公の潔さ、若さが気持ちよくもあり、潔くしない選択肢もありなのかもよ、と思うようになった自分にびっくり。
椿のストレートに聞ける(この前はあっさり断...続きを読むったのに何故?とか) のすごい。人間関係を進展させる機動力になるよなー。私は意識して勇気もださないとできない。
大学生の私には理解できてなかったんじゃなかろうか、と思う心情満載。

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Posted by ブクログ 2014年06月13日

”美貌”も読めない、意味もわからない頃に読んだ本です。最後が印象的でした。こんな終わり方なんだーって。

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Posted by ブクログ 2014年02月19日

再読。
面白くて一気に読めるのだけど、おばあちゃんの大どんでん返しが辛すぎて心がキリキリした。
何とも言えない読後感。

登場人物はみんな最悪なのが多いけど、グンゼが好きだな。

そして、老いるのが怖くなった。
こういう話は結構精神的にキツいなあ。

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Posted by ブクログ 2014年01月13日

椿のこと、嫌いになれない。自分の性格の悪さを自覚していて、でもそれを誤魔化そうとしない。嫌われる道を自分で選ぶ。もちろんそうじゃない人もいっぱいいるだろうけど、椿みたいな考えって、美人じゃなくても女なら考えることだと思う。それに気づいていなかったり、気づかないふりをしたりして攻撃をする女より、椿の方...続きを読むがよっぽど潔い。だからといって、椿のような生き方はしませんが。笑

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Posted by ブクログ 2013年08月15日

自己中で性格の悪い美人、椿のお話。
ドラマや少女漫画で主人公の恋敵として出てきそうな主人公でした!気になる男をつかまえるのでもなんでも、とにかく性格が悪い。
でも性格悪い椿にも威厳ある祖母という絶対的に大事な存在があって、生きるのにとても必死で、性格が醜いながらもとても人間味を感じました。
お話的に...続きを読むもとても読みやすかったです!

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購入済み

本当を試してはいけない

2022年08月15日

主人公の家族関係が複雑。登場人物も個性的。でも、生きているものはみんな、一つのものを求めたがる。素直になればいいのにと、外から見てると思う。読み終わった後でも、あまり、主人公の幸せを祈りたくならない。

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Posted by ブクログ 2022年07月09日

主人公が信じていたものが佳境を迎えるにつれどんどん崩れていく。主人公も含め皆どこか歪んだ人ばかり。でもそこがリアル。現実世界でも皆何かしら闇を持って過ごしているんだろう、綺麗事ばかりではないんだと痛感させてくれる小説。しかし読み終わりはよくないです。

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Posted by ブクログ 2021年10月30日

椿・・・初めからそのまま受け
途中手放したくなり
最後そーか、そーかってなった
厳しい生き方よね

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Posted by ブクログ 2020年03月16日

サーっと気軽に読める本だった。
読むと完璧な人などいないと感じる。
人の卑しい部分とか、無意識に計算して生きている所とか、100%善良な人がいないからこそ楽しめる物語。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2019年10月21日

主人公、かなり激しいが、物語上ではなんとなく嫌いにはなれず見守りたくなるようなところがある。人任せで未熟だった精神が、やっと「その先」を意識できるようになってきた。子供が大人になる瞬間のような物語。
ガラガラと基盤が崩れていった中で、本当に大事なものを見つけることができたと思っていいのかな?
うまく...続きを読むいくといいね、と声をかけてみたくなる。
グンゼもだけど、魚住こそ親友になれそう。

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Posted by ブクログ 2019年07月01日

美人と世の中的には言われあまり苦労もせず男も取っ替え引っ替え仕事も適当な20代前半女性が主人公。
壮絶な美人である祖母を崇拝し、母親よりも祖母を信頼し、祖母に言われた「私の若い頃にそっくりだ」という言葉にすがっているが、ある時から急に痴呆が始まる。さらに父親がやっていた会社が倒産。恋愛もうまくいかず...続きを読む自分を失いかける。
その人の作品はいびつな恋愛が多いのか、真っ当ではない人たちというか奔放な人たちが出てくることが多いので、そうではない部類の人間としては読んでいて疲れるし読後感もあまりよくない。
しばらくこの人の本を読むのは辞めようと思うが、たぶんまた読みたくなるような気がする。

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Posted by ブクログ 2017年04月28日

なんて夢のない話!!登場人物の誰にも全く感情移入出来ず。読後の爽快感もなく。でもひたすらにエネルギーを持っていかれる作品。プライドなんて各々がただ何とか立っていられるためだけの精一杯の杖なんだと、容赦無く現実を突きつけられるような作品だった。ちょっとミステリー風味な部分もあり。あと題名がどういうこと...続きを読むなのか気になる。読み込み方が足りないだけか。

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Posted by ブクログ 2015年09月24日

周りから美人と言われるコンパニオンの椿は幼い頃から可愛いと言われてきた。椿は美しい祖母が大好きだった。歳をとったら自分も祖母のようになるのだと思うと歳をとるのも怖くなかった。
だが祖母が入院し、彼氏と別れ、仕事もうまくいかない。

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Posted by ブクログ 2015年07月04日

「美人」という感覚について
へルタースケルターを彷彿させます

整形もそうやけど
事実は本人の主観によって簡単に曲げられる。
結末に向かうにつれて、丸く平凡な幸せに収まりそうで
ここまでやっててそんなんありなん!?と思っていたら
納得できる形に落ち着いてくれました。

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Posted by ブクログ 2014年05月11日

題名の意味が、最初に想像してたものと違いました。ある意味これがオチだったんだと。(言っておくけど、最後で主人公は泣かない)

強いと思っていた。怖いものもなかった。これが自分だと誇れるつもりだった。優越感と背中合わせの虚無感に気付いて、最後にやっと本当の自分を知った主人公。

解説が唯川恵さん!...続きを読むこれがまたちょっと面白い。仲良い友達のことをちょっとかしこまって書いたらこんな感じになるよなぁって共感しました。

なりたい自分になっても、それは必ずしも幸せではなかった。もしこのまま幸せになっていたら、あたしはずっと弱いままだったよ。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2013年09月26日

短い小説なのでサクサク読めました~。

椿ってホント嫌な性格で、読んでてムカつくとこが何カ所も出てきたけど、でも嫌いになれないんだなー、これが。
おばあちゃんのことをホントに好いてて、おばあちゃんの髪を切った魚住に突っかかるとことか、おばあちゃんのお見舞いも(まぁ、先生に会うためもあるけど)マメに行...続きを読むってあげてたし。。。

魚住だって、椿の母親・菖蒲だって、最初はそんなに好きになれなかったけど、みんなの積もった思いを読んでたら、「ああ、なんか、椿とおなじに誤解してたんだな~」って思った。

ただ、椿のお父さんだけはやっぱり好きになれなかった。
最低だと思うし、難病にかかって罰が当たったと思う。

エイズになったグンゼ。ホント可哀そうなのに、こんなにあっさり話を流しちゃっていいの~?って思った。
なんか、最後のほうは読みごたえある内容なのに、こんなに軽く展開して締めくくっていいの~?
もっと、奥深く読みたかったな~。

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