【感想・ネタバレ】帝国の終焉 「スーパーパワー」でなくなった同盟国・アメリカのレビュー

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2012年04月08日

アメリカは人種や宗教における構成が変化した結果、国家として変質し、内向き化。また、軍事技術の進歩により、アメリカの戦略は再構築が求められているが、進んでいない。更に、財政赤字が国防費を圧迫し、技術開発や艦船・航空機の配備に影響。日本周辺での米軍プレゼンスが低下し、日本は中国の影響下に入るか、武装強化...続きを読む・核配備するか選択を迫られる・・・。平和が続くと思っていたが、日本も戦争に巻き込まれる可能性が高まっているということか。

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Posted by ブクログ 2012年02月10日

わずか70年足らず。超大国アメリカが覇権国家の座から滑り落ちようとしている。

ローマ帝国は千年、大英帝国は二百数十年続いた。それから比べればアメリカの繁栄はあまりにも短い。

本書の中で日高氏はアメリカが変質した理由として、白人人口が少なくなる一方、ヒスパニックや黒人の人口増大を挙げている。
アメ...続きを読むリカ建国を担ったのはヨーロッパから移り住んだ、理想に燃えたキリスト教プロテスタント信じる白人達一団。
しかしその伝統を受け継がない人種や移民が増えるにしたがい、アメリカらしさが失われていったと日高氏は説く。


増え続ける膨大な財政赤字、削減される軍事予算。世界の警察官を辞めたアメリカの後に訪れるのはどんな世界なのか?

本書の中では中国とアラブ諸国の台頭を予測しているが、それは経済大国としてでなく核兵器や膨大な軍事予算をバックにした覇権争いであり、平和とは程遠い世界である。
平和とは戦争が一瞬止んだ束の間の平穏状態でしかない、との言葉があるがはたして日高氏の言うように世界は再び混沌の状態に置かれるのか。

「日本列島周辺が世界で今、最も危険である」との一文が衝撃的である。

アメリカが守らなくった日本を一体どれだけの人が想像しているのだろうか・・・・

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2012年07月08日

ちょっと偏った意見だと思う。反オバマの色が濃く出ている気がする。

・アメリカ政府は膨大な借金を抱えており、オバマ大統領の社会主義的な政策はそれに拍車をかけている。
・オバマ大統領は軍事の事を全く理解していない。財政難とその戦略のまずさから米軍の弱体化が進んでいる。

・過去、アメリカは、戦争を仕掛...続きを読むけることで借金を清算してきた。その最大の被害者は日本である。

・アメリカの軍事力の衰退で東アジアは不安定化しつつある。アメリカは日本に核武装してもらって構わないとスタンスを変え始めている。
日高は日本は核武装しろ、持たねばならぬと言っている。

日本は核武装すべきではないと個人的には思う。

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Posted by ブクログ 2012年03月19日

超大国アメリカについて。アメリカの外交戦略について勉強になった。財政難からの国防費削減、それによるアジア太平洋地域の勢力図の変化、そして日本の国防のあり方等々。自衛隊を自衛軍にするかの議論がある今、なかなかタイムリーな話題だと思います。

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Posted by ブクログ 2012年03月29日

アメリカという帝国の現状を分析し、今後のアメリカは超大国として世界を牽引していく力を失ったことがわかる。

第2次世界大戦・冷戦後の世界をリードしてきたアメリカ。

オバマ大統領の「チェンジ」していない国内政策を突き詰め、アメリカという帝国の覇気喪失を綴っている。

アメリカ頼みの日本外交にも釘をさ...続きを読むしている点は、日本の将来の世界戦略を考えていく観点からは重要な指摘だろう。

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Posted by ブクログ 2012年03月14日

テレビ東京系列で放送されている「日高義樹のワシントン・リポート」の日高さんが著者の本書。
連邦政府や州政府などの財政赤字を合わせると1兆ドルを超えると言われている極めて厳しい財政状況が与えるアメリカへの影響、そして世界情勢への影響について書かれた本です。

本書の主張の骨子は

「国民健康保険制度な...続きを読むどオバマ大統領の社会福祉政策により、アメリカの財政赤字は巨額なものとなった。この巨額な赤字によりアメリカの軍事予算が削減され、それに伴いアメリカ軍が弱体化。その結果あらわれる力の真空地帯を埋めんと中国、北朝鮮、イランなどが策動する。この世界において日本周辺が最も危険な地域であり、日本は国防力を増強すべき」

と言う事になるかと思います。

上記骨子に関してはそれなりに説得力を感じるのですが、

・2012年、中国の経済発展に陰り。その結果、中国軍が国内の不満派に対して(これまでよりも強い)弾圧を開始
と書いてある一方で
・中国の経済発展が続けば、15~20年後には米中の軍事バランスは逆転する
と書いたり、

・米海軍の強力な機動部隊は時代遅れになりつつある。しかし、アメリカは過去の成功体験と予算不足に縛られ、新しい戦力の整備が進んでいない
とアメリカの機動部隊保有に対して否定的に書いたかと思えば、
・従来型の海軍が少なくとも暫くは役に立つので、世界各国は海軍力を整備している
とも書いてあり、内容に矛盾点がある等、いくつか突っ込み所がありました。

#海軍云々に関しては、世界物流の主流はコンテナ船によるコンテナ輸送であり、従って船舶の自由で安全な航行を保証できる力を持つことは、世界に対して極めて強い発言力を持つことに等しいのではないか?との疑問も抱きました。

加えて、中国の危険性を主張している箇所では、中国とナチスドイツとの類似点を指摘して、ヨーロッパの人々の意識を引用しながら「中国はヒットラー」とも記載しているのですが、正直、具体性が乏しく、イデオロギーに終始している様に見えました。

#「中国=ヒットラー」論に関しては具体性に乏しい点が一番問題に見えます。

とは言え、北朝鮮が既に200発の核兵器を持っているとの分析を紹介したり、なぜアメリカがイランの核兵器保有に絶対反対の立場を貫こうとするのかという点を解説している他、中国の巨大化する軍事力から日本を守るために必要な国防力増強方法の具体的な提案など色々と参考になる箇所もありました。

筆が滑りすぎている様に見える箇所があった本書ではありましたが、上記の様に参考になる箇所もあり、また文字も大きいので普段読書をしない方でもサクサクっと読み進める事が出来るのではないかと思います。

お時間のある時でも一度目を通しては如何でしょうか。

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