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Posted by ブクログ 2024年01月02日
ホームレスの少年イオンは何故ホームレスになったのか。どんな大人が『優しいおとな』なのか。地上での生活と地下での生活、『きょうだい』との、人との関係性。考えさせられました。胸が抉られた気がしてる。「私なんてまだ幸せな方」すらも差別だと気付かされた。
Posted by ブクログ 2023年02月09日
凄く悲しくて福祉とは大人とは…と考えさせられるお話でした。
でもただ悲しいだけでなく、与えられた人生を一生懸命明日に向かって生きようとするその姿に心がぎゅっとなりました。
もしかしたら、この作品のテーマは現代においての永遠の課題なのかもしれません。
Posted by ブクログ 2021年12月11日
貧困化が進み、福祉が機能しなくなった日本(東京)での話。
一見、ファンタジーのような、近未来のような、今の私達には関係ない世界の話のように感じるけど、実はもうあと一歩でこの世界なんじゃないか?自分達が知らないだけで今実際に起こっていることなんじゃないか?と考えさせられる。
桐野夏生さんの作品ってそう...続きを読むいう話が多い気がするなー。
ハウスの人や闇人達の平等に対する考え方も、なるほどなー、一理あるよなーと思う部分もあり。
今日本は、着実にこの状態に向かっているのではないかと怖くなる!
すごく面白くて、読む手を止められなかった!!
Posted by ブクログ 2020年11月11日
上流と下流、光と闇、下の世界にはさらに下があってそれぞれの立場で理想を目指す。日本の中でさえも存在する世界の多重性に驚き、恐ろしく思った。経済の困窮、親しい人間の欠如がこんなにも人の精神を歪めることを知った。
Posted by ブクログ 2022年07月11日
福祉システムが崩壊した近未来の東京で生きる身寄りのない少年イオンの物語。東京は中流や金持ちが住む世界と、そこからはみ出したまま一生を終えるホームレスの人々が住む世界に分かれており、さらにその地下に陽の目を避けて生きる地下住民たちの世界がある。ホームレスは毎日がサバイバルで、女子供はかたまって派閥のよ...続きを読むうにして身を守りながら生きている。少年は守られたい気持ちと自由になりたい気持ちの両方を持ち、生き延びつつ成長もしているという、危ういながら伸びやかな存在として描かれている。最期の最後で両親を思う気持ちが切なく、人はみな、愛を注がれて育ちたいものなんだなと思った。いくつになっても、「優しいおとな」を求めている。
登場人物がそれほど印象に残ってないのは、主人公の設定が少年だからかもしれない。そして、桐野さんが性格の良い人(イオンの支援者モガミなど)を描くと、どうもリアリティに欠ける、つまらない人間に見えたりするのは、普通の人というのはつまらないものだからなんだろうか?
Posted by ブクログ 2020年07月22日
ここ30年、家族が壊れてきた。
昔のようではないということは目安にはならない、とは知っている。
変んだ、変んだと他人事に思って、 というより おかしくなってしまっているのを身近に経験する。
身内に感じる、ためいき。子育てを誤ったのか?親が悪いのか!?
言い訳をすれば一度しか経験できないものを...続きを読む、 失敗だってあるさ!
じゃあ、この物語のように親が誰だかわからずに、育っていくのって、どうか?
本人の拠りどころの無さは過酷だと思う。親代わりを見つけてしまうのも無理は無い。
だったら
失敗を恐れず親になるしかないのじゃない!?
出版されたらさっそく購入して読みたくなる作家さんの一人。 好きこそ、あたりはずれはなんのその、 わくわく手に取る、ファンのありがたさ( と自分で言う)
一瞬、「まんが」かと思う装丁は、 なるほど、 ストーリの展開には欠かせないのだった。
(単行本で読んだ)
Posted by ブクログ 2020年04月06日
リアルすぎて悲しい。
こんな世の中にはなって欲しくないなぁ
でも、日本にもホームレスや貧困の人は思っている以上にたくさんいる。
本の中だけの世界ではけっしてない。
Posted by ブクログ 2019年02月17日
貧富の差が拡大して荒廃した日本。ホームレス、地下世界…テーマは重い。
親を知らないイオンの目からその世界を見る。
次々に展開する話に引き込まれた。
Posted by ブクログ 2018年01月22日
わたしは?どっちつかずなおとな。
貧困、逃避、自棄、愛着、無関心、優しいおとな、優しくないおとな、どっちつかずなおとな、登場人物に大人は少ないけど多分みんな優しいおとな。
最後の救いがあって助かった。
Posted by ブクログ 2016年12月02日
コミューンとか、共同平等とか、桐野作品らしい。本当の悪人が出ないのとかも
(私がどんくさいから気付かないだけかもだけど)。みんなピュア。
最後の最後に、イオンがやっと自由になれてよかった。救われない感じもするけど、
これはこれでいい。
メタボラと同じような、登場人物と疾走した連帯感と喪失が嬉しかった...続きを読む。
Posted by ブクログ 2015年05月27日
福祉システムが破綻した日本が舞台。スラム化したかつてのシブヤの野宿者、イオンは闇を根城にする若者たちと出会い、アンダーグラウンドに足を踏み入れる。NGO「ストリートチルドレンを守る会」。女性ホームレス集団「マムズ」。彼の「優しいおとな」はどこにいるのか…?
「平等」とは?「優しさ」とは?「闇」と「...続きを読む光」、「絶望」と「希望」。人によっては「闇」が「希望」で「平等」となっている世界。
今の日本がこの作品の世界に一歩ずつ近づいているように思えて、かなり怖いです。
真実を知るためにどんどんイオンが悪い方に悪い方に転がっていくのを見るのが辛かったです。鉄と再会できたのはよかったけど、とにかくラストが悲しすぎて…
子どもが子どもでいられない世界。
イオンにとっては幸せな最後だったろうか?
アンダーグラウンドのカリスマ的存在の錫が歌う歌が印象的です。
Posted by ブクログ 2015年01月06日
スラムからアンダーグラウンドな世界へ足を踏み入れる少年イオン。サバイバル感がドキドキさせるけど、やっぱりさみしそう。
優しいおとな、優しくないおとな、そしてどっちつかず。
Posted by ブクログ 2014年06月05日
自分にとって桐野夏生作品を読むことは、一種の自傷行為なのだと最近自覚するようになった。でもこの作品は自傷にはあたらない優しさがあった。
舞台は福祉が崩壊した近未来日本のシブヤ。近未来といいながら、主人公イオンのまわりの地上風景はすでにこの国が現実に抱えている問題そのものだった。企業による炊き出しや...続きを読む公園村、女性ホームレス、NPO支援団体。見たことあるものばかりだ。そうすると、この物語の地下風景も実在するのではないかと本気で思えてくる。
特にリアリティを感じたのが、夜光部隊が暮らしていた地下までサブとイオンが進む洞道。自分がふだん暮らしている東京アンダーグラウンドは、きっとこのままに違いない。私たちの目に見える綺麗ぶった世界は、私たちが垂れ流しフタをしたドロドロの上に成り立っている。
イオンはなんだかんだで出会いに恵まれていた。作品を振り返るとイオンのまわりの大人は「優しいおとな」ばかりで、だんだんとイオンの閉ざされた心が溶解していくさまが心地よくもあり、桐野作品ならもっと深く傷つけてほしくもあった。
終盤、イオンの過去が明かされるモガミの手紙の内容が突拍子もなく、これまでの近未来SFの世界観が一気に違うものに変わってしまった。イオンのルーツにちょっと落胆したが、参考文献一覧を見て納得。このような子どももおとなもきっと現実に存在するのだと思うと不気味だ。この不気味さを残すところに桐野夏生らしさがあった。
ラストはこれでよかった。涙が出た。
子どもが大人に求める愛情と、大人が子どもとつくりたい世界は必ずしも一致しない。子どもは無条件に大人へ愛情を求めるが、大人はどんな愛情のかけ方が正しいのだろうと考えずにはいられない。
追記
ディケンズの『オリバーツイスト』にインスパイアされている気がした。
Posted by ブクログ 2013年10月29日
この小説は、20世紀を代表するフランスの偉大な哲学者、彼のサルトルの「実存主義」を具現化したように感じた。
多くは語るまい。が、とても素晴らしかった。
読んで、決して後悔はしないと言い切れる。満足のいく一冊だ。
Posted by ブクログ 2023年11月15日
久しぶりの桐野作品。ぶっ飛んでいるいつもの感じが、リアリティーもともなって、近い未来か現実か…と思ってしまう。これが、2009年の作品だから今、少し近づいてるかも。
Posted by ブクログ 2023年09月03日
渋谷で野宿者として生活する少年イオン。
NGOのモガミという大人がイオンを助けたいと近寄ってくるが、イオンは逃げる。
そして闇で暮らす地下の集団に行き着く。
イオンが暮らす日々は危険と隣り合わせで、読んでいて苦しくなった。
そしてイオンの幼少期の真実。
こんな世界が現実になったら…と思うと怖い。
...続きを読む2023.9.3
Posted by ブクログ 2021年01月25日
近未来の小説なので挿画・挿絵にスカイエマさんを選択されたであろう事は想像しましたが、今までの作品とはあまりにも違うので驚きでした。
内容は近未来の渋谷でしたたかに生き抜くホームレスの少年・イオンを中心に物語は展開して行きます。
地下のシーンが多いので脳内映像だけで息苦しくなる様な展開です。 ...続きを読む
それでも文章も丁寧で想定もわかりやすいので飽きる事無く読み進める事が出来ました。
本著は好き嫌いに分かれるかと思いますが桐野さんの新たな一面を発見出来る作品となっています。
Posted by ブクログ 2020年12月20日
2010年単行本化、桐野夏生さんの長編小説。
今回は、面白く通読できるものの、桐野さんの作品としては幾らか物足りないものを感じた。たぶんその理由は次のような点だ。
(1)主人公はじめ主な人物は少年であり、いつもの「女性の視点」がほぼ無かった。
(2)小説ならではの心理描写はさほど優れず、プロッ...続きを読むトと行動・会話ばかりが浮上して、ジュブナイル風の平易な物語となっていた。
(3)社会システムや理不尽な「周囲の人びと」への怒りがあまり表面化されないのが、いつもの桐野作品と異なり、苦痛が控えめだった。
(4)桐野作品がしばしば体現する小説的形式の破綻が無く、「ふつう」に感じられてしまった。
2008年のリーマンショックにより日本では「派遣切り」など経済格差がいよいよ拡大し、貧困層が激増したが、こうした情勢に着想を得て、「破綻した福祉システム」下に生きるホームレスの少年たちを描いている。渋谷は廃屋が増え、半ばスラム化しているし、東京の地下には一部のホームレス少年たちが住み着いている。
どうやら一定の職を持つ富裕層は通勤し普通に暮らしているようなのだが、彼らの様子はほぼ描かれないし、そのような階層とのギャップや軋轢が作中にはほとんど出てこないのが、私としては不満に感じたのかも知れない。
現在15-16歳である主人公イオンは孤児で施設を脱走し都内の公園や廃屋をねぐらとし辛うじて生きている。都内でNGO「ストリートチルドレンを助ける会」に所属してホームレスの少年たちを援助しようとする「優しいおとな」モガミとイオンとの微妙に移ろう関係性が、小説全体の骨子の一つとなっている。
モガミとケンカしてイオンは「アンダーグラウンド」の世界に入り、そこで軍隊のような組織を模して暮らす少年たちと合流するのだが、この「地下世界」での少年たちを巡るプロットは、劇画調(今は劇画という言葉は無いのであれば、コミック調)であり、なんとなく大友克彦さんの「AKIRA」を思い出させるものだった。全体にコミックとしても表現できそうな本小説は、『残虐記』(2004)などと異なり、容易に映画化できそうである。
何故本書で心理描写が冴えないのかと考えてみたら、主人公が少年であり、ほとんどの登場人物が男性ばかりであるからかもしれない、と気づいた。極微の領域にかすかに変移する女性心理とは違って、抽象性に心奪われ単純で直線的なわかりやすい心情しか持たない男性心理を描くのは、よりシンプルな図像を描出することにしかならないのではないか。
少年イオンの心には明確な神話があって、幼年期に過ごした施設で出会った双子の年長の少年「鉄」と「銅」への強烈な憧憬が、あまりにも純朴でストレートな「少年の心」を支配している。
『OUT』『グロテスク』でも男性の心や経歴を描く時、そこには「神話」が露出されていた。『残虐記』では、不可知な男性の欲望を主人公の女性が勝手にあれこれ想像して「神話」を見いだすというプロセスが描かれていた。
桐野夏生さんは、女性とは異なる男性性の核心に「神話」を見いだし、いつもそこから現実的なるものと対立させながら「男性の物語」を奔出させる傾向があるのではないだろうか。たぶんこの「男性の抱える神話」は、「少年的なもの」なのではないだろうか。
そう考えてみると、桐野夏生さんの全小説という領野の中で本作が占めるポジションというものが、興味深く思われてくる。
ラストで明かされる「ハウスでの実験」は、『抱く女』(2015)にも登場するので、作家の着想のこのつながりにも驚いた。これは本書巻末の参考文献に挙げられている『洗脳の楽園—ヤマギシ会という悲劇』(米本和広著)なる本(もちろん未読)に着想を得たのではないか? wikipediaの「幸福会ヤマギシ会」の項目を見てみると、どうやらそのようだ。
Posted by ブクログ 2019年05月10日
優しいおとな、厳しいこども。なんとなく、そんな対比を考えてみた。資本主義の北半球の国々は、大体こうだと思う。子供は、小さなおとなだから、今時子供だましのなにかではもう歓心を得られない。
この小説を、「現代の日本の社会的な問題で……」という視座から云々すると、とたんにテクストが色褪せ、興がさめてしまう...続きを読む。具体的な地理も、アンダーグラウンドも、闇人も照葉も、物語にしかなしえない、普通の階級の日常をおくる私たちの生活のメタファーだと感じた。要するに、希望を失って闇に潜るのはなにもホームレスとかストチルに限った話ではないということだ。私たちは、人生の中で喪失しつつ、得ようともがきつつ、底なしの希望を希求していつのまにかエアポケットにはまりこむ。
Posted by ブクログ 2019年04月28日
荒廃し、スラム化した日本の繁華街シブヤでストリートチルドレンとして生きる少年イオン。
親の記憶が無い彼は人への「愛情」を知らず、自分を助けてくれる唯一の大人モガミにも冷たくしてしまう。
イオンはかつて一緒に育った仲間を探すため、地下の犯罪者集団に飛び込んでいくが、そこも安住の地では無かった――。
...続きを読む序盤は近未来のサバイバル小説という様相で、物語についていけるか少し不安でした。
が、誰のことも信用できないような生活を送ってきた浮浪少年の思考回路や、彼の目から紡がれる路上生活の苛烈さが妙にリアルで、すっと物語に入り込めました。
読者に違和感を抱かせずに世界観を構築する作者のテクニックは、いつもながら凄いです。
そして中盤から、イオンがアンダーグラウンド世界に潜っていく展開の先が読めず、この話はどうなるんだろうと嫌な予感がしながら読み…。
イオンが愛情を求めるのと同じくらい物語が加速していくドライブ感が凄まじく、唐突とも言えるラストの情景に辿り着くまで、一気に読みました。
全体的な感想は…悲しい話でした。
優しさや愛情というものの正体についての言及が鋭く、考えさせられました。
特定の一人への愛着(愛情)は、エゴイズムなのか。
愛情が深ければ深いほど、どうでもいい他人を傷付ける凶器になったりもする。
しかし、特定の愛情を受けなかった子どもは、その後の人生にそれが大きな影響を及ぼしてしまう…。
親を知らないイオンにとっての大人とは、優しいか優しくないか、どっちつかずかの三種類。
独りきりの時はそれゆえに強かった彼は、他人の気持ちに触れることでを自身の弱さを知る。
悲しくもあたたかいラストは、ひどく心に残ります。
Posted by ブクログ 2018年01月16日
福祉システムが破綻した近未来の日本を舞台に、ホームレスの若者・イオンが探し求める希望を描く衝撃の長編。
作品の発表時がリーマンショック直後ということで、若者の貧困や派遣切りなどが社会問題になっていた。暗い世相を反映して物語も陰鬱で、かつ高揚感もない。桐野作品の中ではあまり記憶に残らない作品。
Posted by ブクログ 2017年11月06日
福祉システムが破綻した日本。スラム化したシブヤのなかで生きるホームレスの若者たち。
ありそうな生々しさ、息苦しさが漂う作品だった。
読み進めるのはきつかったけれど、途中でやめられない力強さがあった。映像が見えてくるような感じ。
『誰かと仲良く暮らすということは、響き合う楽しさを知ることだ』の言葉がし...続きを読むみた。
Posted by ブクログ 2016年02月23日
松本大洋や大友克洋の世界観だろうか。リアリティを失う代わりに、少しSF的な要素を取り入れつつ、しかし巻末にはこれ見よがしに参考文献を並べて来るあたり、桐野夏生の凄さがあるのだと思う。まさに、物語の中のシーンみたいに、闇から地上に出てきて、目がやられそうになるような感覚だ。
ストリートチルドレンには...続きを読む、色んな性質や成り立ちの背景や性格や生き方がある。その一つ一つの設定を背負った役者が織りなすストーリーである。漫画。まさに、漫画のように楽しめるエンターテイメントである。
Posted by ブクログ 2014年10月04日
桐野作品の中では毒が薄くて読みやすいけれど、何か中途半端なまま終わってしまった感じ。ただただ切なくて、桐野作品なのに毒がまわってこないのが不思議でした。何が言いたかったのかわからないままになってしまったけれど表にでない部分でやはり毒が潜んでいる気がします。
Posted by ブクログ 2014年08月14日
福祉制度が崩壊した日本においてホームレスとなった子供たちが生き抜いていく姿を描いているというもの。近未来小説か、すでに現実か。爽やかさのかけらもない書きっぷりは恐ろしさもあるが、作者はここで何を描きたかったというのか今ひとつ受け止められず。地上とアンダーグラウンドの対比はどういう意味があったのだろう...続きを読む。
Posted by ブクログ 2014年06月14日
読み終わってなんかかなしい。ハッピーエンドではない。現実的というか。
思ったのは、村上春樹の地下におりて何かを得たり失ったりする概念的な話。
あれが現実的で概念じゃなくなって経験や体験で表現したのがこの作品なのかなと思った。
作家は地下の深いところをみてるんだなと思った。書くことは同じで書き方が違...続きを読むうだけ。だから作家になれるし食べていける。
なんか、もう少し救いのある話が良いな。桐野夏生っぽいといえばそうなのかもしれないけど。2作目だからなんとも。
2014.06
Posted by ブクログ 2014年01月12日
数年前に、読売新聞の土曜版に連載されていたもの。
エピローグがよかったかな。
(乙一の『失はれる音楽』みたいだったけど)
イオンを軸に、関わった人々が結びついているようだった。
Posted by ブクログ 2013年10月20日
路上生活者が溢れる繁華街を舞台に孤独を恐れずに生きようとする少年の物語。スラム化した街の描写や飢えに苦しむ人々の様子が真に迫り胸をざわつかせる。遠くない未来を見せられているようで閉塞感に満ちた救いのない話であり、最後に仄かにさす希望の光でさえあまりにも弱々しく映る。