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Posted by ブクログ 2023年10月30日
こんな、ある意味「ベタな話」で泣かされるとは(^ ^;
物忘れが酷くなってきたな...と思ってたら、見る間に言動が怪しくなる母親。医者に行ったら脳に腫瘍が見つかり「あと一週間」などと宣告され... この大事件をきっかけに、バラバラだった家族が協力し合うようになり...と、あらすじを書くとホンマにベ...続きを読むタやな(^ ^;
ドラマや小説などでは、何十年も前から繰り返し取り上げられてきたであろう題材で、敢えてバラしてしまうがハッピーエンドなストーリー展開。だが本書には、そんじょそこらの薄っぺらなドキュメンタリーを凌駕するような、圧倒的なリアリティがある。
誰一人スーパーヒーローは出て来ない。むしろ問題から目を背けてばかりいる、欠点だらけの人間しか出て来ない。家族の中だけではなく、社会的にも「成功者」とはとても言えない面々だし、斜に構えてたり嫌味ったらしかったり、人間的にだって魅力的だとは言いがたい。
それでも、一つの目標に向かってそれぞれがそれぞれの道で、方法で、解決に向けて足掻き始める。ある種「都合のいい」奇跡に助けられたりするも、その「奇跡を運んでくる人々」にもそれぞれの歴史とストーリーがあり... そう、本作は主役の一家「以外の」人々がとても魅力的である。
文庫版巻末の解説が秀逸だが、「昭和的な家族観」などとっくの昔に崩壊している...ということを、若い作者が見せつけてくる一冊。それでも、家族ってのはやはり、良くも悪くも「特別な」存在で。そして決して「安定した」ものではなく、だから今を笑って生きなければ、という力強いメッセージが底に流れている。
病気になった母親の、若い頃の台詞に「幸せかどうかなんて、死ぬ瞬間にならないと分からない」という一節が出てくる。若い女性が口にするには、何か達観したような、らしくない言葉に見える。が、この台詞が、この考え方が、実は後からじわじわと効いてくる。
私自身、身近に「壊れた人」を見たことがあるからか、「他人事」として読むのは難しかった。私自身「最近物忘れが激しい」し(^ ^;
本書は、誤解を恐れずに言えば「ある意味『宗教が与えてくれる救い』を得られる」一冊である。ホントに、人生変わる読者が出て来ても不思議ではない。それだけの「力」がある話である。
Posted by ブクログ 2023年02月23日
物忘れから始まった母親の不調、そこから上辺だけで繋がっていた家族が、ぶつかり合って苦しみながら団結していく。そこでもがいて素直に前を向けるのは、やっぱり家族としての基盤がちゃんとあったからなんだと思う。すごく心に刺さる内容だった。
Posted by ブクログ 2022年08月17日
最後まで一気読みさせられて、清々しい爽快感を感じた。冒頭から中盤まで相次ぐ苦難に見舞われるが、一致団結というわけではないが、それぞれがそれぞれの想いを持って戦いに挑む。
家族ってこんなに簡単に、こんなに明け透けにすべてを曝け出せるものではないと思うけれど、だからこそそうできる、そう変われた彼らを羨ま...続きを読むしいと思う。
Posted by ブクログ 2020年11月17日
とても面白かった。
やや甘い感じもありましたが、構成も良かったし。序盤の緊迫感、それぞれの家族の心境、最終章の流れ。とても良かったです。
早見さんは2作目になりますが、とてもよみやすいですね。読後の印象もとてもよく、また別の作品も読みたいです。
Posted by ブクログ 2020年11月04日
母の病気をきっかけに家族の隠れていたものが明らかになるお話
視点が母、兄、弟、父と移りながら物語が進行する
最近物忘れが多くなった母
認知症ではないかと自分で疑うが、そうではないという思いも
しかし、兄夫婦の妊娠を祝う席での言動を訝しんだ家族の勧めにより受診したところ、1週間が山との診断が本人で...続きを読むはなく家族に告げられる
しっかりものと思われている兄の過去と現在の想い、へらへらとだらしのない生活をしているように見えて実はリアリストな弟、場当たり的な対応で自分で責任を持った選択ができない父
今まで表に出てこなかったそれぞれの想いに気づく
「砂上のファンファーレ」で発売したものを改題して文庫化したものらしい
砂上のファンファーレの方が物語をよく表していると思うけど、「ぼくたちの家族」も響き的にはいいんじゃないかと
一番心に響いたのは、お母さんの言葉
「幸せかどうかは、いつか死ぬときにしかわからないんだと思う」
確かになーと、今だからこそ思う
人生の中で浮き沈みってあるわけで、その時々で幸せだったとしてもそれが不幸の呼び水になってたりする場合もあるし、その逆もまたある
なので、本質的な人生の最後にしか幸せの評価ってできないんだろうね
幸せな人生だったと思って死にたいけど、できるだろうか?
先日、娘と話していて「寂しくない?」って聞かれたけど
今のところは全く寂しくないし、今後もそう思わないと今は思うんだけど
20年後とかどうなってるかわからないなぁ
ま、そんなに先のことを考えても無駄と言えば無駄なんだけどね
そのときもまだ独り身で生きてそうな気がするんだよなー
あと、家族って何なんだろうな?とも考えた
作中は親の方が借金まみれだけど、僕はこの歳になっても親に金銭的な事で迷惑をかけてるし、それ以上の迷惑をかけてきたからなぁ
何というか、申し訳ない気持ちでいっぱい
そして、そんな家族とあと何回会えるんだろう?とも思った
前に読んだ小説でも似たような事考えたけど、盆と正月を合わせても3ヶ月~半年程度しか一緒に過ごさないんだよね
そう考えると、家族というものが何とも言えないものに思えてくる
ちなみにこの小説は最初は映画を見て知って
読書会でも紹介されたので読んでみたら、映画の結末よりも先まで描かれていてよかった
ちなみに映画は
父・克明(長塚京三)
母・玲子(原田美枝子)
長男の浩介(妻夫木聡)
次男の俊平(池松壮亮)
あと、俊平の元カノで市川実日子もほんのちょびっと出てる
そうだ、市川実日子を見たくて映画を見たんだった
小説だと京子ちゃんと俊平の関係も詳しく書かれていて、そのエピソードも含めて俊平という人物に好感が持てるんだよな
ヘラヘラしているように見えてリアリスト、そして愛嬌もあるっていいキャラしてるせ池松壮亮
Posted by ブクログ 2020年07月07日
ちゃんとしてて当たり前の母親が壊れてそれに奔走する家族の話。
こういうシチュエーションは娘の立場から見たものが多いと思うが 2人とも息子。
夫があまりいいところがなかったが、お兄と弟がそれぞれのキャラで気持ちを切り替えていくのが興味深かった
「幸せかどうかは、いつか死ぬときにしかわからないんだ...続きを読むと思う (中略) 一つ一つ積み重ねて、たとえそれが何歳のときだったとしても、私は最期に笑って死んでいきたいな」
好きな作品。
Posted by ブクログ 2023年11月23日
ローン月25万はキツい、年に300万?
おそらく金利も高かったんだろうから元本もあまり減ってないとか、嫌すぎる
バブル期にローン組んだらそうなってたらしい
一人の視点じゃなくて、家族それぞれの視点が切り替わって進む
どう決着つけるかわからなかったけど、最終的に収まるところに収まった感じ
安心して読め...続きを読むた
Posted by ブクログ 2023年07月08日
母の物忘れからはじまり、どたばたと家族が追い込まれていく。
なんだかすごくリアルで読みすすめながら怖くなったけど、家族のありかたを考えさせられた。
俊平の明るさにだいぶ救われた!
Posted by ブクログ 2022年07月29日
同作者の著作を読むのは3冊目ですが、どれもぐいぐい引き込まれますね
今作は特に、1章の母がおかしくなっていく描写の怖さに釘付けに…
どんよりめの前半から、爽やかな後半のギャップはなかなかで、
少々トントン拍子に上手くいきすぎじゃないか?とも思うものの、
人を美化しすぎないラストはほっこり
とても面白...続きを読むかったです
Posted by ブクログ 2022年06月30日
読みやすかった。
もう1回読んでみたい
人はいつも死と隣り合わせに生きている。
だから、生きている間ぐらいは幸せでいる。
家族との関係は避けられない運命
完璧な家族なんていない
Posted by ブクログ 2022年03月12日
家日和、こちらの事情、と読んで、家族シリーズ第3弾、今回は短編集ではなく長編(長くもないが)小説でした。でも登場人物ごとに違った視点で物語が進んでいくので、飽きずに読めました。
物語のあらすじとしては、母親の病気をきっかけに再生していく家族の物語…そう書くとチープでありきたりな題材にも思えます。私...続きを読むは本を読み慣れていないので目新しく思えたのもあるかもしれませんが、そこかしこに散りばめられている仕掛けや伏線を拾い集めていく過程はとてもワクワクドキドキ、自分の家族にも重なる部分があり何度も涙してしまいました。
家族って綺麗事ではないし、外からは見えないドロドロとしたもの、鬱々としたものがあるのも事実。でも家族にしかできない、家族でしか見えないこともある。そんなことを改めて気付かされた本でした。
Posted by ブクログ 2021年03月12日
みんなバラバラだと思ってた家族が母親の病気をきっかけに動き出した。
でもそれくらいの大きな事がなければ人って変わらない気がする…
息子2人のキャラが全く違って、感じ方が全く反対だけど、ちがう角度から同じことを見てるんだって思う瞬間が何度もあった。
Posted by ブクログ 2020年03月25日
家族の物語、自分の身に置き換えながら読んでしまう。母親に癌が見つかり壊れていく中で家族それぞれの思いが語られる。現実に起こりうる展開は先が気になり一気読みしてしまう。イノセントに続いて読んだ著者の作風は好きかもしれない。
Posted by ブクログ 2018年07月31日
母の危機は家族の危機。バラバラに思えた家族は、それぞれの思いを抱えて母のため、家族のために行動する。
特に男の人って、家族を大切に思っていてもそれが恥ずかしいような癪なような(笑)で、本当の気持ちと逆の行動やそっけない態度をとってしまいがちに思える。4人家族で息子2人なんてまさに典型では。親の病気...続きを読むという点では他人ごととは思えず、最終章手前までは一気読み。
こんなに簡単(じゃないだろうけど)に事態が上手い方向に転がって、こんな終わり方ちょっと雑じゃない?家族で闘病する姿をもう少し見たかったかなあ。
Posted by ブクログ 2018年05月06日
家族の在り方を改めて考えさせられた。
初の早見作品だったけど好きなタイプの作家さんだった。
これから早見作品を読み漁って行こうと思う。
本作は映画化もされてた。
映画のほうも観てみようかな。
Posted by ブクログ 2018年03月08日
家族が病気になった。
それは今までバラバラだった家族を、唯一つないでいた母親。
それを機に、少しずつ何かが変わっていく───
それまで好き勝手にしていた家族が、その存在の大きさに改めて気づき、
自分にできることを模索し、力を合わせるようになる。
ラストにかけて、こんなにうまくいくことってあるのか...続きを読むと思ったりしたけれど、良かったです。
(著者の実体験を元に書かれているとのこと。)
安西監督ではないけれど、「あきらめたらそこで終わり。」なんだものね。
最悪の状況を嘆くばかりではなく、信じて支え合うことの大切さを痛感した。
読み始めてすぐ、改題前の『砂上のファンファーレ』を数年前に読んでいたことに気づいた。
この数年の間に、自分と家族の中でも様々な変化があって、いろんな思いがよぎりました。
病気になるのは辛いことだけれど、それが誰であっても、そのことで見えてくるものってあると思う。
家族ってなんだろう…親と子、夫と妻、
いつもそばにいてくれる人?守り、守ってくれる人?
その関係も、決していいことばかりではないと思う。
近くにいる分、不平不満もある。
でも、血のつながりがあってもなくても、一緒に過ごした時間はかけがえのないものなのだと信じたい。
Posted by ブクログ 2017年10月18日
家族それぞれのキャラクターがすごく細かく描かれており、家族のバラバラな感じとか、まとまっていく感じとかがリアルだなぁと思って読み進めることができました。
実際、セカンドオピニオンというか、病気の進捗具合などはどこまでが真実を描けているんだろう、って思いました。(詳しくは知らないので)
ストーリー自体...続きを読むが暗くなりすぎないところがとても良かったです。
Posted by ブクログ 2017年09月17日
家族の気持ちがバラバラな若菜家。その中心で精神的支えだった母の玲子の脳に腫瘍が見つかり大ピンチ。家族の存在意義を問う長編小説。
助け合うのが家族というのはきれいごとで、実際は誰かの負担に偏りがあるのが現実だ。不安だらけの若菜家だが、最も頼りにならなさそうな次男の行動力から歯車が回りだす。「七人の侍」...続きを読むや「荒野の七人」風のコミューン再生物語。
Posted by ブクログ 2017年01月25日
映画化してたんやねぇ。全然知らんかった。
記憶障害を発症させた母親の脳に悪性腫瘍が見つかり、家族がその病気と闘おうという話。
作者の実体験を踏まえているとはいえ、ノンフィクションではないので、ご都合主義的に上手くいく部分も多々あるのだが、それでも登場人物たちの、崩壊していた家族像に直面して放心脱力...続きを読むしていくさまは痛々しい。
高度成長期、バブル期と日本が一番元気だった時を実体験してきた俺たちには、耳の痛い話も多い。
今の子らにしたら「良い時代の恩恵を味わったなら、その後始末まできちんと引き受けろよ」って、そら思うわな。世代の責任などよう取らんが、せめて自分の子供にくらいは「良い時代の恩恵を味わった」ものとして何かしてやらんとなぁ、と思う。
時代は変わっている。「昔は良かった」とか「あの時こうしてたら」とかノスタルジーに浸る時もある。でも、今の若い子らが歳をとった時浸れるノスタルジーを俺らは作れているんだろうか?自分らが味わった幸せとは違うかたちになってしまってでも、次の世代に幸せを残してやる。それは歳をとったものの仕事じゃないんだろうか?
この本読んだら親の顔観に実家帰った、ほんで自分の家もどって、娘と一緒に酒飲んだ。そういう行動をしたくなる小説である。
Posted by ブクログ 2023年04月16日
序盤、あまりにも怖くて(年齢からリアル)読み飛ばしたくなりました。
家族の温かさ…のような平和な着地でしたが、なんとなくザワザワした読後感です。
Posted by ブクログ 2022年08月27日
気持ちがバラバラだった若菜家
突然母に脳の癌が見つかる
母の病を気に息子たちが奮闘するが、
父親が借金だらけなことに気づく。
母の病、父の借金…
まだ大丈夫ってみんな思って
お互いやりたいようにしていたが、
母の病をきっかけに家族が一つになっていく
家族って近いから甘えてしまうところあるよね
でも大...続きを読む切だから、ここぞの時にがんばれるんだな
Posted by ブクログ 2022年07月17日
家族がバラバラで兄弟の仲も決して良くはなかったが、母親の突然の病気によりみんなのベクトルの向きが一方向になった。
そして浩介も俊平もたくましくなった。
母の病気について、
やっぱりセカンドオピニオンは大事だということか?とか、
そんなこと(小説に出てくるような病気の展開の仕方)ってあるのか?など、
...続きを読む病気を扱う小説に求めがちなリアリティーさってどうなんだろうと思ったが、解説を読むと作者の実体験に基づいているらしいから、まぁこういう展開でもいいのだけど・・・
。
Posted by ブクログ 2020年03月30日
母親の病気発覚から様々な家族の裏側が明らかになっていく。家族とは何か、を真正面から捉えた本作。誰もがいずれ当事者になる可能性のある物語。その時、何を考え、どう行動するのか。
10数年前の自分に起きたことが苦々しく思い起こされる。浩介のようにも俊平のようにもできなかった自分...。ただ、後悔だけはなか...続きを読むった。なんの説得力もないものに寄りかかって今日も生きていくだけ。
Posted by ブクログ 2019年04月25日
夫婦二人の生活は、バブルが弾ける前に買った家のローンと、その他の借金にまみれた生活だった。
そんな時、母の玲子は自分自身に異変を感じていた。
夫もそんな妻の異変を感じていたが、決定的な場でそれが露呈してしまう。
脳のガンと診断された玲子と家族の闘病の日々が始まる。
そこには様々な苦労と確執と借金と…...続きを読む家族のありかたが見えてくる。
もし、同じような状況になったら、どうなるだろう?
どんな家族にもそれぞれの苦難があるだろうなぁ。
2019.4.25
Posted by ブクログ 2017年09月01日
母親の病気をきっかけにした家族の再生の物語。家族1人1人に、家族に対するそれぞれの思い、ドラマがあるのだと感じた。著者の実体験がモデルになっているようで、病気の不安にかられる様子や病院をたらいまわしにされる様子などにはリアリティがあった。ただ、展開がうまくいきすぎで、ちょっとご都合主義的なようには感...続きを読むじた。