【感想・ネタバレ】中原中也全詩集のレビュー

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Posted by ブクログ 2023年12月04日

中也全詩集を時間をかけて読んだ。今彼の詩を読んで所謂名作と言わてるものが物凄く際立っているように思えた。
好きだった作品をあげてみる。
山羊の歌より
・帰郷
・失せし希望
・汚れちまった悲しみに……
・生い立ちの歌
・時こそ今は…
在りし日の歌より
・冷たい夜
・湖上
・骨
・北の湖
・一つのメルヘ...続きを読む
・冬の長門峡
未発表詩篇より
・春の夕暮
・(概念が明日となれば)
・(秋の日を歩み疲れて)
・秋の日
・幼なかりし日
・夏の海
・夏
・湖上
・砂漠の渇き
・(吹く風を心の友と)
・(疲れやつれた美しい顔よ)
・コキューの憶ひ出
・細心
・酒場にて(定稿)
・脱毛の秋
・いちぢくの葉
・朝
・山上のひととき
以上29篇、高名な「山羊の歌」「在りし日の歌」以外にも抒情性豊かな詩篇があり、僕がこの本を手にした理由だ。
また、巻末にこれも高名な大岡昇平と小林秀雄の評伝が掲載されており、素晴らしい。

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Posted by ブクログ 2022年09月25日

62冊目『中原中也全詩集』(中原中也 著、2007年10月、角川学芸出版)
30歳という若さで夭折した天才詩人・中原中也の全詩集。
約800ページという非常にボリュームのある文庫本だが、1ページあたりの文字数は少ないので割とサラサラと読み進めることが出来た。
爽やかかつロマンチックでありながら、全て...続きを読むに唾するような無頼さも感じられる。どちらも彼の本質であり、それこそが中原中也の魅力なのだろう。

「ポッカリ月が出ましたら、舟を浮べて出掛けませう、波はヒタヒタ打つでせう、風も少しはあるでせう。」

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Posted by ブクログ 2022年04月26日

「月夜の浜辺」月夜の晩にボタンがひとつ浜辺に落ちていた
       捨てられないもの
中也の詩があってうれしい

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Posted by ブクログ 2022年01月31日

悲しみと生きるために

バイトの休憩中にちびちびと読んできた、中也の詩。全詩集。
悲しみはどこにでも、何しても、消えてくれるものじゃないから、それならば、私はそれと手を繋ごう。
中也の悲しみを一緒に感じて、あなたの悲しみは心地よいから。私はずっと、救われているよ。

いつかまた会いに行ける世界になっ...続きを読むたら、あいにいく。

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Posted by ブクログ 2022年01月09日

東京に、雪が降った。街に光に照らされて、雪が落ちて行く。
そんな時に、ふと思い出すのが、「今日も小雪の降りかかる 汚れちまった悲しみに」というフレーズだった。そして、本棚から、この詩集を取り出す。それで、読んでみる。その詩の最後のフレーズ「なすところもなく日は暮れる」という終わり方に、雪は心の中にも...続きを読む降りしきるようだ。
この詩集は、不思議なことに、買ったときからずっと持っている。50年以上前の詩集で、紙は日焼けしている。存在感がある。中原中也に憧れた時期がある。悲劇のような喜劇のような詩人である。
京都から恋人の年上の女優になりたい女と一緒に東京に行き、そして小林秀雄と仲良くなって、小林秀雄にその女を取られる。一緒に住んでいた荷物を、小林秀雄の家に持って行ってやるのだ。
寝取られた上に、優しさを発揮する。「汚れた悲しみ」に雪が降って、何事もなかったような白い世界となる。朝になると雪が溶けて、汚れてしまった悲しみがあらわになる。「私はかたくなで、子どの模様にわがままだった。私はおまへの優しさを思ひ、また毒づいた人を思ひ出す。今朝はもはや私がくだらない奴だと、みずからを信じる」と歌う。どこに怒りをぶつけたらいいのか。その自分の不甲斐なさ。酒屋で飲んだくれて、人に絡みついた。悲劇を喜劇のように演じて、詩人は、言葉を磨き続ける。敗者としてのとぎすまされた言葉を磨く。その恋人は、結果として小林秀雄さえも捨ててしまうのだが。
小学校からの友人が、中学生の頃に高村光太郎の「さびしき道」と中原中也の「月夜の浜辺」を教えてくれた。波打ち際のボタンが落ちていて、それを拾ったら、どうする?と言われた。
彼は、海に向かって思い切り遠くまで、投げてやると言った。彼は、野球選手だった。用のないボタンは、もういらないのだと。スッキリしているのだ。私は、やはりポケットの中に入れると思った。
彼はもう地球上にはいない。
30歳で人生を閉じた中原中也。昭和12年。戦争が本格的に始まる頃だ。ピカソがゲルニカを描いた頃。中原中也は、1冊の詩集しか出版していなかった。2冊目を作って、小林秀雄に託して死んだ。
サーカスのブランコは、「ゆあーん ゆよーん ゆやゆよん」とゆれる。
そして、「私の上に降る雪は真綿のやうでありました。私の上に降る雪はいとしめやかになりました。私の上に降る雪に いとねんごろに感謝して、神様に 長生きしたいと祈りました」
夜の東京で、雪が降ると 雪を歌った詩人のことを思い出す。

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Posted by ブクログ 2021年05月09日

文豪と呼ばれる作家たちの中で、一番大好きな中原中也の全集を本屋で見つけて即買い。やはり心に残る。何度も読み返したい。折角なので好きな詩を。「都会の夏の夜・帰郷・生ひ立ちの歌・春・幼獣の歌・骨・北の海・白紙・修道山夜曲・自滅・初夏・(僕の夢は破れて、其処に血を流した)・昏睡・暗い公園・(嘗てはラムプを...続きを読む、とぼしてゐたものなんです)」。 「また来ん春」と「嬰児」は文也のことを謳っているのだな、と思うと、幼くして亡くした長男のことをどれだけ中也が愛していたかが伺えて、心打たれる。

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Posted by ブクログ 2017年04月07日

350篇もの全詩集です。
長かった!...けど読みやすかったです。
中原中也の詩は先ずテンポが良いのが一つの魅力だと思います。
読む音楽みたいなと言ったら変かもしれませんが、それくらいリズミカルなのが心地良いです。
中原中也という人となりと、言葉や漢字の裏に隠された意味を理解出来ると嬉しくなる一冊で...続きを読むす。
お気に入りの詩は勿論たくさん見つけましたが、やはりサーカスが一番好きかな。
ゆあーんゆよーんは何だか可愛らしい表現だと思います。

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Posted by ブクログ 2015年08月01日

大正から昭和にかけて活躍した詩人、中原中也の全詩集です。文庫版ですが、読みやすくて良いです。中原中也と聞くとイメージされるのは、「汚れつちまつた悲しみに 今日も小雪の降りかかる…」と始まる「汚れつちまつた悲しみに……」が一番でしょうか?他にも美しい自然を描いたものや人生の苦悩を絞り出したものなど、た...続きを読むくさんの詩を残しています。作品から想像できませんが、だいぶ破天荒な人生を送っていたらしく、大岡昇平や太宰治とのエピソードは有名です。全詩集なので、気になる詩やグッとくる詩を探しながら読むのは楽しいですよ。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2011年11月05日

「春日狂想」の「愛するものが死んだ時には、自殺しなけあなりません。愛するものが死んだ時には、それより他に、方法がない」という冒頭は、かなりショッキングだった。
息子を亡くして書いた詩だとどこかで読んだが、似たような経験をした私は、それでも結局自殺という道を選ばずに最期まで精神不安と結核とたたかった中...続きを読む原中也に勇気づけられた。

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Posted by ブクログ 2011年07月07日

詩集なので、読後の感想も詩で語りたい。


詩人の言葉には
「骨」がある
「肉」がある

詩人の言葉は
鋭い刃物で
皮膚を切り裂かれて
暗い色の血を流す

詩人の言葉は
夏空の高みに向かって
奔馬のように
駆け上がる

詩人の言葉は
サーカスのピエロのように
滑稽で
哀しくて

詩人の言葉は
底知れ...続きを読むぬ絶望から紡がれ
それを読む者への
希望に置き換えられる

詩人の言葉は
100年の時空を超えて
その瑞々しさは
いささかも失われはしない
(了)

中原中也の詩に出会ったことは、紛れもなく私の人生を通じて最良の経験のひとつである。

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Posted by ブクログ 2011年09月14日

・・・・・書きかけ・・・・・


103年前の1907年(明治40年)4月29日に山口市に生まれた詩人。1937年(昭和12年)10月22日に30歳で没していますから、絵に描いたような夭折である訳ですが、

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Posted by ブクログ 2009年10月07日

初めて好きになった詩人が中原中也でした。
教科書に載っているようなのよりも、初期の詩の方が個人的には好き

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Posted by ブクログ 2023年03月01日

トタンがセンベイ食べて
春の日の夕暮は静かです
アンダースローされた灰が蒼ざめて
春の日の夕暮は静かです

吁!案山子はないかーあるまい
馬嘶くかー嘶きもしまい
ただただ月の光のヌメランとするままに
従順なのは 春の日の夕暮か
    (「春の日の夕暮」より)

幾時代かがありまして
  茶色い戦争...続きを読むありました

幾時代かがありまして
  冬は疾風吹きました

幾時代かがありまして
 今夜此処での一とさかり
  今夜此処での一とさかり

サーカス小屋は高い梁
  そこに一つのブランコだ
見えるともないブランコだ

面倒さに手を垂れて
 汚れ木綿の屋根のもと

 ゆあーん ゆよーん ゆやゆよん

それの近くの白い灯が
 安いリボンと息を吐き
      (「サーカス」より)

汚れちまった悲しみに
今日も小雪のふりかかる
汚れちまった悲しみに
今日も風邪さへ吹きすぎる

汚れちまった悲しみは
たとえば狐の革衣
汚れちまった悲しみは
小雪のかかってちぢこまる
  (「汚れちまった悲しみに…」より)

菜の花畑で眠っているのは…
菜の花畑で吹かれているのは…
赤ン坊ではないでせうか?

いいえ、空で鳴るのは、電線です電線です
ひねもす、空で鳴るのは、あれは電線です
菜の花畑に眠っているのは、赤ン坊ですけど
  (「春と赤ン坊」より)

 高校の国語で出会った中原中也。
悲しい青春の歌。喪失の歌。美しい日本語。リズム。大正モダン。やっぱりいいです。
 最近よく聴くブルーハーツのギタリストで歌詞も半分くらい書いていた真島昌利さんが中原中也を好きと知って、詩集を読んでみました。

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Posted by ブクログ 2021年10月06日

『現代詩文庫 中原中也詩集』(思潮社)だけど代用

読んでる時は、バリエーションに富んだ詩を読む人だな、くらいの印象だったが、

本人の"小詩論"、"芸術論覚え書"
秋山駿と鮎川信夫の解説を読んで初めて、詩人としての生き様を見れた感じでした。

踏まえてもう一...続きを読む度読んでもまた印象変わるかも

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Posted by ブクログ 2017年02月09日

トタンの屋根がセンベイみたいに夕陽を食ってしまったとして
それになんの不都合があろう
空と山とに笑われながら、思いの丈を現在に叩きつけても
それはまったく自由であろう
だが自由とは
他者の自由を禁ずる自由でもあったというわけなんですよ
それに気づいた友人たちが
去っていくのを見送ったあと
テンポ正し...続きを読むく真面目にやろうと
思ったときには遅すぎた
中也も息子も早くに死んで
あとには自分のポエムのみ
汚れっちまった悲しみのように
誰も乗らないブランコのように
打ち捨てられていた
のだった

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Posted by ブクログ 2009年10月04日

こんなものも読んだりします。
散文はよくわかりませんが、口に出してみるのは好きです。
理解するのでなく感じるものだということにしています。

短歌や俳句なども好きです。知識が無いので何を読んでよいのかわからないのが欠点です。

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