【感想・ネタバレ】古都のレビュー

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感情タグBEST3

Posted by ブクログ 2023年07月23日


川端康成のミニマルさを端的に表した大好きな一冊。
京都という舞台で、京都の史跡や文化に彩られながら、生き別れた姉妹の出会いを淡々と描写する。彼女たちの関係性の、描かれない部分が本当に美しい。
最後はひっそりと都の中に消えていく様な読後感で、表題も相まり一つの到達を感じさせる作品。

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Posted by ブクログ 2021年11月04日

『山の音』よりもこっちのほうが好き。悪い人が一人も出てこない。特に千重子のお母さん、しげの人柄が良い。娘に厳しくあたるでもなく、愛情をもって接しているのがよくわかる。他の親たちも大店を継がせるのが人の幸せではないとか、子供を尊重した物言いで感心する。川端の書く京ことばはいけずなところなど微塵もなく、...続きを読むひたすらさり気ない思いやりに溢れている。こういう話し方ができたらいいのに。

あとがきで睡眠薬を飲みながら夢現で書いたとあってびっくり。川端の他作品と比べるとテーマも文体もすごく「まとも」に思えたから。

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Posted by ブクログ 2021年04月04日

千重子と苗子、境遇も幸せの形も同じ道を辿ることはなくなってしまったけれど、お互いを想う気持ちと僅かではあるが共に過ごした温かい時間は痛いほど美しく記憶に残るのだろう。幸福は刹那的だが幸福だった記憶は永遠という川端らしい作品だと感じた。
登場人物のそれぞれに向ける感情がどれも真摯で慈しみに溢れているの...続きを読むも心が洗われる。
幕切れも美しく始まりから終わりまで、そして余韻も素晴らしい作品。

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Posted by ブクログ 2021年02月21日

川端康成ファンの母に勧められて。

はじめて読む川端康成作品。
心が洗われるような、姿勢が正されるような…
透き通った美しい作品でした。
ひとつひとつの描写が繊細で、
古都の美しさや千重子の上品な立ち振る舞いが
自然と映像として浮かび上がってきました。

千重子は誰と付き合うのかなぁ?苗子は誰に恋す...続きを読むるのかなぁ?とか下世話な見方で読み進めた自分が恥ずかしい…。
最後の数ページで心洗われました。

次は「雪国」読んでみようと思います。

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Posted by ブクログ 2020年10月30日

悠久の刻に横たわる古都。少女たちの幼気な交流がほんの一瞬に輝く様を丁寧に描かれている。時代祭りを背景にした男女の心理や平安神宮の自然美の描写には、やはり郷愁を誘われる。近いようで遠い都とそこで暮らす人々の生活観を真摯に活写した文学の美しさがそこにはあった。

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Posted by ブクログ 2020年05月02日

京の商家の一人娘と自分とそっくりな村娘が出会うところから話が始まります。最後の切なさはなんとも言えません。また京都の四季、文化、言葉の表現の描き方がまたなんとも美しいです。

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Posted by ブクログ 2020年03月05日

四季の巡る京都の一年間を背景に、ヒロイン八重子を中心とした人間模様が交錯する。
美しい言葉遣い、自然の光景や行事が川端康成の流麗な日本語で語られる。

大店呉服屋の一人娘の八重子は、庭のもみじの幹の上下に根ざした二株のすみれに春の訪れを感じている。同じもみじの幹に咲きながらも互いを知らないのだろうか...続きを読む。それは自分と会えない誰かのように?
八重子は捨て子だったが、今の両親の太吉郎としげから愛され大切にされている。

京都の自然と伝統の中真っ直ぐに育つ八重子だったが、自分が恵まれれば恵まれるほど、自分を捨て子しなければいけなかった実の家族を思うとどこかしら寂しさのようなものも感じている。
「今の親が可愛がってくれはるし、もうさがす気はあらしません。うみの親は、仇野あたりの無縁仏のうちにでもおいやすやろか。あの石はみな古うおすけど…」

そんなある日自分とそっくりの村娘、苗子と行き会う。
彼女こそ自分の生き別れた双子の相手だったのだ。それはまさに神様のお引き合わせのようだった。

八重子は自分の生まれと、本当の父も母ももうこの世にはいないと言うことを知る。
太吉郎としげの夫妻は「その子には、なにか、苦しいこと、困ったことが、できたんやったら、うちへ連れといで…。引き取るわ」という。

だが苗子は八重子を「お嬢さん」と呼び、「お嬢さんの難儀のときには、喜んで、身代わりでも、なんでもさしてもらいます」「うちはお嬢さんの差し障りになるようなことはいやや」という。

お互い一目見たときから懐かしさを感じるが、ともに暮らすことはできない…。
そんな二人のそばにいる三人の若者たち。
八重子と幼馴染の水木真一は、捨て子だという告白を「それなら家で育てたかった」というくらいに受け止める。
兄の竜助は、苗子の側にいたいと、格下の八重子の店に見習いに入る。
織物屋の長男秀男は、深く八重子を想うけれど、身分違いのために苗子との結婚を望む。

八重子の家の呉服店は傾きかけている。両親は店を畳んでも良いと思っている。だが八重子は少しずつ店のことを知ろうとするのだった。

 祇園祭、清水寺、嵐山の奥の尼寺
 紅葉の青葉、北山の真っ直ぐな杉、神宮の紅しだれ桜、楠並木、
 更紗に西洋かあてん(平仮名表記が妙に艶っぽい)、伝統柄の織物、西洋絵画をモチーフにした織物、そしてそれらには下絵を描いた人、織った人、使う人の人柄が現れる。

京都の四季、伝統を通して人々の想いが交錯してゆく…。

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Posted by ブクログ 2019年11月09日

 とっても素敵な作品です。
本で泣く事は少なくなりましたが、珍しく心が温まり、泣いてしまいました。京都の伝統文化を著したお祭り、北山杉の情景描写を細かく描いていて、調べながら、想像が膨らませて読むことが出来ました。2人の双子は行き別れで、大人になってからは一緒に住む事は叶わない運命だったかもしれませ...続きを読むんがお互いが生きていれば、それが自身の力の源になっていくでしょう。
 川端康成の物語は七変化ですね、色々な物語を観ることができます。

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Posted by ブクログ 2019年08月04日

読書をほとんどしなかったのにいきなり読んで大丈夫かと不安でしたが、想像以上に読みやすかったです。四季の情景や人物の心情の描写が美しく、物語に入り込んでいるかのような感覚がとても心地よかったです。表情や仕草から人物の心情を想像するのも楽しかったです。遠からず、されど近からずの双子の姉妹と二人の男の運命...続きを読むが気になります。

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Posted by ブクログ 2023年03月27日

調和論だろう。日本の古都のそれはあいまいの美で、当時最近流行のハイカラなものは、その角をとってぼかしたところがないのでみたいなある意味サイケデリックなところと、生誕について思い巡らすあたりがよい。

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Posted by ブクログ 2023年01月19日

京言葉と、京都の四季と祭の描写が美しい小説です。
京都に詳しくないので地図を見たり調べながら読むと楽しく観光気分にもなりました。
どことなく夢の中のような、曖昧でふわふわとした感じがあるなと思って読んでいましたが、あとがきを読んで納得しました。

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Posted by ブクログ 2022年10月27日

1961年起筆ということは、川端がおよそ60歳の作品。
新聞連載ということもあるのか、ブラック・ヤスを求める向きには甘ったるすぎるメロドラマかもしれない。
要は変態度数低め。悪人もいない。
しかしビザール好きと同時にロマンチック好きな私としては、結構楽しく読めた。
少女小説(優等生的少女)をものして...続きを読むきた作者の力量もあるか。
姉妹百合という妄想も捗るのでな。

ヒッチコックの「めまい」が1958年公開……いや、さすがに影響はないか。
でも勝手に結びつけたくなるモチーフではある。
一人二役の映画や、双子ものって怪しい魅力があるし。

本作は三人称で、神の視点で語られるが、仮に語り手を千重子の父にしてみたら、川端汁がじわじわ出るかもしれない。
大友秀男を視点人物にすれば、上に書いたように「めまい」のジェームズ・ステュアートのように読めるかもしれない。
その場合、千重子と苗子はキム・ノヴァク。
また幼馴染を兄竜助に奪われそうな真一の煩悶は、志村貴子の漫画にいかにもありそう。

脱線的妄想が捗った。
映画もいくつか、ドラマはたくさんある。いつか見てみよう。

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Posted by ブクログ 2022年07月25日

ノーベル賞作家・川端康成の名作である。美しい双子の姉妹と四季折々の京都の街並みが描かれており、良かった。一緒に暮らせないとしても、苗子には幸せになってほしい。これを書いた頃の筆者は睡眠薬中毒で、執筆記憶が無いという事実に驚愕。

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Posted by ブクログ 2022年04月03日

離れて育ったふたご。
美しい古都の風物・行事とともにふたりの思いが交錯する。
斜陽の家業、好意を寄せる男たち。
静かにエンディングを迎えるが、その先にあるのは哀しみなのか…

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Posted by ブクログ 2021年12月26日

この本を読んでいる最中、ずーと千恵子が東山魁夷の絵の中の世界にでも生きている様な感覚でした。美しいふたごの千恵子と苗子。裕福な千恵子の生活を壊すなら死んだ方がいいと言う苗子。凛としながらも、育ての親の意向に沿う生き方を受け入れる千恵子。京都の祭りや風物の色と香りが漂う文章にくらくらしながら読み進めま...続きを読むした。物語りは、余韻を残し、終わりますが、こんなにも静謐感を感じた文章は、初めてでした。

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Posted by ブクログ 2021年07月10日

異邦人、金閣寺からの京都繋がり第3弾?で読んだ初めての川端康成。文章から浮かぶ古都の景色や年中行事の情景が綺麗。京都と言う独特の空気感にも包まれる。昔母に連れて行ってもらった山口百恵さんの映画「古都」の場面がフラッシュバックする中で、内容は殆ど覚えていなかったから川端康成の世界に浸ることが出来た。裕...続きを読む福だけど捨て子と言うわだかまりをずっと抱える千恵子と貧しいが両親の思い出のある双子の苗子。憎むでも羨むでもない優しい姉妹愛が良い。静かでなんとなく哀しい読後感、古き良き日本文学に触れたと言う気持ちの良さを味わえた。
心に残った言葉の備忘録「明日ありとても思ふこころのあだ桜 夜半に嵐の吹かぬものかは 親鸞上人」

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Posted by ブクログ 2019年09月17日

杉林の情景描写がとても美しかったので
京都旅行に行ったとき実際に北山杉の林を訪ねてみました

北山杉の御神木がある中川八幡宮は、京都市内の寺社に比べたら地味だけど、とても風情があって良い雰囲気でした

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Posted by ブクログ 2019年08月15日

読書会の課題本。
以前読んだ川端康成の「雪国」が、いまいちピンとこなかったが、こちらは描かれている京都風景にイメージを喚起され、また人物どうしの関係がシンプルで読みやすい。一方で、人物の心情はわかりやすくはっきりとは描かれていないので、本当はどう思っているのだろう?と想像を巡らせたり考えたりもしなが...続きを読むら読んだ。
特に印象に残った箇所は、千重子と苗子の杉への想いの比較。まっすぐすっきり伸びる杉に惹かれ、そのようにありたいと思う千重子。一方、そんな杉は人工的な在りようで、人の手の入らない原生林が良いという苗子。苗子は千重子より苦労して一人で生きてきた分、ずっと生命力が強いのかもしれない。一方、千重子は大切に京都の老舗の店で愛されて育ち、また生さぬ仲であることのひけめと感謝から、正しく生きなければと思い、守られた小さな世界で生きてきたことを表しているのかもしれない。ただ、壺中で生きる鈴虫に疑問を持っていることは、自分が狭いこの世界に生きていて良いのか、外に出たい気持ちなども表しているのか。
慎一はもう少し活躍というか、千重子とからむと思ったのだが、あっさり竜介に場所を譲ってしまい拍子抜けだった。
一番心情が描かれていたのは秀男だと思うが、秀男の本当の気持ちが掴み切れなかった。
苗子が言うように、完全に秀男は苗子を千重子の身代わり、代用品としてのみ見ているのだろうか?もちろん最初はそうだったと思うが、苗子に惹かれている部分もあるように思うが。とはいえ、千重子への想いの代替、身分違いで千重子には近づけないけれど苗子になら気後れしないという思いも心の底にはあるのだろうから、理想の千重子を抱えた秀男であることを知ってしまっている以上、苗子が秀男に無理だと思うのは仕方ない。
苗子は実際のところ、千重子への嫉妬や葛藤もあったのでは?出会えたことも過ごせたことも喜んで大切に思っているのは、もちろんだとは思うが。もう少し苗子の描写が欲しかった。

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Posted by ブクログ 2018年06月16日

 最後に川端康成を読んだのは10年以上前、『雪国』と『伊豆の踊子』の2冊だった。後者はともかく、前者は(当時の感想が手許にないが)何が言いたいのか良く分からず、まだ自分には早いかなと思ったのを覚えている。今一度読めば、きっと楽しむことができるだろうと、本作を読んで思った。

 本作は、京都に残る古い...続きを読む街で機織りを行う家で拾われた捨て子を中心に進む物語だ。きっと機織り業界(?)の縮小が進んでいる最中なのだろう、時代に置いていかれる感じがする。それは機織り業に限ったことではなく、彼女の父母であったり、純日本的な風景、四季を彩る植物、価値観(特に結婚)など、全体に雰囲気として広がっている。昔は良かった、と次の時代に悪口を吐くためでなく、単純に一つの美しさが失われることを悲しんでいるかのようだ。
 例えばチューリップ柄の織物もまた良い。でも、それとは異なる感じの美しさが京都には確かにあった。そういった確かにあった美しさを著者は書き残したかったのだろうか。
 社寺仏閣に暗いため、いわゆる京都旅行(お寺とか巡る鉄板のコース)は修学旅行でしか行ったことがなく、京都のことは分からないが、お寺は焼けずに(焼けても)残っているし、伝統文化・芸能も残っているだろう。
 でも、それが「残すべき伝統や遺産」になる前の時代とその空気は、存在として残すことはできない。だからこそ、小説という媒体を用いて、その空気感を閉じ込めたのが本作なのかなと思った。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2023年08月06日

京言葉と、四季折々の描写が雅で美しい。心落ち着く~。
日本語って、こんなに綺麗な言葉があるんだなぁと再認識しました。
ストーリーとしては「完」という形ではなく、余韻をたっぷり含んだ終わり方だった。

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Posted by ブクログ 2023年02月03日

川端康成は幼児に愛着覚えるタイプだったんだろうか。大分昔に読んだのではっきりとは覚えていないが、伊豆の踊り子もそんな感じがする。
この小説に北大路魯山人だったかが絵を贈って、それが小説の表紙絵になったらしいが、この新潮社版はその絵ではないらしい。すごく残念。

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Posted by ブクログ 2022年02月19日

美しい京都の情景と双子の姉妹。
登場人物がみな真っ直ぐで、しんと澄み切ったような世界。四季折々の京都の姿が印象的。

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Posted by ブクログ 2021年08月05日

100年くらい前の京都の街で繰り広げられる人々の話。
主人公は問屋の美しい娘ではあるけれど、両親や友達、離れ離れで生きていた双子の妹など、それぞれの人物像がしっかりしている。そして一人一人の表情が目に浮かび、心情が伝ってくる。それぞれの人物の心の動きはあるものの、全体的に優しい人たちの話なので安心し...続きを読むて読める。
最後は、程よい余韻がある。続きは想像におまかせなのであろうが、なんとなく見通せるので、まさに“程よい”余韻だった。
また、京都の街の描写が素晴らしく、京都へ旅行に行く時は持っていきたいと思える本。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2021年05月11日

川端康成は初めて読んだ。美しく小説を書く人なのかなと思った。隙がなくて、一枚の絵を眺めているような、そんな気も少しした。
物語の大筋である千重子と生き別れの双子の姉妹・苗子の関わりはとてもいい。後半につれて増えていって、彼女たちの行く末までを面白く読んだ。
途中で千重子の父・太吉郎が芸者と戯れる場面...続きを読むがあるのだが、物語に何の関係もなさそうな、だからといって不必要というわけでもないへんな場面だった。太吉郎は最後に千重子と苗子の別れを見届けている。
読んでいるときの実感としては手応えなく読んでいたが、手元に残しておいて事あるごとに振り返りたいような奇妙な立ち位置の小説となった気がする。



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ネタバレ

Posted by ブクログ 2021年03月21日

再読。当時の僕の心には響きませんでしたが、3年半ぶりに読み返してみると、四季折々の京都の伝統的なお祭りが小さな頃から京都に住む人たちにとってどれだけ大事なものなのかが分かってすごく良かったです♪やっぱり歴史を学ぶって大事ですね~☆次はしっかり予習してから京都の伝統的なお祭りを楽しみたい!!

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Posted by ブクログ 2020年11月23日

古都というタイトルから分かるように舞台は京都。物語は京都の年間行事に触れながら美しく描かれている。物語の中心である、千重子、苗子、秀男のそれぞれの境遇や葛藤などに注目しながら一読したい作品である。

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Posted by ブクログ 2020年11月16日

千恵子と苗子の美しい双子の姉妹、そしてまさに古都・京都の風情ある町並み、移りゆく四季の風景、そして伝統あるお祭りなど、まるで写真を眺めているかのような情景・人物描写で、これが川端康成の小説なのか・・・と、ため息が出るような美しい作品だった。
そんな古都の情景を背景に、千恵子と苗子の切ない気持ちが、...続きを読む余計に伝わってくる。
この作品が描かれた頃の京都が、1番美しかったのかもしれない。川端康成は、そんな古都・京都を描きたかったのカナ?残念ながら今は、中国人をはじめとする外国人であふれ(コロナ禍の今は別として)、京都自体もインバウンドに頼りすぎで外国人目線になり、古都本来の情景が完全に失われている。この作品を読んで、私はなんだかその事が切なくなった。
でも今読んでみると、美しい古都・京都が甦ったようだった。
1つ心に残ったのは、千恵子は結局のところ、どなたと結婚することになったのだろう?凄く気になりました(笑)。真一かなぁ!?

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Posted by ブクログ 2019年07月24日

北山杉の村に住む生き別れとなった双子の姉妹の再会と数奇な運命を京都の四季折々の行事と織り交ぜて描く。

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Posted by ブクログ 2019年06月27日

捨子ではあったが京の商家の一人娘として美しく成長した千重子は、祇園祭の夜、自分に瓜二つの村娘苗子に出逢い、胸が騒いだ。二人はふたごだった。互いにひかれあい、懐かしみあいながらも永すぎた環境の違いから一緒には暮すことができない……。古都の深い面影、移ろう四季の景物の中に由緒ある史蹟のかずかずを織り込み...続きを読む、流麗な筆致で描く美しい長編小説。

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Posted by ブクログ 2019年01月29日

情景描写が素晴らしいです。
見たことはないけれど、思い浮かべることができるくらい細かく書かれていると感じた。
特に杉の中での場面が印象的だった。

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