【感想・ネタバレ】それでも僕は東大に合格したかったのレビュー

あらすじ

高校1年のあの日、ある教師の一言でずっと落ちこぼれだった僕は途轍もない挑戦を強いられた。「自分を変えたければ、東大を目指してみろ」。結局2浪、3度目の受験を終えた時、その教師がまた想定外のことを言い出して……。偏差値35のド底辺から合格発表を迎えるまで、『東大読書』シリーズで知られる著者の原点の物語。

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Posted by ブクログ

自分を変えるために東大を目指した少年(青年)の物語。
作者西岡壱誠氏の「自伝的」小説ということだ。
西岡氏には以前より関心があり、書いた物を読んだり、youtubeを観たりしていたので予備知識はあった。そこから判断するに、「自伝的」といっても事実は1割程度で9割はフィクションだろう。
だが、事実かどうかは問題ではない。9割がたフィクションでストーリー展開も強引だが、西岡氏の「これを伝えたいんだ!」という思いがあふれている。だから、感動的な場面が何箇所もあった(プロの小説家でないせいか表現が稚拙で、そのせいで感動が薄れてしまったところもあるが)。
ドイツでの話は特によかった。この部分だけ読み返してもよいかも知れない。
以下引用。

・俺らなんて偶然生まれて、自然の摂理で死んでいく生き物だから、生きる意味とか生まれてきた理由とかそんなものはない。
・生きる意味も、これからの未来も、わからないままに、それでも懸命に手を伸ばして、闘う。その軌跡こそが、「生きる」ってことだ。
・そうして生きた先で、そんな分が悪い闘いをした先で、その軌跡に誰かが意味を与えてくれるかもしれない。
・人間が生きる意味を、強いて見出せるとするならば、それだけだ。誰かが意味を与えてくれること、つまりは「次に繋げる」ことだけなんだよ。

それにしても誰が読むべきかが全くわからない本だ。
高校生がこれを読んでも東大を目指そうとは思わないだろうし、受験生が求めているのはこの内容ではないだろう。かといって40代以降の人が読むには青臭すぎるし。
そう考えると30代くらいかなとも思うが、その年代の人が手に取ることはないだろう。
つまり、売れない。

まあ、個人的には悪くない本ではあった。

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2024年01月10日

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