【感想・ネタバレ】悪人のレビュー

ユーザーレビュー

Posted by ブクログ 2018年07月19日

おもしろかったです。九州の話で、博多弁や知っている地名がたくさんでたから余計に親近感が持てました。

この本はぱらぱらとページをめくって、目次を見たときに読もう!と決めました。

第一章 彼女は誰に会いたかったか?
第二章 彼は誰に会いたかったか?
第三章 彼女は誰に出会ったか?
第四章 彼は誰に出...続きを読む会ったか?


最終章 私が出会った悪人



うーん、なんてそそる構成なんだ。


一番の悪人は殺人をした彼。だけど極悪人というよりは、ずるい人という感じですかね。

結局自分一人でいろいろかぶってさ。

あともう一つ考えたのは悪人ってのは世間じゃないかと。

本当のことを知らずに騒ぎ立てたり、祐一が嘘をついてまでかばった彼女を「マインドコントロール」と思わせてしまうとか。

本当は心優しい祐一をおびえる女性を見て興奮するタイプと限定しちゃうところとかさ。

不覚にも泣きそうになってしまった箇所もあったりで大満足です。

再読したい1冊です。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2018年06月03日

冒頭では祐一はぱっとしないうだつの上がらない男だな、とおもっていたけれどヘルス嬢とのエピソードあたりで、本当は一途な男なのかなぁと見方が変わっていった。
つかみどころもなく、衝動的に行動にでてしまう部分もあり、善いところと悪いところの二面性があるところにひきこまれていった。
光代との逃亡シーンは、ラ...続きを読むストを迎えるのが儚く悲しかった。
そして最後に光代の首を絞めたのは、「本当に愛していたのなら首なんて絞めない」と後で光代は振り返っていたけれど、そう自分を悪人に仕立て上げるところまでが祐一の計算だったのだろう。祐一が初めて本気で愛した女であったことに、間違いはないはず。
光代と祐一の揺れ動く心にところどころ涙しそうになった。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2016年07月19日

九州で起きた殺人事件を題材に
「悪人」とは何なのかをテーマに徹底的に掘り下げる。
物語の最初で既に犯人は逮捕されており
結末は見えているけど、グイグイと引き込まれる。
設定だけ抜き取ると
「出会い系で知り合った色恋沙汰と浅はかな殺人」
となってしまうけれど
登場人物を様々な角度から描写し
読み進むに...続きを読むつれて心象が様変わりする。
宮部みゆきの「理由」にも似た完成度。
「どっちも被害者になれんたい」
「少女のちくわのエピソード」
がたまらない。
アメリカのロードムービーのような、
素晴らしい恋愛小説です。
そこに九州の方言が切なさを倍増。
光代は優しい、いい女だ!と思っていたら
映画版では深津絵里という完璧なキャスティング!

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Posted by ブクログ 2018年11月19日

正しく真摯に生きていても、何かの弾みに理性を一瞬失って人を殺してしまうことがあるかも知れない。逆に唾棄すべき生き方をしていても人を殺さなければ、罪に問われることはなく大手を振って生きていける。「人を殺す」ということは人間社会の中で最も罪の重い行為であるがゆえに、それまでどんな生き方をしてこようと、ど...続きを読むんな事情があろうと、そういったコンテクストの部分はいっさい斟酌されず切り離されてしまう。この小説では、この切り離されてしまう部分を犯人、被害者、その周囲の人々の視点から丹念に描いている。人を殺したという事実をもって「悪人」と決め付けてしまう世間一般は想定の範囲内だったが、犯人を信じて一緒に逃避行を共にした女性までもが・・・。彼がそれを望んでいたとは言え、なんともやりきれなく切ない終わり方だった。

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Posted by ブクログ 2018年02月03日

「大切な人はいるか?その人の幸せな様子を思うだけで、自分まで嬉しくなってくるような人はいるか?今の世の中大切な人もおらん人間が多すぎる。そういう人間は失うものがないから自分が強くなった気になり、何でもできると思い込む。失うものもなければ、欲しいものもない。だから自分を余裕のある人間と思い込み、失った...続きを読むり欲しがったり一喜一憂する人間を馬鹿にする。そうじゃない。」
ここの場面が、映画で見ても本で読んでもひどくつらかった。

「どっちも被害者にはなれんたい」
最近読んだ小説の中で最も心に残る衝撃的な発言。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2016年08月18日

一気に読んでしまった。
個々の人間描写がとても良い。

果たして悪人とは何だろうか。

佳男が言った
「今の世の中、大切な人もおらん人間が多すぎったい。大切な人がおらん人間は、何でもできると思い込む。自分には失うもんがなかっち、それで自分が強うなった気になっとる。失うものもなければ、欲しいものもない...続きを読む。だけんやろ、自分を余裕のある人間っち思い込んで、失ったり、欲しがったり一喜一憂する人間を、馬鹿にした目で眺めとる。そうじゃなかとよ。本当はそれじゃ駄目とよ」
言葉がその通りだと思います。

何だろうか、純粋に重い気持ちになりましたが、人に優しい人間になろうと思いました。
手を差し伸べられるくらいの器に私はなりたい。

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Posted by ブクログ 2016年06月08日

読んだのは2回目。
さすがに、1回目に読んだときほどの衝撃はないけど、色々と胸にくるものがあります。
やり場のない怒り、もどかしさ・・・
決して誰も悪くない、というわけではないけれど、誰かを責めることもできないというか・・・
読みごたえのある一冊です。

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Posted by ブクログ 2016年05月18日

長編だったが、続きが気になってあっという間に読んでしまった。ただおもしろいだけではなくしっかり残る作品。

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Posted by ブクログ 2016年01月31日

私がレビューでさんざん叩いてる吉田さんですが
こうやってたまに当ててくるから嫌いになれない!

出会い系サイトで知り合った男女の殺人事件の話
こう書くと簡素だが、人間の感情について深く考えさせられる

人を殺した人間が「悪人」なのか
「悪人」だから人を殺したのか

作者のずば抜けた描写力が如何なく発...続きを読む揮された作品
ハードカバーでも相当分厚い本だけど、
その7割は人物と場面の描写といっても過言ではない

事件に関わるさまざまな人間を一人一人完全に描ききっているのが
この作品の最大の良さだと思います
まぁ、一人か二人、この人なんだったの?ってのもあったけど
とりあえず、一人称をころころ変えるという書き方がうまい

ほぼ全てが実在の地名で、セリフはすべて方言
きっと九州の人だったらさらにリアル

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Posted by ブクログ 2017年01月11日

誰が本当の「悪人」なのか
確かそんなような帯がついていた気が、、。

誰が悪人なのか?
「悪人」と「犯罪者」は違う。
全てはボタンの掛け違い。
でも一人の命が絶たれてしまったことに変わりはない。
そこを美化してしまっては、きっといけない。
でもボタンがもし掛け違える事無くいられたら。
「悪人」を演じ...続きを読むようとすることのできる清水の優しさ、強さをひしひしと感じるだけにそう思わずにはいられない。
鶴田の存在がなんだかとても気になる。

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Posted by ブクログ 2015年10月11日

映画化されたから話題になっただけでしょ? とずっと思っていて、なかなか手が出なかった。ところが読んでみてびっくり。とんでもない傑作だった。

人はどうして破滅的な愛に惹かれるのだろうか。思いつくだけでも「ロミオとジュリエット」「ウエストサイド物語」「フレンズ」といった系譜が僕は大好きで、この作品も僕...続きを読むの中ではそれと同じ系譜に含まれる破滅的ラブストーリーの傑作だ。しかもその空虚さとそれに反比例する情熱の激しさのコントラストが出色の出来栄え。こういう愛の形に、僕はずっと憧れている。ないものねだりだ(笑)。

過去に読んだ吉田修一はそれほど良いという印象はなかったけれど、これはすごい。まいった。謝る。ごめんなさい。登場人物の心象風景に共感しまくりだったせいもある。伏線的なエピソードのからませ方も見事だった。大学生の増尾のキャラがちょっと戯画化されすぎかなとも思ったが、仕方ない。必要悪。クライマックスの舞台が灯台というのもまた泣かされた。

一瞬だからこその美しさ。大切さ。過ぎてしまえばすべてのものは不確かなものに変わっていく。それでも信じたい。それでも僕は信じたい。

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Posted by ブクログ 2017年12月15日

映画を見てから、本へ。映像では良く分からなかった登場人物の心情などが良く分かって、この作品をより深く理解することが出来た。原作と映像を別々に切り離せない。2つそろってひとつの作品のような気がする。

携帯電話や日々の生活で人に囲まれていても、本当は孤独だった登場人物たちの心の叫びが聞こえる本。

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購入済み

人間を描くのがうまい。

ザキ 2018年02月26日

筋書きが面白いのはもちろんですが、女同士の見栄や嫉妬など人の醜い部分がストーリーの根底に流れていて、作品に深みを与えています。また九州の色々な地名が出てくるのでそちらでも楽しめました。

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Posted by ブクログ 2019年01月16日

先に映画を見てから、原作も~と思って読んだもの。

やっぱり、映画で描かれなかった部分がたくさんあるんですね。

しっかり引き込まれて、あっと言う間に読んでしまった。

しかし、岡田くん演じる金持ちの大学生(名前忘れた・・・)の悪さはすばらしかったー。あと、満島ひかりさん演じる被害者(これまた名前忘...続きを読むれた・・・)の安っぽさ!!その後別の芝居を見てびっくり。本当に安っぽいおんななのかと。

舞台が地元なだけに、主人公・祐一の育った環境だとか、光代の閉塞感だとかは、とてもリアルで、ちょっと冷静に見れないくらいだった。

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Posted by ブクログ 2019年08月20日

まるでドキュメンタリーを読んでいるかのような切迫感があった。説明も決して口説くなく、淡々と人間を描いている。一人称視点を複数描き分け、そこでの情報差をうまく物語の推進力に変えていると感じた。主観って怖いな、と同時におもしろいな、と思う。事件が突拍子もないかといったら、そんなこともなく、あくまで一つの...続きを読むありそうな事件の域を出ず、だからこそリアルな感じがする。終わり方が、題名の悪人という深みをグッと増すような終わり方で、これが決定的にドキュメンタリーとは違うと感じた。主観とフィクションであることを裏側に隠しながらも、それらをテーマに描き切った作品です。おもしろい!

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Posted by ブクログ 2018年10月09日

WOWOWで映画版を見たので、再読。吉田修一は、ほぼ全て読んでいるが、これは内容が重いだけに、なんとも言えない読後感。深津絵里好きというバイアスが掛かっているが映画版も悪くなかった。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2017年10月24日

「悪人」
何を持って悪人とするのか。
何が「悪」なのか。

祐一は結局何がしたかったのかなあ。
佳乃にも増尾にも腹が立って仕方ない。
光代は吊り橋効果すぎてそこまで感情に入り込めない。
ただただ房枝が気の毒で、祐一の感情表現がへたくそで、
ただただ哀しくて、ぽっかり穴が開いた感じ。
祐一のどっちも被...続きを読む害者にはなれないっていうのは確かにとも思ったけど、今思うと本当にそうか?と思う。
自分の言葉を信じてくれる人が現れたと思ったなら、光代に対してのあの行動はやっぱり違うと思う。
もし、光代を守りたくてした行為ならそれは違う気がした。
うーん、わからない。笑

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Posted by ブクログ 2017年05月08日

「悪人」って、決め付けられる人なんていないんだよなぁ。
人によって、立場によって、「悪人」はくるくる変わる。

自分の持っている情報だけで物事を判断するのってすごく危険だなと思った。

ただ・・・金髪で着古したピンクのトレーナーのイケメンって・・・想像できない。

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Posted by ブクログ 2017年01月07日

普通のミステリーかな、でも犯人分かってるし・・・という導入部で、何となく読んでいましたが、最後の最後になってタイトルの深い意味を理解しました。
してしまった事が罪であることは間違いないのですが、犯人が悪人であるかどうか?という点で、人間とは何だろう?と考えさせられますね。

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Posted by ブクログ 2016年04月14日

軽く読むつもりだったのにそうはいきませんでした。全く先入観なしに、映画化されていたことも知らずに読みましたが、素晴らしい内容でした。特に祐一くんには泣かされました。短絡的に結論を出すことはできないのだと、改めて思わされました。あと、大嫌いなマスコミの下劣さも。この世からマスコミとかメディアとかってな...続きを読むくなれば良いと思います。ついでに子金持ちのボンボン二世も。祐一くんに肩入れした結果ですが、タイトルを"悪人"ではなくしてもらえるともう少し救われます。

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