青木美智男のレビュー一覧

  • 全集 日本の歴史 第3巻 律令国家と万葉びと
    飛鳥、奈良時代の400年は、日本という国家が確立し、整えられていく時代。暦や文字、年号が使われ、国による支配体制が確立していったのがこの頃。

    仏教が朝鮮半島から伝わり、東アジアとの外交かが始まったのもこの頃で、現代にも生きているあらゆる制度や仕組み、技術が生まれた。

    遠い過去の歴史を紐解き、原点...続きを読む
  • 全集 日本の歴史 第2巻 日本の原像
    日本の出発点である古代律令国家から王朝国家への転換までを描く。
    文字文化や稲作技術など目覚ましく普及、発展するもの。国家の形が変貌する過程で道路規模のように縮小するもの、戸籍制度のように消滅するもの。今は当たり前で当時は存在しなかったという「家」という概念。それぞれには意味があり、歴史に学ぶことは意...続きを読む
  • 全集 日本の歴史 第2巻 日本の原像
    日本の古代史部分を新視点ということで新たな切り口で眺めてみようという試み。
    イネの伝播については、古代では品種にこだわり最大収量が確保できる工夫があった。
  • 全集 日本の歴史 第7巻 走る悪党、蜂起する土民
    室町時代の人々の暮らしを知るために購入。実際には商業や農村が発達し、民衆も活発な時代なのだが、幕府や天皇などの動きではなく、民衆の歴史を中心に俯瞰して読める室町期の歴史書は当時ほかにあまり見当たらなかった。福山駅前にある広島県立博物館(草戸千軒ミュージアム)の実物大復元模型等と併せて読むと非常にわか...続きを読む
  • 小林一茶 時代を詠んだ俳諧師
     「一茶は生涯を通して、農民への畏敬、都市に暮らす裏長屋などの下層民への共感、政治や経済への強い関心を変わることなく持ち続けた社会性豊かな稀有な俳諧師であった。その俳諧師が自ら生きた文化文政期という時代をどのように見ていたのか。それを一茶の句を使って描いてみたのが本書である」(p.176)と、著者急...続きを読む
  • 小林一茶 時代を詠んだ俳諧師
    著者は近世史家だという。だから俳句の専門家でない視点での選句となって、かえって新鮮に読めた。米作りに関わらないで言葉で食べていくことを、地元の人だけでなく、一茶自身も「浮いた存在」ととらえていたようだ。その思いが、力なきもの貧しきものへの共感につながったのだろう。
    発行を待たずに亡くなった著者の思い...続きを読む
  • 全集 日本の歴史 第9巻 「鎖国」という外交
    「新視点近世史」ということで、江戸時代全般を“「鎖国」という外交”のテーマで概括する。前半部では、幕府にとっての朝鮮通信使の意味、「4つの口」による東アジア世界との貿易と外交などがわかりやすく書かれているが、後半部になると、絵画史料をもとに大衆にとって異国人のイメージはどのようなものだったのか、どの...続きを読む
  • 全集 日本の歴史 第7巻 走る悪党、蜂起する土民
    鎌倉幕府滅亡、南北朝動乱から応仁の乱終結までを扱う。悪党と一揆という視点を入れていますが、政治史中心で読みやすい。第8巻を先に読んでいたのですが、ようやく時代のつながりが見えてきました。セットで読むべきですね。
  • 全集 日本の歴史 第13巻 文明国をめざして
    幕末維新を庶民の観点で考察しており、学校で学ぶ歴史とは異なった側面を学ぶことができる。新鮮な切り口もあり、一読の価値あり。
    四民平等が部落差別を生んだことなど、庶民レベルに考えると却って江戸時代の方が「幸福度」が高かったのかもしれない。

    以下引用~
    ・このように、外国貿易は地域・業種・階層によって...続きを読む
  • 全集 日本の歴史 第9巻 「鎖国」という外交
    『全集 日本の歴史』シリーズはかなり質が高くて、歴史的な教養を深める上で非常に役に立つ。

    江戸時代は「鎖国」と言われているけれども、実際はちゃんとした外交的な理由もチャンネルもあったし、「鎖国」によって国内産業が進展していって、それが近代日本の礎になった。また、当時の日本人が考える「世界観」につい...続きを読む
  • 全集 日本の歴史 第8巻 戦国の活力
    戦国時代がわかる本。前半部分は勉強不足で読むの大変でした^^;
    説とかは大雑把なので「?」なところもありますが、通して知るには十分です――一点だけ→秀吉は羽柴姓と豊臣姓を分けて与えていたらしいから、無頓着ではなかったと思いますが……。
    でも面白い逸話も多く、戦国時代を調べてる私にとっては、システムの...続きを読む
  • 全集 日本の歴史 第12巻 開国への道
    おそらく、現時点で最も信頼のおける(最近の研究を元にした)歴史シリーズ。『全集 日本の歴史』も12巻になって、いよいよ江戸時代末期の対外関係と開国について書かれる……のだけれど、面白いのは後半の庶民剣士をテーマにした章だった。

    江戸時代は唯一の暴力機構である『士』が『農工商』を支配した時代、という...続きを読む
  • 全集 日本の歴史 第3巻 律令国家と万葉びと
    後発の日本の通史のシリーズだけに、意欲的な巻が続く。

    律令制=官僚制国家の土台となったテクノロジーである文字・暦・歴史から話を始め、東アジアの交流史や民衆史等を横目に見つつ、当時の社会状況を描く。

    「国家」の成立過程とその変容を、いかに政治史上の固有名詞に頼らずに叙述するか。わたしは著者の目論見...続きを読む
  • 全集 日本の歴史 第1巻 列島創世記
    松木先生の書く文書はほんとにおもしろいです。
    大学入学直前に読んで夢をふくらませた一冊。
    しかしいざ発掘・整理作業・卒論等をやっていくと、なんだかこの本のイメージからかけ離れてしまっているのが現状 笑
    もう一度読みたい。
  • 全集 日本の歴史 第12巻 開国への道
    [ 内容 ]
    開国は蝦夷地から始まった。
    迫りくる異国と政治を動かす民衆、新時代を生む幕末。
    歴史が未来を切り拓く。
    本書では、日本の近世を環太平洋史の視点から再解釈する。

    [ 目次 ]
    第1章 環太平洋時代の幕開け
    第2章 漂流民たちの見た世界
    第3章 鎖国泰平国家から国防国家へ
    第4章 世論政...続きを読む
  • 全集 日本の歴史 第13巻 文明国をめざして
    [ 内容 ]
    近世の庶民はいかにして「近代化」されたか。
    民衆が出会った「御一新」の苛酷なる現実。

    [ 目次 ]
    第1章 幕末の激動と民衆
    第2章 「御一新」の現実
    第3章 自立と競争の時代
    第4章 平等と差別の複合
    第5章 近代天皇制への助走
    第6章 「帝国」に向かって
    第7章 国民・民権・民衆...続きを読む
  • 全集 日本の歴史 第16巻 豊かさへの渇望
    小学館創立85周年記念出版のシリーズの最終章。表紙にドラえもんっていうのがたまりません(これ決め手)。1955年から現在までの日本の歴史を政治や経済、人々の暮らしなどの側面で描かれています。1955年といえばまだ生まれる20年前、とはいえ親世代がリアルに生きてきた時代。両親のアルバムに載ってた白黒写...続きを読む
  • 全集 日本の歴史 第16巻 豊かさへの渇望
    [ 内容 ]
    物質的繁栄を求めた私たちが得たものとは。
    高度経済成長からバブルを経て混迷と閉塞の時代へ。

    [ 目次 ]
    はじめに 私たちが選んだ道
    第1章 「戦後社会」をめぐる対抗―一九五五年(豊かさへの離陸;戦後憲法的世界の広がり;沖縄と安保体制)
    第2章 戦後大衆社会の成立―一九六〇年代(都市...続きを読む
  • 全集 日本の歴史 第11巻 徳川社会のゆらぎ
    [ 内容 ]
    襲いかかる災害に幕府の威光は危機にさらされる。
    ほころびはじめた徳川幕府と成熟する民衆の力。
    歴史が未来を切り拓く。

    [ 目次 ]
    はじめに 成熟か、停滞か
    第1章 綱吉・吉宗と「公儀」
    第2章 享保と天明の飢饉
    第3章 田沼時代と国益
    第4章 「いのち」の環境
    第5章 都市と「世間...続きを読む
  • 全集 日本の歴史 第1巻 列島創世記
    [ 内容 ]
    四万年の歩みを一気に描く新しい列島史。

    [ 目次 ]
    第1章 森と草原の狩人―旧石器時代
    第2章 海と森の一万年―縄文時代前半
    第3章 西へ東へ―縄文時代後半
    第4章 崇める人、戦う人―弥生時代前半
    第5章 海を越えた交流―弥生時代後半
    第6章 石と土の造形―古墳時代

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